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分子栄養学とメガビタミン健康法の違いとは? メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法は全くの別モノです!

分子栄養学と言われているものに、「メガビタミン健康法」と「オーソモレキュラー療法」があります。

メガビタミン健康法とは、主に海外サプリメントなどを使ってサプリメントをメガドーズする療法です。対してオーソモレキュラー療法は、血液検査を行って専用のサプリメントで栄養療法を行っていきます。

同じ分子栄養学と称されているのに、やり方も考え方も全く異なる療法が混在しているのは何故なのでしょうか?

今回は、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の違いについて、詳しく解説します。

目次

メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法、一体何が違う?

ナンナン

ねぇねぇ、今「メガビタミン健康法」っていうのを実践しているんだけどさ、本当にこのやり方で合ってるのか不安になる時があるんだよね💧

はる かおる

メガビタミン療法かぁ。あれは分子栄養学だって言ってるけど分子栄養学じゃ無いからね。不安なら、オーソモレキュラー療法の血液検査を受けた方が良いよ。

ナンナン

えっ❗メガビタミンって、分子栄養学じゃ無いの❗❓
本やネットでは、メガビタミン健康法も、分子栄養学だって書かれてたよ❗ しかも、メガビタミン療法なら高い血液検査も高いサプリメントも必要ないって言われているし…

はる かおる

うん、そのあたりがメガビタミン健康法と正しい分子栄養学の大きな違いだね。正しい分子栄養学では、ちゃんと血液検査を受けて、高品質なサプリメントでアプローチしていく物なんだ。

ナンナン

で、でもさ。足りない栄養をサプリで補えば良いだけなんでしょ❓
サプリも安くて良い物がたくさんあるから、そんな検査を受ける必要も高いサプリを使う必要も無いじゃん。正しい分子栄養学って言いつつ、検査代とサプリメント代で儲けるボッタクリ商法なんでしょ❓

はる かおる

まぁ、この2つの違いをしっかり理解していないと、そう思われても仕方ないね。じゃあ、せっかくだからメガビタミン健康法と正しい分子栄養学の違いについて、もっと詳しく解説してあげるよ。

同じ分子栄養学として称されているものに、海外サプリメントで独自に栄養補給を行うメガビタミン健康法と、クリニックなどで提供されているオーソモレキュラー療法があります。また、似たような言葉として「メガビタミン療法」という言葉がありますが、こちらは主に高濃度ビタミンC点滴を指す言葉として使われていることが多いようです。

オーソモレキュラー療法では、血液検査などを行った後に、専用のサプリメントで補給を行うことが基本とされています。メガビタミン健康法やオーソモレキュラー療法は同じ分子栄養学だと言われていますが、一体何がどのように違うのでしょうか?

まず、メガビタミン健康法と、オーソモレキュラー療法の2つでは、そのやり方も考え方も全く異なります。メガビタミン健康法では、主に「症状に対して不足していると思われる栄養素を海外サプリメントなど安いサプリメントを使ってメガドーズ(大量摂取)していきましょう」というのがメガビタミン健康法の考え方です。

例えば、うつ病など精神的な不調は原因の1つとして「鉄欠乏性貧血」が関係している事があります。鉄欠乏性貧血とは、その名の通り鉄分の摂取量が足りない場合や、体内で鉄分が不足してしまっている場合に起こる貧血です。全体の貧血原因の約7割が鉄欠乏性貧血だと言われています。

ただ、鉄欠乏性貧血といっても、単に鉄分が足りないだけで無く、タンパク質が足りていない場合も鉄欠乏性貧血となる事があります。これは、体内で鉄を運搬、貯蔵、利用するためには、タンパク質の利用が欠かせないためです。

そのため、メガビタミン療法ではうつ病に対して基本セットとなる「ATPセット」と呼ばれるサプリメントセットの摂取が推奨されています。ATPセットとは、「プロテイン」「ビタミンB」「ビタミンC」「ビタミンE」「アミノ酸キレート鉄(フェロケル)」の5種類のサプリメントのことです。

これらサプリメントを、例えば次のような量摂取することがメガビタミン健康法の基本的な考え方です。

ATPセットの標準量とメガ量の例

標準量;

  • ホエイプロテイン・・・20g〜30g×2〜3回
  • ビタミンB50:2錠、朝夕。
  • ビタミンC1000:3錠、朝昼夕。
  • ビタミンE400:1~2錠、朝。
  • キレート鉄(フェロケル)36mg*2~3、もしくは27mg*3~4。夜に摂取。

メガ量;

  • ホエイプロテイン・・・20g〜30g×2〜3回
  • ビタミンB50、3~6錠、朝昼夕。
  • ビタミンC1000、9~12錠、朝昼夕(腸耐性用量の2/3程度)。
  • ビタミンE400、3~5錠、朝。
  • キレート鉄(フェロケル)36mg*2~3、もしくは27mg*3~4。夜に摂取。

※プロテインの量はお腹の調子をみて減量する場合がある。
※男性の場合は、鉄の摂取は非推奨

https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12412449253.html より

これらメガビタミン健康法で用いるサプリメントは、主に海外サプリメントを用いることが推奨されています。

通販サイトを通じて海外サプリメントを個人輸入し、ATPセットの摂取量を参考に各個人の判断でメガドーズを行ったり、調節したりしていくことがメガビタミン健康法の流れです。この中のビタミンCに関しては、ドラッグストアなどで安く売られている食品に添加するパウダー状のものでも大丈夫だとしています。

このメガビタミン健康法では、うつ病以外にも発達障害やADHDを対象としているなど様々な症状に対してのメガドーズ方法が案内されており、それぞれの症状に対して摂取するサプリメントの種類や量には違いがあります。

また、メガビタミン健康法の効果には個人差があり、メガビタミン健康法で体調が良くなったという方もいれば、逆に体調が悪くなってしまったという方もいます。

このように、ある特定の症状に対して不足していると思われる栄養素を海外サプリメントなど安いサプリメントを使ってメガドーズするのが、メガビタミン健康法です。

対してオーソモレキュラー療法では、「体内の分子(栄養素)が乱れるのには必ず原因があるとし、専用の血液検査を行って体内の栄養状態や健康状態を客観的に分析してから、治療と併せて専用のサプリメントで根本原因から栄養アプローチを行っていきましょう」というのがオーソモレキュラー療法の基本的な考え方となります。

例えば、先ほどのうつ病に関しては、鉄欠乏性貧血以外にもうつ症状を引き起こす疾病があります。関連があると考えられている疾病については、例えば次のようなものです。

うつ症状との関連があると考えられる疾病の例

  • ピロリ菌感染による消化能力の低下と栄養欠損
  • 更年期障害
  • 低血糖症
  • 甲状腺機能障害
  • PMS、PMDD
  • SIBO(小腸内細菌増殖症)
  • リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)
  • 機能性ディスペプシア
  • 過敏性腸症候群
  • 副腎疲労症候群
  • 脳の炎症

このような疾病は、消化吸収能の低下や自律神経の乱れを引き起こし、結果的に栄養欠損の状態になりやすくなります。栄養欠損の状態では、自律神経の調節に必要な栄養素が不足してしまうことから、うつ症状などが引き起こされてしまうことがあるためです。

オーソモレキュラー療法では、症状の背景にこのような疾病が隠れていないかどうかを血液検査や画像診断などで分析し、必要であれば疾病に対して薬物療法を行うなど西洋医学的な治療も併せて行われます。

また、例えその方が貧血だったとしても、貧血には様々な種類があり、その原因も様々です。例えば、亜鉛が足りなくて貧血になる亜鉛欠乏性貧血や、再生不良性貧血、大球性貧血や小球性貧血、慢性炎症における鉄の利用障害や、溶血性貧血、消化管などからによる出血、婦人科疾患による出血量の増加など、貧血を引き起こす原因は様々なものが関係しています。

そのため、症状だけで鉄欠乏性貧血だと決めつけるのでは無く、血液検査を通して客観的に判断し、それぞれ適切なアプローチを行うことが大切です。加えて、先ほどの「うつ症状と関連のある疾病の例」で挙げた疾病と貧血にも関連があることから、貧血を引き起こすには必ず理由があります。

消化管から出血している場合には、まず消化管からの出血を止めることが第一ですし、婦人科疾患によって出血量が増加していた場合は、婦人科疾患の治療を先に行うことも必要になります。ピロリ菌の感染やリーキーガット症候群などで消化吸収能が低下していた場合は、その対策も必要です。

この原因からきちんと対処しなければ、いくらサプリメントで鉄を補給したとしても、血液や栄養素がザルのように体外へ流れ出てしまってほとんど効果がありません。そのため、オーソモレキュラー療法では単に足りない栄養素をサプリメントで補うだけで無く、栄養欠損を引き起こした原因に対しても適切なアプローチを行います。

そして、それぞれの疾病とその方の個人差を考慮し「分子栄養学実践専用サプリメント」を使って至適量の栄養補給を行っていくのがオーソモレキュラー療法です。

この使用する分子栄養学実践専用サプリメントは、市販されているサプリメントや海外サプリメントと比べて、より高品質なサプリメントであり、体内での崩壊や消化吸収なども考慮された設計・製造になっています。また、有効成分が高濃度で配合されている、有効成分同士が反応しないようコーティングを行うなど、非常に手間とコストがかかる作りになっています。

そのため、分子栄養学実践専用サプリメントでは、市販されているサプリメントや海外サプリメントと比較して値段が高額です。どのくらい高額かというと、例えばドラッグストアで売られているサプリメントが1,000円前後だとすると、分子栄養学実践専用サプリメントではその3倍〜5倍、ものによっては10倍近くします。

また、海外サプリメントも同様で、1つあたり1,000円〜3,000円程度で購入することが出来るのに対し、分子栄養学実践専用サプリメントではその金額の3倍〜5倍程度の差があります。

何故このような高品質で値段が高いサプリメントが必要になるかというと、市販されているサプリメントや海外サプリメントの中には胃や腸で全く溶けないものや、薬品成分が混入しているもの、有効成分が酸化・劣化して効果が無くなっているものなどがあるためです。

このあたりの詳しい事は後述しますが、より詳しい事が知りたい方は下記記事も参考にしてみて下さい。

このように、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法とでは、やり方も考え方も全く異なります。では、なぜ同じ分子栄養学と称しているのに、このようなやり方の違いがあるのでしょうか?

それは、この2つが異なる成り立ちによって広まっていったためです。メガビタミン健康法もオーソモレキュラー療法も、元々は同じ分子栄養学を参考にしていますが、それぞれ成り立ちが異なります。メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の根本的な違いを理解するためには、この両者の成り立ちを知ることが重要です。

ナンナン

なるほど、同じ分子栄養学でも、メガビタミン健康法とオーソモレキュラーでは、全くやり方が違うんだね。💦 この違いもよく知らなかったよ💦

はる かおる

この2つは、全く違う人物によって作られたものだからね。考え方もやり方も、全く異なっているよ。

オーソモレキュラー療法とメガビタミン健康法のそれぞれの成り立ち

オーソモレキュラー療法とメガビタミン健康法それぞれが誕生した理由を知る上で、まずは分子栄養学の歴史を理解することが重要です。

分子整合栄養医学(ぶんしせいごうえいよういがく)とは、食物から摂取した栄養素や食品成分が、体内でどのように働くかを分子レベルで解明する学問のことです。分子整合栄養医学は、20世紀後半に北米で活躍した2名の科学者、ライナス・ポーリング博士(1901-1994 年)とエイブラム・ホッファー博士(1917- 2009 年)により確立されました。

分子整合栄養医学は、20世紀後半に北米で活躍した2名の科学者、ライナスポーリング博士とエイブラムホッファー博士により確立された

現代の医学では病気を予防したり治療を行うことが目的なのに対し、分子整合栄養医学では、私たちの身体がもつ本来の力を最大限に引き出し、オプティマムヘルス(単に病気を予防するだけに限らず、心身ともに最高・最善の健康状態)の実現を目指す事が最大の目的です。

分子整合栄養医学は、生体内の分子を整えて生体機能を向上させる学問。分子整合栄養医学は、分子栄養学やオーソモレキュラー療法とも呼ばれている。

分子整合栄養医学は、人によって分子栄養学(ぶんしえいようがく)やオーソモレキュラー療法、オーソモレキュラーニュートリション、栄養療法などと呼ばれることもありますが、基本的にどれも同じものを指しています。

これら言葉の利用傾向としては、基礎理論である座学に対して分子栄養学や分子整合栄養医学などと呼ぶことが多く、対してクリニック等で提供している分子整合栄養医学を元にしたサービスに対しては、オーソモレキュラー療法や栄養療法と呼ばれる傾向にある印象です。

このサイトでも、わかりやすく解説するために分子整合栄養医学の基礎理論を解説する場面においては「分子栄養学」とし、クリニックで提供されている分子整合栄養医学を元にしたサービスを解説する場面においては「オーソモレキュラー療法」という表現を用いています。

オーソモレキュラー”Orthomolecular”という言葉の意味は、ギリシャ語の「正しい」という意味に由来するortho(正常な)と molecule(分子)を組み合わせた造語です。この言葉は、ノーベル賞受賞者でもあり、分子栄養学の第一人者であるライナス・ポーリング博士が提唱しました。

分子整合栄養の理念

多くの疾患は、体内の分子が本来あるべき正常な状態ではなくなる事と考え、分子を正常化するために不足している栄養素を至適量補給することによって自然治癒力を高め、病態改善が得られる。

ノーベル化学賞受賞 ライナス・ポーリング博士

ポーリング博士は、自身が研究する鎌状赤血球症という病気の背景に、ヘモグロビン分子の異常が潜んでいることを発見し、「分子病」という病気の概念を新たに確立したことで知られています。

鎌状赤血球症とは、赤血球が本来丸いお餅の真ん中をへこませたようなへん平な形をしているのに対し、草を刈る鎌のような三日月に変形してしまう病気です。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を担っていて、本来のへん平な形をしていれば、細い毛細血管内でも柔軟に形を変えて通り抜けることが出来ます。

左が正常な赤血球で、右が鎌状赤血球症。正常な赤血球はお餅の真ん中をへこませたような形をしているのに対し、鎌状赤血球症では三日月型に変形している。

しかし、赤血球が三日月型に変形してしまうと、毛細血管など細い血管が通れなくなって詰まってしまい、壊れやすくなってしまいます。その結果、慢性溶血性貧血、慢性疲労、疼痛、臓器障害など、さまざまな症状につながってしまうのです。

ポーリング博士は、この鎌状赤血球症という病気の背景に、赤血球の中のヘモグロビン分子の異常が潜んでいることを発見しました。ヘモグロビンは、アミノ酸など様々な分子が組み合わさって出来ています。このヘモグロビンに含まれるたった1つのアミノ酸分子の違いが、鎌状赤血球症の原因となるのです。この発見こそが、分子の乱れが人間の病気の原因になることを世界で初めて示した瞬間でした。

それ以降、ポーリング博士は自身の研究を通じて「生体内の分子の乱れが病気の発症に関与しているのではないか」と考えるようになります。そして、前述した「多くの疾患は、体内の分子が本来あるべき正常な状態ではなくなる事と考え、分子を正常化するために不足している栄養素を至適量補給することによって自然治癒力を高め、病態改善が得られる」事を提唱したのです。

これは、私たちの身体の中に正常にあるべき分子(molecule)を至適濃度に保つ(ortho)充分量の栄養素(nutrition)を摂取し、それを適切に消化・吸収・代謝することによって生体機能が向上し、病態改善が得られるという理論です。

ここで言う分子とは、私達が普段摂取しているタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルなどの栄養素のことを指しています。例えば、私達の身体は200種類以上、およそ数十兆個の細胞が集まって出来た細胞の集合体です。これら細胞が集まることで心臓や脳、肺や血管、皮膚や筋肉などの組織が作られ、組織が集まることによって私達の身体が作られています。

私達の身体は、数十兆個の細胞が集まって構成されている。この細胞は、すべて私達が食べた食べ物(栄養素)で出来ている

では、この細胞自体を作ったり、動かしたりするエネルギー源や材料は一体何なのでしょうか?

これこそが、「タンパク質」「脂質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」などの栄養素(分子)であり、生命活動を営むために欠かせない成分のことです。

細胞は、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどを利用して身体を作ったり、動かしたりしている

私達の皮膚や組織などの細胞を一つ一つもっと深く見ていくと、やがてこれ以上小さく見ることが出来ない「分子」という状態になります。

分子はビタミンやミネラル、アミノ酸などの分子(栄養素)のことで、これら分子(栄養素)が集まって構成された物が細胞です。

そして細胞は、糖質や脂質などの分子(栄養素)をエネルギーとして利用することで体温を作り出したり、身体を動かしたりしています。

この細胞は、すべて栄養素で出来ていて、私達の食事を通じて必要な栄養素を得て生命活動を行っている

私達の筋肉や臓器、骨なども、タンパク質やミネラル等で作られている事はご存じですよね。これらタンパク質やミネラル、糖質や脂質などは、胃や腸などの消化管を通じて消化(繋がった分子をバラバラに)した後、血管を通って細胞に必要な分子が送り届けられています。

つまり、私達は食事を通じて細胞に必要な分子(栄養素)を得て、組織の機能を維持し、生命活動を行っているのです。もし、この時に胃や腸などの消化管に問題があったり、食事の内容やバランスが悪くなったりしていると、体内の分子(栄養素)の量やバランスが乱れてしまい、細胞の正常な働きが出来なくなってしまいます。

この乱れた分子(栄養素)を個人個人、必要な量を補給することで、細胞の働きを本来あるべき状態に整え、病態の改善や予防、オプティマムヘルス(心身ともに最高・最善の健康状態)を目指すのが分子栄養学です。

この分子栄養学についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。

メガビタミン健康法は、一冊の本からブームに

そして、メガビタミン健康法は、一冊の本からブームとなります。メガビタミンに関しては複数の方が書籍を出版していますが、その中でも精神科医である藤川徳美先生が書いた本が有名です。

具体的には、2018年11月に発売された「うつ消しごはん」(藤川徳美著)や、2020年11月に発売された「心と体を強くする! メガビタミン健康法 」(藤川徳美著)という本によって、メガビタミン健康法が大きく知れ渡るようになりました。

Amazon.co.jpより

この他にも、「薬に頼らず子どもの多動・学習障害をなくす方法」(藤川徳美著)や「お金をかけないアンチエイジング! 若さを保つ栄養メソッド」(藤川徳美著)など数々の書籍を出版しています。これら分子栄養学について藤川徳美先生は、主にホッファー博士が書いた本など書籍で学んでいるようです。(参考;https://ameblo.jp/kotetsutokumi/entry-12599647084.html)

また、メガビタミンに関しては他の方も本を出版しており、Amazon.co.jpでは小西伸也 著による「超簡単 メガビタミン入門」や「高タンパク食で小学生・中学生を元気に」三石 巌(著)による「三石巌全業績 15 DNAとメガビタミン 」など多数の書籍が販売されています。

Amazon.co.jpより

基本的にメガビタミンというと、前述した「ATPセット」などの情報を元に、主に症状に対して海外サプリメントを使ってメガドーズを行っていくことが主流となっています。

そして、メガビタミン健康法では、高額な血液検査を受ける必要も無し、高額なサプリメントを使用する必要は無しと言われており、サプリメントをメガドーズすることによって、自分で不調が改善出来るとされています。

メガビタミン健康法は、個人でも手軽に安く出来ることから、このような書籍が元となって多くの人に知れ渡るようになりました。インターネットやSNS上では、メガビタミン健康法に関する情報発信を行っている方も多く、更に認知度が広まっています。

では、対するオーソモレキュラー療法の方は、どのような成り立ちがあるのでしょうか? オーソモレキュラー療法では、メガビタミン健康法と違って血液検査を行い、その結果を基に専用のサプリメントで栄養補給を行っていくものになります。

ケンビックス(KYB CLUB)が行っているオーソモレキュラー療法とは

オーソモレキュラー療法を提供しているクリニックや組織は複数ありますが、ここでは主にケンビックス(KYB CLUB)が行っているオーソモレキュラー療法について解説します。

オーソモレキュラー療法は、まず対応したクリニックで血液検査を行い、得られた検査結果を元に分子栄養学に精通した専門の医師が解析します。そして、その人の病態や状態など個人差を考慮した栄養アドバイスが行われ、そのアドバイスを参考に分子栄養学実践専用サプリメントでアプローチを行っていくのが基本です。

そして、ケンビックスが行っているオーソモレキュラー療法は、主に「KYB CLUB」の会員向けに提供されているサービスの1つです。KYB CLUBのKYBとは、「Know Your Body」の略で、自分の健康は自分で守りましょうという意味になります。

KYB CLUBでは、分子栄養学が学べる各種講演会や分子栄養学の基礎理論が学べる「金子塾基礎編」などのサービスが提供されいる他、これら分子栄養学を学びながら実践するためのツールとして提供されているのが、オーソモレキュラー療法の血液検査や分子栄養学実践専用サプリメントです。

これら勉強会やオーソモレキュラー療法、分子栄養学実践専用サプリメントなどのツールを使って、自分の健康は自分で守っていくという考えのもと、それぞれの会員が主体的に健康活動を行っていきます。そして、自分の健康は自分で守るという考えに賛同してくれる同士を集めて、その輪を広げていくというのがKYB CLUBの活動になります。

ケンビックスでは、なぜこのような会員制クラブになっているかというと、オーソモレキュラー療法では、単に言われたとおりのサプリメントを補給していくだけの療法では無いからです。自身の健康を自ら管理するためには、自身の活動量や状態に応じた「至適量」の栄養補給が必要になります。この至適量の栄養補給を行うためには、自らが分子栄養学を学び、理解することが欠かせません。

そのため、KYBCLUBでは分子栄養学を「学ぶ」ことと、自身の身体の状態を「知る」こと、分子栄養学実践専用サプリメントで「補う」ことがセットで提供されているのです。

そして、日本にはこのような分子栄養学が学べる講座や独自にオーソモレキュラー療法を提供している所はケンビックス以外にもありますが、実は、最初に日本で分子栄養学を体系的に学べる講座と、血液検査を元にオーソモレキュラー療法を行う方法を確立したのはケンビックスなのです。

その成り立ちは、KYB CLUBの創設者である故・金子雅俊先生がライナス・ポーリング博士から直接分子栄養学を学んだことから始まります。


分子整合栄養医学は、20世紀後半に北米で活躍した2名の科学者、ライナスポーリング博士とエイブラムホッファー博士により確立された

分子栄養学は、20世紀後半に2名の科学者であるライナス・ポーリング博士とエイブラム・ホッファー博士により確立されたことは先ほどもお話ししましたよね。

分子栄養学の歴史を少しおさらいすると、ポーリング博士は、鎌状赤血球症という病気の背景にヘモグロビン分子の異常が潜んでいることを発見し「生体内の分子の乱れが病気の発症に関与しているのではないか」と考えるようになりました。その後、自身の研究を通じて分子病という新たな病気の概念を確立したことで知られています。

ホッファー博士は、統合失調症の治療にはナイアシン(ビタミンB3)の多量投与が有効であると発表。この発表はポーリング博士に「ビタミンのような生体内に元々存在する物質が不足したり、そのバランスが乱れたりすることで病気の発症に至る」という現在の分子栄養学の基礎となる考えをもたらし、分子栄養学誕生の重要な布石となりました。

金子雅俊先生は、アメリカに渡って直接ポーリング博士から分子栄養学を学んだ。そして、ポーリング博士からの教えで、分子栄養学を学べる「金子塾」を開催し、これがKYBクラブの原点となる。

この分子栄養学に感銘を受け、ポーリング博士やホッファー博士から直接分子栄養学を学んだのが、ケンビックスの会長である故・金子雅俊先生です。金子雅俊先生は、アメリカに渡って直接ポーリング博士から分子栄養学を学びました。

金子雅俊先生は、この分子栄養学を日本でも広めようと決意します。しかし、当時の世間では栄養素の働きについての理解が全くなく、分子栄養学を広める活動は困難を極めました。

その時にポーリング博士から助言を受けたのが「分子栄養学を説くなら家庭の健康を管理している主婦に伝えなさい」という言葉です。故・金子雅俊先生はその教えに従い、主婦を集めて健康自主管理を目的とした分子栄養学の勉強会「金子塾」を開催しました。

この金子塾を起点とする健康自主管理運動は、Know Your Body運動(KYB運動)とよばれ、草の根運動的に全国に展開していきます。これが、KYBクラブの原点です。

1994年、アメリカで健康補助食品健康教育法が制定。この法律によって「栄養アプローチが病気の予防に役立つ」事が認められた。

その後、アメリカでは1994年に健康補助食品健康教育法が制定されます。健康補助食品健康教育法では、「一部の栄養素や栄養補助食品の摂取は、ガンや心臓病、骨粗しょう症などの慢性疾患を予防する可能性がある」という一分が盛り込まれました。

この法律により、「栄養アプローチが病気の予防に役立つ」という事が認められ、栄養補助食品に健康増進や疾病の予防のための積極的な役割が与えられたという点で、分子栄養学の普及と発展の為の大きな一歩となったのです。

故・金子雅俊先生は、生体内で欠乏している栄養素を判断するツールとして、世界で初めて分子栄養学に基づいた血液検査を導入した。

その後、故・金子雅俊先生は、生体内で欠乏している栄養素を判断するためのツールとして、世界で初めて分子栄養学に基づいた血液検査を導入し、分子栄養学的アプローチによるエビデンスの集積を行っていきました。

血液には食事から取り込んだ栄養素や、栄養素を代謝して体内で産生した様々な物質が溶けている。血液検査項目セットを通じて、全身の健康状態、栄養状態を客観的に把握することが可能になった

血液には私達が食べた食べ物などから吸収した栄養素や、それを代謝して産生された酵素などの代謝産物が含まれています。このことから、血液中の成分を調べることによって身体の健康状態や栄養状態を正確に把握することが可能です。

故・金子雅俊先生は、この仕組みを利用して分子栄養学に基づく全血液検査項目セットを考案します。そして、この全血液検査項目セットは、全身の健康・栄養状態を数値として客観的に把握することを可能にしました。ケンビックスで行われているオーソモレキュラー療法の血液検査は、この全血液検査項目セットが元になっています。

KYBクラブのオーソモレキュラー療法では、68項目にも及ぶ血液検査を実施し、栄養状態や生活習慣病の状態などを把握している

例えば、KYBクリニックで行われているオーソモレキュラー療法の血液検査(基本スクリーニング検査)では、血液、唾液、尿を含めた全68項目もの項目を検査することで、全身の状態や栄養状態を把握することが出来るようになっています。

更に、オプション検査として糖尿病や骨粗しょう症、SIBOやリーキーガット症候群、DHEAs、酸化LDL検査など様々なオプションを加えることで、更に詳細に身体の状態や栄養状態を把握することが可能です。

これらの結果は、分子栄養学に精通した専門医が一人一人のデータを解析し、レポートにまとめられます。メディカルレポートでは、血液検査結果についての解説を主に行い、栄養レポートでは個別に最適な栄養アプローチのアドバイスが記されています。

これらを参考に、個人個人それぞれが分子栄養学を学びながら、分子栄養学実践専用サプリメントでオーソモレキュラー療法を実践していくのがKYBCLUBのオーソモレキュラー療法です。

KYBクラブでは、オーソモレキュラー療法の血液検査を受けた方にメディカルレポートと栄養レポートを発行している

もちろん、血液検査項目セットが考案された当初はまだまだ血液検査項目が少なく、このような68項目もの検査項目になったのはKYBCLUBが30周年を超えてからです。

それまでは血液検査項目セットの必要性や有用性の認知度は極めて低く、まさに草の根運動的に地道に広げていく状態でした。しかし、血液検査項目セットによるオーソモレキュラー療法のエビデンスが集積していくにつれ、徐々に分子栄養学の必要性と有用性を一般国民や医師に示していくことになります。

そして、ケンビックスのオーソモレキュラー療法は、世界中の名だたる科学者達の助力を得ながら、次々に栄養改善効果を立証し、日本の分子栄養学の普及と発展に大きく発展しました。

故・金子雅俊先生は、ライナスポーリング博士やエイブラムホッファー博士など、名だたる科学者との交流が深かった

例えば、ヘリコバクター・ピロリ菌を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞したバリー・マーシャル博士からの教えを活かし、ケンビックスではKYB運動開始初期(ピロリ菌の除菌が保険適用になる前)からHp抗体やPG1/2の血液検査とピロリ菌除菌治療を取り入れていました。その結果、多くの方がピロリ菌除菌により栄養状態が上昇し、栄養状態の改善効果を立証しています。

また、今では隠れ鉄欠乏貧血の指標としてなじみの深い「血清フェリチン値」も、カットオフ値を初めて設定したのはケンビックスです。ケンビックスでは、KYB運動を開始した当初から、フェリチン値のみが低値を示す潜在性鉄欠乏性貧血に着目していました。潜在性鉄欠乏性貧血を抱えている方にフェリチン値の改善を積極的に行った結果、多くの方が状態改善を実感しています。

このように、オーソモレキュラー療法の血液検査を世界で初めて導入したのはケンビックスであり、その歴史には確かな実績があります。このような実績とエビデンスの元、ケンビックスではオーソモレキュラー療法が行われているのです。

ちなみに、血液検査というと病気の時に受ける血液検査や、人間ドックなど検診で受ける血液検査を思い浮かべる方も多いと思いますが、これらとオーソモレキュラー療法の血液検査は全く異なるものです。

オーソモレキュラー療法の血液検査と、その他の血液検査との違い。保険適用で行われる検査は主に病気の発見や経過観察を目的としているのに対し、分子栄養学では栄養状態を把握することを目的としている

具体的には、健康保険で行われる血液検査は、病気である場合や病気の疑いがある事が前提に行われる検査になります。こちらは、主に病気に関連する項目のみで、病気を診断したり経過を観察したりする目的で行われています。

もう一つの人間ドックで受ける検査は、病気が隠れていないかを判断するためのものです。こちらは保険で行われている検査と比べて項目数は多いですが、栄養状態を把握するためには使われていません。

対してオーソモレキュラー療法の血液検査では、体内での栄養状態や、体内で栄養がどのように働いてるかを調べるためのものです。血液には、食事から取り込んだ栄養素や、それを代謝して体内で産生した様々な物質が溶けています。この血液中の成分を詳しく調べることにより、身体の栄養状態や健康状態を正確に把握することが出来るのです。

血液には食事から取り込んだ栄養素が溶け込んでいることから、血液を調べることによって栄養状態を正しく把握することが可能

そのため、分子栄養学を実践する際は、定期的に血液検査で身体の状態をモニタリングしながら行われています。この68項目の検査結果は、分子栄養学に基づく独自の分析方法によって行われるのが特徴です。

そして、分子栄養学やオーソモレキュラー療法を実践する際、必ず必要となるのが「分子栄養学実践専用サプリメント」です。主な分子栄養学実践専用サプリメントとしては、例えば、ケンビックスシリーズがあります。

分子整合栄養学実践用に設計、開発されたケンビックスシリーズ

このケンビックスシリーズは、分子栄養学を実践する目的で設計、開発されたサプリメントで、オーソモレキュラー療法を導入しているクリニックでも実際に使われているものです。

オーソモレキュラー療法の検査を受けた後は、必要に応じてこの分子栄養学実践専用サプリメントで栄養補給を行っていくようアドバイスされます。

では、分子栄養学実践専用サプリメントは、市販されているサプリメントや海外サプリメントと何が違うのでしょうか?

分子栄養学実践専用サプリメントでは、その人それぞれの体質に合わせてアプローチが出来るよう、消化吸収能が考慮された設計や製造が行われています。また、原材料には天然由来の生体内物質が使用されていたり、成分同士が反応して効力を失わないよう、反応抑制のためのコーティングが行われていたりなど、非常に高品質なサプリメントとなっています。

他にも、分子栄養学の実践で使われるサプリメントの条件としては、次の通りです。

分子栄養学の実践で使われるサプリメントの条件。サプリメントは手軽に購入出来るものも多いが、その多くはこの条件に当てはまらないものが多い。

分子栄養学の実践で使われるサプリメントの条件

  • 含有原料は、食品由来の生体内物質が使用されているか
  • 有効成分が効力を失わないまま、高濃度に含有されているか
  • 消化吸収を考慮した設計、配合内容になっているか
  • 体内での崩壊が考慮された設計、配合内容になっているか
  • 製品中の栄養成分同士が反応しないよう、反応抑制のためのコーティングはされているか
  • 栄養素は単体で摂取しても効果が無いため、複合体での設計、配合になっているか
  • 細菌・薬物など汚染物質のチェックは厳重に行われているか?
  • 製品管理システムはとられているか

このように、分子栄養学の実践で用いるサプリメントには、様々な条件を満たした高品質なサプリメントが用いられています。

これらの条件に当てはまるようにサプリメントを設計・製造するためには、生命科学や分子栄養学に精通する専門家の協力が欠かせません。そのため、例えばケンビックスでは医学や生化学、分子栄養学に精通した専門家のチームが分子栄養学実践専用サプリメントの研究・開発を行っています。

では、なぜこのような高品質なサプリメントが必要になるのかというと、市販されているサプリメントの中には胃や腸で溶けないものや、表示成分に記載されていない薬品成分などが混入しているなど、粗悪なサプリメントが多く存在しているためです。

例えば、独立行政法人国民生活センターでは、『錠剤・カプセル状の健康食品は、外見上医薬品と誤認されることが多いものの、医薬品並みの品質管理がなされているものではないとされています。また、成分が一定量に調整されていない商品や、消化管の中で確実に溶けて、吸収されるように作られていないと思われる商品があるともいわれています。』と解説しています。

そして、独立行政法人国民生活センターが市販されている商品を実際に購入して崩壊性を調べた結果、なんと100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったという結果になりました。

市販されている商品に関するテスト

 市販されている商品をテスト対象として、崩壊せず体内で吸収されない可能性があるか、表示されている機能性成分(注6)が表示どおり入っているか、微生物や重金属に汚染されていないか等、品質について調べました。

  • 消費者へのアンケート調査の回答結果を参考に、多くの消費者が摂取すると考えられた機能性成分を10カテゴリー(「マルチビタミン」、「GABA」、「黒酢、香醋(こうず)」、「コエンザイムQ10」、「酵素」、「HMB」、「ルテイン」、「乳酸菌類」、「グルコサミン」、「DHA、EPA」)選定し、神奈川県内、東京都内及び徳島県内のドラッグストアの店頭やインターネット通信販売の大手ショッピングモール(Amazon.co.jp、楽天市場、Yahoo!ショッピング)、検索サイトGoogleにて市場調査を行い、各カテゴリーにつき10銘柄ずつ、合計100銘柄を選定しテスト対象としました。100銘柄中には、栄養機能食品が21銘柄、機能性表示食品が11銘柄含まれています。
  • 崩壊性を調べた結果、100銘柄中42銘柄が、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しませんでした。

利用途中の健康食品に関するテスト

 消費者の利用状況等が錠剤・カプセル状の健康食品の品質に影響を及ぼすかを調べるために、徳島県内で利用途中の健康食品を収集し、同時に、対面でその健康食品の利用実態に関するアンケート調査及び聞き取り調査を実施しました。容器を移し替えておらず、かみ砕いて摂取する錠剤ではない合計105商品をテスト対象としました。

  • ハードカプセルの内容物が硬化しているものがみられました。
  • 医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったものが半数あり、未開封品よりやや高い割合でした。
  • 収集した利用途中の健康食品の多くでは、未開封品と比べると機能性成分の量がわずかに少ない傾向がみられました。
https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20190801_1.html

また、既に利用中の健康食品の崩壊性を調べた結果もあり、テスト対象とした合計105商品のうち、医薬品に定められた規定時間内に崩壊しなかったものが半数あったとの結果にもなっています。

このことから、市販されているサプリメントのおよそ半数は、医薬品に定められた規定時間内にきちんと崩壊していないという事実があります。当たり前ですが、どんなに良い原材料を使った高濃度の有効成分が含まれているサプリメントでも、それが胃や腸できちんと崩壊しなければ全く意味がありません。

なぜこのような結果になってしまうのかというと、サプリメントは「食品」という位置づけである事から、医薬品ほど厳密な設計や製造、テストが行われていないためです。医薬品は有効性を保証するために体内での崩壊性を考慮した設計や製造、厳しいテストを行いますが、市販されているサプリメントの多くはこのような考慮や設計は殆ど行われていません。

大抵の場合は、コストを抑えるために単に原材料を錠剤の形に固めただけで販売されています。この時に固めすぎてしまうことで、体内できちんと崩壊しないといった結果になってしまうのです。

また、海外サプリメントなどサプリメントの中には、薬品成分が混入していることがあります。サプリメントは「食品」という位置づけである事から、医薬品ほど厳密な製造体制やチェック体制が求められていません。

このため、信じられないかも知れませんが、実際にサプリメントによる医薬品成分の検出が相次いで発生しているのです。このようなサプリを摂取した結果、肝機能障害が引き起こされたなど健康被害を伴う事件も発生しており、厚生労働省や日本アンチドーピング機構などが注意を呼びかけています。

サプリメントには法律で禁止されている成分が混入している場合がある。日本よりも質が良いと言われる米国製サプリメントであっても注意が必要
https://www.jtu.or.jp/news/2017/10/18/13162/より
https://www.pref.aichi.jp/eiseiken/3f/ken_shoku5.htmlより

例えば、2017年には「ANAVITE」という海外製サプリメントに、ドーピングで禁止薬物であるタンパク質同化ステロイドが検出された当事件が発生しています。

この他にも、愛知県衛生研究所が平成18年4月1日から平成19年3月31日までの一年間で、国内で販売された健康食品の成分を調べた結果、66のサプリメントから医薬品成分が検出されたとの結果が出ました。

この情報からも分かるように、国内外問わずサプリメントに薬品成分が混入している事例が相次いでいます。基本的にサプリメントには成分をすべて表示する義務がないため、パッケージの栄養成分表示を見ても薬品成分が混入しているかどうかは分かりません。

サプリメントは薬のような見た目をしているので「どれも一緒だ」と思われる方が多いのですが、サプリメントの善し悪しは見た目や味、値段やパッケージの表示成分を見ただけでは判断することが出来ないのです。

このため、市販されているサプリメントや海外サプリメントと分子栄養学実践専用サプリメントでは、その品質に雲泥の差があります。それぞれを比較してみると、次のような感じです。

一般的なサプリメントと分子栄養学実践専用サプリメントの違い

スクロールできます
一般的なサプリメント分子栄養学実践専用
サプリメント
食品由来の安全な原材料を使用
合成した原材料が使われている場合がある

使用している
規格化された高品質な原材料を使用
使用されていないものが多い

使用している
消化吸収能が考慮された配合
されていない

されている
体内での崩壊を考慮
考慮されていない

考慮されている
複合体での設計、配合
なっていない

なっている
反応抑制のためのコーティングの有無
なし

ある
医薬品レベルの厳しいチェック体制
行われていない

行われている
鮮度を保つための小ロット生産
されていない

されている

栄養摂取の目的
欠乏症、病気の予防病態の改善・予防
オプティマムヘルスの推進

このように比べてみると、市販されているサプリメントや海外サプリメントと分子栄養学実践専用サプリメントでは、品質や目的が全く違うことが分かりますよね。

分子栄養学実践専用サプリメントは値段が高いとよく言われることがありますが、高いものは高いなりに理由があります。この違いを理解し、オーソモレキュラー療法を実践する際は必ず分子栄養学実践専用サプリメントで行うことが大切です。

この他、分子栄養学実践専用サプリメントと海外サプリメントなど一般的なサプリメントの具体的な違いについてもっと知りたい方は、次の記事を参考にして下さい。

ナンナン

げげっ❗サプリメントって安い方が良いと思ってたけど、ちゃんと溶けなかったり、変な薬が混ざってることもあるのか❗

はる かおる

そうだよ。中にはちゃんとまともに作られているものもあるけど、残念ながら質の悪いサプリメントが多く存在してるのが現状なんだ。
オーソモレキュラー療法では、血液検査で身体の状態を調べて、質の高い分子栄養学実践専用サプリメントで栄養補給を行っていくのが特徴だね。

オーソモレキュラー療法とメガビタミン健康法によるアプローチの具体的な違い

ここまで、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の成り立ちについて解説してきました。ここからは、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法が具体的にどのような違いがあるのかについて解説していきましょう。

メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法とでは、主に個体差における消化吸収能の考慮や病態の考慮、アプローチ方法の考慮を行うか否かが大きく異なります。この2つの違いをもう少し具体的に表すと、次の表の通りです。

オーソモレキュラー療法とメガビタミン健康法によるアプローチの具体的な違い

スクロールできます
メガビタミン健康法オーソモレキュラー療法
血液検査による状態把握
行わない

行う
個体差に合わせたアプローチ
考慮しない

考慮する
消化吸収能の考慮
考慮しない

考慮する
使用するサプリメントの質を考慮
考慮しない

考慮する
サプリメントの摂取量
全員一律メガドーズ

個人差に合わせた至適量の補給
病態の考慮や薬との飲み合わせ
考慮なし

考慮あり
定期的な血液検査による経過観察
行われていない

行われている
栄養摂取後のサポート
特に無し

サポートあり

栄養摂取の進め方
本やネット情報を頼りに
すべて自己責任で行う
医師や専門家による解析
アドバイスやサポートを元に行う

メガビタミン健康法では、病態や活動量、消化吸収能力など個体差に応じた栄養摂取量やアプローチ方法は考慮されていないのに対し、オーソモレキュラー療法ではいずれも個体差を考慮し、個人個人に合わせた栄養アプローチを行います。

具体的にどのような違いがあるのかを、1つずつ解説していきましょう。

違いその① 血液検査による状態把握を行うか

まず、血液検査などによる状態把握を行うかどうかについてです。

メガビタミン健康法では、基本的にオーソモレキュラー療法で行っている血液検査などは行っていません。人によっては健康保険適用の血液検査結果や人間ドックの検査結果を独自に分析して行っている方や、フェリチンの検査キットを取り寄せて独自で検査を行う方もいるようですが、その殆どが独学による独自の分析手法です。

そして、メガビタミン健康法では主に海外サプリメントなど市販されているサプリメントを使い、ATPセットに代表されるようなサプリメントセットを使って栄養アプローチを行っていきます。

そのため、例えば「うつ病」というアプローチに対しては、全員一律ATPセットからスタートしてアプローチ行っていく事が一般的です。この時、本当に鉄欠乏性貧血なのかどうか、貧血になった原因は何が関係しているのか、他にうつ病となった原因は無いかなど、客観的に判断するための血液検査などは行いません。

対してオーソモレキュラー療法では、68項目に及ぶ専用の血液検査を用いて、その人の病態や栄養状態などを客観的に分析、把握する手法を行っています。

KYBクラブのオーソモレキュラー療法では、68項目にも及ぶ血液検査を実施し、栄養状態や生活習慣病の状態などを把握している

この記事の最初にも少し触れましたが、例えその方が貧血だったとしても、貧血には様々な種類があり、その原因も様々です。例えば、亜鉛が足りなくて貧血になる亜鉛欠乏性貧血や、再生不良性貧血、大球性貧血や小球性貧血、慢性炎症における鉄の利用障害や、溶血性貧血、消化管などからによる出血、婦人科疾患による出血量の増加など、貧血を引き起こす原因は様々なものが関係しています。

貧血の種類と原因

  • 鉄欠乏性貧血
    鉄の摂取量が少ない場合に起こる貧血。消化吸収能の低下でも引き起こされることがある。
  • 悪性貧血
    葉酸やB12が不足した事による貧血。アルコール多飲や胃腸機能の低下、食事の偏りなどが原因となる。
  • 溶血性貧血
    赤血球がもろくなって壊れてしまう貧血。亜鉛不足や酸化ストレス、スポーツなど様々な原因がある
  • 再生不良性貧血
    骨髄の造血機能が低下してしまう事で起こる貧血
  • 腎性貧血
    腎臓病など腎機能が低下したことにより、赤血球を作る働きが低下してしまう貧血
  • 慢性炎症・炎症性疾患による貧血
    関節リウマチや膠原病など、慢性炎症によって体内の鉄代謝が低下してしまう貧血
  • 悪性腫瘍による貧血
    ガンや腫瘍など悪性腫瘍によって出血したりがん細胞骨髄へ入り込むことによって造血が出来なくなってしまう貧血。胃がんでは胃の切除によって悪性貧血を伴うこともある。
  • 肝硬変・肝障害による貧血
    アルコール多飲やガンなどによって肝機能が低下し、タンパク質代謝や鉄代謝が低下して起こる貧血。赤血球の形が変形したり、壊れやすくなったりもする。
  • 消化管・婦人科疾患など出血を伴う貧血
    大腸ガンや胃潰瘍など消化管からの出血や、子宮筋腫など婦人科疾患による出血によって進行してしまう貧血。

そのため、症状だけで鉄欠乏性貧血だと決めつけるのでは無く、血液検査を通して客観的に判断し、それぞれ適切なアプローチを行うことが大切です。

ケンビックスのオーソモレキュラー療法では、68項目の基本スクリーニング検査に加え、腎臓や肝臓などの状態を更に詳しく検査できるオプション検査も用意されています。加えて、血液検査で何か疑わしい症状がある場合は、画像診断など確定診断が出来る検査も行い、より客観的で正確な状態把握も行っています。

このような貧血の原因やうつ病の原因など、血液検査などを通して客観的に状態把握を行っているか否かが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いです。

ナンナン

血液検査って、単にどの栄養素が足りないかを見てるだけかと思ったけど、ちゃんと身体の状態や原因を把握するために行われているのか❗

はる かおる

そうそう。メガビタミン健康法ではフェリチンのみ検査したりしているけど、これだけでは貧血になった根本原因までは分からないよ。オーソモレキュラー療法では、血液検査を行ってきちんと状態を把握することが特徴だね。

違いその② 個体差に合わせたアプローチの考慮

続いて、個体差にあわせたアプローチを考慮するかどうかです。先ほどの血液検査による状態把握と似た話になりますが、メガビタミン健康法では個体差に合わせたアプローチを考慮しないのに対し、オーソモレキュラー療法では個体差に合わせたアプローチの考慮を行います。

メガビタミン健康法の場合、例えば「うつ病」というアプローチに対しては、全員一律ATPセットからスタートしてアプローチ行っていく事が一般的です。これは、タンパク質不足や鉄不足など質的栄養失調によってうつ症状が引き起こされてしまう事があるためです。

しかし、うつ病の原因は様々あり、すべてがタンパク質不足や鉄不足であるとは限りません。また、タンパク質不足や鉄不足であっても、単に摂取量が足りないだけなのか、それとも消化吸収能に何かしら問題がある場合など、原因は様々あります。

例えば、先ほどのうつ病に関しては、鉄欠乏性貧血以外にもうつ症状を引き起こす疾病があります。関連があると考えられる疾病については、例えば次のようなものです。

うつ症状と関連が考えられる疾病の例

  • ピロリ菌感染による消化能力の低下と栄養欠損
  • 更年期障害
  • 低血糖症
  • 甲状腺機能障害
  • PMS、PMDD
  • SIBO(小腸内細菌増殖症)
  • リーキーガット症候群(腸漏れ症候群)
  • 機能性ディスペプシア
  • 過敏性腸症候群
  • 副腎疲労症候群

このような疾病は、消化吸収能の低下や自律神経の乱れを引き起こし、結果的に栄養欠損の状態になりやすくなります。栄養欠損の状態では、自律神経の調節に必要な栄養素が不足してしまうことから、うつ症状などが引き起こされてしまうことがあるためです。

オーソモレキュラー療法では、症状の背景にこのような疾病が隠れていないかどうかを血液検査や画像診断などで分析し、必要であれば疾病に対して薬物療法を行うなど西洋医学的な治療も併せて行われます。

また、消化吸収能の低下や疾病を考慮した栄養アドバイスや、薬物による副作用を軽減するために必要な栄養アプローチなど、個体差や状況に応じたアプローチを考慮して行われています。

このように、不調の原因となった疾病が隠れていないかや、栄養欠損となった原因を、血液検査などで客観的に状態把握を行っているか否かが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いです。

ナンナン

うつ病の原因も、他の病気が色々関係しているんだね。てっきり鉄とタンパク質不足さえ正せば治るのかと思ってたよ💧

はる かおる

病気や人体は、そんな単純じゃ無いね。1つの病気でも、その人それぞれ状態や原因が違うよ。この原因をしっかり調べて、その人に応じたアプローチを行っていく事が大切なんだ。

違いその③ 消化吸収能の考慮

次に、消化吸収能の考慮を行うかどうかについてです。メガビタミン健康法では、タンパク質の消化能力や炭水化物、脂質など、その方の消化吸収能力を考慮しないのに対し、オーソモレキュラー療法では個々に応じた消化吸収能を考慮します。

例えば、いくら栄養満点の食事を食べたり、サプリメントを摂ったとしても、それがきちんと消化、吸収されなければ全く意味がありません。食べ物に含まれる栄養素は、しっかり消化・吸収されて初めて栄養となります。

食べ物はしっかりと消化吸収されて初めて栄養となる。メガビタミン健康法では考慮しないが、分子栄養学では消化吸収能力も考慮する。

メガビタミン健康法では、この消化吸収を考慮していないため、全員一律ATPセットからスタートします。そして、何か問題が発生した場合は摂取量を減らす、またはプロテインからアミノ酸に切り替えるなどの手法が案内されています。しかし、メガビタミン健康法ではそもそも消化管の状態に応じた消化吸収能までは考慮していません。

対して、オーソモレキュラー療法ではその人の消化酵素の分泌量や、ピロリ菌感染の有無、腸内環境の状態などを必要に応じて検査し、問題がある場合はケアをするなど個人個人に合わせた栄養アプローチを行っています。

例えば、食べ物をしっかり消化・吸収するためには「消化酵素」と呼ばれる酵素が十分に分泌されている必要があります。主な消化酵素としては、胃酸の分泌量を示す「ペプシノゲン」や脂質を消化吸収するために必要な「リパーゼ」、炭水化物を消化吸収するために必要な「アミラーゼ」などです。

体内で作られる消化酵素の例。主に唾液に含まれるアミラーゼや、胃酸に含まれるペプシン、すい臓から分泌されるリパーゼなどがある

食べた食べ物は、これら消化酵素がしっかり分泌され、きちんと消化・吸収されて初めて栄養となります。

しかし、このような消化酵素の分泌量には個人差や病態などが関係しているため、同じ食べ物を食べたとしても食べ物に含まれる栄養素の消化吸収量には個人差があります。同じ肉を100g食べたとしても、きちんと消化吸収出来る人も居れば、ほんの少ししか消化吸収出来ない人もいるのです。

このような差が出る原因としては、ピロリ菌の感染による慢性胃炎や、胆汁の材料となるコレステロール値の低下、慢性膵炎などによるアミラーゼやリパーゼの分泌量低下などが挙げられ、その人の状態によって食べ物の消化吸収能力は大きく異なります。また、加齢や遺伝的な要因でも消化吸収能力は変わってきます。

オーソモレキュラー療法ではこのような消化吸収能を考慮し、必要な対策と栄養アプローチを行うために実施しているのが、血液検査によるスクリーニング検査です。

KYBクラブでは、消化吸収能力を調べるために初回検査時にピロリ菌感染の有無とペプシノゲンの分泌量を測定するPG1・PG2の検査をオススメしている。

例えば、初回の検査時には、基本検査と併せてピロリ菌の感染有無とペプシノゲンの分泌量を測定する「Hp抗体、PGⅠ/PGⅡ」検査をオススメしています。

この理由としては、ピロリ菌に感染していると胃腸機能の低下や胃がんなどの胃病変リスクが増加するためです。ピロリ菌に感染していると、慢性萎縮性胃炎を引き起こす原因となり、胃酸の分泌量が低下してタンパク質など食べ物を消化する能力が低下する恐れがあります。

また、胃酸に含まれるペプシノゲンはタンパク質の消化に関係している事から、ペプシノゲンが十分に分泌されているかどうかのチェックも重要です。もし、ペプシノゲンの分泌量に問題がある場合は、消化酵素の摂取など消化サポートをオススメする、プロテインの代わりに消化の必要が無いアミノ酸の摂取をオススメする、消化管の粘膜ケアに必要な栄養素をアドバイスするなどの対応も必要に応じて行われています。

他にも、小腸や大腸の状態、腸内細菌叢のバランスなども消化吸収能力に影響を与える事から、これらの考慮も行っています。

分子栄養学では、胃の不調以外にも、SIBOやリーキーガット症候群など腸の異常も必要に応じて検査、考慮する

例えば、本来あまり腸内細菌が生息していないはずの小腸に腸内最近が大量に増殖してしまう小腸内細菌増殖症(SIBO)や、小腸粘膜の細胞同士に隙間が出来てしまい、そこから異物が漏れて血管内に侵入してしまうリーキーガット症候群、下痢と便秘を繰り返してしまう過敏性腸症候群や機能性ディスペプシアの有無などです。

これら腸内環境の異常は、便秘や下痢を繰り返す、お腹が張る、アレルギーが引き起こされるなど様々な不調を引き起こす原因になり、食べ物の消化吸収能力も低下する原因です。

オーソモレキュラー療法では、必要に応じてこれら検査も行い、必要に応じて対策や栄養アプローチを行います。このような、個人個人の状態や消化吸収能に合わせた栄養アプローチを行うか否かが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いです。

ナンナン

も、もしかしてプロテインを飲んで下痢になるのは消化能力が弱いからかな💦

はる かおる

プロテインを飲んで下痢になるのは、消化能力に問題がある可能性が高いね。同じプロテインでも人によって栄養吸収の状態が違うから、自分に合ったプロテインや量を決める必要があるよ。これらもきちんと検査してその人に合った栄養アプローチを行っていくのが分子栄養学だね。

違いその④ 使用するサプリメントの質を考慮

続いて、使用するサプリメントの質を考慮するかどうかです。メガビタミン健康法では、基本的に海外サプリメントや市販されているサプリメントを使ってメガドーズを行います。この時、サプリメントの質に関する考慮はほぼ行われていません。

繰り返しになりますが、市販されているサプリメントの中には、胃や腸で全く溶けないものや、有効成分が既に酸化、劣化してしまっているものもあります。いくら安くて良さそうに見えるサプリメントでも、体内できちんと崩壊して吸収されなければ意味がありません。

市販されているサプリメントの中には胃や腸で溶けずにそのまま便に排泄される物もある

また、海外サプリメントなど市販されているサプリメントの一部には日本で承認されていない医薬品成分が混入しているなどの事件も相次ぎ、厚生労働省も注意を呼びかけています。

サプリメントには法律で禁止されている成分が混入している場合がある。日本よりも質が良いと言われる米国製サプリメントであっても注意が必要

このように市販されているサプリメントや海外サプリメントでは、医薬品ほど厳しい品質管理や崩壊検査などが行われていないことから、安全性に疑問や問題点が多くあるのです。

そのため、オーソモレキュラー療法ではサプリメントの質を考慮し、高品質で安心安全な「分子栄養学実践専用サプリメント」を用いて分子栄養学の実践を行っています。

例えば、分子栄養学実践専用サプリメントであるケンビックスシリーズでは、食品由来の安心・安全な原材料を使用し、有効成分が高濃度に配合された規格化された原材料を使用しています。

また、体内できちんと崩壊するかどうかや、有効成分が反応して酸化・劣化しないようコーティングを行うなど、1つの製品に何十段階もの工程を設けて製造し、品質と安定性に最大限の配慮が行われています。

このように、使用するサプリメントの品質を考慮するか否かが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いです。

ナンナン

もしかして、メガビタミン健康法であまり調子が良くないのは、サプリメントがちゃんと溶けてないからかな…❓

はる かおる

市販されているサプリメントを使っているなら、その可能性も高いね。サプリメントも体内できちんと消化吸収・利用されて初めて意味があるから、質の悪いサプリメントを飲んでいる場合は全く改善が見られないこともあるよ。

違いその⑤ 個人差に応じたサプリメントの摂取量

続いて、個人差に応じた摂取量の考慮についてです。メガビタミン健康法では個人差に応じた摂取量を考慮しませんが、オーソモレキュラー療法では個人差に応じた摂取量を考慮します。これは先ほど解説した消化吸収能力の考慮や、病態、薬の考慮と同じように感じるかも知れませんが、全く異なるものです。

例えば、同じ病気を抱える方が、仮に同じ消化吸収能力だったとしても、その人の年齢や性別、酵素活性や生活習慣、目指している目的などによっても必要な栄養素の量は変わってきます。

栄養素の必要量や不足している原因には個体差がある。必要な栄養素や必要量は千差万別

身体を動かすことが多い人も居れば、身体をあまり動かさない人も居ます。ストレスが多い人も居れば、ストレスなく過ごしている人も居ます。当然、身体を動かす量が多い人や、ストレスが多い人ほど、より多くの栄養素の摂取が必要です。

また、摂取した栄養素(ビタミンなどの補酵素)は体内で酵素と結びついて初めて働けるようになります。この酵素と栄養素(ビタミンなどの補酵素)が結合するために必要な結合力や、結合出来る量(親和性)は、人によって異なっています。

栄養素は体内の酵素と結びついて初めて働けるようになる。この酵素と栄養素の親和性には個体差があることから、自身に必要な至適量を考慮することが大切

そのため、補酵素と酵素の親和性の個体差からビタミンの必要量にも大きな個体差が生じます。その差は、最大1:20にも及ぶとされ、ちょっと栄養補給すれば足りる人も居れば、摂っても摂っても全く足りない人も居るのです。

このような、個人差にあわせた最適な栄養素の量を摂取することを「至適量」と言います。メガビタミン健康法ではこのような個人差に応じた栄養素の摂取は考慮せず、メガドーズを行う事が基本です。対してオーソモレキュラー療法では至適量の栄養摂取量をアドバイスしています。

また、人によっては「もっと筋肉を付けたい」「もっと肌が綺麗になりたい」などの要望があったり、目標を掲げていたりする方もいます。このような個人的な要望や目標なども考慮し、最適な栄養摂取量をアドバイスすることもオーソモレキュラー療法の特徴です。

この個人差や至適量などを考慮するかどうかが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いになります。

ナンナン

えっと…、サプリメントってとりあえずテキトーにメガドーズしておけば良いと思ってたけど、違うってこと❓❓

はる かおる

うん、メガドーズの量が合う人もいれば合わない人もいるんだ。それに、補酵素と酵素の親和性には個体差があるから、これも考慮してきちんと自分に合った量を摂取する必要があるよ。このあたりをきちんと考慮するのが、オーソモレキュラー療法だね

違いその⑥ 病態の考慮や薬との飲み合わせ

続いて、病態の考慮や薬との飲み合わせを考慮するかどうかについてです。メガビタミン健康法では、医師による食事療法や食事指導と違って、薬や栄養素との飲み合わせは考慮していません。対してオーソモレキュラー療法では、医師による血液検査結果の解析時に、その方が飲んでいる薬も考慮し、栄養素との相性なども考慮して栄養アドバイスが行われています。(ケンビックスの場合)

例えば、関節リウマチの治療薬の1つに「メトトレキサート」というお薬があります。このお薬は、ビタミンB群の一種である「葉酸」の働きを阻害することで、関節などで活発になっている免疫細胞の増殖をコントロール出来るお薬です。

葉酸は細胞が分裂、増殖するときに重要な物質で、これを抑えることによって免疫細胞の増殖をコントロール出来ます。仮にメトトレキサートを服用している状態で葉酸を取り過ぎてしまうと、メトトレキサートの効き目を妨げる恐れが出てきます。このため、メトトレキサートが処方される場合は、サプリメントなどから葉酸を大量に摂取することは控えるよう指導されることが一般的です。

サプリメントの中には、このような薬の効き目を妨げてしまう成分が高濃度に含有していることから、飲み合わせに注意が必要なものがあります。このことから、服薬されている方や病態を抱えている方が、何の知識も無く安易にメガビタミン健康法を行う事は危険です。

ケンビックスのオーソモレキュラー療法では、医師による血液検査結果の解析時に、その方が飲んでいる薬も考慮し、栄養素との相性なども考慮して栄養アドバイスが行われています。このように、病態の考慮や薬との飲み合わせがきちんと行われているかどうかが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の違いです。

ナンナン

そ、そういえばメガドーズするときは薬や病態の考慮って行われてないね💧

はる かおる

まぁ、メガビタミン健康法は本やネット情報を参考に独自でやるものだからね。中にはサプリメントと飲み合わせが悪い薬もあるから、このあたり注意しないと危険だよ。

違いその⑦ 栄養摂取後のサポート

次に、栄養摂取後のサポートがあるかどうかについてです。メガビタミン健康法の場合、基本的には本やネットにある情報を参考に、すべて自分自身の判断で行っていきます。この時、サプリメントを飲んで逆に体調が悪くなったり、うまくいかなかったりした場合は、誰にも相談することは出来ません。すべて自分自身の責任のもと、行っていく必要があります。

対して、例えばケンビックスのオーソモレキュラー療法の場合は、ディレクターサポートというサポートが付いています。ディレクターとは、分子栄養学や身体における栄養素の働きについて深く理解し、一人一人に合わせた分子栄養学的アドバイスを行える知識をもった方の事です。

ケンビックスが行っているKYBクラブでは、分子栄養学やオーソモレキュラー療法を実践する方に対し、ディレクターがその方のサポートを行っています。主なものとしては、血液検査の予約や日々の体調に関する相談、レポートを元にした栄養アドバイス、ケンビックスサプリメントの手配など、そのサポート範囲は多岐にわたります。

また、分子栄養学実践専用サプリメントで分子栄養学を実践する際は、人によってサプリメントの味が苦手な方や、粉が苦手な方、粒が苦手で飲めない方、あまり量多くサプリメントを飲めない方、病態を抱えた方や小さなお子様など、様々な方がいます。

このような方でも分子栄養学が実践できるようサポートしたり、アドバイスを行うのがディレクターの務めです。

このように、ケンビックスのオーソモレキュラー療法では、分子栄養学を実践する方に向けてのサポートが行われています。このサポートがあるかどうかが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の違いです。

ナンナン

確かに、メガビタミン健康法は特にサポートが無いから、困ったときはどこにも相談できないんだよね

はる かおる

そうだよね。メガビタミン健康法で何の問題も無い人なら良いけど、状態は人によって様々だから合わない人も必ず居る。そういう時に相談できる人が居ないと、間違った方向に進んでしまうリスクがあるね。ケンビックスではディレクターサポートが付いているから、困ったときは相談できるのが良いね。

違いその⑧ 定期的な血液検査による経過観察

そして最後に、分子栄養学実践における経過観察の有無についてです。メガビタミン健康法では、医師が行う食事療法や食事指導と違って栄養摂取後のサポートや経過観察などはありません。対してオーソモレキュラー療法では、定期的な血液検査によって経過を観察しています。(ケンビックスの場合)

食事から摂取した栄養素は、きちんと消化吸収、代謝され、それが血液に乗って運ばれた後に全身の細胞で使われて初めて意味があります。ただ単にサプリメントをメガドーズしただけでは、この一連の流れが正常に行われているかどうかが分かりません。

この一連の流れが正常に行われているかどうかや、現在の健康状態を正確に把握するために行われているのが、オーソモレキュラー療法の血液検査です。

血液には、食事から取り込んだ栄養や代謝して産生した様々な物質が溶けている。この血液を定期的に調べることによって、栄養アプローチの経過を正確に把握することが出来る

血液中には、食事から取り込んだ栄養素や、それを代謝して体内で産生した様々な物質が溶けており、血液成分は食べた物や身体の状態を反映して常に変化しています。

この血液中の成分を詳しく調べることにより、食べた食べ物がきちんと消化・吸収されているかや、栄養素がきちんと利用されているかなどを正しく把握することが出来るというわけです。

繰り返しになりますが、例えばケンビックスで行っているオーソモレキュラー療法の血液検査では、口腔内の状態を確認するための唾液検査と尿検査を含めた全68項目の検査を行っています。

KYBクラブのオーソモレキュラー療法では、68項目にも及ぶ血液検査を実施し、栄養状態や生活習慣病の状態などを把握している

この検査では、肝臓で作られている酵素の量や、血清タンパク量、血球量などを調べることにより、体内でタンパク質やビタミン、ミネラル等が十分に足りているかどうかを調べています。また、血糖値や脂質代謝関連などを見る事によって、血液の状態や摂取エネルギーが足りているかどうかも判断しています。

これらは単一の項目で見るのでは無く、個体差を考慮した複数項目を組み合わせて総合的に見る事で、それぞれに応じた栄養状態を把握し、最適な栄養アプローチを考慮していることが特徴です。

そして、これら結果はレポートにまとめられ、前回からの比較や改善点などが時系列で把握できるようになっています。この結果を基に更に最適な栄養アプローチが考慮されるため、必要な栄養素の種類や量、摂取方法などは誰一人として同じ人はおらず、それぞれ異なった最適なアドバイスが行われています。

KYBクラブでは、オーソモレキュラー療法の血液検査を受けた方にメディカルレポートと栄養レポートを発行している

例えば、ケンビックスでは、血液検査を受けた方に上図のようなレポートを発行しています。このレポートは、血液検査結果や栄養相談シートに基づいて専門医が一人一人を解析し、個別に作成しているものです。

メディカルレポートでは、血液検査結果についての総合評価や解説、前回からの変化などが記載され、現在の身体の状態が分かります。また、栄養レポートでは、血液検査結果の分析に基づく栄養アドバイスが解説されており、どの栄養素をどのくらい摂ったら良いのかが解説されています。

このように、オーソモレキュラー療法では分子栄養学実践における経過観察がありますが、メガビタミン健康法ではこのような経過観察はありません。この点もオーソモレキュラー療法とメガビタミン健康法の大きな違いです。

ナンナン

そういえば、メガビタミン健康法を始めてから1回も検査受けたことが無いけど、大丈夫なのかな❓

はる かおる

メガビタミン健康法ではサプリメントをメガドーズしていくから、特定の栄養素では過剰摂取も問題になる事があるよ。このあたりはきちんと検査して調節しないと、むしろ身体を壊してしまう原因になるね。オーソモレキュラー療法では定期的な血液検査が推奨されているから、このあたりは安心だよ。

メガビタミン療法(高濃度ビタミンC点滴)と分子栄養学の違いとは?

ここからはメガビタミン健康法から少し話しがズレますが、メガビタミン療法(高濃度ビタミンC点滴)と分子栄養学の違いとその位置づけについても触れておきます。

分子栄養学では、サプリメントで栄養補給を行う以外にも、高濃度ビタミンC点滴によるアプローチを行うことがあります。この高濃度ビタミンC点滴は、一部クリニックなどでは「メガビタミン療法」「メガビタミン点滴」と言われていることがあります。

高濃度ビタミンC点滴とは、その名の通り高濃度のビタミンCを点滴することで、血中ビタミンC濃度を飛躍的に高める方法です。なぜ点滴で注入するのかというと、ビタミンCはサプリメントなど腸管から吸収する場合、多く摂れば摂るほど吸収率が下がってしまい、一定以上の血中濃度まで高めることはほぼ不可能だからです。

そのため、ビタミンCを点滴で投与することによって、経口摂取したときの何倍もの量を血中に送り込むことが出来ます。ビタミンCには優れた抗酸化作用や美白作用があることから、疲労回復効果や美肌・美白効果、高ストレス効果など様々な効果があると言われています。

また、高濃度のビタミンCには、正常な細胞に影響を与えず、がん細胞のみ特異的に攻撃するという抗がん効果があると言われています。このことから、ガン治療の代替治療として注目されている療法です。

この仕組みとしては、高濃度のビタミンCを点滴することによって血液中に大量の過酸化水素が発生します。通常の細胞は過酸化水素を中和する「カタラーゼ」という酵素を出して守ることが出来ますが、がん細胞はこの「カタラーゼ」がないため、過酸化水素を中和出来ずに死んでしまうと言われています。

このことから、高濃度ビタミンC点滴でガンが治るという認識がひろまり、高濃度ビタミンC点滴を受ける方が増えてきました。また、高濃度ビタミンC点滴を取り入れるクリニックも増えてきており、先ほど触れた「メガビタミン療法」や「メガビタミン点滴」として提供されています。

しかし、ガン治療において高濃度ビタミンC点滴だけを行ってもほとんど効果は期待出来ません。なぜなら、ガンの発病には生活習慣も関係しています。この元を絶たない限り、ガン細胞はずっと増え続けて「モグラ叩き」の状態になってしまうからです。

また、美肌が目的だとしても、肌はタンパク質から出来ていることから、ビタミンC以外にも様々な栄養が必要です。ストレス対策にしても、タンパク質やビタミンミネラルなど、ストレスで多く消耗してしまう栄養素も同時に補給する必要があります。特にストレス対策においては、生活習慣の改善や外部環境の改善など、多面的なアプローチが必要です。

栄養素は基本となるタンパク質やビタミン、ミネラル等を必要量補給することが大切。この基本がない状態で特定のビタミンやミネラルを大量に投与しても殆ど効果は期待出来ない。

そのため、ケンビックスのオーソモレキュラー療法では、基本的に高濃度ビタミンC点滴のみを行ったり推奨したりすることはほぼ行っていません。必ず、基本的な栄養素や特に病態改善に必要な栄養素など、基本となるオーソモレキュラー療法に加えて、必要に応じて追加して行われています。

また、ケンビックスのオーソモレキュラー療法ではメガビタミン療法やメガビタミン点滴などとは呼ばず、「高濃度ビタミンC点滴」や「IVC(Intravenous Vitamin C)」と呼んでいます。これは、高濃度ビタミンC点滴の分子栄養学的な位置づけが、「病態改善のために更に的を絞って追加するべき栄養素」の1つだからです。

具体的には、先ほど解説したタンパク質やビタミン、ミネラルなどの基本となる栄養素の補給に加え、高濃度ビタミンC点滴を行う場合は、同時に口腔からも十分な量のビタミンCをこまめに補給して血中濃度を維持する必要があります。ビタミンCは水溶性ビタミンであることから、代謝されたビタミンCは数時間で尿から排泄されてしまいます。この排泄分を補うためにも、追加でビタミンCを口腔摂取していく事が重要です。

また、ガンの予防や改善のためには、生活習慣の改善も必要です。例えば、閉経後の肥満女性は、特に乳がんのリスクが高いと言われています。これは、肥大した脂肪組織が女性ホルモンであるエストロゲンの供給源になる事が影響していると考えられているためです。この肥満の原因は様々ありますが、一例としては、生活習慣を原因としたサルコペニア肥満やメタボリックシンドロームが関係していると考えられます。

そして、乳がんの予防や、肥満、メタボリックシンドロームを改善させるためには、運動や栄養補給が欠かせません。筋肉を付けたり代謝を上げるためには、材料となるタンパク質やビタミン、ミネラルが必要です。

つまり、高濃度ビタミンC点滴を行う前に、基本的な栄養素となるタンパク質やビタミン、ミネラルなどが必要であり、まずはこれら栄養欠損の改善と、生活習慣の見直しが重要です。

しかし、多くの方はこのような基本となる運動や栄養補給、生活習慣の改善を行わないまま、単に高濃度ビタミンC点滴だけを行ってしまいます。これではすぐにビタミンCの血中濃度が低下してしまうことに加え、ガンの発生源となる肥満や生活習慣の改善など「元」を絶っていないことから、最終的にはがん細胞が増殖する結果となってしまうのです。

つまり、ガン治療で高濃度ビタミンC点滴を用いるにしても、生活習慣の改善やその目的を行うために必要な栄養素を摂取するなど、分子栄養学の基礎的な部分も同時に行う事が必要です。いくら高濃度ビタミンC点滴に抗がん効果があるとしても、ただ単に高濃度のビタミンCを点滴で投与しているだけでは、身体本来の機能を取り戻すことは出来ません。

このことから、ケンビックスのオーソモレキュラー療法では「メガビタミン療法」や「メガビタミン点滴」など単品で効果があると誤認するような表現はほぼ使われていないのです。

分子栄養学は、栄養素における体内での働きを理解し、至適量の栄養素を補給することで身体本来の機能を取り戻す療法です。何か特定の栄養素を摂取しただけで病態改善が得られるような療法ではありませんのでご注意下さい。

ナンナン

なるほど❗高濃度ビタミンC点滴が良いって話しは結構言われているけど、単品で受けても効果が無いのか❗

はる かおる

そうだよ。高濃度ビタミンC点滴は、基本となる栄養補給が無いとあまり効果は期待出来ないんだ。それなのに、ガン治療などで高濃度ビタミンC点滴だけを行う人を多く見かけるよ。それだと意味が無いから、基本となるオーソモレキュラー療法と組み合わせて行うようにしてね。

分子栄養学とメガビタミンの違い。分子栄養学とメガビタミンは全くの別モノです!まとめ

以上が、メガビタミン健康法と、分子栄養学であるオーソモレキュラー療法の違いでした。

メガビタミン健康法では、海外サプリメントや市販されているサプリメントを、症状に応じてメガドーズする療法です。対してオーソモレキュラー療法では、「体内の分子(栄養素)が乱れるのには必ず原因があるとし、専用の血液検査を行って体内の栄養状態や健康状態を客観的に分析してから、治療と併せて専用のサプリメントで根本原因から栄養アプローチを行っていきましょう」というのがオーソモレキュラー療法の基本的な考え方となります。

メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法は、どちらも分子栄養学と称していますが、その考え方や行い方は全く異なります。メガビタミン健康法では検査などで身体の状態を調べないのに対し、オーソモレキュラー療法では専用の血液検査などによって身体状態の把握を行っています。

また、使っているサプリメントも大きく異なり、メガビタミン健康法では海外サプリメントや市販されているサプリメントを用いますが、オーソモレキュラー療法では分子栄養学実践専用に作られた高品質なサプリメントを使うことが特徴です。

このメガビタミン健康法で使われる一般的なサプリメントは、主に欠乏症の予防や病気の予防、健康増進を目的として作られたものです。あくまで「食品」という位置づけのため、有効成分の効力や消化吸収能の考慮、体内での崩壊などは殆ど考慮されていません。

酷いものでは、体内で全く溶けずに排泄されてしまったり、日本では認可されていない医薬品成分などが混入しているものもあります。いくら海外サプリメントが安くて高濃度だったとしても、それがきちんと消化吸収されて体内で安全に利用されなければ、分子栄養学とは言えません。

対して、分子栄養学実践専用サプリメントは病態の改善や予防、オプティマムヘルスの推進を目的とし、分子栄養学を実践するために開発されています。分子栄養学では一般的な摂取量よりも遙かに多い量の栄養素を摂取する事から、品質と安全性が第一です。

このため、分子栄養学実践専用サプリメントでは高品質な原材料の使用し、体内での崩壊や消化吸収能を考慮するなど、サプリメントの専門家が設計・製造を行っています。併せて、細菌や汚染物質などが混入しているかどうかなどの厳しいチェックも行い、小ロット生産による鮮度の高いサプリメントが作られています。

そして、この分子栄養学実践専用サプリメントを用いて、それぞれの消化吸収能力を考慮したり、病態を考慮したりと、個人個人に合わせた最適な栄養アプローチ(至適量)を行っていくのが分子栄養学であり、オーソモレキュラー療法です。

このような考え方ややり方などの違いが、メガビタミン健康法とオーソモレキュラー療法の大きな違いになります。

もし、オーソモレキュラー療法に興味ある方は、是非ケンビックスのオーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。また、分子栄養学についてはメガビタミン健康法で解説されているよりももっと奥が深く、一生かけても学びきれないほど奥が深い学問です。

より分子栄養学を学べる教材としては、ケンビックスが行っている「KYBクラブ」「金子塾」があります。これらは分子栄養学の基礎理論を学べるほか、病態別のアプローチなど分子栄養学を応用したアプローチについても学ぶことが出来ます。

KYBクラブについては、オーソモレキュラー療法・無料栄養相談申し込みページ で入会方法などをご案内しておりますので、ご興味ある方は是非ご覧下さい。

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この記事を書いた人

はる かおるのアバター はる かおる 分子栄養療法ナビゲーター ディレクター

春木 敏徳(はる かおる)
分子栄養療法ナビ(このサイト)の管理人のはる かおるです。
現在は「字が書けないライター」兼、KYBクラブのディレクターとして活動しています。

僕自身、発達障害の一種である「書字障害」を抱え、幼少の頃から両親からの虐待や学校でのいじめなど、数々の困難や体調不良を経験してきました。
育った環境の悪さから18歳頃からうつ病を発症し、その後10年近く精神薬での治療を行っています。また、他にも小・中・高校生時代は朝起きられず、殆ど学校にも行っていません。

今では「あれは起立性調節障害だったな」と思えるのですが、当時はそのような病気の認識は殆どありませんでした。そのため、非常に風当たりの強い中、幼少時代を過ごしてきています。

また、幼少期から続く極度の栄養失調により、低血糖症や甲状腺機能低下症、SIBO、リーキーガット症候群、副腎疲労、脂肪肝など様々な病気を経験しました。現在では分子栄養学に出会ったことで体調も大きく回復しており、これら病気の改善に必要な知識も豊富です。

インターネットの登場によって間違った分子栄養学も広まってきており、それによって体調を崩してしまう人も多くなってきています。このような中、分子栄養療法ナビ(このサイト)や情報発信を通じて、多くの人に正しい分子栄養学が広められるよう現在も奮闘中。

得意とする分野
うつ病、発達障害、ADHD、起立性調節障害、貧血、不妊症、ガン、甲状腺機能障害、ピロリ菌感染症、SIBO、リーキーガット症候群、低血糖症、副腎疲労、脂肪肝、ダイエット、更年期障害、PMSなど。全般的に幅広い知識を有する。

ほか、文章を書くのが得意で、ライティングやマーケティング、投資などお金に関する知識や生き方に関するアドバイスも得意。

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