オーソモレキュラー療法とは? かかる費用や受けられる検査機関、具体的なやり方を解説
近年、SNSやインターネット上では、「オーソモレキュラー療法で病気が治る」といった情報や、食事や栄養状態を整えれば病気が治るといった情報が増えてきています。また、栄養療法に対する関心も高まったこともあり、クリニックでオーソモレキュラー療法を取り入れる所も増えてきました。
このオーソモレキュラー療法は、検査を受けて足りない栄養を補う療法だと言われていますが、具体的にどのような療法なのでしょうか? 検査やサプリメントにどのくらい費用がかかるのでしょうか? また、実際に効果は期待出来るのでしょうか?
今回は、オーソモレキュラー療法でかかる費用や具体的な受け方について、詳しく解説します。
目次
オーソモレキュラー療法って何? どんな療法?
ナンナン
ねぇねぇ、なんかオーソモレキュラーっていう療法が色んな病気に効くらしいんだけど、これってどんな療法なの❓ ホントに色んな病気が治るの❓
オーソモレキュラー療法について知りたいの❓ オーソモレキュラー療法はね、簡単に言うと血液検査を受けて、その結果から足りない栄養を至適量補給する療法のことだよ。
足りない栄養を補給することで、様々な病気も改善出来る可能性があるんだ。
へー。足りない栄養を補うことで病気が治るのか・・・。何だかあまり信じられないけど💦
そもそも、毎日ちゃんと食べてるし、栄養不足って感じはしないけど、栄養が足りてないなんて事あるの❓❓
今の世の中は飽食って言われているけど、むしろ食事が偏ることでタンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足したり、糖質や脂質が過剰になる「質的栄養失調」の人が多くいるよ。病気の殆どが生活習慣と関係していて、その内の食事や栄養状態は病気と深い関わりがあるんだ。
なるほど。じゃあ、オーソモレキュラー療法ではそのあたりを改善することで色々な病気が治せるって事なんだね
簡単に言えばそうなるけど、だからと言って摂った栄養素が直接病気を治してくれるわけじゃ無いんだ。このあたりを理解するのは少し複雑だから、もっと詳しく解説してあげるね
オーソモレキュラー療法とは、基本的にオーソモレキュラー療法に対応するクリニックで専用の採血を行い、その結果を基にサプリメントを用いてアプローチしていく療法です。
このサプリメントは1回購入して摂取するだけでは足りず、毎日定期的に摂取を行い、これを年単位で継続することではじめて意味があります。そして、自身に足りない栄養素を至適量補給することで細胞レベルから栄養状態を整え、身体が本来持っている機能を取り戻すことが出来るのがオーソモレキュラー療法と呼ばれている療法です。
この身体が持っている本来の機能を取り戻すことが結果的に病気の改善や予防へと繋がることから、オーソモレキュラー療法では様々な病気の改善も期待出来ると言われています。
改善が期待出来る具体的な病気・状態としては、次のようなものが挙げられます。
オーソモレキュラー療法で改善が期待出来るもの
- 美容・美白
- アンチエイジング
- デトックス
- 花粉症・アレルギー
- アトピー
- 自律神経失調症
- うつ病
- めまい
- パニック障害
- 起立性調節障害
- 関節リウマチなど自己免疫性疾患
- メニエール病
- へパーデン
- 甲状腺機能障害
- 糖尿病
- 低血糖症
- 睡眠障害
- 脂肪肝
- 脂質異常症
- 痛風
- 認知症
- 発達障害
- 副腎疲労
- 貧血
- 逆流性食道炎
- ガン
- ドライアイ
- PMS・PMDD
- SIBO
- リーキーガット症候群
- 不妊症
- 更年期障害
- 骨粗しょう症
- 低身長 など、他様々な病気
オーソモレキュラー療法はこんな方にオススメ
- 病態を抱えている方
- 全身の栄養状態を把握して治療に役立てたい方
- 落ち着きが無い、集中力が無いと言われるお子様
- 病気の予防に役立てたい方
- いつまでも元気に過ごしたい方
- 運動、スポーツをしている方・パフォーマンスを高めたい方
- 病気と診断されていないけど体調が優れない方
- 妊娠中、授乳中の方
このように、様々な病気や状態の改善に効果が期待出来るのがオーソモレキュラー療法になります。このリストに載っている症状以外にも、例えば「病院で病気と診断されていないけど軽い症状がある」といった未病の状態や、「疲れやすい」「やる気が出ない」「月経不順」「冷え性」「寝付きが悪い」などの不定愁訴(ふていしゅうそ)にも効果的です。
不定愁訴とは、「原因がはっきり分からないけど、なんとなく体調が悪い」といった状態の事で、未病と同じく病気と診断されていないけど不調が続く状態を指します。
この不定愁訴が引き起こされる要因の一つとして関係しているのが、潜在性のミネラル不足です。主に「鉄欠乏性貧血」を始めとしたミネラル不足によって、様々な不調が引き起こされることが分かっています。
このような潜在性ミネラル不足の状態に対して、適切に栄養を補給することで不定愁訴の改善を図ることが可能です。
例えば、オーソモレキュラー療法を実践しているKYBクラブのメンバー(22〜25歳の有経女性1470名を対象)に栄養療法を行った結果、不定愁訴のおよそ80%が改善したという結果になりました。
このように、様々な不調や病気は栄養欠損によって引き起こされることから、オーソモレキュラー療法によって適切に栄養状態を改善出来れば、結果的に病気や不調も改善させることが出来るのです。
では、このオーソモレキュラー療法と一般的な栄養学とは、一体何が違うのでしょうか? また、一般的な医療とオーソモレキュラー療法では、一体何が違うのでしょうか?
「オーソモレキュラー」という聞き慣れない言葉が使われていますが、一般的な栄養学や医療との違いを理解する上で、まずはこのオーソモレキュラー療法とは一体何なのかを理解することが重要です。
オーソモレキュラー療法は、またの名を「分子整合栄養医学」といい、分子整合栄養医学(ぶんしせいごうえいよういがく)とは、食物から摂取した栄養素や食品成分が、体内でどのように働くかを分子レベルで解明する学問のことです。
分子整合栄養医学は、20世紀後半に北米で活躍した2名の科学者、ライナス・ポーリング博士(1901-1994 年)とエイブラム・ホッファー博士(1917- 2009 年)により確立されました。
現代の医療では病気を予防したり治療を行うことが目的なのに対し、分子整合栄養医学では、私たちの身体がもつ本来の力を最大限に引き出し、オプティマムヘルス(単に病気を予防するだけに限らず、心身ともに最高・最善の健康状態)の実現を目指す事が最大の目的です。
分子整合栄養医学は、人によって分子栄養学(ぶんしえいようがく)やオーソモレキュラー療法、オーソモレキュラーニュートリション、栄養療法などと呼ばれることもありますが、基本的にどれも同じものを指しています。
これら言葉の利用傾向としては、基礎理論である座学に対して分子栄養学や分子整合栄養医学などと呼ぶことが多く、対してクリニック等で提供している分子整合栄養医学を元にしたサービスに対しては、オーソモレキュラー療法や栄養療法と呼ばれる傾向にある印象です。
このサイトでも、わかりやすく解説するために分子整合栄養医学の基礎理論を解説する場面においては「分子栄養学」とし、クリニックで提供されている分子整合栄養医学を元にしたサービスを解説する場面においては「オーソモレキュラー療法」という表現を用いています。
オーソモレキュラー”Orthomolecular”という言葉の意味は、ギリシャ語の「正しい」という意味に由来するortho(正常な)と molecule(分子)を組み合わせた造語です。この言葉は、ノーベル賞受賞者でもあり、分子栄養学の第一人者であるライナス・ポーリング博士が提唱しました。
ポーリング博士は、自身が研究する鎌状赤血球症という病気の背景に、ヘモグロビン分子の異常が潜んでいることを発見し、「分子病」という病気の概念を新たに確立したことで知られています。
鎌状赤血球症とは、赤血球が本来丸いお餅の真ん中をへこませたようなへん平な形をしているのに対し、草を刈る鎌のような三日月に変形してしまう病気です。赤血球は全身に酸素を運ぶ役割を担っていて、本来のへん平な形をしていれば、細い毛細血管内でも柔軟に形を変えて通り抜けることが出来ます。
しかし、赤血球が三日月型に変形してしまうと、毛細血管など細い血管が通れなくなって詰まってしまい、壊れやすくなってしまいます。その結果、慢性溶血性貧血、慢性疲労、疼痛、臓器障害など、さまざまな症状につながってしまうのです。
ポーリング博士は、この鎌状赤血球症という病気の背景に、赤血球の中のヘモグロビン分子の異常が潜んでいることを発見しました。ヘモグロビンは、アミノ酸など様々な分子が組み合わさって出来ています。このヘモグロビンに含まれるたった1つのアミノ酸分子の違いが、鎌状赤血球症の原因となるのです。この発見こそが、分子の乱れが人間の病気の原因になることを世界で初めて示した瞬間でした。
それ以降、ポーリング博士は自身の研究を通じて「生体内の分子の乱れが病気の発症に関与しているのではないか」と考えるようになります。そして、前述した「多くの疾患は、体内の分子が本来あるべき正常な状態ではなくなる事と考え、分子を正常化するために不足している栄養素を至適量補給することによって自然治癒力を高め、病態改善が得られる」事を提唱したのです。
これは、私たちの身体の中に正常にあるべき分子(molecule)を至適濃度に保つ(ortho)充分量の栄養素(nutrition)を摂取し、それを適切に消化・吸収・代謝することによって生体機能が向上し、病態改善が得られるという理論です。
ここで言う分子とは、私達が普段摂取しているタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルなどの栄養素のことを指しています。例えば、私達の身体は200種類以上、およそ数十兆個の細胞が集まって出来た細胞の集合体です。これら細胞が集まることで心臓や脳、肺や血管、皮膚や筋肉などの組織が作られ、組織が集まることによって私達の身体が作られています。
では、この細胞自体を作ったり、動かしたりするエネルギー源や材料は一体何なのでしょうか?
これこそが、「タンパク質」「脂質」「糖質」「ビタミン」「ミネラル」などの栄養素(分子)であり、生命活動を営むために欠かせない成分のことです。
私達の皮膚や組織などの細胞を一つ一つもっと深く見ていくと、やがてこれ以上小さく見ることが出来ない「分子」という状態になります。
分子はビタミンやミネラル、アミノ酸などの分子(栄養素)のことで、これら分子(栄養素)が集まって構成された物が細胞です。
そして細胞は、糖質や脂質などの分子(栄養素)をエネルギーとして利用することで体温を作り出したり、身体を動かしたりしています。
私達の筋肉や臓器、骨なども、タンパク質やミネラル等で作られている事はご存じですよね。これらタンパク質やミネラル、糖質や脂質などは、胃や腸などの消化管を通じて消化(繋がった分子をバラバラに)した後、血管を通って細胞に必要な分子が送り届けられています。
つまり、私達は食事を通じて細胞に必要な分子(栄養素)を得て、組織の機能を維持し、生命活動を行っているのです。もし、この時に胃や腸などの消化管に問題があったり、食事の内容やバランスが悪くなったりしていると、体内の分子(栄養素)の量やバランスが乱れてしまい、細胞の正常な働きが出来なくなってしまいます。
この乱れた分子(栄養素)を個人個人、必要な量を補給することで、細胞の働きを本来あるべき状態に整え、病態の改善や予防、オプティマムヘルス(心身ともに最高・最善の健康状態)を目指すのが分子栄養学であり、オーソモレキュラー療法です。
この分子栄養学についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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ふむふむ、体内の栄養状態を整える事で病気が改善出来るのか・・・。確かに、今の食生活は結構偏っているかも💧
そうだね。食事の偏り以外にも、消化管の異常や病気など、何らかの原因で生体内の分子が乱れている方もいるよ。そのような方の生体内の分子の乱れを整えるのがオーソモレキュラー療法だね。
オーソモレキュラー療法は、一般的な栄養学や医療とは何が違う?
では、このオーソモレキュラー療法は、一般的な栄養学や医療とは何が違うのでしょうか?
まず、一般的な栄養学とオーソモレキュラー療法では、その歴史も目的も全く異なります。一般的な栄養学では「この栄養が足りないとこんな病気になるので、その病気にならないようにこの栄養素を十分に摂りましょう」というのが一般的な栄養学です。
例えば、ビタミンCが足りないと「壊血病」という病気になることが知られています。壊血病とは、ビタミンCが欠乏したことにより血管や皮膚がもろくなり、全身の至る所から出血して最終的には死に至る病気です。
壊血病は、古くは15−18世紀の大航海時代において、主に船乗り達に発症する病気でした。当時は冷蔵庫という物が無かったので、新鮮な野菜や果物を積まずに航海に出発することが当たり前の時代です。このような中、航海が長引くにつれて乗組員の多くが壊血病になり、次々に死亡していきました。
この壊血病で亡くなった人の数は、16世紀から19世紀に至るまでに200万人を超えるとも言われています。当時は柑橘類を食べると発症が抑えられることが経験的に分かってきたものの、依然として壊血病の原因は不明のままでした。
その後、抗壊血病物質であるビタミンCが発見されたのは、20世紀に入ってからのことです。それまで壊血病の予防、改善にビタミンCが有効である事は知られておらず、ましてやビタミンC自体も発見されていませんでした。何世紀にもわたって大勢の死者を出し、原因不明とされてきた壊血病に終止符が打たれたのは、ここ最近の出来事なのです。
このような歴史などから「特定の栄養素が不足すると病気になる」ことが広く認知されるようになりました。そして、病気の予防のために必要な栄養素を摂取するという考えが広まり、発展してきたのが「栄養学」です。今となっては壊血病の予防にビタミンCが有効である事は、誰もが知るところですよね。
このように、「この栄養が足りないとこんな病気になるので、その病気にならないようにこの栄養素を十分に摂りましょう」というのが一般的な栄養学です。
この栄養学は、私達の身近な所でも多く利用されています。一般的な栄養学が用いられている場面としては、学校や病院などにおける給食計画や、健診における健康指導などがあります。主に「栄養士」や「管理栄養士」の方が、厚生労働省の定めた栄養摂取基準である「日本人の食事摂取基準」に基づいて給食計画を立てたり、指導方針を決めたりしています。
この「日本人の食事摂取基準」とは、厚生労働省から出されているガイドラインの1つで、健康な個人または集団を対象として、国民の健康の維持・増進、エネルギー・栄養素欠乏症の予防、生活習慣病の予防、過剰摂取による健康障害の予防を目的とし、エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示したものです。
例えば、ビタミンCの場合、成人では1日の推奨量が100mg(2020年版食事摂取基準)と設定されています。日本人の食事摂取基準では、年代と性別ごとに必要な栄養素量が記されていることが特徴です。
この説明文からも読み取れるように、一般的な栄養学では健康な人を対象として、主に食事からエネルギーや栄養素を摂取し、欠乏症の予防や生活習慣病などの予防を目的としていることが分かりますね。
また、似たようなものとして「栄養素等表示基準値」というものがあります。こちらは年代や性別関係なく、日本人一般に幅広く適用できる共通の“ものさし”として厚生労働省より設定されたものになります。
例えば、スーパーやコンビニなどで「これ一本で1日分のビタミンやミネラルが摂れる」というようなことが書かれた商品を目にしたことがありませんか? このような「1日分のビタミンやミネラル」という基準も、「栄養素等表示基準値」を元に設定されたものです。こちらも、日本人の食事摂取基準と同じように、栄養素欠乏症の予防などを目的として設定されたものになります。
このように見ていくと、一般的な栄養学だけでも十分な栄養が摂取出来るように思えるかもしれません。しかし、本来、個人ごとに必要な栄養素量は、年齢、性別、身体活動の程度、病態の有無などによって異なっています。
「日本人の食事摂取基準」や「栄養素等表示基準値」では、このような身体活動の程度や病態などの個人差までは考慮していません。あくまで、健康な人に対して欠乏症の予防、生活習慣病の予防などを目的として設定された目安です。つまり、これら基準値を守って栄養摂取を行っていたとしても、それが必ずしも自分にとって必要な栄養素の量とは限らず、生活習慣病の予防や健康維持に繋がるとは限らないわけです。
対してオーソモレキュラー療法では、年齢や性別、身体活動の程度や病態の状態、消化吸収能の状態など個人差を考慮し、食事からの栄養摂取に加えてサプリメント(分子栄養学実践専用サプリメント)を用いて必要な栄養素を摂取します。
更には、病気の予防や治療といった枠を超え、「肌の状態を良くしたい」とか「もっと筋肉を付けたい」「疲れ知らずの毎日を送りたい」など心身ともに最高・最善の健康状態を目指すことが最大の特徴です。
わかりやすくするために、次の表に一般的な栄養学とオーソモレキュラー療法の違いを比較してみました。
一般的な栄養学とオーソモレキュラー療法の違い
スクロールできます
一般的な栄養学 | オーソモレキュラー療法 | |
---|---|---|
消化吸収能力 | 考慮しない | 考慮する |
栄養素の質、劣化、損失量 | 考慮しない | 考慮する |
病態に応じた摂取量 | 考慮しない | 考慮する |
個人差に応じた摂取量 | 年代、性別のみ | 考慮する |
薬、栄養素との飲み合わせ | 考慮しない | 考慮する |
栄養摂取後のサポート 経過観察 | なし | あり |
栄養摂取の目的 | 欠乏症、病気の予防 | 病態の改善・予防 オプティマムヘルスの推進 |
一般的な栄養学では、消化吸収能力や活動量など個人差に応じた栄養摂取量は考慮されていないのに対し、オーソモレキュラー療法ではいずれも個人差を考慮し、個人個人に合わせた栄養アプローチを行います。
また、薬と栄養素との飲み合わせや病態に応じた摂取量を考慮するか否かも、一般的な栄養学とオーソモレキュラー療法の大きな違いです。
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なるほど、オーソモレキュラー療法と栄養学はこんなに大きな違いがあるのか❗ なんとなく栄養学の発展が分子栄養学って思ってたけど、全然違うんだね
そうそう、同じ栄養学と付いているけど、一般の栄養学と分子栄養学は全く違うよ。この違いをしっかり理解することも、オーソモレキュラー療法を正しく行う上では大切だね
オーソモレキュラー療法と一般的な医療との違いとは?
続いて、オーソモレキュラー療法と一般的な医療との違いについてです。オーソモレキュラー療法では、病気の改善や予防のためにサプリメントで必要な栄養素の摂取を行います。例えば、骨粗しょう症の場合であれば、カルシウム・マグネシウムやビタミンD、ビタミンKなどのサプリメントです。
対して、病院で行われている骨粗しょう症の治療においても、カルシウム製剤やビタミンD製剤、ビタミンK製剤、破骨細胞の働きを抑える「骨吸収抑制剤」などのお薬が処方されています。
このように見ると、オーソモレキュラー療法では単に薬をサプリメントに置き換えただけなのでは?と感じますよね。
しかし、薬とサプリメント、オーソモレキュラー療法と一般的な医療では目的も役割も全く異なります。オーソモレキュラー療法を理解する上で、この目的と役割の違いをしっかりと理解することが重要です。
まず、薬と栄養素ではその役割が異なります。薬の役割は、症状を抑えたり、病気の悪化を防ぐためのものです。対して栄養素の役割は、壊れた細胞を修復するための材料として補給する物になります。
先ほどの骨粗しょう症の例で言えば、骨を壊してしまう破骨細胞の働きを強制的に薬で抑えたり、骨を形成する骨芽細胞の働きを薬によって強制的にコントロールしたりするのが現代の医療であり、医学です。
このお薬によるアプローチでは、体内で行われている代謝を薬によって強制的にコントロールする事から、必ず「副作用」が伴います。分かりやすい例で言えば、ビタミンD製剤は食品に含まれるビタミンDに比べて、過剰摂取による高カルシウム血症や高カルシウム尿症のリスクが高く、他にも吐き気や下痢などの症状を引き起こす可能性があります。
これは、ビタミンD製剤に含まれるビタミンDが「活性型」であるためです。食品に含まれているビタミンDに比べて働きが強いことから、ビタミンD製剤の使用は医師の管理下の元、慎重に投与量が決められて処方が行われています。
対して栄養素の場合、薬と比べて重篤な副作用は殆どありません。食品やサプリメントに含まれている栄養素は、薬と違って生体内で自由にコントロールする事が出来ます。この、体内での栄養素の働きを身体にまかせるのか、それとも強制的にコントロールするのかが、薬と栄養素の大きな違いです。
オーソモレキュラー療法と薬物療法の違い
薬物療法
- 既に活性化したもの(薬物)を投与する
- 栄養素や体内での働きを強制的にコントロールする
- 速効性がある、誰にでも同じように効果が期待出来る
→副作用がある
オーソモレキュラー療法
- 天然物を投与する
- 栄養素の利用は生体内のコントロールに任せる
- 速効性は無いが、人それぞれにあった効果が期待出来る。
→副作用が少ない
では、一見すると同じ栄養素が含まれているように感じる薬とサプリメントですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
薬の中にもビタミンA製剤やビタミンD製剤など栄養素の名前が付いたお薬がありますし、サプリメントの中にもビタミンAやビタミンDなどがあります。同じ名前が付いているので、どちらも同じように感じますよね。
しかし、薬とサプリメントではその働きが全く異なります。その理由は、薬に含まれているのが「活性型」であるのに対し、食品やサプリメントに含まれているのは「前駆体」であるためです。
栄養素には、同じように見えても「活性型」と「前駆体」があります。食品などに含まれる栄養素は、体内に入ってもそのままの形では働くことが出来ません。いったん身体の中で働ける形(活性型)に変えられてから、やっと働けるようになります。
前駆体は、この活性型になる前の状態を言い、食品やサプリメントに含まれる栄養素のことです。体内では、酵素の働きによって必要に応じて前駆体から活性型に変換されて利用されています。対して活性型の栄養素とは、骨粗しょう症の治療に用いられているビタミンD製剤や、ニキビの治療薬として使われている「ビタミンA製剤」などです。お薬で使われる栄養素は、既に活性型として配合されているため、速効性があり、誰に対しても同じように効果が期待出来ます。
例えば、ビタミンAには「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」という3つの種類があります。また、ビタミンAの一種と言われているβカロテンも必要に応じてレチナールに変換されています。このうち、「βカロテン」と「レチノール」が前駆体で、「レチナール」と「レチノイン酸」が活性型です。(※正確にはレチノール、レチナール、レチノイン酸共に活性型ですが、ここでは分かりやすくするためにレチノールを前駆体としています)
レチノールは主にレバーや魚の脂肪部分、肝臓部分に含まれていて、普段私達が食品から得られるビタミンAです。また、βカロテンは主に緑黄色野菜に含まれています。これらは体内で必要な量を必要なだけ、必要に応じて「レチナール」や「レチノイン酸」に変換(活性化)されて利用されています。
対して、皮ふ科などの治療で用いられているのが、既に活性型のビタミンAである「レチノイン酸」です。レチノイン酸には細胞の分化・増殖を促進し、皮膚の細胞分化やターンオーバー(新陳代謝)を調節する働きがあります。このことから、主にニキビの治療薬として使われています。
このように聞くと、栄養素は前駆体で摂らずに活性型で摂った方が効果が高いのでは?と思いますよね。しかし、活性型で摂った場合は身体が本来持っている調節機能を無視して栄養素が働いてしまいます。そのため、場合によっては栄養素の働きをコントロールできなくなり、副作用が出たり逆に生体内の分子や代謝が乱れたりしてしまう原因になるのです。
例えば、レチナールは主に網膜に存在し、視覚に関与するのに対し、レチノイン酸では細胞の分化・増殖に関与しています。同じビタミンAに属していますが、この2つは全く働きが異なります。もし、眼の健康を目的としているのに、同じビタミンAだからと「レチノイン酸」を大量に摂取してしまった場合、レチナールとしての働きは得られないどころか、レチノイン酸による副作用によってむしろ健康を害してしまう結果になりかねません。
また、ビタミンAといえばよく過剰症について言われることがありますよね。ビタミンAを摂り過ぎると、死に至るなど危険が伴うというものです。
この点については、前駆体である「βカロテン」や「レチノール」ではそのような危険性はありません。なぜなら、副作用の報告のすべては活性型である「合成のレチノイン酸」を大量投与した結果であって、決して「レチノール」や「βカロテン」でテストされたものではないからです。
ビタミンA過剰症についての注意喚起では、その情報の多くが活性型のレチノイン酸と「レチノール」「βカロテン」などを混同しています。基本的にレチノールやβカロテンでは、活性を持たないことから安全性が高いビタミンAです。
加えて、「レチノール」と「レチナール」は体内で必要に応じて相互に変換することができ、体内でビタミンAを運ぶ際や貯蔵する際にも「レチニルエステル」というエステル化(コーティングのようなもの)が行われます。例え食品からビタミンAを摂りすぎたとしても、体内では「レチナール」を活性の低い「レチノール」にしたり、レチニルエステルという非常に安定性が高い状態にして肝臓に貯えることが出来るのです。
そのため、「レチノール」や「βカロテン」をサプリメントで摂ったとしても、基本的に過剰摂取の心配はありません。逆に、レチノイン酸はレチノールへと変換できないことから、薬によるレチノイン酸の大量投与は過剰摂取の危険性が高まってしまうのです。
また、体内では必要に応じて「レチノイン酸」に活性化して利用されますが、この体内で作られる「レチノイン酸」と薬で用いられる「レチノイン酸」の作用は異なります。
例えば、体内でレチノイン酸が生成される場合、その生成量やタイミングは生体の調節機構によって厳密に制御されています。一方、薬など外部から投与される場合は、一度に大量のレチノイン酸が体内に供給されるため、自然な生体調節とは異なる影響を及ぼす可能性が高くなるのです。
つまり、体内で作られるレチノイン酸は、作られる量や作られた後の分解量、分解するタイミングなどを身体がコントロールできるのに対し、外部から投与したレチノイン酸は、身体がコントロールする事が出来ません。このため、外部から投与するレチノイン酸の作用と、身体の中で作られるレチノイン酸の作用は、同一視してはならないのです。
このように、同じ栄養素に見える薬とサプリメントでは、その働きも目的も全く異なります。一般的医療では活性型の薬を投与して体内での働きを強制的にコントロールするのに対し、オーソモレキュラー療法では前駆体の栄養素であるサプリメントを用いて、栄養素の利用は生体内のコントロールに任せます。
この体内での栄養素の働きを理解し、「なぜ栄養素が不足してしまったのか?」や「体内で栄養素がきちんと働くためにはどうすればいいか?」を考えてアプローチを行っていくのがオーソモレキュラー療法であり、一般的な医療との大きな違いです。
このオーソモレキュラー療法と一般的な医療との違いについて、さらに詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみて下さい。
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オーソモレキュラー療法を行えば、薬は必要なくなる?
上述したように、オーソモレキュラー療法では安全性の高い前駆体の栄養素を用い、医療では活性型の薬を用います。
この時、なるべく安全に治療を行っていきたい方や、薬に頼りたくない方にとっては、「薬の代わりにオーソモレキュラー療法を行えば薬を飲む必要が無くなるのでは?」と思うかも知れません。
このあたりについても誤解が多いのですが、オーソモレキュラー療法を行ったとしても、薬が必要な場合については薬を適切に使用することが大切です。
なぜなら、栄養素は体内で活性型に変換されて初めて働くことが出来ます。この活性型に変換される際に必要となる酵素と補酵素の結合力や量には、個体差が大きいことが一般的です。
そのため、十分な栄養素を補給したとしても、それをどれだけ活性化して使用できるかどうかは、その方の酵素と補酵素の親和性に大きく左右されてしまうのです。
オーソモレキュラー療法では、この酵素と補酵素との親和性が低い方に対して「至適量」と呼ばれる必要十分な量の摂取量をアドバイスしています。しかし、状態によっては活性型の薬を使うべき時もあります。特に栄養素の活性化は肝臓や腎臓機能が大きく関係していることから、肝臓や腎臓に病気を抱えている方や、機能が低下している方は、栄養素からのアプローチではとても間に合いません。その場合、適切に薬を使用することが大切です。
また、オーソモレキュラー療法と一般的な医療では得意とする部分や役割が異なるため、この2つはそれぞれ使い分けることが大切です。
例えば、現代医療ではウィルス感染や細菌感染、ガン、骨折などの症状がはっきりしている治療においては多大なる貢献と実績があります。主に、症状を抑えたり痛みを抑えたりといった対処療法を得意としています。
逆に、現代医療では「病気とは診断されていないけどなんとなく調子が悪い」といった原因がはっきりしない症状に対してはあまり有効とは言えません。
対してオーソモレキュラー療法では、ウィルス感染や細菌感染、骨折などの対処療法は不得意ですが、「病気とは診断されていないけどなんとなく調子が悪い」といった原因がはっきりしない症状に対しては特に有効です。
そのため、この2つは、どちらが良いとか優れているとかでは無く、お互いを上手く組み合わせて行っていく事が大切です。
よく、オーソモレキュラー療法は薬を使わずサプリメントだけで病気を治す療法だと言われていることがありますが、この認識は間違いです。
オーソモレキュラー療法は、サプリメントだけで病気を治す療法ではありません。現代の医療も上手く組み合わせて行っていく事が正しいオーソモレキュラー療法です。
これからオーソモレキュラー療法を行っていく上で、このあたりの正しい認識や理解をしておくことは非常に重要になります。間違ったオーソモレキュラー療法を行わないためにも、是非この事はしっかり理解しておきましょう。
なんとなくオーソモレキュラー療法について分かってきた❗ オーソモレキュラー療法は単に薬をサプリメントに置き換えただけの療法かと思っていたけど、元々のやり方や考え方には大きな違いがあるんだね❗
そうそう。このあたりの違いをしっかりと理解することが、オーソモレキュラー療法を理解する上で重要だね。ただ、中にはオーソモレキュラー療法をしっかり理解していない人がオーソモレキュラー療法の情報を発信していることもあるよ。このあたりの情報には十分注意してね。
オーソモレキュラー療法の具体的な受け方。かかる費用や受けられる検査機関は?
では、ここからはオーソモレキュラー療法の具体的な受け方についてです。オーソモレキュラー療法を提供しているクリニックや団体はいくつかありますが、ここでは主にKYBクラブで提供されているオーソモレキュラー療法の受け方や費用、受けられる検査機関について解説します。
オーソモレキュラー療法は、クリニックで血液検査を受け、その結果から足りない栄養素を補給するというのが基本です。しかし、ただ単にサプリメントを飲めば良いという療法ではありません。
オーソモレキュラー療法を正しく受ける際には、3つの基本を理解する必要があります。それが、オーソモレキュラー療法や分子栄養学について自ら「学ぶ」、オーソモレキュラー療法の血液検査を通して自身の健康状態を「知る」、検査結果に基づいて不足している栄養を適切に「補う」という3つのステップです。
このうち、一つ目の「学ぶ」をしっかり行っていないと、血液検査を受ける意味や、何故そのサプリメントを飲む必要性があるのか意味が分かりません。
例えば、うつ病など精神的な不調は原因の1つとして「鉄欠乏性貧血」が関係している事があります。鉄欠乏性貧血とは、その名の通り鉄分の摂取量が足りない場合や、体内で鉄分が不足してしまっている場合に起こる貧血です。全体の貧血原因の約7割が鉄欠乏性貧血だと言われています。
ただ、鉄欠乏性貧血といっても、単に鉄分が足りないだけで無く、タンパク質が足りていない場合も鉄欠乏性貧血となる事があります。これは、体内で鉄を運搬、貯蔵、利用するためには、タンパク質の利用が欠かせないためです。
このため、うつ症状や精神的な不調を改善させるために、プロテインや鉄分のサプリメントを摂取するようアドバイスされることがあります。併せて、タンパク質の消化能力が低い場合には、消化サポートも同時にアドバイスされることも多くあります。
このようなことを学んでいないと、なぜうつ症状や精神的な不調にプロテインや鉄分を摂取しなければならないのかが分かりませんよね。
また、例えその方が貧血だったとしても、貧血には様々な種類があり、その原因も様々です。例えば、亜鉛が足りなくて貧血になる亜鉛欠乏性貧血や、再生不良性貧血、大球性貧血や小球性貧血、慢性炎症における鉄の利用障害や、溶血性貧血、消化管などからによる出血、婦人科疾患による出血量の増加など、貧血を引き起こす原因は様々なものが関係しています。
このようなことを学んでないと、貧血=鉄欠乏性貧血だと思い込んでしまい、なぜ血液検査を受けなければならないのかが分かりません。そのため、まずは分子栄養学やオーソモレキュラー療法について学び、血液検査を受ける意義と、それぞれ適切なアプローチを行う意義を理解することが大切です。
消化管から出血している場合には、まず消化管からの出血を止めることが第一ですし、婦人科疾患によって出血量が増加していた場合は、婦人科疾患の治療を先に行うことも必要になります。ピロリ菌の感染やリーキーガット症候群などで消化吸収能が低下していた場合は、その対策も必要です。
この原因からきちんと対処しなければ、いくらサプリメントで鉄を補給したとしても、血液や栄養素がザルのように体外へ流れ出てしまってほとんど効果がありません。このようなことをしっかり学んでいないと、何故その検査やサプリメントが必要なのかが分からず、正しいオーソモレキュラー療法が行えないのです。
ですので、オーソモレキュラー療法を受ける際は「どのサプリメントを飲むか」について医者に丸投げするのではなく、自ら学び、実践していくことが大切です。KYBクラブのオーソモレキュラー療法は、この「学ぶ」「知る」「補う」の3つのサービスを提供し、正しいオーソモレキュラー療法と自身の健康は自分で守る「健康自主管理運動」が行える会員専用サービスになっています。
このKYBクラブでオーソモレキュラー療法を受ける際の具体的な流れは、次のようなステップで受ける事が出来ます。
✔️オーソモレキュラー療法を受けるまでの流れ
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オーソモレキュラー療法、分子整合栄養学についてしっかり理解する
オーソモレキュラー療法を受けるに当たって、まずはオーソモレキュラー療法とは一体どのような療法なのか、分子整合栄養学とはどのようなものかについて、当サイトのコンテンツでじっくり学んでください。
分子整合栄養学をぶことは、身体の仕組みや栄養素がどのように働いているかを理解する上で非常に重要です。栄養素の働きについての理解が無ければ、なぜその栄養素が必要なのか、なぜ血液検査を受けなければならないのかも理解できません。まずは、分子整合栄養学についてしっかり学んでおきましょう。
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お申し込み
オーソモレキュラー療法やKYBクラブについてご納得頂けましたら、検査対応クリニックや検査概要、検査料金をご確認の上、お申し込み下さい。オーソモレキュラー療法の血液検査は、対応クリニックでのみ受けることが可能です。検査対応クリニックまたは検査料金のページにつきましては、こちらからご覧頂けます。
※検査対応クリニックや検査概要、検査料金のページにはパスワード保護がかけてあります。パスワードは、LINEの友達登録時にご案内しております。
LINEの友達登録は、下記お申し込みフォームからご登録ください。
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会員登録用紙、栄養相談シート、承諾書の提出
お申し込み完了後、こちらから検査に必要な書類を送らせて頂きます。到着しましたら内容をよくご確認の上、必要事項に署名ご捺印の上ご返送ください。
検査予約はご返送頂いた書類がこちらに届いてから起算して、最短で一週間後から可能です。検査予約日のご希望は2週間程度の余裕を持った日時をご記入ください。
また、初回検査を受ける方はK01の基本検査とK15のタンパク質消化能力検査を受けて頂くのがおすすめです。胃の検査を受けて頂くことでタンパク質の消化能力が分かり、最適なプロテインの種類や栄養アプローチ方法が分かります。
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検査の予約
書類がこちらに届き次第、内容を確認して予約させて頂きます。また、場合によっては追加の検査をオススメする場合や、必要に応じてカウンセリングを行わせて頂く場合が御座います。
加えて、ご希望の検査項目やご希望のクリニックによっては、別途日程の調節やクリニックの変更をお願いすることが御座います。予めご了承ください。
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検査を受ける
血液検査の予約がとれましたら、検査日までに唾液検査キットと検査依頼書がケンビックスから送られてきます。※検査依頼書と唾液検査キットにつきましては、KYBクリニック以外のクリニックをお申し込みの場合のみ同封されています。
K01基本検査を受けられる方は、検査当日に同封の案内に従って朝歯磨き前に唾液を採取してください。また、採取した唾液は保冷バックで保管し、血液検査を受けるクリニックまでご持参ください。
K01基本検査を受ける方は、検査項目に影響を与えるため検査12時間前からサプリメントを含めて絶食となります。ただし、お薬を服用の方は医師の処方に従って服用してください。また、脱水予防のために水分はこまめに補給してください。
クリニックによっては検査予約日時に時間指定がある場合が御座います。その際は遅れずにご来院ください。
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レポート到着まで待つ
採血が無事に終了しましたら、ケンビックスからレポートが送られてくるまでお待ちください。レポートの完成、到着までにはおよそ2週間〜3週間程度かかります。
また、レポートとは別に、採血を受けた数日後に検査結果が記されたペラペラの紙が郵送されてくる場合が御座います。こちらは検査結果の控えになりますのでレポートでは御座いません。ご自宅にて大切に保管してください。
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栄養相談・カウンセリング
レポートが到着しましたら、ご希望に応じて栄養相談を致します。担当ディレクターまたはケンビックスのカウンセラーがレポートの解説やカウンセリングを致しますので、お気軽にお申し込み下さい。栄養相談に関する費用は無料です。
栄養相談では、サプリメントの粒や粉が苦手など、その方の好みや状態に合わせてより踏み込んだ栄養アドバイスをご提供しております。また、予算やご希望に合わせての栄養アドバイスも致しますので、是非ご検討ください。詳しくは、レポートと一緒に案内を同封致しております。
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栄養療法開始
栄養療法の方針が決まりましたら、いよいよオーソモレキュラー療法の開始です。レポートに記載された栄養アドバイスや栄養相談の内容を参考に、ご自身に必要な栄養素を補っていきましょう。
使用するサプリメントについては、分子栄養学実践用に設計・開発されたケンビックスシリーズをご使用下さい。ケンビックスシリーズは、会員サイトもしくはLINEからご注文頂けます。また、各種キャンペーンや割引も御座います。詳しくはお申し込み時、栄養相談時にご相談ください。
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定期的に再検査・アプローチの見直し
オーソモレキュラー療法では、一度検査を受けて栄養アプローチが決まったとしても、その栄養アプローチをずっと続けていればよいわけではありません。身体の状態は日々変化しますし、不足している栄養素をしっかりと補っていけば、徐々に血液検査の結果も変わってきます。
また、体内で栄養が整ってくるにつれて、今までマスクされていた検査項目や疾病が新たに分かってくる場合もあります。この事からも、最低でも1年から半年程度の間隔で定期的に血液検査を受け、アプローチの見直しを行いましょう。アプローチを見直すことで、より自身に合った栄養アプローチを行う事が可能です。
そして、オーソモレキュラー療法では何よりも継続することが大切です。最低でも3年以上は続けるようにしましょう。オーソモレキュラー療法で用いるサプリメントは薬ではありませんので、すぐには結果が出ません。栄養療法と併せて生活習慣の改善も必要になります。焦らずコツコツと補給し続けていくことが大切です。
この継続と生活習慣の改善こそが、健康自主管理運動で最も重要な基本になります。健康管理を医者任せにしないためにも、オーソモレキュラー療法は一生実践していく覚悟で続けて下さい。
以上が、KYBクラブでオーソモレキュラー療法を受ける際の具体的な流れです。基本的にはKYBクラブに入会し、それぞれが分子栄養学を学びながらオーソモレキュラー療法を実践していくのが流れとなります。
気になる費用についてですが、個人差が大きいため一概にいくらかかるとは断言出来ません。これは、必要な検査や必要なサプリメントの量については、その人の状態に大きく左右されるためです。ですので、あくまで一般的と思われる目安をご紹介します。こちらはあくまで目安ですので、参考程度に留めておいて下さい。
気になる費用の一般的な目安は?
KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受ける際にかかる費用の一般的な目安については、次の通りです。KYBクラブの入会費用と、検査費用、それに毎月のサプリメント代がかかります。
KYBクラブに入会すると、オーソモレキュラー療法以外にも様々なサービスを受ける事が出来ます。例えば、ディレクターサポートもサービスの1つです。
ディレクターとは、分子整合栄養学、身体における栄養素の働きについて深く理解し、KYBクラブ会員の皆様一人一人に合わせた分子整合栄養学的アドバイスを行える知識をもった方の事です。
KYBクラブでは、分子整合栄養学やオーソモレキュラー療法を実践する方に対し、ディレクターがそのサポートを行う事になっています。例えば、オーソモレキュラー療法の血液検査の予約や日々の体調に関する相談、レポートを元にした栄養アドバイス、ケンビックスサプリメントの手配など、そのサポート範囲は多岐にわたります。
また、分子栄養学について分かりやすく説明したり、KYB会員サイトの使い方などをサポートしたり、分子栄養学を学べる講座である金子塾などの申し込みに関して不明点をサポートするのもディレクターの仕事です。
このようなことから、KYBクラブに入会する際や、オーソモレキュラー療法を行う際はディレクターを通して行う事になっています。当サイトからKYBクラブに入会する方法につきましては次のページで解説していますので、ご希望の方は次のページからお申し込み下さい。
僕は、主にこのディレクターという仕事をしているよ。このページからKYBクラブに入会した方は、僕がディレクターを務めるからよろしくね
オーソモレキュラー療法を受けるのに、何故KYBクラブの入会が必要? KYBクラブとは?
ここまで、KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受ける際の具体的なステップについて解説してきました。前にも少し触れましたが、KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受ける際には、KYBクラブの入会が必要です。
このKYBクラブとは一体どのようなクラブなのでしょうか? また、なぜオーソモレキュラー療法を受けるのにKYBクラブに入会しなければならないのでしょうか?
まず、KYBクラブとは一体何なのかというと、(株)ケンビファミリーが運営する健康自主管理運動の会員制クラブのことです。このKYBクラブのKYBとは、「Know Your Body」の略で、自分の身体は自分で守りましょうという意味になります。
KYBクラブでは主に分子栄養学について「学ぶ」、血液検査などを通して自分の身体について「知る」、必要な栄養素を「補う」という3つの柱をベースに、健康の自主管理に必要な情報やオーソモレキュラー療法などを提供しています。上述したオーソモレキュラー療法は、いくつかある会員サービスのうちの1つです。
また、KYBクラブでは、上述したオーソモレキュラー療法以外にも、分子栄養学をもっとわかりやすく学べる講演会や勉強会も定期的に開催されています。
こちらでは、例えば「貧血に対する分子栄養学アプローチ」や「更年期障害に対する分子栄養学的アプローチ」「成長期の子供に必要な栄養素」など、より的を絞った分子栄養学が分かりやすく学べる内容になっています。初心者の方は、まずはこちらの勉強会から学んで頂くのがオススメです。
このような分子栄養学に関する勉強会や講演会以外にも、上述したようにKYBクラブでは自分の身体の状態を「知る」ための検査と、足りない栄養素を「補う」ための分子栄養学実践専用サプリメントが提供されています。この2つを合わせてオーソモレキュラー療法とも呼ばれています。
KYBクラブのオーソモレキュラー療法では、血液、唾液、尿を含めた全68項目もの項目を検査することで、全身の状態や栄養状態を把握することが出来るようになっています。
更に、オプション検査として糖尿病や骨粗しょう症、SIBOやリーキーガット症候群、DHEAs、酸化LDL検査など様々なオプションを加えることで、更に詳細に身体の状態や栄養状態を把握することが可能です。
これらの検査結果は、分子栄養学に精通した専門医が一人一人のデータを解析し、レポートにまとめられます。このレポートを参考に、個人個人それぞれが分子栄養学を学びながら、分子栄養学実践専用サプリメントを使って実践していくのがKYBクラブのオーソモレキュラー療法です。
例えば、KYBクラブでは、血液検査を受けた方に上図のようなレポートを発行しています。このレポートは、血液検査結果や栄養相談シートに基づいて専門医が一人一人を解析し、個別に作成しているものです。
メディカルレポートでは、血液検査結果についての総合評価や解説、前回からの変化などが記載され、現在の身体の状態が分かります。また、栄養レポートでは、血液検査結果の分析に基づく栄養アドバイスが解説されており、どの栄養素をどのくらい摂ったら良いのかが解説されています。
このような検査やアドバイスを元に自分の状態を「知り」、分子栄養学実践専用サプリメントであるケンビックスシリーズを使って「補う」のが、KYBクラブが推進している健康自主管理運動です。
分子栄養学では、一般的に推奨されている量よりも遙かに多くの量の栄養素を摂取します。そのため、使用するサプリメントは安心・安全な設計と製造が行われている高品質なサプリメントを選ぶことが大切です。
ケンビックスシリーズでは、分子栄養学や生物学に精通したサプリメントの専門家チームが設計・製造し、医薬品と同じレベルの高品質なサプリメントになっています。
「分子栄養学実践専用サプリメントは、一般的なサプリメントと比べて具体的に何が違うの?」と思われた方は、是非下記の記事も参考にしてみて下さい。
分子栄養学で使われるサプリメントと、海外サプリメントなど一般的なサプリメントとの違い
分子栄養学の実践においては、必ずサプリメントが用いられています。この時に使われているサプリメントは「分子栄養学実践専用サプリメント」という特殊なものです。 で…
このように、分子栄養学やオーソモレキュラー療法について学びながら実践できるようになっているのがKYBクラブです。何度も繰り返しますが、オーソモレキュラー療法はただ単に検査を受けてサプリメントを飲む療法ではありません。
オーソモレキュラー療法を正しく実践するためには、自ら分子栄養学について学ぶことと、生活習慣の改善を含めた健康の自主管理が大切です。そのお手伝いをするのがディレクターであり、KYBクラブなのです。
「オーソモレキュラー療法を受けるのにわざわざ会員登録が必要なの?」と思われるかも知れませんが、前述したとおり分子栄養学について学ぶことや理解を深めることもオーソモレキュラー療法の一環です。
このオーソモレキュラー療法を正しく実践するためにも、KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受ける際はKYBクラブの入会が必須となっています。KYBクラブの入会は、正しいオーソモレキュラー療法の実践に必要なものと考えて頂くのがいいですね。
KYBクラブの入会であなたが得られること
- 分子栄養学について無料で学ぶことが出来る
- 分子栄養学についての正しい知識が得られる
- 分子栄養学に基づく血液検査などが受けられる
- 栄養相談、ディレクターサポートが無料で受けられる(このサイトから入会した場合)
- 定期的に開催される各種勉強会、講演会に無料で参加出来る(オンライン参加の場合)
- 分子栄養学に関する書籍が購入出来る
- 分子栄養学の知識をもっと深める金子塾を受講できる
- 分子栄養学実践用サプリメントの購入が出来る
なるほど、正しいオーソモレキュラー療法を行うためにはKYBクラブに入会する必要があるんだね
そうそう、KYBクラブではオーソモレキュラー療法以外にも、定期的に開催される講演会や勉強会なんかにも参加出来るよ。他にも分子栄養学に関する書籍も購入出来るから、しっかりオーソモレキュラー療法を実践したい方にとっては素晴らしい環境だね
世界で初めて分子栄養学に基づく血液検査項目セットを考案したのはKYBクラブです!
ちなみに、オーソモレキュラー療法を提供している所はKYBクラブ以外にもありますが、分子栄養学に基づく血液検査項目セットを世界で初めて考案・導入したのは、KYBクラブ創設者である故・金子雅俊先生が最初です。
当時、故・金子雅俊先生は分子栄養学に感銘を受け、アメリカに渡ってポーリング博士やホッファー博士から直接分子栄養学を学びました。
そして、故・金子雅俊先生は、この分子栄養学を日本でも広めようと決意します。その時にポーリング博士から助言を受けたのが「分子栄養学を説くなら家庭の健康を管理している主婦に伝えなさい」という言葉です。
故・金子雅俊先生はその教えに従い、主婦を集めて健康自主管理を目的とした分子栄養学の勉強会「金子塾」を開催します。そうして草の根運動的に広まってきたのがKYBクラブです。KYBクラブでの分子栄養学講座が「金子塾」となっているのも、この流れが元になっています。
その後、故・金子雅俊先生は、生体内で欠乏している栄養素を判断するためのツールとして、世界で初めて分子栄養学に基づいた血液検査を導入し、分子栄養学的アプローチによるエビデンスの集積を行っていきました。
血液には私達が食べた食べ物などから吸収した栄養素や、それを代謝して産生された酵素などの代謝産物が含まれています。このことから、血液中の成分を調べることによって身体の健康状態や栄養状態を正確に把握することが可能です。
故・金子雅俊先生は、この仕組みを利用して分子栄養学に基づく全血液検査項目セットを考案し、全身の健康・栄養状態を数値として客観的に把握することを可能にしました。KYBクラブで行われているオーソモレキュラー療法や、日本で行われているオーソモレキュラー療法の血液検査は、この全血液検査項目セットが元になっています。
そして、KYBクラブのオーソモレキュラー療法は、世界中の名だたる科学者達の助力を得ながら、次々に栄養改善効果を立証し、日本のオーソモレキュラー療法の普及と発展に大きく発展しました。
例えば、ヘリコバクター・ピロリ菌を発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞したバリー・マーシャル博士からの教えを活かし、KYBクラブではKYB運動開始初期(ピロリ菌の除菌が保険適用になる前)からHp抗体やPG1/2の血液検査とピロリ菌除菌治療を取り入れていました。その結果、多くの方がピロリ菌除菌により栄養状態が上昇し、栄養状態の改善効果を立証しています。
また、今では隠れ鉄欠乏貧血の指標としてなじみの深い「血清フェリチン値」も、カットオフ値を初めて設定したのはKYBクラブです。KYBクラブでは、KYB運動を開始した当初から、フェリチン値のみが低値を示す潜在性鉄欠乏性貧血に着目していました。潜在性鉄欠乏性貧血を抱えている方にフェリチン値の改善を積極的に行った結果、多くの方が状態改善を実感しています。
このように、オーソモレキュラー療法の血液検査を世界で初めて導入したのはKYBクラブであり、その歴史には確かな実績があります。このような実績とエビデンスの元、KYBクラブではオーソモレキュラー療法が行われているのです。
ちなみに、血液検査というと病気の時に受ける血液検査や、人間ドックなど検診で受ける血液検査を思い浮かべる方も多いと思いますが、これらとオーソモレキュラー療法の血液検査は全く異なるものです。
具体的には、健康保険で行われる血液検査は、病気である場合や病気の疑いがある事が前提に行われる検査になります。こちらは、主に病気に関連する項目のみで、病気を診断したり経過を観察したりする目的で行われています。
もう一つの人間ドックで受ける検査は、病気が隠れていないかを判断するためのものです。こちらは保険で行われている検査と比べて項目数は多いですが、栄養状態を把握するためには使われていません。
対してオーソモレキュラー療法の血液検査では、体内での栄養状態や、体内で栄養がどのように働いてるかを調べるためのものです。血液には、食事から取り込んだ栄養素や、それを代謝して体内で産生した様々な物質が溶けています。この血液中の成分を詳しく調べることにより、身体の栄養状態や健康状態を正確に把握することが出来るのです。
そのため、オーソモレキュラー療法を実践する際は必ず専用の血液検査を受けるようにして下さい。この検査は、KYBクラブで受けて頂くのが最も正確で安全です。
日本でオーソモレキュラー療法を提供しているクリニックはKYBクラブ以外にもありますが、十分に理解していない方がオーソモレキュラー療法を行っていたり、やり方がズレている場合もあります。当方にも、このようなオーソモレキュラー療法を受けて良くならなかった方から、「KYBクラブで再度オーソモレキュラー療法を受けたい」というご相談も多く頂いています。
そのため、オーソモレキュラー療法を受ける際は、はじめからKYBクラブで受けて頂くのがオススメです。オーソモレキュラー療法の血液検査項目セットを生み出したのはKYBクラブが最初ですので、実績も歴史も揃っています。これ以上の所はありませんので、迷っている方はKYBクラブのオーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。
オーソモレキュラー療法の血液検査項目セットを生み出したのはKYBクラブが最初だよ。血液検査の解析やサプリメントの質ではここがトップクラスだから、オーソモレキュラー療法を受けるときは是非KYBクラブで受けてみてね。
オーソモレキュラー療法を正しく実践するために必要な考え方。オーソモレキュラー療法では、運動・栄養・休養の3つの目的のために必要な栄養を摂るという考え方が重要です
最後に、オーソモレキュラー療法を正しく実践するために必要な考え方についても解説しておきます。
多くの方は、オーソモレキュラー療法を行う目的として、「何か不調を改善したい」「病気を予防したい」「もっと健康的な生活を送りたい」などの目的があるかと思います。
しかし、このような不調の改善や病気の予防、健康増進は、単に栄養補給を行っているだけでは目的を達成させることは出来ません。なぜなら、不調の改善や病気の予防を行うためには、運動や睡眠などの生活習慣が深く関係していることに加え、社会的繋がりやライフスタイルなどの環境的、社会的、心因的な要因なども関係しているからです。
例えば、慢性疾患やガンなど、多くの病気は生活習慣が関係していると言われています。
ガンの場合は、発症原因に生活習慣が70%以上関わっているとされており、遺伝的素因としては30%以下です。また、糖尿病や生活習慣病などの慢性疾患に至っては、90%以上の原因が生活習慣であり、遺伝的素因は10%以下です。どちらも、生活習慣が病気の発症原因として占めている割合が高いことが分かります。
この病気の原因となる生活習慣としては、食事や栄養の偏りなども関係していますが、それ以外にも運動や睡眠、ストレスや環境などのライフスタイルも関係しています。病気の予防や治療効果を高めたい場合は、このような生活習慣の改善を同時に複数行うことが重要です。
例えば、科学的根拠に根ざしたガン予防ガイドライン「日本人のためのがん予防法(5+1)」では、確実に効果が期待出来るような生活習慣改善法として「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」の5つの改善可能な生活習慣に「感染」を加えた6つの要因を挙げています。
これらの要因はガンの発症に繋がる可能性があり、ガンを予防するためにはこれら生活習慣をすべて改善していくことが最も効果的です。この生活習慣の改善は、どれか1つを集中的に行ったとしてもほとんど効果は期待出来ません。
この事は、科学的根拠に根ざしたガン予防ガイドライン「日本人のためのがん予防法(5+1)」の中でも解説されています。
国立がん研究センターによると、この5つの健康習慣を実践する人は、0または1つのみ実践する人に比べ、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低くなるという推計が示されました。
上のグラフからも分かるように、1〜2つの生活習慣を改善してもあまり効果は期待出来ず、実践した健康習慣の数が多くなるほど予防効果が高くなるという結果が出ています。これは、ガンに限らず糖尿病や認知症など生活習慣病の予防に関しても同様です。
つまり、いくらオーソモレキュラー療法による栄養アプローチを行っても、それだけで病気の予防や健康維持は出来ません。どんなに質の良いサプリメントを摂ったとしても、運動不足や飲酒、喫煙、暴飲暴食などその他の生活習慣が悪かった場合は、殆ど健康効果が期待出来ないのです。
このため、オーソモレキュラー療法を実践する際は、栄養アプローチを行う事に加えて食生活を含めた生活習慣の改善も同時に行うことが必要です。特に運動や睡眠は重要で、運動と質の良い睡眠、栄養補給が合わさって初めて、体内の乱れた代謝や分子が整ってきます。これは、運動したことによる組織への刺激や、質の良い睡眠をとることによって、摂取した栄養素が身体を作ったり修復したりすることに使われるためです。
では、なぜ栄養補給を行うだけでは生体内の分子の乱れや代謝の乱れが整えられないのでしょうか? オーソモレキュラー療法では、至適量の栄養を補給することで生体内の分子の乱れが整い、自然治癒力が向上して病態改善が得られると言われています。
このように聞くと、栄養を摂っているだけで病態改善や予防効果が得られそうに聞こえますよね。しかし、栄養素を摂ったら摂った分だけ身体が勝手に栄養素を使っていくというわけではありません。
摂った栄養素は、身体を作ったり修復したりする材料として使われて初めて意味があります。この栄養素を体内で有効に使うためには、身体を動かして筋肉量を増やすなど、自らの活動を通して意図的に使っていくことが必要です。
具体的には、筋肉量を維持、増加させるためにはそれなりの負荷を筋肉にかける必要がありますし、骨粗しょう症の改善などで骨を丈夫にするためには骨に刺激を与えることが必要です。身体は、このような組織への刺激と、修復する材料となる栄養素が合わさることで、始めて修復や増強を行ってくれます。
しかし、現代社会では、昔に比べて車や電車などの移動手段が発展したことで、歩いたり走ったりして移動する機会が減少しました。加えて、インターネットの発展によるリモートワークへの移行、洗濯機など清掃家電や調理家電等の進化などによって移動や家事を行う機会も減少し、座位を中心とした運動不足の生活習慣が慢性化しています。
このような生活環境による運動不足の状態では、筋肉や骨に刺激が与えられないことから、身体は運動機能が不要になったと判断して筋肉量や運動機能が低下していきます。この筋肉量の低下や身体機能の低下は「基礎代謝」の低下を招き、糖尿病や肥満などの生活習慣病に繋がる原因です。
つまり、栄養療法だけをしっかり行ったとしても、運動しなければ筋肉量や身体機能が低下し、むしろ病気のリスクが上昇してしまうのです。
げげっ❗オーソモレキュラー療法だけで病気の改善や予防は出来ないのか💧
そうだよ。栄養は単に入れただけでは使われないんだ。栄養をしっかり使っていくためには、よく食べてよく動いて、よく寝ることが大切だね。
筋肉量の低下は代謝と運動機能の低下。代謝と運動機能の低下は、生体内分子の乱れです。
この筋肉量の低下で危惧されるのが、代謝機能の低下です。筋肉はタンパク質で出来ていることから「タンパク質代謝」に直接的な影響がありますし、筋肉を動かすためにはエネルギーとなる糖質や脂質も必要なため、「糖代謝」や「脂質代謝」とも関係があります。
筋肉量の低下は、これら糖質や脂質、タンパク質の利用量(基礎代謝)も低下させます。すると、使い切れなかった糖質や脂質が脂肪として貯えられ、太りやすくなります。この筋肉量の低下による肥満が、サルコペニア肥満やメタボリックシンドロームなど、生活習慣病へと繋がってしまう原因になるのです。
サルコペニア肥満とは、筋肉量が低下する「サルコペニア」と脂肪蓄積による「肥満」が合わさった状態を言い、メタボリックシンドロームはお腹周りが大きいことに加えて、血圧の上昇や空腹時高血糖、脂質の異常値のうち2つ以上が当てはまる状態の事です。
サルコペニア肥満では、筋肉量の低下と肥満が同時に引き起こされる事から、メタボリックシンドロームの原因となる糖尿病や高血圧、脂質異常症などの代謝疾患と、ロコモティブシンドロームなど運動機能低下のリスクが非常に高まります。
また、肥満と聞くと太っている人を想像するかも知れませんが、太っていなくても注意が必要です。特に日本人の場合は欧米人に比べて、肥満でなくても生活習慣病を発症する人が多いと言われています。その原因として、近年注目されているのが、肝臓やすい臓など脂肪組織以外の様々な臓器に脂肪が蓄積する「異所性脂肪」です。
異所性脂肪では、本来脂肪が蓄積することのない臓器に脂肪が蓄積することで、臓器機能を低下させます。日常生活で特に身近なものとしては、お酒の飲み過ぎや糖質、脂質の摂りすぎによる脂肪肝です。脂肪肝では、肝臓が慢性的に炎症状態となり、ダメージを受けて肝硬変や肝臓ガンなどに進行する原因になります。
他にも、すい臓や筋肉に脂肪が蓄積することでインスリンの分泌や筋肉組織の糖と取り込みを抑制することで糖尿病にも繋がります。これら臓器に異所性脂肪が蓄積することによって、タンパク質代謝や糖代謝、脂質代謝の機能を低下させることから、メタボリックシンドロームを招くリスクが非常に高くなります。
このような異所性脂肪の存在は、身体の外側から見ても見分けることは出来ません。そのため、太っているように見えなかったり、BMI値や体重が適正だったりしている人も注意が必要です。
もし、このようなサルコペニア肥満やメタボリックシンドロームの状態で年齢を重ねていくと、筋肉量や運動機能の低下から、ロコモティブシンドロームや認知機能低下など、更なる生活習慣病の発展に繋がる可能性があります。
ロコモティブシンドロームとは、骨や筋肉、関節、神経などの運動器に障害が生じたことにより、歩行するための移動機能が低下した状態の事です。
通常、腰や膝などは骨格や筋肉によってある程度の重さや負荷にも耐えられるようになっています。しかし、食べ過ぎや運動不足、サルコペニア肥満やメタボリックシンドロームを抱えたまま年齢を重ねている方は、膝や腰を支える筋肉がないため、重さや負荷に耐えられません。
すると、動く事が苦痛になって更に動かなくなり、運動機能が低下します。運動機能が低下すると、骨が弱って骨粗しょう症を発症しやすくなることから、転倒のリスクも高まります。もし転倒して骨折した場合は、長期間ベッドで過ごすことになってしまい、ますます運動機能の低下と骨密度の低下を引き起こします。
同時に、動かない時間が増えることから外部とのコミュニケーションや社会との関わりも減少し、脳機能も低下して認知症を発症するリスクが高まります。
このように、ロコモティブシンドロームと認知症は相互に影響を与え合って負の連鎖を引き起こします。筋肉量の低下や身体機能の低下は、代謝の低下や生体内の分子の乱れ(病気)と深く関係しているのです。
ひょえー❗運動不足や肥満って、将来的に要介護や認知症を発症する原因になるのか💦
そうだよ。それに肥満や運動不足はガンの発症とも関連していると言われているんだ。よく糖質の摂りすぎが万病の元みたいに言われるけど、そうじゃない。運動不足や筋力量低下によって食べたものがきちんと代謝出来なくなっていることこそが、万病の元になるんだ。
やっぱり運動って大事なんだね💧 今度から、運動する習慣も取り入れることにするよ
オーソモレキュラー療法では、運動・栄養・休養の3つの目的のために必要な栄養を摂るという考え方が重要です
では、どのようにすれば、サルコペニア肥満やメタボリックシンドローム、ロコモティブシンドロームなどの生活習慣病を予防、改善できるのでしょうか?
このような生活習慣病を予防、改善するためには、やはり運動して筋肉量を増やしていくことが必要になります。年齢を重ねると筋肉は付きづらくはなっていきますが、いくつになっても筋肉を増やす事は可能です。
ただ、運動するときは、同時に筋肉の材料となるタンパク質を十分に摂取する事が重要です。もし、十分な栄養を補給しないまま運動してしまうと、むしろ筋肉量を減らしてしまう可能性があります。
例えば、75歳以上の女性39名に軽い運動とアミノ酸(タンパク質が分解されて消化吸収しやすくなったもの)の栄養補給を行ってもらったところ、脚部筋量が有意に増加する結果となりました。また、運動せずアミノ酸だけを摂取した38名のグループでも、筋肉量が若干増加する結果になっています。
しかし、アミノ酸の偽薬を用いたプラセボ群では、むしろ筋肉量が減少するという結果になりました。このことから、筋肉量を増やすためには第一に栄養補給が重要です。この栄養補給と運動を組み合わせることが、筋肉量を増やす上で最も効果的です。
ちなみに、運動せずに栄養補給だけを行った場合でも筋肉量は僅かに増加しますが、それはあくまで日常生活で必要とされる程度の筋肉量か、もしくは筋肉量をなるべく落とさないようにする程度です。栄養補給を行っているだけで、筋肉ムキムキになっていくことはありません。
特に現代社会の生活様式では全体的に活動量が低下しているため、日常生活における活動だけで、病気の予防や代謝を整えるほどの筋肉量を維持、増加させる事はほぼ不可能です。やはり十分な筋肉量を増やす、維持するためにも、運動する習慣は必ず取り入れるようにしましょう。
それから、運動した後に筋肉を修復したり増やしたりするためには、質の良い睡眠を取ることも必要です。身体の修復は、夜寝ている間に行われています。この睡眠の質が悪かったり、睡眠不足の状態では、身体の修復が十分に行われません。このような場合は、むしろ筋肉量が低下していく原因になります。(体タンパク異化亢進)
このため、質の良い睡眠がとれるようにも心がけていきましょう。よい睡眠を取るためには、体内時計を司っているセロトニンやメラトニンを整えたり、副交感神経や交感神経など自律神経を整える事が重要です。これらも栄養から必要な物質が作られていることから、栄養も必要です。
例えば、貧血の状態は不眠や睡眠の質が悪化するなど様々な不定愁訴を引き起こす原因になります。これは、鉄分がセロトニンなど脳の神経伝達物質の合成に必要なほか、自律神経の調節にも関係しているためです。貧血を改善する事は、よい睡眠を取るための第一歩です。
つまり、病気を予防したり、健康を維持するためには、運動・栄養・休養の3つのバランスを取ることが必要であり、その目的のために必要な栄養素を摂取するという考えが重要になります。
オーソモレキュラー療法による栄養アプローチは、この3つの目的のために栄養素を摂取する事であって、決して栄養素だけで病気を治すといった療法ではありません。この部分の認識は、オーソモレキュラー療法で特に間違われやすい事の1つです。
例えば、「糖尿病に効果がある栄養素を摂取する」のではなく、「糖代謝を改善させるために必要な筋肉をつける、運動するために必要な栄養素を摂る」事が正解です。
他にも、「ガンに効く栄養素を摂取する」のではなく、「ガンの発症原因となる生活習慣や、肥満を改善させるための運動に必要な栄養素を摂る」といった感じです。
先ほども解説したように、病気の殆どは生活習慣が大きく関係しています。生活習慣の改善無しに、生活習慣病の改善はあり得ません。オーソモレキュラー療法は、これら3つの目的をサポートするためのものです。何か特定の栄養素を摂取しただけで病態改善が得られるわけではない点には十分理解しておきましょう。
オーソモレキュラー療法を実践する上で重要な考え方
- 痩せる栄養素は何ですか?
→ 基礎代謝を上げるために運動して筋肉を付ける。そのために必要な栄養を摂る◎ - 糖尿病に効く栄養素はなんですか?
→ 糖代謝改善に運動と筋肉量アップが必要。そのために必要な栄養素を摂る◎ - ガンに効く栄養素は何ですか?
→ ガンの予防、改善にも運動と筋肉量アップが必要。そのために必要な栄養素を摂る◎ - 眠れるようになる栄養素を教えてください
→ 質の良い睡眠には、自律神経のバランスを整える、運動することが必要。そのために必要な栄養素を摂る◎
もし、このような考え方をしっかりと理解していない場合、オーソモレキュラー療法による栄養アプローチは明らかに間違った方向に進んでしまいます。
オーソモレキュラー療法は、栄養素における体内での働きを理解し、至適量の栄養素を補給することで身体本来の機能を取り戻す療法です。何か特定の栄養素を摂取しただけで病態改善が得られるような療法ではありませんのでご注意下さい。
また、オーソモレキュラー療法における重要な考え方として「オプティマムヘルス」があります。オプティマムヘルスとは、単に病気を予防するだけに限らず、心身ともに最高・最善の健康状態の実現を目指す事です。
私達は、病気になったり調子が悪くなったりすると、当然ながら気分が落ち込んだり、活動量が低下したりしてしまいますよね。逆に、体調が良い状態が続いていれば、気分も明るく活動的に過ごすことが出来ます。
ただ、中には体調不良の状態に慣れてしまって、不調であることの自覚がないまま、自分は健康だと思い込んでしまっている方もいます。また、オーソモレキュラー療法で病気が治ったり、自分の中では健康だ、調子が良いと思っていたりしたとしても、分子栄養学的に見たら分子レベルではまだまだ改善の余地が残っている場合も多いです。
このような場合、ご自身では今が最高の状態だと思っていても、分子レベルで見たらパフォーマンスが低下している可能性があります。細胞それぞれの働きが低下している場合、あなたが本来が持っている能力をすべて発揮出来ているとは言えません。
例えば、自分の中では「よく眠れている」と思っていても、分子レベルで見たらまだまだ質の良い睡眠に改善出来る余地が残っている可能性があります。
また、ちょっとしたことでイライラしやすい、不安になりやすい、気分が落ち込むなどの精神的な症状や、疲れやすいといったことも、実は分子レベルで見たら改善出来る余地が残っているかもしれません。
あなたが「自分の性格だ」と思っていることや、「これが普通だ」と思っていることでも、実は栄養がまだまだ不足していることによって引き起こされている可能性があるのです。
このような不調や活動量の低下は、日々あなたの人生に影響を与え続けます。特にイライラしたり気分が落ち込むなどの精神的不調は、気がつかない間に人間関係や仕事などに影響を与えます。
もし、このような精神的な不調が無くなり、今よりも活動的になれたとしたら、あなた自身でも気がついていないような能力やパフォーマンスがすべて発揮され、今よりももっと人生が変わると思いませんか?
この分子レベルで細胞を整え、あなた本来の能力をすべて引き出し、心身共に最高の状態を目指すことが、オーソモレキュラー療法の最大の目的であり、オプティマムヘルス(最適な健康)と呼ばれる状態です。
オプティマムヘルスとは、どのような環境下や激しいストレス下においても、常に最適な健康状態が維持できている状態の事です。人生では、その時々に応じて環境も変化しますし、良いこともあれば悪い事もあります。そのたびに体調が変化したり寝込んだりしていては、オプティマムヘルスの状態とは言えません。どのような状況下においても、最適な健康状態を維持できていることが理想です。
このオプティマムヘルスの状態を目指すためには、自ら分子栄養学を学び、自分の健康状態は自分で管理できることが必要です。
例えば、栄養の必要量は、運動や食事内容、体調によって日々変化します。オプティマムヘルスの状態を維持するためには、これらも考慮して、自らが日々オーソモレキュラー療法を実践し続ける必要があります。
日常的な活動で言えば、
- 今日はお酒を飲むからアルコール代謝に必要なナイアシンを多く摂っておこう
- 今日はストレスが多くかかったから、カルシウム・マグネシウムを多く摂っておこう
- 今日はいつもより運動量が多かったから、プロテインを多く摂ろう
- 風邪を引いたみたいだから、ビタミンCを多めに摂ろう
- 血液検査の結果でフェリチンが下がってきたから、ヘム鉄を多めに摂ろう
といった感じです。
このようにオーソモレキュラー療法では、単に病気の治療や予防という枠を超え、細胞レベルで常に最適な健康状態を得られるよう、その時々の状態に応じて最適な栄養補給を行っていく事が理想です。
そのためには、やはり自分自身の健康状態は自分で管理するという意識に加え、分子栄養学やオーソモレキュラー療法に関する知識も欠かせません。自分自身の状態は自分が1番理解していますので、自分に必要な栄養素は自分自身で判断出来ようになる事が重要です。
つまり、分子栄養学やオーソモレキュラー療法とは、自らの身体を自ら管理できるようになる学問・療法でもあります。ここで解説したオーソモレキュラー療法に関する事は、まだまだ基本中の基本で、学ばなければならないことは沢山あります。
もし、ここまで読んで分子栄養学に興味が湧いた方は、是非もっと深く分子栄養学を学んでみて下さい。分子栄養学を学べる教材としては、ケンビックスが行っている「KYBクラブ」や「金子塾」があります。これらは分子栄養学の基礎を学べるほか、病態別のアプローチなど分子栄養学を応用したアプローチについても学ぶことが可能です。
病気の予防、健康管理は一生続きます。病気が治ったからといって、その後にオーソモレキュラー療法の実践が必要なくなるわけではありません。分子栄養学やオーソモレキュラー療法は、学び続けること、実践し続けることが一番大切です。是非、分子栄養学を学び、自分の健康は自分で守れるようになりましょう。
オーソモレキュラー療法は、身体に良いと言われている食べ物だけを食べるとか、特定の栄養素で病気を治すとか、そういった小手先の健康法じゃないよ❗ そうじゃなくて代謝や生体恒常性を整えるために必要な栄養素を補給して身体を整えていく療法なんだ。しっかり分子栄養学を学んで、自分の健康状態は自分で管理できるようになってね❗
お、ナンナンもオーソモレキュラー療法について語れるようになってきたね。オーソモレキュラー療法は、学び続けることと実践し続けることが一番重要だよ。ただ、最近は間違った分子栄養学の情報も増えてきているから、情報の質には気をつけてね❗
間違った分子栄養学の情報に注意!
近年、インターネットやSNSが発展したことから、健康に関する様々な情報が飛び交っています。分子栄養学においても、分子栄養学を学べるセミナーや講座が増えた事によって、これらを学んだ人達による情報発信が急激に増えてきました。
このような中で問題となってくるのが、間違った分子栄養学の情報です。分子栄養学の情報の中には間違った情報や、分子栄養学をしっかり理解せずに情報発信されたもの、独自理論を組み合わせたものや、自身の経験のみで語られた客観性、エビデンスのない情報なども発信されています。酷いものでは、全く分子栄養学でも何でも無いのに分子栄養学だと語られているものもあります。
例えば、以下のような情報は間違った分子栄養学の例です。
- メガドーズ、メガビタミン療法
- 食事内容の改善や、特定の食材を摂取するだけで至適量の栄養が得られ、病気が改善するとしているもの
- 「この不調にはこの栄養素」といったように、単に不調の症状だけで栄養アプローチを行うもの
- 海外サプリメント、単に安価なサプリメントなど、安全性、有効性が確認されていないサプリメントで分子栄養学の実践をおこなっているもの
- 前駆体では無く、活性型の栄養素を用いているもの
- ファスティングと分子栄養学を組み合わせるなど、独自理論が組み合わされたもの
- 薬は一切使わない、栄養療法だけで病気が治るなど極端なもの
- 病態や不調の根本原因を調べるための検査に誘導しないなど、栄養欠損となった原因をきちんと調べずに行っているもの
- 医師免許を持たない者が、血液検査データを扱う、サプリメントを処方する、食事指導を行うなど、医療機関を通さずに分子栄養学の指導を行っているカウンセラー など
このような情報は間違った分子栄養学であり、実践することで病態や体調が悪化するなどむしろ命に関わる危険性があります。事実、当方にもこれら誤った情報を元に実践した方からの健康被害に関するご相談も増えてきました。
現代では個人がSNSで気軽に情報発信が出来る世の中になっています。このような時代だからこそ、間違った分子栄養学の情報にはくれぐれもご注意ください。
うれしい声が続々!KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受けた方から頂いた声
最後に、KYBクラブのオーソモレキュラー療法を受けた方から頂いた声をご紹介します。これからオーソモレキュラー療法を受けてみようと思っている方、オーソモレキュラー療法についてまだまだ半信半疑の方、是非参考にしてみて下さい。
頂いた嬉しい声は他にもまだまだ沢山あるよ❗
次は是非あなた自身で確かめてみてね❗
オーソモレキュラー療法とは? かかる費用や受けられる検査機関、具体的なやり方を解説まとめ
以上が、オーソモレキュラー療法にかかる費用や、具体的な受け方についてでした。
オーソモレキュラー療法は、クリニックで検査を受けて、その結果から足りない栄養素をサプリメント(分子栄養学実践専用サプリメント)で補っていく療法です。このように一言で言うと、とても簡単そうな療法に聞こえますよね。
しかし、オーソモレキュラー療法は単にサプリメントを大量に飲んで病気を治す療法ではありません。このあたりの間違った認識が多く、誤解や情報が一人歩きしてしまっているのが現状です。
本来、オーソモレキュラー療法は生体内の分子の乱れ(栄養素)を整える事により、病気の予防や改善を図る療法です。単に大量のサプリメントを飲む療法ではありません。サプリメントを飲むにしても、それぞれの消化吸収能力を考慮したり、病態を考慮したりと、個人個人に合わせた最適な栄養アプローチ(至適量)を行います。加えて、必要であれば現代医療を適切に組み合わせたり、生活習慣の改善も同時に行います。
また、言われたとおりのサプリメントをただ飲むのではなく、自ら分子栄養学を学び、実践していくことも大切です。このようなことをトータルで実践して、はじめて正しいオーソモレキュラー療法と言えます。
現在ではKYBクラブ以外でもオーソモレキュラー療法を提供しているクリニックが増えてきました。このようなクリニックでは採血とサプリメントの処方はしてくれますが、肝心の分子栄養学に関する知識については教えてくれません。これでは、何のためにそのサプリメントを飲むのか、何のためにオーソモレキュラー療法を行うのかが分からないまま、闇雲にサプリメントを飲む事になってしまいます。
もし、正しいオーソモレキュラー療法を行いたい方や、分子栄養学に興味ある方は、是非分子栄養学を学んで実践してみて下さい。分子栄養学については、ここで解説した以外にもまだまだ奥が深く、一生かけても学びきれないほど奥が深い学問です。
分子栄養学を学べる教材としては、KYBクラブが行っている「勉強会」や「金子塾」があります。これらは分子栄養学の基礎を学べるほか、病態別のアプローチなど分子栄養学を応用したアプローチについても学ぶことが出来ます。
KYBクラブについては、オーソモレキュラー療法・無料栄養相談申し込みページ で入会方法などをご案内しておりますので、ご興味ある方は是非ご覧下さい。