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分子栄養学的アプローチによる低血糖症の治し方!低血糖症はオーソモレキュラー療法で良くなる!

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低血糖症は分子栄養学アプローチで改善可能

食事をする度に血糖値が急上昇、急降下してしまう機能性低血糖症と、食べても血糖値を上げることが出来ない無反応性低血糖症。これら低血糖症は、近年新たな病気として注目されるようになってきました。
低血糖症の発症原因には、糖質の摂りすぎが原因の1つと言われ、糖質制限食を行ったり食事制限を推奨するような情報も増えてきています。また、乱高下する血糖値の波を抑えるためにハチミツをこまめに舐める「ハチミツ療法」など、様々な手法も出回っています。

しかし、これらは本当に低血糖症の改善に繋がるのでしょうか?
人の身体には、元々糖質などの栄養素や血糖値を上手く利用したりコントロールしたりする機能が備わっています。低血糖症は、この機能が正常に働けなくなってしまったことが一番の問題です。この機能を元に戻さない限り、いくら糖質の摂取量をコントロールしても意味がありませんよね。
つまり、低血糖症を改善させるためには、糖代謝が悪化している根本原因を改善させることが何よりも重要です。

今回は、機能性低血糖症や無反応性低血糖症の原因と、その改善方法をご紹介します。

目次

低血糖症の種類と原因。低血糖症は何故起こる?

ナンナン

あぁ〜…、ふらふらする〜…

はる かおる

どうしたの?

ナンナン

低血糖症の治療を受けているのに
ちっとも良くならないんだ

はる かおる

低血糖症の治療?

ナンナン

うん、血糖値を計るセンサーを装着して
お医者さんが食事指導をしてくれるんだ。
ふぅ…甘い物摂ったら落ち着いたよ。

はる かおる

落ち着いたみたいだね。
でも、その様子だと全然良くなってないのでは??

ナンナン

実はそうなの…💧
お金かけて一生懸命治療を受けているのに
全然良くなっていかないんだ💧

はる かおる

うーん、もしかするとそのお医者さんは
低血糖症の専門家では無いのかもしれないね。

低血糖症の治療と称して食事制限やコントロールをすると
むしろ低血糖症が酷くなる場合があるよ。

ナンナン

なっ、なんですとっ!?

はる かおる

なぜなら、低血糖症の原因はいくつか種類があって
人によってその原因も対処法もが違うから。

その理由を今から説明してあげるね。

低血糖症とは、血糖値が正常範囲以下にまで下がってしまった状態の事です。
通常血糖値は80〜100前後に保たれていますが、何らかの原因で血糖値が80以下を下回っている状態が続いていると、低血糖症と判断することが出来ます。

低血糖状態になると、冷や汗や動機、意識障害や痙攣、手足の震えなどの症状が現れることもあり、最悪の場合は死に至る恐れもあります。
他にも、「食べた後や夕方になると猛烈な眠気が襲ってくる」というのも低血糖の典型的な症状の1つです。それ以外にも耐えられないほど甘い物の欲求が強くなったり、気分が落ち込んだり不安感に襲われるなど、その症状は多岐にわたります。

https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/050/05.htmlより

現状、そんな低血糖症に対してはどのような対策や治療が行われているのでしょうか。
低血糖症は大きく分けて3つの種類があります。1つが「糖尿病の人が血糖降下剤やインスリン注射を使用する事による低血糖症」と、糖尿病とは認められない人でも低血糖症に陥る「無反応性低血糖症」「機能性低血糖症、乱高下型低血糖症」があります。

低血糖症の症状を訴える方の殆どは「無反応性低血糖症」か「機能性低血糖症」のどちらかで、乱高下型低血糖症は機能性低血糖症の延長線上にあります。
無反応性低血糖症とは、何か食べ物を食べても殆ど血糖値が上がらず、常に血糖値が80を下回っているような状態。
対して機能性低血糖症や乱高下型低血糖症では、空腹時血糖は正常値あたりになっているのにもかかわらず、何か物を食べたり甘い物を食べたりすると急激に血糖値が上昇し、その後インスリンの大量分泌によって血糖値が急降下。この血糖値の上昇と下降を繰り返し、血糖値が乱高下してしまう状態です。

機能性低血糖症は血糖値の急激な上昇と下降を繰り返してしまう病気

このような血糖値の乱高下を引き起こしてしまう状態を「反応性低血糖症」もしくは「機能性低血糖症」といい、血糖値の波の状態に応じて精神症状や自律神経症状を伴うのが最大の特徴です。
例えば、上図の①〜③のように甘い物や炭水化物の摂りすぎによって血糖値が急上昇し、その後すい臓から血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが大量に分泌。インスリンが大量に分泌されたことによって④のように血糖値が急降下し、低血糖に陥ります。
この時、低血糖は脳を動かすためのエネルギーが足りなくなるため、耐えがたいほどの眠気や動機、冷や汗や息苦しさ、不安感や気分の落ち込み、頭痛など様々な不調が表れます。さらに、意識を失ったり命を失うリスクがあることから、身体は血糖値を上げるために副腎髄質からアドレナリンやノルアドレナリン等の血糖値を上げる作用のあるホルモンを分泌。これら血糖値を上げる作用のあるホルモンは、同時に交感神経を刺激するため、イライラしたり不眠になったり、ちょっとしたことで爆発的な怒りが湧いてきたり等の精神症状、身体症状を引き起こしてしまうのです。

この「反応性低血糖症」や「機能性低血糖症」の原因は、主に砂糖等の甘い物や炭水化物の摂りすぎと言われています。確かに、現代の食生活ではパンやうどん、ラーメンやパスタなどの炭水化物や、ケーキやお菓子などの甘い物を取り過ぎていますよね。
この事から、低血糖症の治療を行っているクリニックでは、主に「リブレ」と呼ばれる血糖値をリアルタイムで測定してくれる機器を腕に装着し、その数値を元に「機能性低血糖症」と「無反応性低血糖症」との診断の切り分けをしたり、糖質摂取量などの食事指導が行われていることが一般的です。

では、このようなリアルタイムで血糖を測定してくれる装置を装着して糖質制限など甘い物を控えれば、機能性低血糖症は治るのでしょうか?
残念ながら、これだけで機能性低血糖症が良くなることはありません。なぜなら、機能性低血糖症の原因はインスリンの働きが弱くなっているから大量に分泌されてしまうことであり、インスリンの働きが低下していると言うことは糖代謝そのものが悪化しているからです。つまり、機能性低血糖症を改善させるためには、インスリンの働きを正常に戻し、糖代謝を改善させなければなりません。

このインスリンの働きが低下したり糖代謝が悪化したりする原因は、次のような疾病も関係しています。

  • 糖尿病
  • 副腎疲労・慢性疲労症候群
  • 副腎不全
  • 脂肪肝など肝機能障害
  • 甲状腺機能障害
  • ピロリ菌感染、胃腸障害
  • SIBO
  • リーキーガット症候群
  • 腸カンジダ症
  • 口腔内環境の悪化
  • 更年期障害、自律神経失調症
  • 肥満、痩せすぎ

この関係する疾病が原因で引き起こされるのは、「無反応性低血糖症」も同じ。無反応性低血糖症自体も、基本的には糖の消化吸収を含めた代謝の悪化が根本に隠れています。
つまり、低血糖症を改善させるためには糖代謝を改善させることが重要であり、その為には上述した糖代謝が悪化する原因を1つづつ改善していく事が低血糖症の改善に繋がるのです。

そこで、この記事では低血糖症と関連のある疾病別に、分子栄養学的栄養アプローチをご紹介します。
低血糖症と関連のある疾病はいくつかのグループに分かれており、「血糖コントロール機能低下型」「消化吸収能低下型」それに甲状腺機能障害など「代謝機能異常型」に分かれています。

「血糖コントロール機能低下型」とは、主にインスリン抵抗性や副腎疲労、ストレスなどによって血糖値の正常な維持が出来なくなってしまった状態の事です。
低血糖症には何か食べ物を食べたときに血糖値が上昇する「反応性低血糖症」「機能性低血糖症」と、食べ物を食べても血糖値が上昇しない「無反応性低血糖症」がありますが、血糖コントロール機能低下型はこのどちらにも当てはまります。
それぞれ副腎機能や肝機能、筋力低下などの原因が複雑に関係していますので、ご自身に必要な情報を参考にして下さい。

次に、「消化吸収能低下型」です。
こちらは、主に胃の機能低下によって食べ物をうまく消化吸収できなくなったり、腸内環境の悪化によって食べた食べ物が吸収される前に悪玉菌のエサとして使われてしまったりするような状態の事です。
消化吸収能低下型では、しっかりご飯を食べたりサプリメントを飲んだりしても上手く消化吸収することが出来ません。このため、血糖を保つための糖が十分に得られず、低血糖の状態になってしまいます。
また、腸から本来吸収されるはずの無い分子の大きい栄養が血管内に漏れ出てしまう「リーキーガット症候群」では、漏れ出た栄養が肝臓に負担をかけてしまうことから、肝臓に炎症を引き起こすことが分かっています。肝臓の炎症や状態悪化は低血糖症とも関連があるため、腸内環境の悪化は低血糖症の原因になり得るのです。
この消化吸収能低下型の低血糖症は「機能性低血糖症」と「無反応性低血糖症」の両方に当てはまる可能性があります。これら消化吸収能低下型の場合は、まずしっかりと糖や脂質、タンパク質などが消化吸収出来るよう消化サポートから始めることが重要です。
必要に応じて、腸粘膜のケアやプレ・プロバイオティクスの補給など適切なケアを行っていきましょう。

最後に、「代謝機能異常型」です。
こちらは、甲状腺機能障害に代表されるような代謝機能が働き過ぎたり働かなさすぎたりすることによって低血糖症が引き起こされてしまう状態の事です。
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、糖質や脂質、タンパク質などの代謝を司る司令塔の役割を担っています。
この甲状腺ホルモンの分泌量が多すぎたり少なすぎたりすることで、私達が摂った糖質が使われすぎてすぐに無くなってしまったり、使わなさすぎて脂肪として溜め込んでしまったりといった様々な影響が引き起こされます。こちらも、「機能性低血糖症」と「無反応性低血糖症」のどちらにも当てはまる可能性があるのは同じ。
広い意味では肝機能低下や筋力低下も代謝機能低下に含まれますので、血糖コントロール機能低下型と合わせて参考にして下さい。

ナンナン

同じ低血糖症に見えても、原因にはタイプがあるんだね

はる かおる

そう。だからこそ、自分の状態をよく知ってから栄養アプローチを行う事が重要なんだ。

その低血糖症治療と対策、逆効果かも。現代医療の問題点

このように、低血糖症の原因はインスリン抵抗性や糖代謝の悪化が関係しています。その糖代謝が悪化する原因は、上述したようにさまざま。低血糖症を改善させるためには、糖質や炭水化物の摂取量をコントロール事も重要ですが、それ以上にご自身の疾病の状態に応じて適切なケアをしていくことが重要です。

しかし、現在の低血糖の治療実態はどうでしょう?
機能性低血糖症の原因は糖質や炭水化物の摂りすぎだとされ、「糖質制限食」を指導されます。中には甲状腺機能などを測定してくれるところもありますが、低血糖症の原因はそれだけとは限りませんよね。

クリニックで指導される糖質制限は、甘いお菓子やジュースを避けるのは当然のこと、糖質が含まれる野菜や米などの穀類、果物やイモ類などもすべて制限させられてしまいます。この様な糖質制限食に加え、高タンパク高脂質の食事を推奨。これは、糖質制限によって体内でケトン体を発生させ、このケトン体が血糖の代わりにエネルギーとして使えるというものです。このようなケトン体を積極的に生成、利用しようとする食事法のことを「ケトン体ダイエット」と言います。

ケトン体ダイエットのイメージ。極度の糖質制限は身体に悪影響を与える

ただ、こうして糖質摂取を厳しく制限された結果、更に低血糖症が酷くなっている方が後を絶ちません。
というのも、糖質制限をし過ぎたあまり逆に「カロリー不足による低血糖症」に陥ってしまったり、炭水化物の摂取量が低下することで腸内細菌叢のバランスが乱れ、腸内環境が悪化してしまうことで低血糖症が酷くなってしまったりしています。人によっては、カロリー不足により甲状腺機能が極度に低下し、甲状腺機能低下によって更に低血糖症が酷くなる状態の人もいます。
酷いところでは、カロリー不足など飢餓状態によって低下してしまった甲状腺ホルモンを「チラーヂン」などの薬を使って無理矢理上げようとする医者もいるほど。

そもそも、甲状腺機能は糖質や脂質、タンパク質の全体的な代謝を司っていて、身体は飢餓状態になるとわざと甲状腺機能を低下させて飢餓から身を守る機能が備わっています。甲状腺の機能を低下させるということは、いわば身体が栄養不足や飢餓状態によって「省エネモード」になっている状態。そのような「これ以上代謝を上げると危険」な状態で無理矢理薬によって代謝を上げてしまったら、身体は更に栄養を使い果たして飢餓状態が進行し、低血糖症が更に酷くなるのは当然の結果ですよね。

また、クリニックによっては先ほどご紹介した「リブレ」などを使って血糖値の波を測定し、血糖値の波をなるべくフラットにさせるよう糖質制限や食事指導などを行っています。
これについても、単に血糖値の波を糖質の摂取量でコントロールしただけで、根本的な糖代謝自体は改善していません。つまり、糖質制限や食事指導によって血糖値の波が穏やかになったとしても、それは見かけ上の数値が正常範囲に収まっているように見えるだけです。ちょっと気が緩んで甘い物を食べたり炭水化物を食べたりすると、一気に血糖値が急上昇してしまいます。こんな状態ではとても「治った」とは言えませんよね。

低血糖症が治ったと言える状態は、何を食べても血糖値の急上昇や低血糖が起こらなくなる状態です。
その為には、糖質の摂取量で血糖値をコントロールするのでは無く、糖代謝自体を改善していくこと。基本的に何を食べても大丈夫な状態を目指すのが理想です。
その為にも、過剰な糖質制限は絶対に行わないようにして下さい。過剰な糖質制限は筋肉量を減らし、腸内環境を悪化させ、甲状腺機能低下に繋がって低血糖症を悪化させます。
低血糖症をこれ以上酷くさせないためにも、適切な炭水化物量の摂取やカロリーの摂取を行うようにして下さい。

はる かおる

間違った糖質制限が低血糖症を更に悪化させるよ❗
注意してね❗

間違った糖質制限が低血糖症の悪化原因に。今すぐ間違った糖質制限を改めましょう。

ここまで、低血糖症専門のクリニックが治療と称して行っている糖質制限食や食事指導の危険性について解説してきました。ここからは、クリニックが行っている糖質制限はどのような点で問題や危険性があるのか、正しい食事方法はどのような方法なのかについて解説していきます。

クリニックで行われている糖質制限は、糖質や炭水化物の量を制限し、その代わりにタンパク質や脂質を多く摂取することでカロリーを確保しようとするのが基本です。特に脂質は炭水化物やタンパク質と比べてエネルギー効率が高く、タンパク質と炭水化物は1gあたり4Kcalに対し、脂質は1gあたり9Kcalも含まれています。

このような理由から、糖質制限食として「炭水化物を抜いて、タンパク質や脂質から十分カロリーを摂りなさい。」と指導されてきました。
しかし、タンパク質と脂質は炭水化物に比べて消化吸収しづらく、すぐにエネルギーとして利用するにはあまり向いていません。このタンパク質と脂質を利用出来るかどうかはその人の消化能力によります。
低血糖症の方はそもそも胃や腸の消化吸収能力が低いことが考えられますので、この状態で糖質制限を行ってしまうとタンパク質や脂質などが上手くエネルギーとして使えず、きちんと食事をしているつもりがカロリー不足や低血糖を引き起こしてしまうのです。

例えば、私達が摂ったタンパク質は胃でアミノ酸まで消化し、小腸で吸収されています。このタンパク質をしっかり吸収するためには胃の働きが重要で、胃酸がしっかり分泌されていることが必要です。
この胃酸の分泌量が不十分の場合は、タンパク質がアミノ酸まで消化することが出来ません。すると、せっかく摂ったタンパク質が小腸で吸収出来ず、分子の大きいまま腸に流れて悪玉菌のエサとなってしまいます。

タンパク質の消化吸収過程

このタンパク質の消化には、胃から分泌されている「胃酸」と「ペプシン」という消化酵素が必要です。これら消化酵素でタンパク質から「ペプチド」という状態になり、次に十二指腸で分泌される膵液によってアミノ酸まで分解されます。タンパク質は、このアミノ酸まで分解されて、初めて吸収することが出来ます。

もし、タンパク質が十分に消化できなかった場合は、小腸で吸収されずに大腸へと運ばれてしまいます。大腸に運ばれた未消化のタンパク質は悪玉菌の餌となり、腸内環境が悪化腸内環境の悪化は腸粘膜を炎症させ、炎症によってインスリンの働きを低下させます。そうして更に糖代謝が悪化し、低血糖症が酷くなってしまうのです。

ですので、タンパク質を摂るときは十分な消化酵素が分泌されていることが重要です。この消化能力が不十分の場合、糖質制限を行えば行うほどカロリー不足によって低血糖が深刻化し、カロリー不足になると身体はエネルギー源として筋肉を破壊してエネルギー源にしてしまいます。
筋肉量が低下していくとその分だけ糖代謝が悪化してしまいますので、低血糖症はむしろ悪化してしまうのです。

そうならないためにも、糖質制限を行う場合は適切な糖質摂取に加え、ご自身の消化能力もきちんと考慮して行うようにしましょう。この胃酸の分泌量やタンパク質の消化吸収能力がしっかりあるかどうかは、オーソモレキュラー療法の血液検査を受けることで分かります。

タンパク質の消化吸収能力は胃の状態をチェックすることで分かる。

血液検査の項目としては、胃酸の分泌量を表すPG1や粘膜の炎症程度を表すPG2、胃粘膜萎縮の程度を見るPG1/2比などがあります。このPG1の数値が低い場合は胃酸の分泌量が少なく、タンパク質をしっかり消化吸収することが出来ません。
また、胃粘膜の炎症や萎縮があるとタンパク質が上手く吸収できなくなってしまいます。これらの検査を参考に、タンパク質がしっかり消化吸収出来ているかを確認してみましょう。

もしこれら数値が低かったり、胃の状態があまり良くない場合は、タンパク質に加えて脂質の吸収・利用もうまく出来なくなっています。脂質には飽和脂肪酸や不飽和脂肪酸など様々な種類がありますが、これら脂質を消化吸収、利用するためには胆汁の十分な分泌と、タンパク質に含まれる「カルニチン」が欠かせません。

胃の機能が低下している場合は胆汁を合成、分泌するための「胆のう」や「肝臓」の働きも落ちていることが多く、胆汁の元となる材料には「コレステロール」も必要です。
コレステロールはタンパク質と脂質が結合して作られた物であり、タンパク質不足はコレステロール不足を招きます。コレステロール不足は胆汁の分泌量低下を招き、脂質の消化吸収能力が落ちてしまうのです。

また、脂質が消化吸収出来たとしても、脂質をエネルギーとして利用するためにはタンパク質に含まれる「カルニチン」が必要になります。

▲長鎖脂肪酸がミトコンドリアに入るにはカルニチンが必須

脂質には肉などに含まれる「長鎖脂肪酸」や比較的利用効率の良い「中鎖脂肪酸」などがありますが、肉に含まれる長鎖脂肪酸の場合は、エネルギーとして使われるためにカルニチンがなければミトコンドリア内に入ることが出来ません。
MCTオイルなど中鎖脂肪酸はカルニチンが無くてもエネルギーとして使うことが出来ますが、これもやはり消化吸収するには十分な胆汁の分泌量が必要です。

この事から、タンパク質の消化吸収能力が脂質の消化吸収能力と利用効率にダイレクトに影響を与えます。このため、消化吸収能力が低い人が糖質制限を行ってしまうと、脂質もタンパク質も利用出来ない状態で糖質というエネルギーを断つことになってしまい、深刻なカロリー不足と低血糖症に陥ってしまうのです。

そもそもタンパク質をカロリー源とするには向いていない

それから、もしタンパク質が上手く消化吸収出来たとしても、タンパク質をエネルギーとして利用するのは無駄が多すぎます。私達が摂ったタンパク質は、胃でアミノ酸まで消化し、小腸で吸収された後は肝臓で各種タンパク質や酵素などに合成されたり、すい臓でインスリンなどを合成する材料として使われたりしています。この他、タンパク質は体温を維持したり身体を動かしたりと身体を作る材料とする以外にもエネルギー源として利用することが出来ます。
この時、タンパク質をエネルギー源として使う場合は、これらの合成が出来なくなってしまうことに繋がってしまうのです。

もし、タンパク質を身体を動かすエネルギーや体温維持のエネルギーとして使う場合は、アミノ基転移反応を経てエネルギー生成回路であるTCAサイクルを回し、発生したアンモニアを解毒するために尿素回路で処理することになります。

▲タンパク質をエネルギーとして利用するのは非効率

この時、タンパク質をエネルギー源として使えば使うほど、毒素である「アンモニア」が大量に発生してしまいます。アンモニアを解毒するためにもエネルギーや栄養が必要ですので、タンパク質をカロリーとして使うのはあまり向いていないのです。
それに、タンパク質である肉や魚は、油や炭水化物に比べて高価ですよね。同じエネルギーとして利用するなら、脂質や炭水化物など安い物でも十分ではないでしょうか。
オマケに、タンパク質は身体の材料となる唯一の栄養素です。タンパク質は、筋肉になったりインスリンなど各種酵素やホルモンの材料になったりと身体を修復するために使われますので、出来ればカロリーとして利用するより身体を作る材料として使いたいものですよね。ですので、糖質制限によってタンパク質をカロリーとして利用するのは、かなり無駄が多いことがお分かり頂けるかと思います。

ナンナン

なるほど。
消化吸収能力がしっかりしていないと、糖質制限は逆効果になるんだね。

はる かおる

そうなんだ。
低血糖症になってしまうと言うことは、消化吸収能力にも何らかの異常があるってこと。
このあたりを改善せずに糖質制限をしてしまうと、むしろ身体を壊してしまう原因になるんだよ。

ナンナン

そうだったんだね💧
どおりで糖質制限すればするほど体調が悪くなるワケだ💦
でも、糖質制限をしなかったら、もっと低血糖症が酷くならないかな❓

はる かおる

ははーん
さては、炭水化物や糖質の摂取が身体に悪いと思っているね❓
実は、糖質や炭水化物の摂取には色々とメリットもあるんだよ。
まずはその間違った意識を取り除いてあげるね。

何かと悪者にされる炭水化物。でもそれって勘違いかも

ここまでタンパク質と脂質の消化吸収や利用効率についてお話ししてきました。三大栄養素のうち、タンパク質と脂質はかなりの消化吸収能力が必要である事が分かって頂けたかと思います。
では、もう一つの栄養素である炭水化物はどうでしょうか❓

実は、三大栄養素の中で最も消化吸収・利用しやすいのは炭水化物である糖質なのです。

三大栄養素の消化に必要な酵素

こちらの図は三大栄養素を消化する際に分泌される消化液・消化酵素です。
タンパク質を分解するときは胃から「ペプシン」や「トリプシン」と呼ばれる消化酵素が、脂質の吸収には胆汁の分泌が必要になり、タンパク質をアミノ酸まで分解するためには、十分な量の消化酵素と胃の蠕動運動が必要です。
対して炭水化物に関しては、唾液中やすい臓から分泌される「アミラーゼ」によってブドウ糖まで分解することが出来ます。これは大根おろしに含まれる「ジアスターゼ」にも同じ効果があり、食品からも摂れる消化酵素です。

また、三大栄養素の中でも炭水化物の最終分解物である「ブドウ糖」だけは安く大量に作られていますよね。何らかの理由で炭水化物の消化能力が落ちたとしても、飴やラムネ、果物などでブドウ糖は手軽に摂取することが出来ます。
この事から炭水化物や糖質は、脂質やタンパク質に比べて消化吸収がしやすく、最も早くエネルギーとして使える栄養素の1つなのです。

質の良い筋肉を付けるためにも、糖質はある程度必要

低血糖症の方が、低血糖症改善のために運動と糖質制限を同時に行っている方も多く見かけます。しかし、糖質を摂らずに運動した場合、筋肉を動かすためのエネルギー源としてタンパク質が先に使われてしまい、筋肉の合成に使うアミノ酸が無くなってしまいます。
これを防ぐためにも、運動前後などにタイミング良く砂糖やブドウ糖を摂ることは、質の良い筋肉を作るためにも必要です。

質の良い筋肉を作るためにも糖質の摂取は必須

また、激しい運動をしてエネルギーが枯渇してしまったとき、身体は筋肉を壊してエネルギーを得ようとしてしまいます。このような筋肉を破壊して得られたアミノ酸から、ブドウ糖に作る変えることを「糖新生」と言い、この糖新生は何らかのエネルギーを補給しない限りずっと筋肉を破壊し続けます。この時に適切な量の糖質を摂ることで、筋肉の破壊をストップさせることが出来るのです。
一時期、オリンピックカーリング女子代表の選手達は、試合中に「もぐもぐタイム」としてイチゴなどの糖質を摂っていましたよね。これにもしっかりと理由があり、身体を動かした後に適切な糖質を摂ることで筋肉の破壊を防いでいるのです。

逆に糖質制限をしすぎてしまった場合、筋肉はエネルギー源としてドンドン破壊されてしまいます。筋肉量が減ると筋肉中に貯えられるグリコーゲンという貯蔵糖の量も減ってしまうため、糖代謝が悪化します。
糖質制限が低血糖対策に良いと言われていますが、過剰な糖質制限はむしろ筋肉量を減らし、低血糖症を更に悪化させてしまう原因になってしまうのです。

ナンナン

げげっ❗
糖質制限しながらの運動は筋肉が壊れちゃうのか💦

はる かおる

そう。
筋肉を付けるためにプロテインを飲む人が多いけど
それだけだと筋肉は付かないんだよ。

ナンナン

プロテインを飲んで運動すれば筋肉が付くと思っていたけど
全部カロリーとして使われちゃってたって事なんだね💦
わかった、今度からちゃんと糖質も摂るようにするよ❗

糖質制限による食物繊維の不足に注意❗

糖質制限によるデメリットは、もう一つあります。それが、食物繊維の摂取量が低下してしまうことです。
一般的に炭水化物=糖質だと思われていますが、これは間違いです。正確には、

  • 炭水化物=食物繊維+糖質

となり、糖質と食物繊維が合わさっている物が炭水化物となります。
具体的な食べ物としては、

  • ご飯
  • パン
  • ジャガイモ
  • サツマイモ
  • トウモロコシ
  • はるさめ
  • こんにゃく
  • 里芋
  • 豆腐
  • カボチャ
  • レンコン
  • バナナ
  • リンゴ

などが炭水化物に当たります。
逆に「糖質」というのは、砂糖やブドウ糖、果糖、乳糖やオリゴ糖、デンプンなどの糖類を糖質と言います。

この炭水化物に含まれている食物繊維には、急激な血糖値の上昇を抑えてくれたり、余分なコレステロールを排泄してくれたり、善玉菌のエサとなってお腹の調子を整えてくれたりと様々なメリットがあります。
血糖値を上げまいと糖質制限をしてしまうと、これら食物繊維の摂取量も減り、むしろ血糖値が急激に上がりやすくなってしまうのです。

また、食物繊維が不足することで腸内環境が悪化し、腸内環境が悪化することで低血糖症が酷くなることも考えられます。腸内細菌は食物繊維をエサに「短鎖脂肪酸」というエネルギーを生成しており、食物繊維の摂取量低下は短鎖脂肪酸生成量の低下を招いてしまいます。
短鎖脂肪酸の生成量が低下すると、全身の健康状態に悪影響を及ぼして低血糖症や糖尿病の原因になってしまいます。低血糖症を抱えている方の多くは腸内環境も悪化しており、低血糖症の改善のためには適切な腸ケアも欠かせません。

この事から、過剰な糖質制限は止めて炭水化物も適量食べるようにしましょう。
腸内環境を良くするためや、体内のエネルギー代謝を正常にするためにも、最低でも一食100g〜150g程度の炭水化物の摂取は必要です。
上述した根菜類や穀物など食物繊維が多い物を組み合わせて、適切な量の炭水化物摂取を心がけて下さい。

ナンナン

糖質制限は、筋肉が壊れる以外にも
腸内環境も悪化しちゃうんだね💧

はる かおる

そうなんだ。
割と多いのが、炭水化物=糖質だと思っていること。
炭水化物事態を避けてしまうと、食物繊維が不足して
むしろ血糖値が上がりやすくなっちゃうんだ。

ナンナン

炭水化物にもちゃんとメリットがあるんだね。
わかった、きちんと食べるようにするよ❗

はる かおる

うん、でも炭水化物も摂りすぎは良くないから
摂り方や量にも気をつけてね。
あと、食べたら動く事が大事だよ❗

ただし、糖質、炭水化物の摂りすぎは禁物❗

ここまで糖質・炭水化物を摂取する必要性を解説してきました。糖質や炭水化物の摂取に一定のメリットがあるとは言え、やはり摂りすぎは禁物です。現代の食生活では、意識しなくても炭水化物の摂取量は多くなっていますよね。

特にパンやうどん、パスタやラーメンなどの小麦類や、果物などの炭水化物は量を取り過ぎてしまう傾向にあります。
炭水化物や糖質の摂りすぎは肥満や糖尿病、虚血性疾患のリスクを増大させてしまうことは、あなたもご存じの通り。何事もほどほどに、タンパク質や野菜サラダ、汁物なども含めて、バランスの良い食事を心がけて下さい。

もしこれら食べ物が食べたくなったり食べたりしたとしても、食べた後にしっかり運動すればエネルギーとして消費できます。糖質の摂りすぎが極端に問題視されていますが、根本的には運動不足が原因です。いくらバランスの良い食事をしていたとしても、運動不足では病気のリスクが上がってしまうのは同じ。炭水化物や糖質の摂取量を減らすことを考えるよりも、少しでも多く運動する習慣を身につけて下さい。

また、炭水化物を摂るときは一気に食べると血糖値の急上昇を招くことがあります。この場合は、「回数頻回食」を実践するなどして血糖値スパイクに気をつけるようにしましょう。

炭水化物を摂るときは、血糖値スパイクに注意❗

低血糖症を抱える方が炭水化物を摂るときに、特に注意すべきは「血糖値スパイク」です。いわゆる「機能性低血糖症」の症状の1つですね。
先ほど説明した炭水化物の中でも、糖質が比較的少ない食べ物もあれば、甘く糖質が多い食べ物もあります。
これら甘い物の摂りすぎや、炭水化物を一度に食べ過ぎることによって血糖値スパイクが発生し、高血糖と低血糖の状態を繰り返してしまうのです。

食後に血糖値があがり、その後急降下してしまう状態。機能性低血糖症を抱えている方に多い。

血糖値スパイクとは、血糖値が急激に上昇した後、急降下して低血糖になってしまう状態の事
例えば炭水化物として「パン」があります。朝ご飯やランチなどでトーストやサンドイッチやなどを食べたとしますよね。
すると、パンに含まれるのデンプン質が消化されてブドウ糖になり、ブドウ糖が腸から吸収されて血糖値が上昇していきます。健康な方なら血中のブドウ糖が筋肉で使われたり貯えられたりして、血糖値が上がりすぎることはありません。
しかし、この時にブドウ糖を上手く代謝出来ない状態になっていると、使い切れなかったブドウ糖が血中に溢れ、今度は血糖値が高くなりすぎてしまうのです。

血中のブドウ糖濃度が高くなりすぎた場合は、高くなった血糖値を下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。機能性低血糖症や乱高下型低血糖症を抱えている方は、このインスリンの働きが落ちていて、通常よりも多くのインスリンを分泌しなければ血糖値が下げられない状態になっています。この大量に分泌されたインスリンによって今度は血糖値が急激に下がり、また低血糖に陥ってしまうのです。

このような血糖値の乱高下を、「血糖値スパイク」や「隠れ低血糖」、「機能性低血糖症」や「乱高下型低血糖症」と言います。血糖値スパイクの原因は、主に糖質の摂りすぎとインスリンの働きが悪くなっていること等による糖代謝の悪化で引き起こされます。パンに限った話しではありませんが、甘いものや糖分、炭水化物を食べる際は一気に大量に食べないように心がけて下さい。

血糖値スパイクを起こさないためには、第一に炭水化物や甘い物に偏らないようにし、バランスの良い食事を摂ることです。ラーメンやパスタ、うどん、パン、お菓子、ジュースなど、精製された糖を大量に摂取することで血糖値が乱高下し、「血糖値スパイク」と呼ばれる状態が起こります。

このような血糖値スパイクを防ぐためには、炭水化物や糖質ばかりに偏らず、スープやサラダなどの前菜、餃子や小籠包などの副菜、そして唐揚げや焼き肉などの主菜、メインの主食となるご飯などをバランス良く食べる事が重要です。

この時、必ずサラダやスープなどの前菜や食物繊維が豊富な食べ物から食べるようにし、ご飯などの主食は最後に食べるようにしましょう。
サラダや野菜に含まれている食物繊維は、消化・吸収を緩やかにしてくれる作用があり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。加えて、次にタンパク質や脂質などが先に入ることで、更に血糖値の急激な上昇を抑えることが可能です。

また、食べる時はしっかりと「よく噛んで」食べる事も重要です。よく噛むことによってインスリンが食事中から分泌され、血糖値の急激な上昇を防いでくれます。
よく噛むコツとしては、一口食べるごとに箸を置くこと。こうすることでワンクッション動作が加わり、早食いを防止できます。
噛まずに飲み込むとその分だけ短時間に大量の食べ物を胃と腸に送り込むことになり、血糖値が上昇しやすくなりますので注意して下さい。

それから、バランスの良い食事をよく噛んで食べたら、スグに歩くことも重要です。
食べた糖質は、エネルギーとして使っていくことで消費できますので、体を動かせばその分だけ血糖値の急上昇を防ぐことが出来ます。
軽いウォーキングでも構いませんので、食べ終わったら30分から1時間くらいは歩くようにしましょう。
間違っても、食べたすぐ後に横になったり寝たりしないようにして下さい。エネルギーとして使われなかった糖質はインスリンによって脂肪に変えられ、貯えられてしまいます。脂肪が付くことによって余計に糖代謝が悪化する原因になりますので、食べた後はなるべく体を動かす事を心がけて下さい。

ナンナン

低血糖対策には、バランスの良い食事と運動が大切なんだね。
でも、バランスの良い食事や運動を心がけても、どうしても血糖値が上がり過ぎちゃうよ

はる かおる

なるほど、そんな時は回数頻回食にするといいね

ナンナン

回数頻回食❓

はる かおる

そう、少ない食事をこまめに食べることだよ。
こうすることで血糖値の急激な上昇を抑えてくれるんだ。

ナンナン

そうなんだ❗
どうやってやれば良いのかな❓

はる かおる

基本は、吸収が比較的穏やかな糖質をこまめに摂るのがオススメだよ。

食事をこまめに摂る回数頻回食を実践する

バランスの良い食事を心がけても高血糖や低血糖になってしまう場合は、回数頻回食を実践してみましょう。

回数頻回食とは、1時間や2時間おきに少量の食事を何回も摂取する事です。また、朝昼晩の三食に加えて、間に間食を挟むという方法もあります。
こうすることによって食事一回あたりの血糖値の急激な上昇を抑えることが出来、血糖値を一定に保てるので低血糖も防ぐことが出来ます。

回数頻回食のコツは、「吸収が比較的穏やかな糖質を組み合わせる」事と、「なるべくこまめに食べる」こと。
こうすることで血糖値の乱高下を防ぎ、更に血糖値を下げないように安定させることが出来ます。

おにぎりは血糖の持続性がある

ここで言う吸収が比較的穏やかな糖質とは、お米や芋類などのデンプン質のことです。
デンプンは噛むことによって徐々にブドウ糖に分解され、徐々に吸収されていきます。このため、精製された砂糖を補給するよりも、比較的穏やかに血糖値を上昇、維持させることが出来るのです。

また、いくらお米でも一気に食べると血糖値が急上昇しますので、何回にも分けて食べるようにしましょう。
お団子くらいに小さく握ったおにぎりを1時間おきに食べるなど細かく分けて食べれば、血糖値をなるべく一定以上に保つことが可能になります。

加えて、お米などのデンプン質は油でコーティングすると急激な血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。具体的には、チャーハンやピラフなど。お米を油で炒めるものがこれにあたります。
これらも血糖値スパイクや低血糖の予防としてはそれなりに活用出来ますので、吸収の早い糖質と吸収の遅い糖質を組み合わせてなるべく回数頻回を行い、高血糖や低血糖にならないよう工夫してみて下さい。

ナンナン

バランスの良い食事や運動に加えて、回数頻回食で持続性がある糖を摂ることも大切なんだね。

はる かおる

うん、お米は冷やすと食物繊維に変わってさらに消化が遅くなるよ。
油で炒めたり冷やしたり、工夫しながら量を調節して摂っていくことが大事だね。

ナンナン

分かった❗
色々試してみるよ❗

腸カンジダ症、SIBOなどでは糖質、炭水化物の摂取が逆効果になる恐れあり

ただし、これら回数頻回食や炭水化物の摂取は、消化能力や消化器官に異常が無いことが前提です。
糖質と炭水化物の摂取には一定のメリットがありますが、これらを摂ることでむしろ体調が悪化してしまう場合もあります。それが、腸にカビの一種であるカンジダ菌が多く繁殖してしまう「腸カンジダ症」や、小腸に細菌が多く繁殖してしまうSIBOと呼ばれる病気の場合です。

これら消化器官に問題がある場合は、炭水化物や糖質を摂ることによってむしろ腸内環境が悪化しかねません。このような問題を抱えている方は、炭水化物をいきなり摂取するよりも腸内環境を改善したり、腸粘膜を強化したり、胃や腸の機能を高めたりするアプローチをするのが優先です。
もしこれら疾患に心当たりがある場合や、糖質・炭水化物を摂取すると体調が悪くなる場合は、後述するオーソモレキュラー療法の血液検査や短鎖脂肪酸検査を受けてみて下さい。

以上の回数頻回食や炭水化物の摂取、バランスの良い食事内容を参考に、一日あたりに必要なカロリー量を計算し、確保してみて下さい。先ほどもご説明したとおり、筋肉を落とさないようにするためには適切なカロリー摂取が欠かせません。筋肉量が減ると糖代謝も悪化し、同じく低血糖症も酷くなっていきます。

その為には、ご自身に必要なカロリー摂取量を把握し、基礎代謝を下回らないように食事を摂取していきましょう。
必要なカロリー量の計算は、次のサイトで計算することが出来ます。

基礎代謝量・1日の必要エネルギー量計算式

サイト上で、ご自身の体重と身長、年齢と性別を入力し、活動レベルを「低い」「普通」「高い」の中から選択して「計算」ボタンを押せば、一日に必要なエネルギー量と基礎代謝量が分かります。
ここで計算したカロリー量を参考に、一日に必要なエネルギー量は必ず摂取するようにして下さい。

例えば、ある人の基礎代謝量が1320kcal/日、一日に必要なエネルギー量が2292kcal/日だとしましょう。

この基礎代謝量は、「体温など生命維持をするために絶対必要なカロリー」のことです。この基礎代謝を下回ると命の危険に晒されてしまいます。
基礎代謝量以上のカロリーは生きる上で最低限必要なカロリーですので、絶対に下回らないよう注意してください。

一日の必要エネルギー量は、基礎代謝に加えて体を動かしたり、頭を使ったり、喋ったりするなど日常生活を送る上で必要なカロリーが足された物です。
この一日の必要エネルギー量を十分に摂取する事で、筋肉が壊されてエネルギーとして使われてしまうことを防げます。ですので、ご自身に必要な一日のエネルギー量を計算し、これを下回らないような食事をするようにしましょう。

逆に、この必要エネルギー量よりも多いカロリーを摂取してしまうと肥満に繋がります。
多すぎても少なすぎても体には良くありませんので、適切なカロリー摂取量を心がけて下さいね。

ナンナン

低血糖症を防ぐためには、適切なカロリーの摂取量が大事なんだね❗

はる かおる

その他にも、タンパク質やビタミンB群など栄養素の補給も大事だよ❗
消化吸収能も弱っている可能性もあるから、血液検査を受けて自分の状態の確認することと、必要な栄養アプローチのアドバイスを受けてみてね

低血糖症の原因は人によってさまざま。低血糖症の根本原因を知ろう

ここまでは、間違った糖質制限によって低血糖症に陥っていることと、その改善方法をお伝えしてきました。
低血糖症を防ぐ上で適切なカロリー摂取や適切な糖質摂取は欠かせませんが、これらはあくまで低血糖症を防ぐための最低限の行動であって、低血糖症自体を改善させる方法ではありません。低血糖症の根本には原因となる「糖代謝の悪化」が関係しており、これには肝機能低下や筋肉量低下、肥満や歯周病、インスリン抵抗性質的栄養不足など様々な要因が関係しています。これらを改善させていかない限り、低血糖症は改善出来ないのです。

ですので、食事方法の改善以外にも、低血糖症が発症する根本原因をしっかりと理解し、根本から改善していくよう努めて下さい。低血糖症は、血糖値が高すぎたり低すぎたりすることが問題と言われていますが、そもそも人には「生体恒常性」と言って、本来は血糖値を正常範囲に保つ能力が備わっています。例えば血糖値が上がったらインスリンによって血糖値を下げたり、低血糖になってしまった際はアドレナリンやコルチゾール等を分泌したりして低血糖症になるのを防いでいます。その機能が備わっているにも関わらず、うまく血糖値を正常範囲にコントロールできないことが最大の問題です。

この血糖値の正常なコントロール能力を取り戻すことが、低血糖症の改善に繋がります。ここからは低血糖症の根本原因である「糖代謝が悪化する原因」についてお話ししていきます。糖代謝が悪化する原因はいくつかありますが、関係している理由の1つとしてあげられるのが「肥満」です。

肥満がインスリンの効きを悪くし、低血糖症を悪化させる

肥満とは、いわゆる体脂肪が身体につきすぎてしまった状態。体脂肪自体は飢餓から命を守るために備えられた身体の機能ですが、この体脂肪がつきすぎることによって炎症が発生し、インスリンが効きにくくなって糖尿病や低血糖症に繋がってしまうのです。

肥満が慢性炎症を引き起こし、インスリン抵抗性を発生させる

機能性低血糖症の場合は食べた後に血糖値が急激に上昇し、その後インスリンが多量に分泌されることで低血糖症に陥ってしまう状態ですよね。このインスリンが大量に分泌されてしまう理由が、インスリンの効きが悪くなっているからです。
このインスリンの効きが低下する原因の1つとして、肥満が関係しています。

具体的な肥満への流れとしては、身体には脂肪を蓄える「脂肪細胞」と呼ばれる細胞があり、過剰な糖質摂取や高カロリー食、運動不足などによってこの脂肪細胞が徐々に肥大化していきます。この肥大化した脂肪細胞は一定の大きさになるとそれ以上の大きさになる事は出来ず、細胞分裂することで増加します。この一連のサイクルが進むことで肥満が進んでいきます。

ただ、この脂肪細胞自体は悪者ではありません。脂肪細胞には炎症を抑えるための生理活性物質や炎症を促進させる生理活性物質等を分泌しています。しかし、脂肪細胞があまりにも増えすぎてしまった状態だと、炎症を抑えるための生理活性物質の分泌が低下し、炎症を亢進させる生理活性物質の分泌が亢進して、結果として慢性炎症を引き起こしてしまうのです。

この慢性炎症が引き起こされると脂肪細胞が弱ったり死んでしまったりしてしまいます。すると、その脂肪細胞からDNAの断片が血管中に離脱し、これを異物と捉えた免疫細胞の一種、マクロファージが異物を除去するために活性化します。このマクロファージが更に炎症を起こすホルモンを放出することで、インスリンの機能が低下し、インスリン抵抗性が高まってしまうのです。

ですので、肥満と低血糖症の関係は切っても切り離せません。基本的には、肥満が進行すればするほど慢性炎症が発生し、インスリン抵抗性がドンドン進んでしまいます。低血糖症を抱えている方の中にも、体重増加やお腹のポッコリが気になっている方は多いのではないでしょうか。もしかすると、あなたの低血糖症もこの肥満が原因になっているかも知れません。

ただ、低血糖症抱えている方の中には「太っているようには全く見えない」ような人でも低血糖症になってしまっている方が増えて来ています。見かけでは太っていないように見えても、実は内臓や肝臓などに脂肪がベッタリ付いている「隠れ肥満」の状態も考えられます。

この隠れ肥満の状態になってしまっている方も、実は肥満の方と同じようにインスリンの機能が低下し、機能性低血糖症や無反応性低血糖症を発症してしまう原因になっているのです。

太っているように見えなくても、実は内臓に脂肪がベッタリ付いているかも

近年、日本人に多いと言われているのが、「異所性脂肪」と呼ばれる脂肪です。異所性脂肪とは、本来脂肪が付くはずが無い肝臓や筋肉、心臓やすい臓などに脂肪が溜まってしまう状態。
例えば、筋肉に脂肪が付いてしまった状態では筋肉へ糖が取り込めなくなり、食べた糖が筋肉で使えなくなって血中に溢れて高血糖になってしまいます。また、インスリンを分泌しているすい臓に脂肪が付くと、インスリンの分泌が正常に出来なくなり、血糖値が乱高下する原因となってしまうのです。

この異所性脂肪の最も多いものとしては、「脂肪肝」が挙げられます。脂肪肝とは、肝臓の周りに脂肪がベッタリくっついてしまった状態。この脂肪肝がある場合は、脂肪肝が無い人と比べてインスリン抵抗性が高いことが分かり、糖尿病や低血糖症との関連が言われるようになりました。

内臓脂肪がある事よりも脂肪肝がある方が糖尿病になりやすい

順天堂大学の研究グループが正常体型に見える人々を調べたところ、内臓脂肪が無くても脂肪肝があるとインスリン抵抗性が高く、逆に内臓脂肪があっても脂肪肝が無ければインスリン抵抗性が低いという研究結果が出ています。
このため、体重やBMI値が正常範囲だったとしても、異所性脂肪の状態によっては低血糖症のリスクが高まってしまうのです。

従来、この脂肪肝にかかる人と言えば、お酒をよく飲む人がかかるという認識でした。
しかし、近年ではお酒を全く飲まない方でも脂肪肝になったり低血糖症にかかってしまう方も増えてきています。この背景には、炭水化物や脂質過多など食生活の悪化、栄養状態の悪化が関係しています。
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、脂肪が溜まっていたり機能が落ちたりしていても殆ど自覚症状がありません。この見えない脂肪肝を放置することで糖代謝が徐々に悪化し、低血糖症の発症に繋がってしまうのです。

脂肪肝と低血糖症の関係とは

では、なぜ脂肪肝によって糖代謝が悪化し、低血糖症に発展してしまうのでしょうか?

実は、この肝臓には本来、食べた糖(グルコース)をグリコーゲンとして貯える働きがあります。これは、肝臓に加えて筋肉も同じ。グリコーゲンとは、貯蔵型のブドウ糖(グルコース)のことで、貯えたグリコーゲンは必要に応じてグルコース(ブドウ糖)に変えられ、血中に放出されて血中ブドウ糖濃度を一定に保とうとしてくれています。

しかし、肝臓に脂肪が溜まった脂肪肝の状態だったり肝機能に障害があったりすると、グリコーゲンを正常に溜めることが出来ません。
その結果、溜められなかった血糖が血中に溢れて高血糖になってしまったり、低血糖になった際に肝臓から適切にグルコースが供給できなかったりして、機能性低血糖症や無反応性低血糖症の発症に繋がってしまうのです。

肝臓の機能と糖の代謝

この脂肪肝と言えば、従来はお酒をよく飲む人がかかるという認識でした。しかし近年ではお酒を全く飲まない方でも脂肪肝になったり糖尿病にかかってしまう方も増えてきています。

では、何故お酒を全く飲まない方でも肝臓に脂肪がベッタリ付いてしまうのでしょうか?
実は、私達の身体に起こる病気の殆どは「栄養が不足すること」によって引き起こされています。
脂肪肝の例で言えば、肝臓に脂肪がベッタリとくっついてしまう状態の事ですよね。これは一般的に「お酒の飲み過ぎ」や「食べ過ぎが原因」と言われていますが、実際にはそんな事もありません。食べ過ぎとは一切関係が無い、痩せた女性でも脂肪肝になってしまう場合があります。

これはどういう事かというと、肝機能が栄養不足によって機能が低下し、炎症が発生してしまっている状態。
肝臓は、身体で使われる酵素やホルモンなどを生産するいわば製造工場です。私達が食べた食べ物は胃や腸で消化吸収され、血液に乗って肝臓へと運ばれます。そして肝臓では、運ばれて来た栄養を元に体内に必要な酵素やエネルギーが合成され、必要に応じて全身に送り届ける役割を担っています。

肝臓の正常な働きにはビタミンB群が欠かせない

この時、肝臓では非常に多くのビタミンB群を消費しています。
ビタミンB群は、糖質、脂質、タンパク質などありとあらゆる栄養素を利用するためには欠かせない補酵素です。このビタミンB群が十分に足りていない場合は、酵素やエネルギーなどが上手く生産出来ません。そのため、無反応性低血糖症はビタミンB群が極度に不足していることも考えられる原因の1つです。

また、ビタミンB群が不足していると細胞や筋肉で上手く糖や脂質がエネルギーとして使えなくなることから、肝臓内に処理しきれなかった糖質や脂質があふれかえってしまいます。これらは脂肪として肝臓にベッタリくっついてしまい、結果的に脂肪肝を発症。
決して食べ過ぎていない痩せている人でも脂肪肝になってしまうのは、このような栄養不足が根本原因として隠れているのです。

ビタミンB群が不足するとエネルギー代謝や肝機能も低下し、脂肪が付きやすくなる

また、グリコーゲンは肝臓に限らず筋肉にも貯えられており、必要に応じて血中に放出して血糖値を正常に保つ働きがあります。痩せている人はこの筋肉量が低下しており、筋肉量が少ないことで糖の使用量や貯蔵量が減っていることが考えられます。この事から、少し動いただけで血糖値の急激な上昇が起こってしまったり、低血糖になってしまった際に血糖値を正常値まで上げることが出来なくなってしまっているのです。

他にも、後述する「リーキーガット症候群」も肝臓に炎症を発生させる原因となります。これは、小腸で本来吸収されるはずのない大きなタンパク質などの分子が血液中に漏れ、それが肝臓に運ばれることで肝臓がダメージを受けてしまい、肝臓に炎症が発生してしまう状態。リーキーガット症候群は、痩せ型の方や決して食べ過ぎていない方でも病態を抱えている可能性が高く、このような腸炎症性疾患が機能性低血糖症や無反応性低血糖症に繋がっている場合もあるのです。

このように、低血糖症の根本原因には脂肪肝や異所性脂肪が関係しており、これには栄養欠損や食生活が関係しています。特に、現代では便利な反面運動不足になりやすく、食事はパンやラーメン、パスタやうどんなど炭水化物や脂質に偏った食生活をしていますよね。これでは身体を正常に動かすためのタンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が足りなくなり、異所性脂肪が増えて当然です。

ですので、低血糖症を改善させるためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養補給と運動が重要になってきます。この栄養補給を行わずにいくら糖質制限を行っても、栄養と運動が無ければ肝臓は元気にならず、肝臓が元気にならなければインスリン抵抗性も改善しないので糖代謝は改善しません。
糖代謝が悪化する原因となっている脂肪肝や肥満を改善させるためにも、サプリメントなどで十分な栄養補給と運動を心がけましょう。しっかりと十分な栄養素の補給と運動を取り入れることが出来れば、機能性低血糖症や無反応性低血糖症は改善出来る可能性が高いです。
このような栄養を十分に取り入れて病態を改善する手法を、「分子栄養学」または「オーソモレキュラー療法」と言います。

ただし、副腎不全、肝機能障害などの修復不可能な臓器障害を抱えている方は、残念ながらサプリメントで修復する事は出来ません。サプリメントはあくまで栄養素ですので、失ってしまった臓器機能を再生させる事は不可能です。
ですので、サプリメントでのアプローチは、あくまで栄養不足によって低下した機能を回復させる場合に限られることにご注意下さい。具体的な栄養素や栄養アプローチについては後ほど解説します。

ナンナン

低血糖症の根本原因は、栄養不足が関係あるのか・・・💧
確かに、全然栄養が足りてないかもしれない💦

はる かおる

栄養が不足することで結果的に糖の代謝が悪くなり、低血糖症になってしまうんだ。
だから、低血糖症を改善させるためにも、積極的な栄養補給と運動がキーポイントだね。

口腔内の環境悪化による炎症が低血糖症の引き金に

次に、低血糖症の原因として切っても切り離せないのが「口腔内環境の悪化」です。
先ほどは脂肪肝など異所性脂肪によってインスリン抵抗性が増し、糖代謝が悪化する事について解説しました。この異所性脂肪と並んで糖代謝が悪化してしまう原因が、歯周病など口腔内環境が悪化することなのです。

歯垢の蓄積によって炎症が発生し、歯周組織の炎症が全身性疾患へ進行する

一見すると、低血糖症と歯周病には何の関係性があるの?と思いますよね。実は口腔内環境の悪化は低血糖症に限らず全身の健康状態と関係していて、例えばアルツハイマー病や心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化や関節リウマチなど、様々な病気を発症するキッカケになっているのです。

具体的な病気への進行は、歯周病菌の出す毒素による炎症が関係しています。
歯周病菌は主に食べかすや磨き残しをエサに、歯と歯肉の間で増殖。この菌がドンドン増殖していくと、そこで大量の毒素を分泌し、歯肉に炎症が発生します。
この炎症が進行していくにつれて歯肉が弱くなり、歯肉から出血。弱くなった歯肉中の血管から歯周病菌が 歯槽骨に侵入し、歯を支えている骨を破壊して溶かすなどの影響を与えます。この状態が慢性的に進行したり続いてしまったりすることで全身へ毒素や炎症が飛び火し、先ほどの動脈硬化やアルツハイマー病など全身性の疾患へと進行してしまうのです。

特に歯周病は糖尿病、低血糖症、動脈硬化、関節リウマチ、アルツハイマー病を引き起こす原因になる

この歯周病菌が出す毒素によって発生する炎症は、先ほどの異所性脂肪や脂肪肝と同じく、インスリン抵抗性を引き起こし、糖代謝を悪化させる事が分かっています。
メカニズムとしては上述した肥満の時と同じく、弱った歯肉組織から侵入した歯周病菌や毒素をやっつけるために、マクロファージが活性化します。このマクロファージが更に炎症を起こすホルモンを放出することで、インスリンの機能が低下し、インスリン抵抗性が高まってしまうのです。

この事は特に、糖尿病と歯周病との関連として最近よく言われるようになってきました。糖尿病を抱えている方ほど歯周病が重症化しやすく、歯周病が重症化するほど糖尿病が悪化していきます。これは低血糖症も同じで、口腔内環境が悪化することで消化不良や腸内環境の悪化を引き起こし、糖の吸収や代謝が落ちて低血糖症を引き起こします。
つまり歯周病と低血糖症はお互いに悪影響を及ぼし、悪循環を形成してしまうのです。

口腔内環境が悪化することで腸内環境も悪化し、更なる低血糖症の悪化に繋がる

私達は食べ物を食べるときに、「よく噛む」事で唾液が分泌され、唾液に含まれる「アミラーゼ」によってデンプン質をブドウ糖まで分解しています。これと同時によく噛むことでインスリンの分泌が促され、血糖値が上がりすぎないような機能が備わっています。
もし、歯や歯茎が悪くなって噛めなくなったり唾液の分泌量が減ってしまうと、十分に噛むことが出来ません。十分に噛むことが出来なくなってしまった場合は、食べ物を大きい塊のまま飲み込むことになり、胃に負担がかかって消化不良を起こしてしまいます。

その結果、未消化の大きなタンパク質や分子が小腸や大腸に流れ込み、これをエサにする悪玉菌が増殖。この悪玉菌が体内で悪さをすることで腸に炎症が発生し、更に体内で炎症が促進。この炎症がまた口腔内環境を悪化させるという悪循環に陥ってしまうのです。

このような悪循環が、口腔内の環境悪化が引き金となって引き起こされていきます。ですので、機能性低血糖症や無反応性低血糖症を改善するためには口腔内のケアも欠かせません。
この口腔内のケアは先ほど解説した脂肪肝や肥満の対策とセットで行う事が望ましく、また腸内環境が悪化してしまっている場合は腸ケアも同時に行う事が望ましいです。詳しい対策法は後ほど解説しますので、歯肉から出血する方や便秘のある方など心当たりのある方はこれらもセットで行うようにして下さい。

ナンナン

し、歯周病も低血糖症に関連があるのか…💧

はる かおる

うん、一説によると歯周病にかかっている成人の割合は
およそ7割と言われているよ。
低血糖症は糖尿病の前段階と言われているから、
口腔内の環境悪化も原因としてあげられるんだ。

ナンナン

分かった
今度からちゃんと歯磨きするよ

はる かおる

そうだね
昔は「芸能人は歯が命」ってフレーズが流行ったけど
芸能人じゃ無くても歯は命だよ❗

腸内環境の悪化も低血糖症の大きな原因

口腔内の環境悪化と同じく、腸内環境の悪化も機能性低血糖症や無反応性低血糖症の原因です。
腸内環境の悪化とは、腸内に生息する善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れてしまった状態。この腸内細菌のバランスが乱れていることで肥満になりやすくなったり、アレルギーを引き起こしやすくなったり、感染症や認知症、動脈硬化や糖尿病の悪化など、様々な疾患が引き起こされることが分かってきました。

腸内細菌叢の乱れは、身体の様々な疾病と深い関係がある

この腸内環境の悪化によっても糖代謝が悪化し、インスリンの効きが悪くなることが分かっています。
特にゼロカロリー飲料やカロリーオフのお菓子、調味料などに使われている人工甘味料が腸内細菌のバランスを乱し、耐糖能障害といってインスリンの効きを悪くしてしまいます。

また、善玉の腸内細菌は「短鎖脂肪酸」と言って身体にとって有益な働きをしてくれる脂肪酸を作ってくれています。短鎖脂肪酸は、腸を動かすエネルギーになったり、脂質合成を抑制して肥満を防いでくれたり、炎症の抑制やアレルギーなど免疫の調整、代謝の改善など様々なメリットがある物質です。

腸内の善玉菌が少ない場合は、この短鎖脂肪酸の生成量が減り、太りやすくなったりアレルギー反応が起こりやすくなったりして炎症が促進され、この炎症が慢性的に続くことでインスリンの効きが悪くなってしまうのです。
ですので、口腔ケアと同時に腸のケアも行うようにしましょう。口腔内の環境が悪化している場合は、口腔内の悪玉菌を絶えず飲み込むことになりますので、腸内にも悪玉菌が増えてしまいます。

悪玉菌が増えることで更に腸内環境が悪化し、炎症によって腸粘膜が弱ってしまうと「リーキーガット症候群」と呼ばれる状態にも進行してしまいます。

腸粘膜同士の繋がりが弱まることで、未消化の食べ物や細菌が血管内に侵入してしまう状態

リーキーガット症候群とは、食べ物の栄養を吸収する小腸の粘膜が炎症によって弱り、腸粘膜の細胞同士の間に隙間が出来てしまう状態。この隙間から本来吸収されるはずのない未消化の食べ物や細菌などが血液中に入り込み、免疫が過剰に反応してアレルギー反応や慢性的な炎症を引き起こしてしまう状態です。

このリーキーガット症候群は機能性低血糖症や無反応性低血糖症の原因にもなっており、現時点で低血糖症を抱えている方なら、既にリーキーガット症候群になってしまっている可能性が高いです。特に下記の症状に当てはまる項目が多いようでしたら、リーキーガット症候群も疑いましょう。

リーキーガット症候群で引き起こされる主な症状。低血糖症や糖尿病の原因にもなる

現代では食生活の乱れに加えて、抗生物質や鎮痛剤、ステロイドやピルなどの薬剤を使用する量も増えています。
これら薬剤も腸内環境の悪化を招き、リーキーガット症候群の原因になります。特に女性の方は毎月生理がある度に鎮痛剤を飲んだり、生理痛が重い方は低用量ピルの服用によって生理を止めたりしますよね。このような慢性的な服薬が胃の機能を低下させ、腸内環境を悪化させる原因になっているのです。
加えて、風邪を引いたらすぐに病院に行く方も多いはず。病院では、ただの風邪に対しても抗生物質が安易に処方されている現状があります。風邪は細菌感染では無くウィルス感染によって起こるもの。インフルエンザウィルスなどがその代表格です。このウィルスに対して、抗生物質は全く効きません。

にもかかわらず、安易に抗生物質を服用してしまうと、腸内細菌に多大なるダメージを与えてしまいます。抗生物質は、腸内細菌にとってみれば原爆を落とされるようなもの。このようなただの風邪に対しても抗生物質を服用することで、腸内に生息するいい菌も悪い菌も含めて殺菌され、腸内環境が悪化してしまうのです。

もしかすると、あなたの低血糖症はこれら薬の服用によって引き起こされたリーキーガット症候群が根本原因かも知れません。リーキーガット症候群かどうかは、オーソモレキュラー療法の一部であるリーキーガット症候群検査を受ける事で分かります。心当たりがある方は、後述するオーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

ただし、リーキーガット症候群は先ほど解説した脂肪肝や肝炎、口腔内の環境悪化と相関関係が深く、リーキーガット症候群だけが単独で発症するということはあり得ません。
もしリーキーガット症候群だった場合は、口腔内や肝臓のケアも含めて総合的に対策するようにしましょう。

ナンナン

どうもお腹の調子が悪いと思ったら
低血糖症とも関係があるのか…

はる かおる

うん、低血糖症の発症に
腸内環境の悪化は切っても切り離せないね

ナンナン

今まで低血糖症は糖質の摂り過ぎが悪いと思っていたけど
自分の身体に問題があるんだね💧

はる かおる

そうなんだ。
だからこそ、小手先の糖質制限に走らず
腸ケアや口腔ケア、肥満、炎症対策など根本から
アプローチしていくことが大切だよ❗

ナンナン

わかったよ
今度からちゃんと根本から対策するようにしていくね

副腎疲労は低血糖症の根本原因ではない

もう一つ、機能性低血糖症や無反応性低血糖症の原因として「副腎疲労」「慢性疲労症候群」が上げられます。
これらは副腎から血糖値を上げるホルモンである「コルチゾール」や「アドレナリン」などの分泌が出来なくなり、下がった血糖値を上げられなくなってしまった状態のこと。無反応性低血糖症では、DHEASというホルモンの低下も含めて極度の副腎疲労の状態に陥っている場合があります。

副腎疲労や慢性疲労症候群を発症する原因としては、「ストレス」や「カフェインの摂りすぎ」「睡眠不足など生活習慣の悪化」「アレルギー」が関係していると言われています。特に血糖値を上げる作用のある「コルチゾール」については、血糖値を上げる以外にも「ストレスに対抗するため」に分泌されるホルモンです。ストレスが過剰にかかっている状態や低血糖状態が続いていると、慢性的にコルチゾールが分泌され、副腎が疲れ切ってコルチゾールなどのホルモンが分泌出来なくなってしまうのです。

また、副腎から分泌される副腎皮質ホルモンは、アレルギー症状を抑える働きがあります。一種のアレルギー症状は、リーキーガット症候群などで分子の大きいタンパク質が血管内に入り込んだ場合に体内の免疫細胞が活性化して引き起こされることが原因です。つまり、腸内環境の悪化などによりアレルギー症状が慢性的に続いていたり、ステロイド剤などの副腎皮質ホルモンを日常的に使うことにより副腎機能が低下し、血糖値が正常範囲まで上げられなくなって低血糖症を引き起こしてしまうのです。

低血糖症の治療を行っているクリニックの一部では、この副腎疲労や慢性疲労症候群の改善に対してもアプローチしてくれる場合があります。具体的な治療法としては、コルチゾールなどのホルモンとなるDHEAを補給したり、ストレス対策について説明されたりなど。副腎機能を消耗するカフェインなども避けるように指導されることがあります。

しかし、実際にはDHEAを補給するだけでは機能性低血糖症や無反応性低血糖症の改善は出来ません。
この理由としては、副腎疲労やアレルギーには先ほど説明した「リーキーガット症候群」など腸内環境の悪化や消化吸収、代謝不良が関係していることと、そもそもインスリン抵抗性を改善しなければ低血糖症に陥ってしまうこと、コルチゾールやアドレナリンなどを始めとしたホルモンや副腎機能などは、すべて私達が摂取した栄養を利用して機能しているからです。

つまり、機能性低血糖症の場合はインスリン抵抗性によってインスリンが分泌されすぎてしまっていることが原因です。これを改善しない状態でいくらDHEAを補給しても、インスリンの過剰分泌によって血糖値が下がりすぎてしまうことは避けられません。
また、無反応性低血糖症の場合は血糖値を上げるためのホルモンを作る栄養が足りていないことも考えられます。この栄養が足りなくなってしまう原因は、リーキーガット症候群や胃の不調など消化吸収能に問題があるかも知れません。この状態でいくらDHEAを補給しても、DHEAを吸収したり利用するための栄養が不足していたり機能が低下していたりしたら意味がありませんよね。

このことから、副腎疲労や慢性疲労症候群対策は低血糖症の原因ではあるものの、根本原因ではありません。副腎が疲れてしまったり機能しないのには、必ず原因が隠れているのです。
副腎機能が低下する原因としては、上述した原因以外にも甲状腺機能障害や貧血も関係しています。副腎をケアしていくことも重要ですが、副腎が疲労してしまう根本原因も調べて、しっかりケアしていくようにしましょう。

ナンナン

低血糖症の原因として副腎疲労は有名だけど
副腎疲労が根本原因じゃないんだね💧

はる かおる

そうだよ。
副腎疲労になるにも必ず原因がある。
だからこそ、その原因からアプローチ
していくことが大切なんだ。

女性と子供に多い「貧血」も低血糖症の原因に

低血糖症を引き起こす原因として見過ごされがちなものに「貧血」があります。貧血は単に血が足りないだけと思われがちですが、血液や鉄分は体内の細胞に酸素や栄養を届けたり、脳の神経伝達物質を合成する材料としても使われています。血液の量が少ないと言うことはその分だけ全身に酸素や栄養を運ぶ能力が低下し、代謝機能の低下や脳機能の低下、免疫機能の低下や自律神経の乱れを引き起こしてしまうのです。
その代謝機能低下や自律神経の乱れから上述した副腎疲労や肥満、脂肪肝に繋がり、低血糖症を発症する原因にもなります。低血糖症を抱えている方は、この貧血が無いかどうかもしっかり調べて見て下さい

鉄は栄養素の運搬や神経伝達物質の合成に必要であり、不足すると低血糖症に繋がる恐れがある

貧血にも腎性貧血や溶血性貧血など様々な種類がありますが、やはり一番多い貧血が「鉄欠乏性貧血」です。鉄欠乏性貧血とは、その名の通り鉄の摂取量が少ない場合に起こる貧血のことで、貧血の原因約7割を占めています。また、何かしらの疾病や病気、怪我によって出血量が多くなった場合も鉄欠乏性貧血となります。
この鉄欠乏性貧血は特に女性と子供に多く、女性の場合は毎月の月経によって定期的に出血し、血液と共に鉄分が失われてしまいます。加えて、妊娠出産によって鉄の需要と消費が多くなるのも女性に貧血が多い理由です。

お子さんの場合は成長期に鉄の消費量が激しいことと、初潮を迎えた後は成人の女性と同じように毎月定期的に月経による出血が発生します。特に子供の身長が伸びる速度は著しく、身長を伸ばすための骨を形成するためには骨の鉄筋部分を担う「コラーゲン」が欠かせません。このコラーゲンは鉄を材料に作られており、骨以外にも肌や歯肉など様々な組織においてコラーゲン繊維が重要な役割を果たしています。
このことから、成長期のお子さんと女性は貧血になりやすく、貧血から低血糖症やめまい、頭痛やうつ症状など様々な不調へと繋がってしまうのです。まれに生まれたばかりの赤ちゃんが低血糖症を抱えている場合もあり、もし赤ちゃんが低血糖症だった場合は高確率で母体と共に重度の貧血を抱えている可能性があります。この場合も、低血糖症改善のためには鉄分補給が重要ですので、後述する対処法を参考にしっかりと鉄分補給をしていきましょう。

貧血と診断されていなくても貧血になっている「隠れ貧血」の人は多い

それから、現在「鉄欠乏性貧血」と診断されていない方でも注意が必要です。現在の病院では、貧血の診断を「ヘモグロビン」という値が低いかどうかだけで診断しています。ヘモグロビン値の低下は確かに貧血を診断する指標となるのですが、この値が一定以下にまで低下していない限り、仮にギリギリ下限の値だったとしても貧血と診断されません。また、貧血を判断する血液検査項目にはヘモグロビン値以外にも「赤血球数」や「血清鉄」「不飽和結合能」などがあり、鉄の貯蔵量を表す「フェリチン」などの検査項目もあります。貧血が進行する際はこの貯蔵鉄であるフェリチンから減り始め、次に血清鉄、次にヘモグロビンと段階を追ってヘモグロビン値が下がっていきます。

つまり、ヘモグロビン値が下がってきて貧血と診断されたときは既に重度の貧血になってしまっているのです。貧血と診断される前から貧血は徐々に進行しており、貧血だと気がつかないまま徐々に頭痛やめまい、倦怠感や食欲不振などの症状が悪化している場合も多い。このような貧血と診断されていないけど貧血に陥ってしまっている方はかなり多く、一般的な病院の血液検査ではまず見つけてくれません。このような貧血と診断されていないけど実際には貧血が隠れている状態の事を、「隠れ貧血」や「潜在性鉄欠乏性貧血」などと呼んでいます。

もし、上図のような不調がある場合は隠れ貧血の疑いがありますので注意が必要です。この隠れ貧血や潜在性鉄欠乏性貧血も低血糖症を引き起こすきっかけになりますので、ご自身に隠れ貧血が無いかどうか血液検査でチェックしてみて下さい。

ヘモグロビン値が下がったときは重度の貧血。ヘモグロビン値が下がっていなくても「フェリチン」で貧血を判断すべき

血液検査を受ける際は、赤血球数やヘモグロビン値、血清鉄などに加えて「血清フェリチン」の値も検査して貰いましょう。血清フェリチンは貯蔵鉄の事で、この値が低下していた場合は隠れ貧血の疑いがあります。また、フェリチン値が高かった場合は炎症によって上昇していることも考えられます。このあたりの判断は専門家でないと難しいですので、貧血かどうかはご自身で判断せずにオーソモレキュラー療法の血液検査を受けて診断を受けるようにして下さい。

なぜ、貧血、鉄不足が低血糖症の原因に?

ここからは、貧血と鉄不足がなぜ低血糖症の原因になるのかについての解説です。
血液と鉄分は、ヘモグロビンによって酸素を全身に運ぶ役割と、全身の細胞がエネルギーを生み出す際の補酵素として使われています。具体的には、私達が食べた糖質や脂質、タンパク質などは胃で消化され、小腸で吸収された後に血液中にのって全身へと運ばれます。全身へと運ばれた栄養素は細胞内のミトコンドリアへと運ばれ、このミトコンドリアがATPと呼ばれるエネルギーを産生することで、私達は筋肉を動かしたり体温となる熱をエネルギーを生み出しています。
このミトコンドリアがエネルギーを生み出すときには鉄分を始めとしたミネラルやビタミンB群などが必要で、鉄が足りないとミトコンドリアがエネルギーを作る事が出来なくなってしまうのです。

鉄はミトコンドリアのエネルギー産生(ATP産生)に重要な役割をもつ

このエネルギーが十分に作れなくなるということは、私達が食べた糖質などがエネルギーとして利用しづらくなることを意味しています。糖分はグルコースやグリコーゲンとして肝臓や筋肉に貯えられ、必要に応じて使われていますが、これらの代謝がうまくいかなくなってしまうということ。糖をエネルギーとして使えなかったり代謝が落ちてしまっていると、そのぶんだけ機能性低血糖症のような血糖値の乱高下や、無反応性低血糖症のような血糖値を上げられない状態になってしまう可能性があるのです。

また、血液は体中に酸素を運ぶ役割も担っています。ミトコンドリアがエネルギーを産生するときには、この酸素も欠かせません。酸素が不足することで更にエネルギー産生能力が低下し、糖のエネルギー利用や糖代謝が更に低下してしまうことに繋がってしまうのです。

血液中のヘモグロビンは全身に酸素を運ぶ役割を持つ。酸欠になるとミトコンドリアがエネルギーを作れなくなり、全身のエネルギー産生量が減る

つまり、貧血になってしまうと①糖質、脂質、タンパク質などの栄養を細胞の隅々まで栄運ぶ能力が低下し、鉄が不足することでミトコンドリアがエネルギーを作り出せなくなります。さらに、③貧血状態では酸素の運ぶ量が低下し、ミトコンドリアが利用出来る酸素も減ってしまいます。
この3つが重なる事で糖質や脂質、タンパク質などがエネルギーとして利用出来なくなってしまい、全身の細胞の働きや臓器の働き、代謝が落ちて低血糖症へと繋がってしまうのです。
加えて、ミトコンドリアがエネルギーとして使えなかった糖質や脂質などのエネルギーは、インスリンなどの働きによって中性脂肪に貯えられてしまいます。よく「貧血になるとあまり食べていないのに太りやすくなる」と言われるのはこのためで、貧血が肥満や異所性脂肪、脂肪肝などへ発展し、血糖コントロール障害へと進行するきっかけになっているのです。

また、鉄分はミトコンドリアのエネルギーとして使われる以外にも、脳の神経伝達物質の材料としても使われます。
脳の神経伝達物質とは、うつ病の原因と言われている「セロトニン不足」などが有名ですが、セロトニン以外にも「ノルアドレナリン」や「ドーパミン」など様々な神経伝達物質がバランス良く分泌されて、私達の精神や自律神経が保たれています。

神経伝達物質にはノルアドレナリンやドーパミン、セロトニンなどがあり、セロトニンはこの2つを調節する役割がある

この神経伝達物質の材料には、鉄分が欠かせません。下の図は神経伝達物質が合成されるまでの経路と必要な栄養素を表した物です。
まず、神経伝達物質を合成するためには、材料として「アミノ酸」が必要です。このアミノ酸は、肉や魚などのタンパク質を胃で分解し、小腸で吸収することで確保しています。
このアミノ酸にはおよそ20種類ありますが、そのうち脳の神経伝達物質として利用出来るのは「L-グルタミン」と「L-フェニルアラニン」「L-トリプトファン」になります。

脳の神経伝達物質の合成経路と合成に必要な栄養素。合成の第一段階で鉄が必要になっていることが分かる

そして、この3つのアミノ酸がそれぞれ「鉄」や「葉酸」「ナイアシン」などを利用して「Lーグルタミン酸」や「L-チロシン」「5-HTP(ヒドロキシトリプトファン)」などに合成され、最終的に「GABA」や「ドーパミン」「セロトニン」や「メラトニン」などに合成されて利用されています。

この脳の神経伝達物質を合成する際には、必ず鉄が必要です。
例えば、「L-フェニルアラニン」から「L-チロシン」に合成する際には鉄が必要ですし、「L-トリプトファン」から「5-HTP(ヒドロキシトリプトファン)」に合成する時にも鉄が必要です。
この時に体内で鉄分が不足していると、脳の神経伝達物質を合成するための材料が足りなくなってしまい、自律神経の乱れやうつ症状、感情が抑えられない、ストレスの増加、頭痛やめまいなどの体調不良へと繋がってしまうのです。

また、「セロトニンは幸せホルモン」だということをどこかで聞いたことがありませんか?セロトニンはノルアドレナリンやドーパミンなどを調節する以外にも、分泌されることで多幸感を得られるホルモンでもあります。
このセロトニンから合成される「メラトニン」は、体内時計を司っていたり質の良い睡眠を司っており、リラックスするための副交感神経を優位にするホルモンでもあります。

これら脳の神経伝達物質合成が出来なくなってしまうと言うことは、副交感神経を優位にする事が出来なくなってしまうということ。副交感神経が優位に出来ない場合は、リラックス出来ない状態が続いてしまうということです。この状態では常に交感神経が優位の状態に陥り、交感神経優位の状態では胃や腸の働きが低下してしまいます。加えて、交感神経優位の状態では常に神経が高ぶって身体がストレスを受け続け、先ほど解説した副腎からストレスに対抗するためのホルモンが大量に分泌されます。このことから、副腎が疲れて副腎疲労や慢性疲労症候群などへ進行し、結果的に低血糖症へと繋がってしまうのです。

はる かおる

女性と子供の低血糖症は貧血が
根本に関係していることが多いよ。

貧血と診断されていなくても
隠れ貧血の場合があるから注意してね❗

甲状腺機能障害は代謝異常型と消化吸収能低下型の低血糖症を引き起こす

続いて、甲状腺機能障害も低血糖症を引き起こす原因となります。
甲状腺とは、喉仏の下あたりにある「チョウチョ型」の臓器のこと。この甲状腺から「甲状腺ホルモン」という物質が分泌されています。甲状腺ホルモンは、主に私達の代謝機能を司っています。

甲状腺の場所と形状

私達が食べたたんぱく質、脂肪、炭水化物は胃で消化され、腸で吸収された後に体の組織を作る材料や体を動かすエネルギー源として使われています。 甲状腺ホルモンには、これら新陳代謝の過程を刺激し促進する作用があります。もし、この甲状腺ホルモンの働きが強すぎたり弱すぎてしまったりすると、糖の代謝機能に異常が発生し、機能性低血糖症や無反応性低血糖症と言った低血糖症を引き起こしてしまう原因になってしまうのです。

甲状腺ホルモンの分泌異常によって、身体に様々な不調が起こる

甲状腺機能障害には大きく分けて二種類があり、甲状腺ホルモンが出過ぎて働き過ぎてしまう「甲状腺機能亢進症」「バセドウ病」と甲状腺ホルモンが出なさすぎて代謝機能が落ちてしまう「甲状腺機能低下症」「橋本病」があります。バセドウ病と橋本病は自己免疫性疾患の一種で、本来細菌感染やウィルス感染から身体を守ってくれるはずの免疫機能が、何らかの原因で自分の臓器や甲状腺を標的にしてしまうことで引き起こされる病気です。
バセドウ病や橋本病は甲状腺機能亢進症や低下症を引き起こしますが、甲状腺機能が亢進していたり低下していたからと言って必ずしもバセドウ病や橋本病であるとは限りません。これら自己免疫疾患でなくても、甲状腺機能低下症になったり、甲状腺機能亢進症になってしまう可能性は十分にあります。

その主な例が、無理なダイエットやファスティング、糖質制限などの食事制限です。これらは、食事量を減らしてしまうことから身体が飢餓状態になってしまいます。すると、身体は飢餓から身を守るために代謝機能を低下させて
身を守ろうとするのです。
この結果、甲状腺機能を低下させ、体全体が省エネモードに移行してしまいます。
また、SIBO(小腸内細菌増殖症)や上述したリーキーガット症候群など、消化吸収能に問題がある場合にも甲状腺機能が低下する場合があります。これは、消化吸収能が低下することから十分な栄養吸収が出来なくなり、食べていても身体が飢餓状態になってしまうためです。特にSIBOやリーキーガット症候群などは甲状腺機能障害と関係が深いと言われていますので、心当たりのある方は短鎖脂肪酸検査と合わせて甲状腺機能もチェックしてみて下さい。

https://ochanai.com/hypothyroidism/より

では、甲状腺機能が亢進しているかや低下しているかは、どのような基準で分かるのでしょうか?
1つの大きな目安となるのは、その症状です。甲状腺機能低下症は先ほど言ったように糖質や脂質、タンパク質などの栄養をうまく利用出来なくなるため、身体の代謝やエネルギー産生量、修復量が低下します。この結果、皮膚が乾燥したり髪の毛や眉毛が薄くなったり、脂質異常症や太りやすくなる、便秘がちになる、生理不順になる、集中力が無い、疲れやすいなどの症状が現れます。

逆に甲状腺機能亢進症では、私達が食べた糖質や脂質、タンパク質が代謝されすぎて消耗が激しくなってしまう状態です。この結果、体温などのエネルギー産生が過剰になり、細胞の破壊や再生が活発になることで栄養素を過剰に消費し、様々なトラブルが発生します。具体的には、暑がりになった、心臓がドキドキする、脈が速くなる、食べているのにドンドン痩せていく、落ち着きがない、夜に眠れなくなるなどの症状が現れます。

これらの症状から判断する以外にも、甲状腺の状態を調べる血液検査を受けることでも分かります。
甲状腺の検査項目には甲状腺ホルモンの合成、分泌を促すTSHというホルモンと、活性型の甲状腺ホルモンとして働くFT3、非活性型として待機しているFT4ホルモンがあり、FT4ホルモンは必要に応じてFT3ホルモンに変換されて利用されています。この他、甲状腺ホルモンの元になるタンパク質として「サイログロブリン」があり、こちらはいわゆる甲状腺ホルモンの貯金です。サイログロブリンが異常に上昇していた場合は、バセドウ病や橋本病、甲状腺炎、甲状腺ガンなどを疑う指標として用いられています。

甲状腺機能障害の見分け方。近年では潜在性甲状腺機能低下症が問題視されている

甲状腺の検査自体は、割とどこでも受けられる検査です。しかし、保険適用の甲状腺検査では、その決まりからTSHとFT4の検査くらいしか出来ません。甲状腺機能の異常を確認する上で重要なのは、FT3ホルモンも検査することです。
実は、FT4ホルモンの値が問題ない場合でも、「FT3ホルモンの量が低下してしまっている低T3症候群」という甲状腺機能低下症が発生している場合も考えられます。他にも、FT4ホルモンの値が問題無い場合でもTSHが高くなっている「潜在性甲状腺機能低下症」を抱えている方が増えているのです。
その状態を判断するのが、上図の表になります。縦軸がTSHで、横軸がFT3とFT4ホルモンです。このTSHが高くてFT3もしくはFT4が正常値の範囲に収まっている場合は、TSHがFT3とFT4に「働きなさい」という甲状腺刺激ホルモンを多く出しているにも関わらず、FT3とFT4ホルモンが正常値の範囲内で働くのがやっとの状態になっています。逆に潜在性甲状腺機能亢進症では、TSHが「働かなくても良いよ」と命令を出しているにも関わらず、FT3とFT4が正常範囲の数値まで出過ぎてしまっている状態です。

このような潜在性甲状腺機能低下症の判断には、下図のフローチャートも用いられています。少し難しいと思いますが、興味ある方は参考にしてみて下さい。

https://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/center-tayori/200605/center200605-06.pdfより

ただ、このような潜在性の甲状腺機能障害についてはまだまだ認知度が低く、一般の病院で検査を受けても「問題なし」と言われてしまうことが多く発生しているのが現状です。
また、先ほども触れましたが保険診療ではTSHとFT4の検査くらいしか受けられません。甲状腺ホルモンとして実際に働くのはFT3ホルモンであり、FT4ホルモンはFT3に変換されて初めて機能します。つまり、FT4が正常範囲内だったとしても、FT3ホルモンの量が正常とは限りません。栄養不足や何らかの原因によってFT4からFT3への変換がうまく出来なくなっている状態では、FT4が正常値であってもFT3が下がって甲状腺機能が低下している事も考えられるのです。

このFT3の検査を受けるには、既に橋本病やバセドウ病などの病気を抱えていて、医師が必要と判断した場合に限り保険診療で受ける事が出来ます。しかし、現在甲状腺の病気と診断されていない人がFT3の検査を保険診療で受ける事は出来ません。そのため、現在甲状腺の病気と診断されていない人が甲状腺機能の状態や潜在性甲状腺機能障害の有無を知りたい場合は、自費にて検査を受ける必要があります。自費検査であれば、甲状腺の病気と診断されていなくてもTSHやFT3、FT4、サイログロブリンなどを含めた項目の検査を受けることが可能です。
費用も1万円程度で検査可能ですので、上述した症状に当てはまる方やリーキーガット症候群などお腹の調子が悪い方は、甲状腺の状態を調べるためにも是非自費検査を受けてみて下さい。

はる かおる

潜在性甲状腺機能低下症は特に女性に多く
日本国民の4~20%の人に認められると言われているよ。
低血糖症を抱えている人にも意外と多い病気だから
一度しっかりと調べて見てね。

低血糖症を根本から解決させるには? 低血糖症対策に有効な分子栄養学的アプローチ

長くなりましたが、ここまで低血糖症の原因について解説してきました。ここからは、いよいよ低血糖症の具体的な治し方、分子栄養学的アプローチを解説します。

低血糖症を改善させるための主なアプローチは以下の通り。低血糖症を改善させる場合は、まず先に原因となっている疾患を改善させることが優先です。
必要に応じて、次のようなアプローチを行っていきましょう。

  • 甘い物、炭水化物の摂りすぎを控える
  • よく噛む
  • 回数頻回食
  • 食べたら動く、運動する
  • 口腔内のケアをする(歯周病)
  • 腸内環境を改善する
  • インスリンの働きを高める栄養補給をする
  • 脂肪肝対策、炎症対策、抗酸化栄養を補給する
  • 副腎疲労を回復し、副腎を元気にする
  • 貧血を改善する
  • 甲状腺機能障害を改善する
はる かおる

ここからはいよいよ改善方法を説明するよ
回数頻回食やよく噛むことについては記事の途中で解説している
から、それ以外の部分について重点的に説明するね。

肥満を改善する、 正しいダイエットを行う

低血糖症の改善としての第一アプローチは、食事の改善と肥満の改善です。
現代の食生活では、どうしてもラーメンやパスタ、うどんやパンなどの炭水化物に偏りがちになります。これらもたまに食べる分には悪くないのですが、ラーメン単品だけでお腹いっぱいにするとか、ラーメン大盛りチャーハン大盛りセットなど炭水化物のみでお腹いっぱいにしてしまうと、栄養バランスが崩れてしまいます。

この栄養バランスを整えるためにも、バランスの良い食事内容を心がけましょう。
食事内容のポイントは、和定食や地中海料理など野菜やタンパク質、炭水化物をバランス良く摂れるメニューがオススメです。

これら和食や地中海料理は、おかずの種類も多く、野菜も多く摂れるので低血糖症の改善にはもってこいの食事内容です。お米の量も食べ過ぎなければ問題ありません。カロリーが不足してしまわないよう、オリーブオイルなども取り入れてしっかりカロリーを確保して下さい。

それから、食べ方にもポイントがあります。血糖値を急激に上げないようにするために、まずは野菜サラダなど食物繊維から先に食べるようにして下さい。そして、次にお肉などの副菜、タンパク質を食べて、最後にお米などの主食を食べるようにしましょう。こうすることで糖の消化吸収が緩やかになり、血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。

そして、食べたら運動です。運動することによって糖が肝臓や筋肉に取り込まれ、エネルギーとして代謝されます。この糖を肝臓や筋肉に取り込む際に使われる出入り口がGLUT4(グルートフォー)と呼ばれるもの。このGLUT4が多いほど肝臓や筋肉への糖の取り込み量が増えていきます。糖の取り込み量が増えると、その分だけ糖が筋肉や肝臓で貯蔵、消費され、インスリンの分泌量が減って、インスリンだけに頼らなくても血糖値を下げることが出来るのです。

このGLUT4の量は単純に筋肉量に比例しますので、運動を続けることがインスリン抵抗性と低血糖症の改善へ繋がります。病態を改善させるためにも、是非日頃からの運動を習慣にしてみて下さい。

食後の高血糖は、筋肉と肝臓への取り込み量と消費量を増やすことで改善出来る

この運動は、軽いウォーキングやストレッチでも十分です。毎日の習慣や食後の習慣として、最低でも30分は歩いたり運動したりして下さい。逆に、有酸素運動など激しい筋トレやマラソンは身体に負担をかけ過ぎてしまい、糖代謝が追いつかなくて低血糖になってしまうリスクがあります。
このような運動はもっと低血糖症が改善してきてから行う方が効果的ですので、まずは軽い運動からスタートしていきましょう。

このような食事改善と運動に加えて、更に糖の代謝をアップさせる栄養補給が重要です。特に、運動前後にしっかりタンパク質やビタミン、ミネラルを補給しないと、運動によって筋肉が壊されたまま修復できなくなってしまいます。
運動後に筋肉をしっかり付けるためにも、下記のような栄養補給を心がけてみて下さい。

筋肉量を増やし、糖代謝を上げるために必要な栄養素

  • タンパク質
  • BCAA(運動前後)
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • 亜鉛
  • αリポ酸

このような栄養補給に加えて、この記事の途中で解説したよく噛むことと、回数頻回食も必要に応じて組み合わせて行ってみましょう。

はる かおる

運動前後に適切な栄養補給をしないと逆効果になるよ❗
食事内容の改善とあわせてやってみてね。

インスリン構成の材料となる栄養を摂取し、インスリン抵抗性を改善させる

機能性低血糖症を抱えている方はインスリンの働きが低下していることが殆どですので、インスリンの働きを助ける栄養素の摂取も重要です。食事改善や運動に加えて、インスリンの構成成分となる栄養も同時に補給していきましょう。

インスリンの働きを助ける栄養素としては、

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • カルシウム・マグネシウム
  • クロム
  • 亜鉛


などがあります。

インスリンはタンパク質を元に、ビタミンやミネラルを使って合成されています。これら材料となるタンパク質やビタミンB、亜鉛などをしっかり補給することで、インスリンの働きを助けます。
また、マグネシウムやクロムなどの摂取によってインスリン抵抗性の改善が見られる研究結果もある事から、併せて摂ることも効果的でしょう。他にも、マンガン・リン・カリウム 等の栄養素も糖代謝を助けてくれる栄養素です。
バランスの良い食事を心がけ、足りない分はサプリメントで補うようにしてみて下さい。

はる かおる

必要な栄養素がカブって解説されるけど
その栄養素はそれだけ重要だってこと。
特にタンパク質は身体を構成する唯一の
栄養素だから、積極的に摂るようにしてね

脂肪肝、炎症対策、抗酸化栄養を補給する

この記事の途中では、インスリンの働きが落ちる原因として肥満や脂肪肝が原因である事を解説しました。肝臓は、体内のエネルギーや酵素などの製造工場です。私達が食べたタンパク質や脂質、糖質などの食べ物は消化吸収され、すべて肝臓に運ばれてから利用されています。
この肝臓に脂肪がベッタリ付いた脂肪肝の状態だったり炎症が発生したりしていると、食事から摂取した栄養素が肝臓でうまく利用出来なくなり、インスリンの働きが落ちてしまいます。この肥満や脂肪肝、炎症を鎮めてインスリンの働きを改善させるためにも、肝臓を元気にする栄養や炎症対策となる栄養素も同時に摂取していきましょう。

脂肪肝の対策をする際は、まず肝臓の機能が正常かどうかを血液検査で確認してみて下さい。肝臓の状態は、ASTとALT、γ-GPTの数値でおおよそ分かります。
ASTやALT、γ-GPTが20を下回っていた場合は、ビタミンB群を始めとした栄養欠損によって機能が低下しています。
この場合は、タンパク質とビタミンB群を中心とした栄養を積極的に補給するようにしましょう。

血液検査結果による肝臓の関連項目。数値によって肝臓の大まかな状態が把握できる

ASTとALTの数値を見たとき、ASTよりもALTの方が高かった場合や、γ-GPTが高い場合「脂肪肝」が疑われます。腹部エコーなどの検査を受けて、脂肪肝の状態を確認してみて下さい。

脂肪肝には、アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝がありますが、低血糖症を抱える方はアルコールを飲まない非アルコール性の脂肪肝を抱えている場合も多く見受けられます。
この場合も、糖代謝の異常により糖が肝臓で利用出来なくなり、脂肪として肝臓に貯えられてしまった状態です。
もしアルコールを飲まれている方でアルコール性の脂肪肝がある場合は、アルコールの摂取を控えましょう。

このような肝機能が低下していることで低血糖症が引き起こされている場合は、肝機能を正常に戻すことが最優先です。肝機能が低下している主な原因は「栄養欠損」ですので、栄養補給が欠かせません。具体的な栄養素としては以下のようなものがあります。

  • タンパク質、BCAA
  • ビタミンA
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ナイアシンまたはイノシトール
  • ウコン
  • シリマリン
  • グルタチオン

肝臓自体もタンパク質で出来ていますので、肝臓を修復するためにはタンパク質の補給は欠かせません。また、タンパク質を利用するための補酵素であるビタミンB群も重要です。

脂肪肝は炎症の一種になりますので、炎症対策としてEPAやビタミンE、ビタミンC、αリポ酸など抗酸化アプローチも有効になります。肝機能を高めてくれるウコンやマリアアザミなどの栄養素も必要に応じて摂取すると良いですね。

はる かおる

肝臓を元気にすることが
すべての病気改善に繋がるよ。

肝臓の状態は必ずチェックしてね❗

口腔内をケアし、糖尿病と低血糖症の悪化を防ぐ

低血糖症の改善には、食事内容の改善や運動に加えて口腔内のケアも重要です。口腔内が悪化する最も多い原因としては歯垢の磨き残しですので、電動歯ブラシやウォーターピックなどを使って歯と歯の隙間もしっかりケアしていきましょう。
ここでは、オススメの口腔ケアグッズをいくつかご紹介します。

電動歯ブラシ

磨き残しが多く残る原因は、やはり手磨きによるもの。手磨きだと適切な磨き方が求められる上に、歯垢をしっかり落としきるまで磨くには時間がかかります。
このような問題を解決するためにも、是非電動歯ブラシを取り入れてみて下さい。電動歯ブラシであれば、短時間で確実に歯垢を落とすことが出来ます。電動歯ブラシには音波式など振動するタイプのものとブラシが回転する回転式がありますが、歯垢をしっかり落とすなら回転式ブラシがオススメ。歯垢は細菌が出すネバネバ物質に覆われており、これを物理的にそぎ落とせる回転式ブラシが最も効果的です。

この回転式の電動歯ブラシにもピンからキリまでありますが、あまり高いものを選ぶ必要はありません。機能面と価格面のバランスが良い真ん中あたりのモデルを選ぶと良いでしょう。オススメは、ブラウンのOral-Bシリーズです。僕自身も、ブラウンのOral-Bシリーズを愛用しています。お好きな色や形で選んでみて下さい。

プロポリス、マヌカハニー入り歯磨き粉

次に、歯磨き粉です。これは特に何でも大丈夫ですが、歯周病対策用に作られたある程度の値段がしている物を選びましょう。研磨剤が配合されている物は歯と歯肉を傷つけてしまう可能性がありますので、選ばないようにして下さい。
オススメは、プロポリス、マヌカハニー配合の歯磨き粉です。プロポリスやマヌカハニーには天然の殺菌成分が含まれており、歯周病菌の殺菌にも有効です。これら天然の殺菌成分は口腔内の有用菌に対してダメージを与えすぎないので、口腔内の細菌バランスを保つ上でもオススメです。
逆に、マウスウォッシュや殺菌成分が強すぎる歯磨き粉では口腔内の有用菌も殺菌してしまいますので注意しましょう。

ウォーターピック

電動歯ブラシは短時間で歯垢を落としてくれるものの、やはり歯と歯の隙間の汚れまではしっかり落としきることが出来ません。この歯と歯の隙間をしっかり落とすのに有効なのが、「ウォーターピック」や「ジェットウォッシャー」と呼ばれているものです。

仕組みとしては、高圧の水流を歯や歯肉に当てて汚れを落とすというもの。高圧洗浄機で有名な「ケルヒャー」の口腔版といった感じですね。文字で説明するよりも、動画の方がわかりやすいかと思います。

ジェットウォッシャー

このように、高圧の水流を当てて歯と歯の隙間にある汚れを効率よく落とします。電動歯ブラシだけでは落とせない汚れもしっかり落とせますので、歯ブラシ後にウォーターピックやジェットウォッシャーを併用するようにしましょう。

歯周病の状態によっては使い始めに出血するかも知れませんが、使っている内にだんだんと出血量が減ってきます。
およそ3ヶ月程度使用すれば殆ど出血も収まり、歯周病の状態も改善してきますので、始めは出血したり痛みがあっても根気強く続けるようにしてみて下さい。

ウォーターピックやジェットウォッシャーには類似品が安く売られていますが、水圧など機能面から見てもちゃんとしたメーカー品を購入するのがオススメです。メーカー品の値段は高めですが、使いやすさや機能面、耐久性や汚れの落ちやすさなどしっかり考えられています。これで今後、歯の治療費や病気の治療費が減ると考えると、かなり安い投資かと思います。一度買うと家族で使える上にずっと使える物ですので、是非勇気を持って購入してみて下さい。

【25%オフ】正規品 2年保証 歯垢除去率99.9%!世界No.1ブランドでオーラルケア(YA-MAN)ウォーターピック ウルトラプロフェッショナル

口腔内環境改善サプリメント

歯の汚れをしっかり落としたら、次に口腔内の細菌バランスを整えていきましょう。
細菌バランスと言えば腸内環境を思い浮かべるかも知れませんが、実は口腔内にも悪玉菌と善玉菌が生息しています。
悪玉菌の代表は虫歯菌や歯周病菌などで、これらが善玉菌よりも多くなってしまうと口の中で悪さをし始めるのです。

ですので、歯周病などの悪玉菌が増えないように、善玉菌を増やしていく事が重要になってきます。
口腔内の善玉菌としては、「ストレプトコッカス・オラリス菌」や「ストレプトコッカス・ウベリス菌」「ストレプトコッカス・ラッタス菌」などです。これらの有用菌は虫歯菌や歯周病菌のすみかを奪い、過酸化水素を微量に産生することで歯周病菌の殺菌作用をもたらします。

歯磨き後は口腔内の有用菌のバランスを整える事が大切

特にストレプトコッカス・オラリス菌とストレプトコッカス・ウベリス菌が歯周病対策に有効な菌で、これら菌が歯周病菌の住処を奪って過酸化水素を産生することで歯周病菌の増殖を防ぎます。ストレプトコッカス・ラッタス菌は虫歯の原因となるミュータンス菌と住処と栄養源を奪い合うことで、ミュータンス菌に対して増殖抑制作用を示します。

歯ブラシとウォーターピックなどでしっかり汚れを落とした後は、これらの菌が含まれている口腔環境改善サプリメントも利用して、口腔内をケアしてみて下さい。実際に口腔環境改善タブレットを4週間使用した方は、虫歯の原因菌や歯周病の原因菌が減少した結果が出ています。

口腔内環境改善タブレットを4週間使用後、悪玉菌が有意に減少した

この口腔環境改善タブレットの具体的な製品については、オーソモレキュラー療法の一環として用いられています。
ご興味ある方は、最後にご説明するオーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。

それから、歯周病菌の出す毒素や炎症によって弱ってしまった歯肉を修復するためにも、歯肉の材料となる栄養補給も同時に行いましょう。歯肉がダメージを受けたままや出血している状態では、悪玉菌が増殖しやすくなります。
歯肉は「コラーゲン」繊維で出来ており、コラーゲンはタンパク質やビタミンC、鉄などを材料に作られます。有用菌の補給に加えて、これら栄養も補給して歯肉の修復を行うようにして下さい。

歯肉を強くする栄養素

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • コエンザイムQ10
はる かおる

低血糖症対策において歯のケアは特に重要だよ❗
ここにはできる限りお金と手間をかけるようにしてね。

腸内環境の改善、短鎖脂肪酸の産生量を増やす

口腔内の環境悪化と同じく腸内環境の悪化でも機能性低血糖症や無反応性低血糖症が引き起こされますので、口腔ケアと合わせて腸内環境の改善も行っていきましょう。

腸内環境の健康度は、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)のバランスで決まります。
腸内には善玉菌と悪玉菌が住んでいますが、悪玉菌よりも善玉菌の方が多い状態が理想です。これが逆転して善玉菌よりも悪玉菌の量が多くなってしまうと、お腹の調子が崩れたり太りやすくなったりと様々な不調へと繋がってしまうのです。

腸内細菌叢は日和見菌を味方に付けられるかどうかが鍵

この腸内細菌叢には悪玉菌と善玉菌以外にも日和見菌(ひよりみきん)といって、悪玉菌にも善玉菌にもどちらにもなれる菌が多数を占めています。この日和見菌は、悪玉菌が優勢であれば悪玉菌と同じような活動をし、善玉菌が優勢であれば善玉菌と同じような活動をするという特徴があります。

つまり、腸内の健康状態を保つためには、善玉菌を多くして日和見菌を味方に付けることが最大のポイント。この善玉菌や悪玉菌、日和見菌のバランスは善玉菌が2割、日和見菌が7割、悪玉菌が1割という比率が最もバランスが良いと言われていて、その優劣は日々、私達が食べた物や体調によって影響を受けています。

この優劣を決める上で最も重要な栄養素が、「食物繊維」です。
食物繊維とは、胃で消化されずに腸まで届く繊維質や難消化性の糖質のこと。大きく分けて「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があります。これらは主にワカメや昆布等の海藻類や、お米、トウモロコシなどの穀物類、フルーツや野菜などに多く含まれています。
これら食物繊維を多く含む食べ物を食べるとお腹の中で善玉菌の餌となり、餌を食べた善玉菌は腸に有益な働きを持つ「短鎖脂肪酸」を生成してくれます。この短鎖脂肪酸の量と質が、腸内の健康状態を決定づけてくれるのです。

腸内環境の改善は、短鎖脂肪酸の量とバランスを意識する

ですので、腸内環境の改善を行う際はこの短鎖脂肪酸を意識するようにしましょう。
最近流行りの腸活では、乳酸菌やビフィズス菌などの菌(プロバイオティクス)を摂ることばかりが言われていますよね。しかし、いくらいい菌を摂ったとしても、いい菌の餌になる食物繊維(プレバイオティクス)が無ければ短鎖脂肪酸は作られません。

重要なのは、いい菌であるプロバイオティクスと、そのエサとなるプレバイオティクスを両方同時に摂ること。
こうして善玉菌を増やしていけば、短鎖脂肪酸の生成量も増えていきます。短鎖脂肪酸には腸内を酸性に傾けてくれる作用もあり、酸性に弱い有害菌やカンジダ菌の増殖抑制効果や有害物質の発生抑制、体内への侵入抑制効果もあります。

このような事から、腸内環境を改善させるためにも有用菌とそのエサとなる食物繊維を同時に摂っていきましょう。
食物繊維が多く含まれる食べ物としては、以下のような物があります。

食物繊維が多く含まれる食べ物

  • こんにゃく
  • きくらげ
  • 寒天
  • 切り干し大根
  • 椎茸、干し椎茸
  • ドライプルーン、ドライいちじく
  • いりごま
  • おから
  • グリーンピース
  • 納豆
  • ゴボウ
  • アボカド
  • ブロッコリー
  • 枝豆
  • オクラ

このリスト以外にもワカメや昆布、キャベツなど食物繊維が多く含まれる食べ物は沢山ありますので、献立を色々と工夫してみて下さい。
また、食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維などをバランス良く十分な量を摂取する事が大切です。食べ物からではこれら食物繊維をバランス良く十分な量を食べることが難しい上、有用菌が生きたまま補給することも難しいので、サプリメントからも補給していくことがオススメです。短鎖脂肪酸を増やすアプローチとしては、次のようなプロバイオティクス、プレバイオティクスが配合されたサプリメントを選びましょう。

短鎖脂肪酸の量とバランスを整える栄養素

  • 乳酸菌(有胞子性乳酸菌)
  • ビフィズス菌
  • 酪酸菌
  • 納豆菌
  • 食物繊維(水溶性、不溶性両方)

ただし、乳酸菌などのサプリメントは様々な会社から販売されていますが、その殆どは生きて腸まで届きません。乳酸菌やビフィズス菌などは胃酸に弱く、その殆どが胃酸や胆汁酸の影響で死滅してしまいます。このようなサプリメントを飲み続けても、腸内環境の改善には繋がりません。これはヨーグルトや発酵食品などから摂れる乳酸菌なども一緒です。

ですので、乳酸菌など有用菌は、生きて腸まで届く「有胞子性乳酸菌」が配合されている物がオススメです。有胞子性乳酸菌とは、硬い殻に覆われている乳酸菌のこと。硬い殻に覆われていることで胃酸や胆汁酸から身を守り、生きて腸まで届きます。
また、プロバイオティクスとして最も摂りたいのが「酪酸菌」です。酪酸菌は「酪酸」という短鎖脂肪酸を作ってくれる菌で、腸内の健康状態に非常に重要な役割を担っています。これらをバランス良く含めたプロバイオティクス製品と、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランス良く含まれたプレバイオティクス製品を同時に摂るようにしてみて下さい。これら腸内環境改善のために専用に設計された製品は、オーソモレキュラー療法でも用いられています。ご興味ある方は、最後にご説明するオーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。

もし、ご自身の腸内でどれだけ短鎖脂肪酸が作られているか知りたい場合は、便中短鎖脂肪酸検査を受けることで分かります。

腸内環境が健康かどうかは、便中短鎖脂肪酸検査で分かる

便中短鎖脂肪酸検査では、短鎖脂肪酸のバランスや量を測定することができ、腸内環境の健康度や食生活が適正かどうかが分かります。
お腹の調子があまり良くない方や、前述したリーキーガット症候群の傾向がある方など、腸内の環境を良くしたい方は是非一度受けてみて下さい。便中短鎖脂肪酸検査は、後述するオーソモレキュラー療法にて受ける事が出来ます。
ただ、注意点としては便中短鎖脂肪酸検査を受ける際は胃のチェックを同時に行うようにしてください

腸内環境が悪くなる原因としては、第一に胃の不調とも関連があります。胃の消化力が落ちている場合は未消化物が腸内に流れ込み、悪玉菌のエサとなって腸内環境が悪くなります。
ですので、短鎖脂肪酸検査を受ける場合や、お腹の調子があまり良くない方、前述したリーキーガット症候群に当てはまる方は必ず胃の検査も受けるようにしましょう。胃の状態は血液検査で概ね知ることができ、この血液検査はオーソモレキュラー療法にて受ける事が可能です。

タンパク質の消化吸収能力は胃のチェックで分かる

胃の状態を知る血液検査項目としては、胃酸の分泌量を表すPG1や、粘膜の炎症程度を表すPG2、胃粘膜萎縮の程度を見るPG1/2比などがあります。このPG1の数値が低い場合は胃酸の分泌量が少なく、タンパク質をしっかり消化吸収することが出来ません。タンパク質がしっかり消化できていない状態だと、未消化のタンパク質が腸に流れて悪玉菌が増える原因となります。
また、ピロリ菌に感染していたり、胃粘膜の炎症や萎縮があるとタンパク質が上手く吸収できなくなってしまいます。これらの検査を参考に、タンパク質がしっかり消化吸収出来ているかや、胃の健康状態も同時に確認してみましょう。

もし胃の状態や腸の状態に問題がある場合は、先ほどのプレバイオティクス、プロバイオティクスに加えて腸粘膜を強化したり、消化を助けるための栄養素が必要になります。必要に応じて、次のような栄養素も組み合わせてみて下さい。

腸粘膜、消化能力を強化する栄養素

  • 消化酵素
  • タンパク質
  • グルタミン
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンA
  • 亜鉛
  • ヘム鉄
  • レシチン
  • カルシウム・マグネシウム
はる かおる

腸内環境を改善するためには
先に口腔ケアと胃腸のケアが先だよ❗
どれか1つだけ集中的に行っても意味ないから
脂肪肝や炎症対策と合わせてセットで行ってね❗

副腎機能を回復させる分子栄養学的アプローチ

花粉症などアレルギー症状が酷い場合や、機能性低血糖症、無反応性低血糖症がある場合は副腎が疲労している可能性もあります。副腎が疲労していると、「アドレナリン」や「コルチゾール」など血糖を上げる作用のあるホルモンが分泌出来なくなって低血糖症を引き起こします。この場合も、副腎を元気にするアプローチを行っていきましょう。

副腎疲労を回復する基本的なアプローチとしては、「ストレスをかけないこと」です。ストレスと言えば精神的なストレスが思い浮かびますが、これ以外にも身体は様々なストレスを受けています。
例えば、騒音だったり異臭だったり、気温の変化や湿度の変化、睡眠不足や偏った食生活、運動不足や喫煙、飲酒、ウィルス感染や病原菌などの感染症もストレスと関係しています。

免疫力の低下とストレスには関連がある。特に現代はストレスとなる環境的、生活習慣的要因が大きい

これらストレスは免疫を低下させる要因でもあり、その他にもストレスが高まると下図のような身体機能にダメージを与えることが分かっています。特にストレスがかかった際には甲状腺刺激ホルモンの分泌異常が発生し、前述した甲状腺機能にもダメージを与えますつまり、副腎疲労の方は甲状腺機能にも異常が発生しやすくなってしまうのです。

ストレスは身体の様々な機能に深刻なダメージを与える

また、過剰なストレスや副腎疲労の状態では交感神経が常に有意な状態となり、胃腸の機能が低下します。胃腸の機能が低下するとタンパク質などが上手く消化できなくなり、未消化のタンパク質が腸に流れて腸内環境を荒らします。このことから、副腎疲労はSIBOやリーキーガット症候群とも関係が深い病気です。もし甲状腺機能に異常があったり、リーキーガット症候群などの症状が感じられたりする場合は、副腎も疲れている可能性があります。心当たりがある方は、副腎機能を検査する「DHEA-S」の検査を受けてみて下さい。
「DHEA」とは、コルチゾールなどストレスホルモンの材料となるホルモンのことです。これが低い場合は副腎がコルチゾールなどを分泌しすぎて疲れている可能性があります。「DHEA-S」の検査は後述するオーソモレキュラー療法の血液検査で受けられますので、ご希望の方はご相談下さい。

さて、具体的なストレスの対処法としては、やはり生活習慣や睡眠不足を改善し、ストレスを無くすことです。
加えて暴飲暴食や飲酒、喫煙、コーヒーや紅茶などのカフェインも副腎が疲れている方にとっては悪影響です。これらの生活習慣を見直してみて下さい。
また、ストレスがかかると様々な栄養素を消耗することから、ストレスに対抗するためには栄養素の摂取が重要です。ストレスを感じている方や副腎疲労がある方は、次の栄養素の摂取も積極的に行ってみて下さい。

ストレスはビタミンとミネラルをはじめ大量の栄養を消耗する。ストレスに負けないためには、消費量よりも多くの栄養を摂取する

ストレスに対抗するための分子栄養学的アプローチ

  • 糖質
  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • ヘム鉄
  • カルシウム・マグネシウム

ストレスに対抗するための栄養素として是非摂って頂きたいのが、「糖質」です。
機能性低血糖症や乱高下型低血糖症では糖質の摂取が悪だと言われて糖質制限をするよう勧められますが、過剰な糖質制限は脳にストレスがかかり、副腎疲労を加速させてしまいます。過剰な糖質制限は低血糖に陥る原因にもなり、低血糖になった場合は更に副腎機能を酷使してしまいかねません。
そうならないためにも、ある程度の糖質や炭水化物は摂取するようにしましょう。

糖質は速やかに脳のエネルギー源として働き、神経を落ち着ける作用がある。ストレス対策には適度な糖質の摂取を心がける。

糖質や炭水化物の摂り方については、この記事の途中で解説した通りです。お菓子やジュースなどの単糖類は血糖値を急激に上昇させる原因となるので避け、ご飯やイモなどの炭水化物から摂るようにしましょう。この時に、食べる順番に気をつけたり、食物繊維を事前にしっかり摂ったりすることで血糖値の急激な上昇を抑えてくれます。加えて、回数頻回食を実践するのも良いですね。
また、糖をエネルギーとして利用するためにはビタミンB群が必要です。忘れずにしっかりビタミンB群も補給しましょう。

それから、ストレスに対抗するためにはタンパク質摂取が重要になります。
ストレスがかかったり低血糖になることによってコルチゾールやアドレナリンなどの異化ホルモンが分泌され、タンパク質の消耗量が多くなってしまうためです。この仕組みはこの記事の最初のほうで解説したように、アドレナリンやコルチゾール、副腎皮質ホルモンなどが分泌されると筋肉が壊され、アミノ酸に分解されてしまいます。このアミノ酸はブドウ糖に作り替えることが出来るので、低血糖に陥ると筋肉がどんどん壊されてしまうのです。

ストレスを受けるとタンパク質の消費量が増えてしまう。この時にタンパク質を積極的に摂ることが重要

このような悪循環を防ぐためにも、タンパク質はしっかり補給しましょう。タンパク質は肉や魚などからも摂取する事が出来ますが、低血糖症の方や副腎疲労を抱えている方等は胃腸機能が低下しており、肉や魚などを食べてもしっかり消化吸収することが出来ません。これら肉や魚などきちんと消化できなかったものは悪玉菌のエサになり、腸内環境を荒らす原因になってしまいます。
ですので、そのような消化に負担がかかる肉や魚などのタンパク質を摂るよりも、既に消化吸収しやすくした「プロテイン」や「アミノ酸」からタンパク質を補給するのがオススメです。プロテインの中にはタンパク質を分解した「ペプタイド状」のプロテインも存在し、このようなプロテインは通常のプロテインよりも消化吸収しやすくなっています。

また、このような消化吸収しやすいプロテインでも消化できないほど消化吸収能が弱ってしまっている場合は、消化酵素を足したりアミノ酸やグルタミンなどで粘膜を修復したりするアプローチも有効です。
このあたりのアプローチは人によって異なりますので、是非オーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。オーソモレキュラー療法では、一人一人の消化能力や状態に合わせてプロテインや消化酵素、アミノ酸などをアドバイスしています。加えて、オーソモレキュラー療法で使われるこれら栄養素は、消化吸収能が低下している方など病態を抱えている方に特化した設計になっていますので、副腎疲労や低血糖症を抱える方にもオススメです。
市販のプロテインやサプリメントは「スポーツ用」に開発されたものであり、病態を抱えている方や消化吸収能に異常がある方向けには設計、開発されていません。これら市販のサプリを用いた場合は、上手く消化吸収出来ずに腸や肝臓にダメージを与え手しまうことがありますので注意して下さい。栄養素を補給する際は、必ず病態を抱えた方向けに設計された専用の製品で補給するようにしましょう。

最後に、副腎を元気にするための栄養素についてです。
副腎から分泌されるホルモンや副腎自体はタンパク質から出来ていますので、タンパク質補給は欠かせません。また、タンパク質以外にも次のような栄養素も重要です。

副腎疲労、慢性疲労症候群からの回復には栄養補給が欠かせない

副腎を元気にする栄養素

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ビタミンC
  • ビタミンE

特に副腎はビタミンCを大量に消費する臓器でもあり、ビタミンCはストレスホルモンの材料でもあります。
この事からビタミンCは「抗ストレスビタミン」とも呼ばれ、ストレス対策には欠かせません。副腎を元気にするためにもビタミンCをしっかり補給するようにしましょう。

ビタミンCは最強の抗ストレスビタミンと言われている

ビタミンCの補給量については個人差がありますが、およそ一日に3,000mg程度は最低でも摂りたいところです。
人によってはビタミンCの摂取によって下痢になってしまう場合があります。この場合は量の調節が必要です。
また、ビタミンCを補給する際は質の良いしっかりとした製品を選びましょう。エナジードリンクやお菓子にもビタミンCが添加されている物がありますが、これらはビタミンCの補給にはなりません。ビタミンCは熱や水分に弱く、ジュースやお菓子に添加されている物は活性を失って効力を失ってしまっているからです。
また、薬局などで売られている食品添加物用のビタミンCやサプリメントなども同様です。ビタミンCが体内で十分に効果を発揮するためには、ビタミンPが必要な事に加えて、製造段階や保管段階でビタミンCの活性が失われないよう厳重な製造管理体制が必要になります。安く販売されているビタミンCはこのような製造管理体制下で作られていませんので、十分な効果が発揮出来るかどうかは不明です。医薬品にもビタミンC製剤が売られていますが、こちらも「アスコルビン酸カルシウム」など通常のアスコルビン酸とは分子構造が異なっています。
ビタミンCと一言で言っても何でも良いわけではありませんので、しっかりと生体内で利用出来るよう設計、製造されたビタミンC製品を選んで下さい。

はる かおる

副腎機能回復にはストレスに対抗するために
糖質とタンパク質とビタミンB,C,Eの補給が鍵を握っているよ❗
ただ、市販のプロテインやサプリメントは消化吸収や生体内利用効率の考慮がされてない。これらを摂るとむしろ逆効果にもなるから気をつけてね❗

必ず貧血改善も同時進行を!

有経の若い女性や成長期のお子さんは鉄の消費と需要が高く、気をつけていても貧血になりがちです。貧血は、代謝機能低下や自律神経の乱れから上述した副腎疲労や肥満、脂肪肝に繋がり、低血糖症を発症する原因にもなります。
現在貧血と診断されていなくても貧血になっている「隠れ貧血」の場合もありますし、貧血で無くても日々生理などで鉄分は消費してしまいます。気がつかないまま貧血が進行していることもありますので、貧血改善は必ず行っておきましょう。

貧血と診断された場合や治療と言えば、真っ先に「鉄剤」が思い浮かびますよね。「鉄欠乏性貧血」と言われているくらいですから、鉄を補給すれば貧血が改善出来る。そう思われています。
しかし、病院で処方される鉄剤を飲んでも、貧血を改善することは出来ません。むしろ、鉄剤を摂取する事により大量の活性酸素が発生し、胃や腸の粘膜にキズを付けてしまう可能性があるのです。

病院で処方される鉄剤は体内で活性酸素を発生させる原因となり、細胞や粘膜にダメージを受けてしまう

この原因は、病院で処方される鉄剤の多くが「無機の鉄そのもの」であるか、吸収効率が非常に悪い事が原因です。無機の鉄とは、タンパク質などと結合していない「鉄そのもの」の状態のもの。鉄は、酸素と結びつきやすく、錆びやすいことはご存じですよね。このサビが悪さをすることから、身体の中で鉄を扱う時は必ずタンパク質でコーティングした状態になっています。
対して、この無機の鉄や鉄剤に含まれている鉄は、何もコーティングされていないことから他の物質や細胞を酸化させる力が強くなっています。この他の細胞を酸化させる力が強い鉄を大量に飲むことによって「活性酸素」を大量に発生させてしまうのです。活性酸素とは、酸素の一部が通常よりも活性化された状態になること。活性酸素の事を「フリーラジカル」とも呼びます。この活性酸素はその活性の高さから細胞を傷つけてしまい、むしろ胃粘膜や腸粘膜を傷つけ、消化吸収能の低下や、SIBO、リーキーガット症候群、過敏性腸症候群(IBS)など炎症性の腸疾患や肝炎、非アルコール性脂肪肝などに進行してしまう可能性があるのです。この事から、病院で処方される鉄剤で貧血対策を行う事はオススメしません。

病院で処方される鉄剤の例としては、次のような物があります。

病院で処方される非ヘム鉄の例

  • フェロム (フマル酸第一鉄) 有機鉄
  • フェロミア (クエン酸第一鉄) 有機鉄
  • リオナ (クエン酸第二鉄) 有機鉄
  • インクレミンシロップ (溶性ピロリン酸第二鉄) 有機鉄(食品添加物としても使われる)
  • フェロ・グラデュメット(硫酸第一鉄)無機鉄 発色剤の一種。食品添加物としても使われる。
病院で処方される鉄剤は「非ヘム鉄」であり、吸収率が非常に悪い。

特に処方が多い鉄剤としては、「フェロム」や「フェロミア」などがあります。これらは1回の服用量が100mgとかなり多く、これだけ飲んだとしてもたった5mg程度しか吸収することが出来ません。かなり吸収率が低い割には身体へのダメージが大きく、人によっては胃がムカムカしたり便秘になったりと副作用が出る場合があります。

対して、このような胃腸障害や活性酸素を引き起こしにくく、吸収率が高い鉄が「ヘム鉄」です。鉄には大きく分けて、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に分けられます。ヘム鉄とは肉や魚などに含まれている動物性の有機鉄のことで、ポルフィリン環というタンパク質の一種と結合しているのが特徴です。それ以外の鉄は、クエン酸などと結合させた有機鉄と、硫酸第一鉄のような有機酸と結合していない無機鉄があります。

鉄分には、動物性食品に多く含まれる「ヘム鉄」と野菜や果物などに含まれる「非ヘム鉄」がある

鉄剤の中には「第一鉄」や「第二鉄」と書かれている物がありますが、これは鉄イオンの状態を表しています。
第一鉄がFe2+、第二鉄がFe3+です。何だか難しい話しですが、簡単に言えば鉄が元気をちょっと失った状態(電子2個分)が第一鉄であり、二価鉄やFe2+と表されます。第二鉄は鉄が元気をもっと失った状態(電子3個分)で、三価の鉄やFe3+と表されます。二価や三価は、失った元気(電子)の数だと思ってください。この二価の鉄が酸素と反応すると、酸素が二価の鉄から元気(電子)を1つ奪っていきます。すると、二価の鉄は元気(電子)をさらに1つ失って、三価の鉄になります。逆に、三価の鉄がビタミンCや水素などによって元気(電子)1つ受け取ると、ちょっと元気になって二価の鉄になります。これを酸化還元反応と言います。

つまり、酸化とは電子を失うこと、奪われることであり、還元とは電子を得ること、奪うことです。二価鉄と三価の鉄は、この違いから二価の鉄は水に溶けやすく、腸から吸収されやすい性質を持ちます。逆に、三価の鉄は水に溶けにくく、腸から吸収しにくい性質があります。これは、鉄と水を友達のように考えると分かりやすいかと思います。例えば、二価の鉄は、ちょっとだけ元気(電子)を失った鉄の友達。三価の鉄は、もう少し元気(電子)を失った鉄の友達です。水は二価の鉄君と仲良くなるのが上手ですが、三価の鉄君とはあまり仲良く出来ません。これは、二価の鉄君はちょっとだけ元気(電子)を失っているから、水と元気(電子)を分け合いやすいことが関係しています。逆に三価の鉄君はもっと元気(電子)を失っているから、水と元気(電子)を分け合うのが難しくなります。この理由から、三価の鉄君は水とあまり仲良くなれず、水に溶けにくくなります。要するに、二価の鉄君は水と元気(電子)を分け合いやすくて、水に溶けやすい。逆に、三価の鉄君は水と元気(電子)を分け合うのが難しくて、水に溶けにくい。この違いが、二価の鉄が水に溶けやすく、三価の鉄が水に溶けにくい理由です。先ほどの鉄剤の一覧を見ると、第二鉄であるFe3+が混ざっていることが分かりますよね。この第二鉄であるFe3+は、水に溶けにくいためにそのままの状態では小腸粘膜から吸収することが出来ません。一度Fe2+の状態に還元して初めて吸収することが出来ます。この鉄の吸収メカニズムを表したものが次の図です。

鉄剤やホウレン草などに含まれるFe3+は、一度Fe2+に変化させないと吸収することが出来ない

Fe3+の非ヘム鉄では、ビタミンCや小腸粘膜から分泌される鉄還元酵素によってFe2+に還元されて吸収されます。
ただ、この時にすべてのFe3+をFe2+に還元して吸収することは出来ません。吸収出来なかった鉄分が腸内に流れると、それが腸内細菌のエサとなり、この腸内細菌が活性酸素を発生させる原因になります。また、このFe3+は他の物質を酸化させる力が強く、Fe3+の鉄を大量に飲むこと自体も活性酸素を大量に発生させてしまうことに繋がります。この時に発生した活性酸素が細胞を傷つけ、胃や腸粘膜を傷つけてしまうのです。

また、これは第一鉄であるFe2+も同じです。Fe2+の一部は一度胃酸によってFe3+の状態に変換し、すい臓から分泌されるすい液中の酵素によって小腸で再び二価の状態に戻されます。この過程は、鉄が小腸で吸収されるのを助けるために必要です。また、ほとんどの二価鉄は変換する必要が無く吸収されるため、その分吸収効率はFe3+に比べて高くなっています。しかし、それでも吸収率としてはごく僅か。大半は吸収出来ずに大腸へ流れ、活性酸素の発生原因やカンジダ菌のエサになってしまいます。

このように、これら鉄剤や非ヘム鉄は吸収効率が非常に悪く、活性酸素を発生させる大きな原因です。特に非ヘム鉄は吸収率が悪く、ヘム鉄の吸収効率が10%〜30%程度あるのに対し非ヘム鉄は僅か5%以下しかありません
このことから、鉄分を補給する際は「ヘム鉄」から補給するのがオススメです。ヘム鉄とは、肉や魚に多く含まれる鉄分のこと。ヘム鉄はポルフィリン環と呼ばれるタンパク質のカプセルのような物に包まれており、上述した非ヘム鉄に比べて活性酸素を殆ど発生させません。また、非ヘム鉄はお茶やコーヒーなどに含まれるタンニンと結合し、吸収率が落ちてしまいますが、ヘム鉄であればこれらの影響を受けずに吸収することが出来ます加えて、ヘム鉄は吸収率が高いことから大腸へと流れる量が少なく、しかもヘム鉄自体が腸内細菌のエサになりにくいという特徴があります。逆に非ヘム鉄を大量に摂取してしまうと、吸収出来なかった鉄が大腸へ大量に流れることから、更なる腸内環境の悪化を招く原因となりかねません。

ヘム鉄は専用の吸収経路があり、タンニンなどの吸収阻害要因からの影響も受けにくい。

加えて、ヘム鉄には「ヘムトランスポーター」と呼ばれる専用の吸収経路が腸に存在しています。この専用の吸収経路から効率的に吸収されることで、非ヘム鉄よりも効率的な吸収が可能になっているのです。
ちなみに、非ヘム鉄の吸収経路はDMT1という経路を使って行われています。この吸収経路は亜鉛や銅など他のミネラルを吸収経路と共通になっているため、鉄剤を多く飲めば飲むほど亜鉛など他のミネラルの吸収を阻害してしまい、亜鉛が欠乏することによって「亜鉛欠乏性貧血」という貧血を引き起こしてしまう原因になります。

この事は海外製のサプリメントとしてよく販売されている「アミノ酸キレート鉄」にも同じです。
アミノ酸キレート鉄とは、本来吸収効率の悪い鉄を「グリシン」と呼ばれるアミノ酸でサンドイッチする事で、飛躍的に吸収効率を高めた鉄サプリメントです。

海外サプリメント通販で手軽に入手出来るアミノ酸キレート鉄。吸収率が高い代わりに鉄過剰のリスクが高い

一見すると、鉄分の吸収率がとても高い事は良いことのように思えますよね。しかし、この吸収率の高さが問題となります。鉄の吸収経路には先ほど解説したようにミネラル全般を吸収するための DMT1と、ヘム鉄専用のヘムトランスポーターがあります。アミノ酸キレート鉄は、このどちらでも無くアミノ酸の吸収経路から無理矢理吸収させているようなのです。このため、体内で鉄が過剰になりやすく、無理矢理吸収させているために利用効率がとても悪くなるといった問題が発生します。本来、DMT1やヘムトランスポーターでは、体内に鉄が十分にあるとこれ以上鉄を吸収しないようコントロールする能力が備わっています。アミノ酸キレート鉄ではこれら吸収経路を迂回してしまうため、吸収量をコントロールする事が出来ません。この結果、体内で鉄が過剰になり、肝臓に負担がかかったり、腸粘膜を傷つけたり、貧血改善していないのにフェリチンだけが高くなっていくといった弊害が多く発生してしまっているのです。

また、アミノ酸キレート鉄は鉄分だけを無理矢理大量に吸収させるため、とても利用効率が悪くなります。造血には鉄以外にも亜鉛や銅、セレンやマンガン、タンパク質なども必要で、これらが足りない場合は造血することが出来ません。また、鉄は体内で活性酸素を発生させる原因になる事から、必ずタンパク質と結合して安全に利用されています。アミノ酸キレート鉄は、タンパク質不足などで鉄が体内で安全に利用出来ない状態でも無理矢理吸収させてしまい、これが体内で活性酸素を発生させる原因に。この事から、日本では「天然に存在しない鉄」としてアミノ酸キレート鉄は製造・販売が認められていないのです。

特に、アミノ酸キレート鉄では鉄だけを大量に吸収させるため、他のミネラルとのバランスを崩しやすくなります。
鉄を多く摂取すれば貧血が改善出来るような気がしますが、鉄だけ大量に補給しても造血することは出来ません。造血するには「亜鉛」も必要で、鉄欠乏性貧血の方は同時に亜鉛欠乏性貧血も抱えています。このような理由から、アミノ酸キレート鉄及び病院から処方される非ヘム鉄の摂取は、むしろ亜鉛欠乏性貧血を招く原因となってしまうのです。

亜鉛欠乏性貧血では赤血球の膜が弱くなり、血管とこすれて赤血球が破壊されてしまう

亜鉛欠乏性貧血とは、赤血球の膜が壊れやすくなり、赤血球と血管がこすれることで赤血球が破裂してしまう状態のこと。これが繰り返されることで、貧血が進行してしまいます。赤血球は、酸素を運搬してくれる血液中の成分のことで、この赤血球の中にはヘモグロビンが大量に含まれています。赤血球が壊されることで酸素を運ぶ量も低下し、貧血の状態に陥ってしまうのです。

ヘモグロビンの構造とポルフィリン環の構造


他にも、亜鉛はヘム鉄の元になる「ポルフィリン環」を作る材料でもあります。ポルフィリン環とはタンパク質のカプセルのような物で、ヘム鉄はこのタンパク質に包まれていることが最大の特徴です。私達が摂った鉄分はこのポルフィリン環に包まれた「ヘム鉄」と呼ばれる状態に合成され、ヘモグロビン等に利用されています。このヘモグロビンは「ヘム鉄」+「グロビン」というタンパク質から出来ており、ポルフィリン環が上手く合成出来ないとヘモグロビンも上手く作れません。

亜鉛欠乏と鉄欠乏性貧血の関係。鉄欠乏性貧血がある人は同時に亜鉛欠乏を抱えている可能性が高い

このことから、亜鉛欠乏と鉄欠乏性貧血には相関関係があり、鉄欠乏性貧血を抱える女性のおよそ90%に亜鉛欠乏が見られています。鉄欠乏性貧血を改善させるためにはこの事も考慮して「亜鉛」を摂ることも重要です。アミノ酸キレート鉄や病院から処方される鉄剤は鉄のみしか補給出来ず、ミネラルバランスを崩す原因になりますので注意しましょう。

貧血を改善させるための具体的な分子栄養学的アプローチ

では、貧血を改善させるためにはどのようなアプローチをすれば良いのでしょうか? ここからは、具体的な鉄分の摂取目安や貧血改善に必要な栄養について解説します。

まず、鉄分を補給する際に選ぶべき鉄の種類は「ヘム鉄」です。この理由は、先ほど解説した通りになります。
ヘム鉄をベースに、鉄代謝や造血に必要なミネラル等も併せて摂るようにしましょう。貧血改善に必要な栄養素の目安は次の通りです。

貧血改善に必要な栄養素

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ヘム鉄
  • 亜鉛
  • マンガン
  • セレン

この中でも、最も重要なのは「タンパク質」です。先ほども解説したように、無機の鉄そのものの状態が体内で存在すると、活性酸素を発生させてしまってむしろ身体や細胞にダメージを与えてしまいかねません。
身体はこの鉄から発生する活性酸素から身を守るために、鉄を運搬、利用する際は必ずタンパク質で出来たカプセルに鉄分子を入れて利用しています。これが、ポルフィリン環やフェリチンなどですね。

つまり、鉄を安全に運搬、利用するためにはタンパク質が絶対に欠かせません。いくら鉄分を多く補給しても、安全に貯蔵、運搬、利用出来るためのタンパク質がない状態では、貧血を改善させることが出来ないのです。
このことから、貧血改善をするためには鉄分摂取に加えて「タンパク質」もしっかり摂るようにしましょう。最低でも一食当たり100g〜200g程度の肉や魚は取り入れたいところです。足りない分は、プロテインなどを活用するのも良いですね。加えて、タンパク質を利用するために必要な補酵素である「ビタミンB群」も積極的に補給するようにして下さい。

そして、次に「ヘム鉄」です。ヘム鉄の摂取量目安は、血清フェリチン値を目安に判断します。血清フェリチン値の検査はオーソモレキュラー療法の血液検査を受けることで調べることが出来ますので、気になる方は受けてみて下さい。また、一部の病院では「フェリチン値を図ってほしい」とお願いすると検査してくれるところもあります。大抵の場合はフェリチン値の検査を追加したい理由を尋ねられますので、「貧血の参考にしたい」としっかり説明出来るようになっておくと良いですね。

血清フェリチン値は男女で基準値の違いがありますが、おおよそ40ng/mL未満では貧血と判断することが出来ます。
この場合は、ヘム鉄として一日45mgを目安に摂取してみて下さい。
また、血清フェリチン値が40〜100ng/mLの間では、貧血では無いものの貯蔵鉄がやや不足している状態です。この場合も、十分な貯蔵鉄が貯えられるよう、一日あたりヘム鉄として15mg程度補給してみて下さい。継続して行くにつれてフェリチン値は徐々に上がっていき、血清フェリチン値が125ng/mL程度になるのが理想と言われています。

フェリチンに対するヘム鉄摂取量目安。40ng/mL以下では積極的な補給が望まれる。

ただし、有経女性の場合は毎月月経があるのでフェリチン値はなかなか上昇しない傾向があります。有経女性の場合は血清フェリチン値が60ng/mL前後を保てていれば大丈夫ですので、それ以上フェリチンが下がらないようキープして下さい。
それから、フェリチン値は貧血の判断以外にも「炎症」を見るためのマーカーでもあります。フェリチン値は体内で炎症が発生していても上昇することがあり、ガンなどでは著しく上昇する場合もあります。
特に、鉄分を補給していないのにフェリチン値が200ng/mLを超えていたり、フェリチン値が高くてヘモグロビン値が低い場合は何らかの炎症が関与している可能性大です。この場合は、炎症の原因となっている原因を調べ、適切に対処するようにして下さい。

市販の安いヘム鉄サプリにはご注意!

ヘム鉄のサプリと言えば、ドラッグストアーなどで安く販売されている物を見かけることがありますよね。
ヘム鉄が補給出来るなら、安くて量が摂れるに越したことはありません。しかし、同じヘム鉄といえどその質にはピンからキリまであります。特に、「ヘム鉄パウダーの量」と「ヘム鉄含有量」は全く違うものですので注意して下さい。
ヘム鉄は豚の血液を精製して作られており、ヘム鉄パウダーと呼ばれるパウダー状の中にヘム鉄が1%もしくは2%含有している物が一般的です。例えば「一粒でヘム鉄50mg」と書かれていても、これはヘム鉄パウダーが50mg含まれているだけであり、実際にはその中の1%〜2%である0.5mg〜1mgしかヘム鉄が含まれていない計算になります。このように、多く含まれているように見せかけて、実際にはヘム鉄が殆ど含まれていない物がありますので注意して下さい。

また、繰り返しますが貧血改善にはヘム鉄以外にも微量ミネラルと呼ばれるセレンやマンガン、銅や亜鉛など他のミネラルの補給も重要です。ヘム鉄として市販されている商品の多くはヘム鉄のみなど鉄分の補給しか出来ません。この事から、ヘム鉄であっても体内での利用効率が悪く、貧血が改善出来ない場合も多くあります。これを避けるためにも、ヘム鉄を摂取する際は生体内のミネラルバランスや鉄の利用効率などを考慮した設計のものを選ぶようにして下さい。分子整合栄養医学で使われているヘム鉄製品は、「鉄の取り込み」「利用」「貯蔵」「排泄」など貧血改善における鉄分本来の働きが安全に出来るよう考慮されています。ヘム鉄を選ぶ際は、値段や含有量にとらわれず、体内で安全に利用出来る安心、安全な製品を選びましょう。

貧血改善には、サプリメントの質が重要。鉄単体の補給はむしろ逆効果となる。
はる かおる

貧血は、単に鉄を補給しているだけじゃ改善出来ないよ❗
貧血にも必ず原因があるから、原因も突き止めて
アプローチするようにしてね❗

甲状腺機能低下症、亢進症にはこのアプローチ

最後に、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症に対する分子栄養学的アプローチのご紹介です。
前述したとおり、甲状腺機能亢進症では体内の代謝機能が活発に働き過ぎてしまうため、エネルギーを消費しすぎて低血糖症になりやすくなります。逆に、甲状腺機能低下症では代謝機能が低下するために糖質などのエネルギーをうまく使えなくなってしまうことから、低血糖症に陥りやすくなってしまいます。これらを改善させるためにも、代謝機能をサポートする栄養をしっかりと補給するようにして下さい。

まず、甲状腺機能亢進症に対する分子栄養学的アプローチは以下の通りです。

甲状腺機能亢進症に対する分子栄養学的アプローチ

  • タンパク質 (タンパク質異化亢進対策)
  • ビタミンB群 (エネルギー代謝促進)
  • ビタミンC (抗酸化対策)
  • ビタミンE (抗酸化対策)
  • ヘム鉄 (甲状腺ペルオキシターゼ酵素合成に必要)
  • ビタミンA (甲状腺ホルモンの相互協調作用)
  • ビタミンD (骨代謝・ホルモンインバランスの改善)
  • カルシウム・マグネシウム (低CaMg血症抑制、骨粗しょう症対策)
  • EPA (心房細動発作時の抗血栓対策)
  • CoQ10 (心筋エネルギー代謝亢進に対処)

甲状腺機能亢進症では、エネルギー消費量が大きくなることからすぐにエネルギーを使い果たし、タンパク質をエネルギー源として使ってしまう可能性が高くなります。タンパク質がエネルギー源として使われてしまうと更なる代謝悪化によって悪循環を引き起こすことから、タンパク質の補給量は十分に確保して下さい。
加えて、エネルギー代謝をサポートするためにも補酵素であるビタミンB群もしっかり補給しましょう。

また、エネルギー代謝が活発になる事から心臓機能にも負担がかかり、活性酸素も発生しやすくなります。このあたりの対策の為に、抗酸化対策や血栓対策、心筋エネルギー確保のためにCoQ10やEPAなども補給してみてください。
これら対策に加えて、人によっては甲状腺ホルモン薬などのお薬を使う必要があるかと思います。その場合は、甲状腺のかかりつけ医と相談しながら慎重に行うようにして下さい。

次に、甲状腺機能低下症に対する分子栄養学的アプローチです。

甲状腺機能低下症に対する分子栄養学的アプローチ

  • ビタミンE (甲状腺薬の副作用抑制、動脈硬化抑制)
  • ビタミンB群 (甲状腺薬によるエネルギー代謝亢進に対処)
  • CoQ10 (服薬による心筋代謝亢進に対応)
  • ビタミンC (抗酸化対策)
  • カルシウム・マグネシウム (骨吸収促進の抑制)
  • ビタミンD (骨吸収促進の抑制、ホルモンインバランスの改善)
  • タンパク質 (基礎代謝を亢進)
  • ヘム鉄 (貧血対策、甲状腺ペルオキシターゼ酵素合成に必要)
  • 亜鉛 (T4からT3への代謝促進)
  • ビタミンA (皮膚の乾燥対策、甲状腺ホルモン相互協調作用)
  • EPA (抗血栓対策)

甲状腺機能低下症では、甲状腺機能亢進症と逆でエネルギー代謝が落ちてしまっています。このエネルギー代謝をアップさせるためにも、積極的な栄養補給が必要です。特に、ビタミンB群はエネルギー代謝をサポートする補酵素ですので、十分に摂取するようにして下さい。
また、甲状腺機能低下症では脂質異常症とも併発しやすく、虚血性心疾患や動脈硬化が特に進行しやすい状態にもなっています。これら命に関わる病気を防ぐためにも、抗酸化対策であるビタミンEやビタミンC、ビタミンAやEPA等は積極的に補給した方が良いですね。
これら対策に加えて、人によっては甲状腺ホルモン薬などのお薬を使う必要があるかと思います。その場合は、甲状腺のかかりつけ医と相談しながら慎重に行うようにして下さい。

これらが、甲状腺機能低下症や亢進症に対する分子栄養学的アプローチになります。具体的な摂取目安については個人差が大きいですので、詳しく知りたい方はオーソモレキュラー療法を受けてみて下さい。
また、甲状腺機能障害はこの記事の途中でも解説した通り、SIBOやリーキーガット症候群、貧血やホルモンバランスの乱れなど他の疾病との関連が深い病気です。上述した分子栄養学アプローチだけがすべてとは限りません。他にもご自身の状態に合わせて分子栄養学的アプローチや治療法などを組み合わせていく必要があります。
特に低血糖症に関しては複数の病気が複雑に関係している場合が多いことから、自己判断で栄養療法を行うのは危険です。サプリメントや薬などの飲み合わせもありますので、自己判断で行わずに必ずオーソモレキュラー療法など医療を通してアプローチしていくようにして下さい。

はる かおる

甲状腺機能障害は、低血糖症以外にも
消化吸収能の低下など他の疾病との関連が深い病気だよ
お薬と栄養素の併用は飲み合わせに注意が必要な場合があるから
絶対に自己判断で栄養アプローチは行わないでね。

まずはあなたの状態をよく知ること。最適なアプローチを知るためにも、オーソモレキュラー療法の血液検査を受けましょう。

ここまで、低血糖症の原因や栄養アプローチの方法について解説してきました。
低血糖症には根本に糖代謝の悪化や消化吸収能の低下などが関係しており、このどちらも肥満や脂肪肝、口腔内の環境悪化や腸内環境の悪化などが関係しています。
また、この他にも甲状腺機能障害や貧血など様々な疾病や栄養不足が関係していて、ここでは解説しきれなかった原因や疾患、対策法も沢山あります。
ですので、上述した原因も含め、人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多く、検査もなしに適切な栄養アプローチを行うのは困難です。

例えば、「甲状腺機能低下症」と「インスリン抵抗性」「副腎疲労」「アレルギー」が組み合わさって低血糖症になっている方と、「糖質の摂りすぎや摂らなさすぎ」「貧血」によって低血糖が起きている方とのアプローチは全く違います。
また、この記事で紹介した原因以外にも、「胃の状態が悪い方」や「貧血」があるか、「甲状腺機能に問題が無いか」や「遺伝的な問題」があるかなどの問題も関係してきます。

低血糖症の発症には必ず原因がある

このように低血糖症には様々な原因があり、個人個人バラバラに組み合わさって引き起こされています。同じ低血糖症に見えても対処法は全く異なりますので、これら原因となる要因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。
その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

オーソモレキュラー療法では、68項目にも及ぶ血液検査項目に加え、低血糖症の状態や甲状腺の検査、副腎疲労や酸化ストレス、短鎖脂肪酸検査やリーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。
複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの低血糖症の根本原因がどこから来ているのかが分かります。

また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。
根本原因からきちんと対処していくことが出来れば、無反応性低血糖症や機能性低血糖症なども改善出来る可能性があります。
同じように見える低血糖症でも人によって全くアプローチが違いますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

オーソモレキュラー療法の詳細については、下記ページからご覧頂けます。

また、検査をご希望の方は、上記リンクか記事最後尾のプロフィールに記載されている「オーソモレキュラー療法申し込みページ」からご相談下さい。検査に必要な手続きなどをご案内致します。

質の悪いサプリでのアプローチはむしろ低血糖を悪化させる❗

オーソモレキュラー療法では、血液検査や各種検査の結果に応じて専用に設計されたサプリメントで栄養アプローチをしていきます。
この際、「市販されているサプリメントや海外サプリメントを利用して行っていきたい」と思うかも知れません。
しかし、市販されているサプリメントやアイハーブなどで販売されているサプリメントで栄養アプローチをするのは非常に危険です。

特に海外で販売されているサプリメントやプロテインについては、日本人向けには設計されていません。
加えて、主な目的が「スポーツ用」として開発された物ばかりで、治療を目的とした利用には不向きです。
また、人工甘味料を始めとした添加物も多い上、栄養素が酸化して効力を失っている物や、自然界に存在しない化学構造に加工された物も多くあります。
これらを大量に摂取することでむしろ身体や肝臓にダメージを与えてしまい、低血糖症がさらに酷くなる場合もありますので、栄養アプローチを行うときは市販サプリや海外サプリで代用せず、オーソモレキュラー療法専用のサプリメントでアプローチするようにしましょう。

はる かおる

サプリメントはどれも同じじゃ無いよ❗
質の悪いサプリメントを使うと逆効果になるから、オーソモレキュラー療法用に作られたサプリメントでしっかりアプローチしてね❗

ケンビックスシリーズ

分子栄養学的アプローチによる低血糖症の治し方!低血糖症はオーソモレキュラー療法で良くなる!

機能性低血糖症や無反応性低血糖症には必ず根本原因が隠れている。改善には、根本原因から対処する事が大切。

以上が、機能性低血糖症や無反応性低血糖症が引き起こされる原因と、それぞれの原因に対する対処方法のご紹介でした。

低血糖症については以前から糖尿病との関連が知られていたものの、糖尿病で無い方が低血糖症を抱えてしまうという認識は殆どありません。そのため、現在における低血糖症の対処法としては、糖尿病と同じように糖質制限や食事制限などを指導しているところが大半です。
しかし、これでは低血糖症は良くなるどころかむしろ悪くなってしまいますよね。低血糖症には消化吸収能の低下や甲状腺機能障害など様々な疾病が複雑に関係していますので、単に糖質の摂取量をコントロールしているだけでは良くなる訳がないのです。

人の身体には、元々糖質などの栄養素や血糖値を上手く利用したりコントロールしたりする機能が備わっています。低血糖症は、この機能が正常に働けなくなってしまったことが一番の問題です。この機能を元に戻すことが出来れば、機能性低血糖症や無反応性低血糖症も改善出来る可能性が高いです。

是非、このあたりの原因をしっかり調べて適切なアプローチを行っていきましょう。
今回ご紹介した原因や対策、検査方法は根本原因から低血糖症を解決する際の大きな手助けになるはずです。

糖質の摂取量だけで血糖値をコントロールしようとせず、低血糖症が引き起こされている根本の原因からアプローチしていくようにしてください。

ナンナン

低血糖症の改善方法は人それぞれ違うんだね❗
分かった、オーソモレキュラー療法を受けてみるよ❗

はる かおる

うん、是非受けてみて❗
オーソモレキュラー療法を行っている方には、無料で栄養カウンセリングも行っているよ❗利用してみてね❗

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