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鉄とビタミンEは同時に摂っちゃダメ? 同時摂取でビタミンEが鉄の吸収を阻害する、鉄がビタミンEを酸化させるのは本当か?

ネット上では、まことしやかに「鉄とビタミンEは同時に摂ってはいけない」と言われていることがあります。

この理由は、一部情報においてビタミンEは鉄の吸収を阻害するため、同時に摂取する際は最低でも8時間程度の間隔を空けることが推奨されているためです。

この情報が広まった背景には、恐らく「うつ消しごはん」や「藤川理論」「ATPセット」が元になっているのではないかと思われます。

これを読んでいる方も、心当たりがあるのではないでしょうか。では、実際に鉄とビタミンEは吸収を阻害するのでしょうか? その科学的根拠はどこにあるのでしょうか?

今回は、鉄とビタミンEの吸収について、分子栄養学的な観点から解説してみます。

ナンナン

なんか、鉄とビタミンEは同時に摂ったらダメらしいじゃん・・・💧

はる かおる

あー、一部情報ではそんなようなことが言われているね

ナンナン

うん、だからボクは鉄とビタミンEは同時に摂らないことにしたよ

はる かおる

うーん、実際には鉄とビタミンEを同時にとっても問題ないと思うけどね。このあたり、詳しく見てみようか

\この記事の解説動画はこちら/

目次

鉄とビタミンEは同時に摂っちゃダメ? 鉄とビタミンEを同時摂取してはいけないと言われている理由

サプリメントの飲み合わせにおいて、「鉄とビタミンEは同時に飲んではいけない」という話を耳にしたことがあるかもしれません。

実際に、ネット上の一部情報では、鉄とビタミンEの同時摂取は避けるべきと言われています。123また、AIによる概要にも、ビタミンEとの同時摂取は避けるようにと言われる事があります。

この理由は主に二つあり、一つは腸管内で鉄がビタミンEを酸化・破壊してしまうからという理由と、もう一つはビタミンEが鉄の吸収を阻害すると考えられているためです。

ビタミンEには非常に強力な抗酸化作用があり、私達の細胞膜を活性酸素や過酸化脂質などのダメージから守ってくれています。この抗酸化作用を応用して、食品の酸化防止剤としても使用されています。

一方で、鉄と酸素は結びつきやすく、物質を酸化させてしまう力が非常に強い物質です。鉄イオンの中には、相手から電子を奪って自身は還元される「酸化剤」として作用するものがあります。

そのため、鉄とビタミンEを同時に摂取すると、腸管内で酸化剤として働く鉄と抗酸化剤として働くビタミンEが反応してしまい、鉄がビタミンEを酸化・破壊してしてしまったり、酸化したビタミンEが鉄を酸化させて吸収を阻害したりすると考えられています。

また、臨床現場では「無機鉄(病院の鉄剤など)は空腹時の方が吸収が良い」「ビタミンEは胆汁酸が分泌されている食後の方が吸収が良い」と言われていることがあります。そのため「吸収のタイミングが合わないから分けるべき」という指導がされることもあります。

このような背景が、鉄とビタミンEは同時に摂取しない方が良いと言われている理由です。

鉄とビタミンEはそもそも混ざりにくい。鉄の吸収とビタミンEの吸収の基本

では、実際に鉄はビタミンEの吸収を阻害するのでしょうか? まずは、鉄とビタミンEそれぞれの吸収のメカニズムから見ていきましょう。

鉄サプリなど鉄分を摂ると、なんとなく「そのまま吸収されてヘモグロビンや赤血球、フェリチンになる」ようなイメージがありますよね。

ですが、実際に鉄分がヘモグロビンや赤血球に利用さたり、フェリチンとして貯えるためには、体内でものすごく複雑な代謝が必要です。

鉄サプリメントを摂取するなど分子栄養学を実践する際は、基礎としてまず鉄がどのように吸収されて利用されているのか、この流れを理解しておくことが大切です。

まず、鉄分には動物性の鉄分である「ヘム鉄」と植物性の鉄分である「非ヘム鉄」があります。

鉄分には、大きく分けてヘム鉄と非ヘム鉄がある

ヘム鉄は、動物の血液や筋肉に含まれている鉄分のことで、鉄分子がタンパク質のカプセルに包まれている構造をしています。これにより、鉄の吸収を阻害してしまうタンニンやリンなどの影響を受けにくく、とても吸収率が高いという特徴があります。(10%〜30%)

一方で、植物に含まれている非ヘム鉄は、鉄分子がタンパク質のカプセルに包まれていない状態で存在しています。そのため、お茶に含まれるタンニンや、加工食品などに多く含まれるリンと結合しやすく、結合した鉄は吸収出来ずにそのまま排泄されてしまうため、吸収率がとても低い鉄分です。(5%以下)

この2つの鉄分は、摂取するとそれぞれ違うルートで吸収されています。

まず、私達が肉や魚、野菜などから鉄分を摂取した場合、胃で消化されて小腸に流れ、小腸粘膜で吸収されます。肉や魚などに含まれているヘム鉄の場合は、「ヘムトランスポーター」と呼ばれる専用の輸送経路から、直接吸収されるという特徴があります。この専用の輸送経路があるおかげで、ヘム鉄はとても吸収率が高くなっています。

鉄の体内動態。ヘム鉄は専用の入り口から吸収されるため、吸収率が高い。一方非ヘム鉄では胃酸やビタミンCの助けを借りる必要がある

一方で、ホウレン草などに含まれる「非ヘム鉄」を摂取した際は、一度「ビタミンC」や「胃酸」などの助けを借りて、Fe3+(三価の鉄)からFe2+(二価の鉄)へと還元する必要があります。

この理由は、Fe3+である三価の鉄は、水に溶けない「不溶性の鉄」のため、そのままでは吸収することが出来ないためです。野菜や豆などに含まれている「非ヘム鉄」は、主に三価の鉄(Fe3+)として含まれています。

三価の鉄(Fe3+)として含まれている非ヘム鉄は、一度二価鉄(Fe2+)に還元されてから吸収される

この三価の鉄を吸収するためには、一度還元を行って二価の鉄(Fe2+)に変換する必要があります。こうすることで水に溶けやすくなり、鉄が吸収出来るようになります。

このFe3+(三価の鉄)からFe2+(二価の鉄)への還元を手伝ってくれるのが、ビタミンCや胃酸です。非ヘム鉄の吸収にはビタミンCや胃酸による助けが必要なため、非ヘム鉄を吸収するためには、十分な胃酸の分泌とビタミンCの同時摂取が必要になります。

そして、Fe2+に還元された非ヘム鉄は、小腸粘膜にある「DMT-1」というミネラルを吸収する共通の経路から吸収されます。これが、鉄吸収の基本的な仕組みです。

ビタミンEの吸収の基本

続いて、ビタミンEの吸収についてです。ビタミンEは「脂溶性」であるため、鉄の吸収ルートとは全く別の吸収経路、仕組みで吸収されています。

まず、私達がビタミンEなど脂質を摂取すると、肝臓で作られた胆汁酸が十二指腸に分泌され、水と油を馴染ませる「ミセル化(乳化)」という処理が行われます。その後、小腸粘膜から吸収され、タンパク質と結合してリンパ管から肝臓へ運ばれ、全身へ供給されます。

ビタミンEは「脂溶性」であるため、そのままでは水分の多い血液と混ざらず、血液中に吸収したり運んだりする事が出来ません。これをスムーズに行うために、肝臓で作られた胆汁酸が油や脂溶性ビタミンをミセル化し、水と油を馴染ませる処理を行っています。イメージとしては、「化粧落とし」や「マヨネーズ」などを想像して頂けるとわかりやすいかと思います。

ビタミンEの吸収・代謝を助けてくれるもの

  • 脂肪(油脂類) 
    ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、食事に含まれる脂質と一緒に摂取することで腸管からの吸収率が劇的に高まる。単体でサプリメントを飲むよりも、食後や良質な油(オリーブオイル、米油、アボカドなど)と一緒に摂ることが吸収の絶対条件となる。
  • 胆汁酸
    脂質の消化吸収と同じく、ビタミンEが小腸で吸収されるためには、胆汁酸による「ミセル化(水と油を馴染ませる処理)」が不可欠。胆汁酸は肝臓で作られ胆嚢から分泌されるため、肝機能の低下や胆嚢の摘出などがビタミンEの吸収低下に直結する。
  • タンパク質
    小腸で吸収されたビタミンEが肝臓へ運ばれた後、血液中へ送り出されるには「α-トコフェロール輸送タンパク質(α-TTP)」による選別と、運搬船である「リポタンパク質(VLDLなど)」の存在が欠かせない。これらはすべてタンパク質から作られるため、十分なタンパク質摂取がビタミンEの体内利用の鍵を握る。
  • ビタミンC
    体内での「代謝(再利用)」において極めて重要なパートナー。活性酸素から細胞を守り、自らが酸化してしまったビタミンE(ビタミンEラジカル)に対し、ビタミンCが自身の電子を渡すことで、再び抗酸化力を持つ元のビタミンEに「再生」させる。ビタミンCは赤ピーマンやブロッコリー、柑橘類などに多く含まれる。
  • セレン
    細胞の抗酸化ネットワークにおいてビタミンEと協力して働く必須ミネラル。抗酸化酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の構成成分として働き、ビタミンEが処理しきれなかった過酸化脂質を分解無毒化する。これによりビタミンEの過剰な消費(枯渇)を防ぎ、利用効率を高める。カツオやマグロ、卵などに多く含まれる。
  • コエンザイムQ10(CoQ10)
    ミトコンドリアや細胞膜において、ビタミンCと同様に酸化したビタミンEを元の形に再生する働きを持つ。特に細胞膜の脂質部分(油の層)に直接入り込んでビタミンEをサポートできる強力な脂溶性の抗酸化物質。青魚や牛肉、豚肉などに含まれる。
  • カロテノイド類
    β-カロテンなどのカロテノイド類には非常に強力な抗酸化作用があり、細胞膜にも存在している。これらカロテノイドによっても、ビタミンEラジカルを再び抗酸化力を持つ元のビタミンEに「再生」させる働きがある。
  • γ-オリザノール
    γ-オリザノールはポリフェノールの一種であるフェルラ酸と、植物ステロールがエステル結合したもので、強力な抗酸化作用を持つことから酸化防止剤としても使用される。このγ-オリザノールには植物ステロイドとして女性ホルモン用の作用を持つことから、ビタミンEと共に抗不妊作用をサポートすると言われている。

ビタミンEの吸収・代謝を阻害してしまうもの

  • 脂肪摂取不足
    ビタミンEは脂溶性ビタミンであるため、食事に十分な脂肪が含まれていないと、小腸での「ミセル化(水と油を馴染ませる処理)」が行われず、腸管からの吸収が大幅に低下します。極端な脂質制限ダイエットはビタミンE不足の大きな原因となります。
  • タンパク質不足
    小腸で吸収されたビタミンEを血液中に送り出すための「α-トコフェロール輸送タンパク質(α-TTP)」や、血液中の運搬船となるリポタンパク質(VLDLやLDLなど)の合成にはタンパク質が必要です。タンパク質が不足すると、吸収されても全身への運搬や代謝が滞ってしまいます。
  • 抗酸化ネットワークの欠如(ビタミンCやセレン等の不足)
    ビタミンEは活性酸素を消去すると自らが酸化され、働きを失います。これを元の形に再生するビタミンC、セレン、コエンザイムQ10などが不足していると、ビタミンEが「使い捨て」となり、体内での代謝(再利用)が回らず急激に枯渇してしまいます。
  • 多価不飽和脂肪酸(PUFA)摂取時のビタミンE同時不足
    オメガ3(DHA・EPA・アマニ油など)やオメガ6などの多価不飽和脂肪酸は非常に酸化しやすい性質を持ちます。これらを大量に摂取すると、その酸化を防ぐために体内のビタミンEが大量に消費されます。結果的にビタミンEの需要が増大し、相対的な欠乏(代謝の圧迫)を引き起こします。オメガ3(DHA・EPA・アマニ油など)を摂取する際は、必ず十分な量のビタミンEとセットで摂取が推奨です。
  • 胆汁酸欠乏
    胆汁酸は脂溶性ビタミンであるビタミンEの腸管での吸収(ミセル化)に不可欠です。胆嚢摘出や胆管の閉塞、肝機能低下などで胆汁酸の分泌が不足していると、ビタミンEの吸収率が著しく低下します。
  • 吸収不良症候群
    クローン病、セリアック病など、腸の消化吸収機能が低下する疾患では、脂質の吸収障害が起こるため、それに伴ってビタミンEの吸収も強く阻害されます。
  • 肝臓・膵臓の病気
    肝臓は胆汁酸の生成と、α-TTPによるビタミンEの選別・全身への送り出しを担う中心器官です。肝硬変や重度の脂肪肝はこれらを阻害します。また、慢性膵炎などで膵臓からの「消化酵素(リパーゼなど)」の分泌が低下すると、脂質の消化ができずビタミンEの吸収不良を招きます。
  • 薬物の影響
    オーリスタット(脂肪吸収抑制薬)は、食事中の脂肪とともにビタミンEの吸収も阻害します。また、コレスチラミン(胆汁酸結合樹脂)などの薬剤も胆汁酸の働きを抑えるため、脂溶性ビタミンの吸収を低下させます。
  • アルコール摂取・喫煙
    アルコールの過剰摂取やタバコの煙は、体内に大量の活性酸素を発生させます。この強力な酸化ストレスに対抗するため、最前線の防衛隊であるビタミンEが激しく消費され、代謝のバランスが崩れて急速な不足を招きます。
  • 低コレステロール
    ビタミンEは血液中を「リポタンパク質(LDLやHDLなどのコレステロールの運搬船)」に乗って全身の細胞へ運ばれます。そのため、極端な低コレステロール状態や、スタチン系薬剤などでコレステロールを過度に下げすぎている場合は、ビタミンEの輸送ルートが減少し、末梢組織への運搬と代謝が妨げられる恐れがあります。

脂溶性ビタミンの吸収にはこのミセル化が必要なため、吸収するには胆汁酸の分泌量が十分である必要があります。このため、ビタミンEが腸管から吸収されるには食事に含まれる良質な脂肪(油脂類)の同時摂取が絶対条件となります。

つまり、ビタミンEがしっかり吸収出来るかどうかは、胆汁酸を作り出す肝臓が健康かどうかが重要です。4

鉄とビタミンEは同時に摂取しても問題ないと言える理由

では、これら吸収経路が違うそれぞれの栄養素が、お互いに影響を与えて吸収を阻害してしまう可能性はあるのでしょうか?

結論としては、鉄とビタミンEが吸収を阻害するという心配は無用であり、むしろ適切な鉄(ヘム鉄)との組み合わせであれば同時に摂取した方が大きなメリットがあります。その理由を紐解いていきましょう。

まず、ビタミンEと鉄では、脂溶性と水溶性と全く別の物質のため、腸管内ではそのままでは混ざりにくく、直接破壊し合うリスクは低いと言えます。

先ほど解説した様に、基本的に鉄(Fe3)は一般的に水や油に溶けにくい「不溶性」で、胃酸など酸性の条件下で「可溶性(水溶性)」となります。一方でビタミンEは脂に溶けやすく水に溶けにくい「脂溶性」のビタミンです。

これらは混ざりにくいため、混ぜたとしてもすぐに分離してしまいます。イメージとしては、サラダにかける「ドレッシング」のような感じです。

古い定説では、試験管内の化学反応(むき出しの鉄イオンが活性酸素を発生させるフェントン反応)をそのまま人体に当てはめ、鉄イオンが腸の中でビタミンEを根こそぎ酸化してしまうと考えられていました。

しかし、実際の体内環境は異なります。サプリメント等で摂取した不溶性・水溶性の鉄と、食事の脂質とともに「ミセル(油の粒子)」にすっぽりと包まれた脂溶性のビタミンEは、腸の中では物理的に隔てられています。交じり合わない「水と油」の関係であるため、吸収前の段階で激しく反応し、ビタミンEが完全に破壊されてしまうという現象は起こりにくいと考えられています。

また、この2つはお互い混ざりにくい栄養素のため、同時に摂取したとしても体内では混ざらず、吸収を阻害することはほぼ無いと考えられます。

ビタミンEと鉄は吸収経路が全く異なる

次に、ビタミンEと鉄の吸収経路の違いについてです。この2つは先ほど解説した様に全く特性が異なることから、体内でも全く別の吸収経路で吸収されます。

例えば、ビタミンEの場合、ビタミンEは「トリグリセリド」という中性脂肪に溶けて存在しています。摂取したビタミンEは十二指腸でトリグリセリドと共に胆汁と混ざって「ミセル」を形成し、小腸中部の粘膜上皮から吸収されます。

先ほども解説した様に、この「ミセル」というのは「乳化」のことで、水と油が混ざりやすくなる反応のことです。女性の方なら、「化粧落とし」をイメージしていただければわかりやすいかと思います。

このミセルを形成したビタミンEは、トリグリセリドと共にキロミクロンという「タンパク質のボール」のようなものに取り込まれたのち、リンパ管から肝臓へ運ばれ、さらに血液に乗って各組織に運搬されます。

また、ビタミンEには大きく分けて「エステル化されたもの」と、食品などに含まれている「天然型」の2種類があります。

例えば、病院で処方されるビタミンE製剤(トコフェロール酢酸エステル)は、主に「α-トコフェロール」に安定性を持たせるために酢酸をエステル結合させた形態です。ビタミンEは光や酸素に弱く、そのため、そのままお薬にすると、光や酸素に触れてすぐに劣化してしまいます。

このような不安定なビタミンEに対し、光や酸素などから安定性を高めるために行われているのが、「エステル化」と呼ばれる工程です。エステル化とは、抗酸化作用の鍵となる部分に他の物質(酢酸やニコチン酸、コハク酸など)を結合させて「蓋」をする(エステル化する)ことで、酸化を防ぎ、長期保存ができるように安定化させたものです。

しかし、お薬や安価なサプリメントに含まれているビタミンEのようにエステル化されていると、その結合によって「蓋」をされた状態になってしまい、抗酸化の鍵となる水素を放出できなくなってしまいます。そのため、ビタミンE本来の働きが期待出来ず、抗酸化力は望めません。5

例えば、食品に含まれる天然のα-トコフェロールは、クロマン環にHO基(ヒドロキシ基)と呼ばれる部分があります。Hが水素、Oが酸素分子です。このヒドロキシ基にあるH(水素)が外れ、他の部分に渡すことで抗酸化力を発揮します。

一方で、病院のお薬や、安価なサプリメントに含まれるビタミンEでは、HO基(ヒドロキシ基)を酢酸やコハク酸などとエステル結合させ、「CH3COO」などの分子構造にすることで水素(H)が外れないよう蓋をしてしまっている状態になります。

このようなエステル結合が行われると、光や酸素に対する安定性が増す一方、水素が分離出来ない化学構造となっています。水素が分離出来ない化学構造になっているため、同時に摂取した鉄に悪影響を及ぼしたり、鉄から悪影響を受けたりすることはありません。

このエステル化されたビタミンEの場合は、すい臓から分泌される「膵リパーゼ」によってエステル化された部分が加水分解されてから吸収されます。この加水分解される前では抗酸化作用が発揮されない状態ですので、何か他の物質に影響を与える可能性は余計に低いと言えます。

もう一方の鉄の場合、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」で吸収が分かれます。

ヘム鉄は肉や魚など動物性食品に含まれる鉄のことで、鉄分子がタンパク質のカプセルのようなものに包まれた構造をしています。このヘム鉄は胃酸などの影響を受けにくく、小腸にある「ヘムトランスポーター」というヘム鉄専用の吸収経路からそのまま吸収されます。

もう一つの非ヘム鉄は、野菜や果物などに含まれる鉄のことです。この非ヘム鉄(Fe3)は、胃酸など酸性環境で可溶化し、「Fe還元酵素」と呼ばれる酵素の働きによってFe2に還元された後、小腸にある「DMT-1」と呼ばれる吸収経路から吸収されます。

非ヘム鉄はヘム鉄と違って鉄分子がむき出しになっているため、他の物質の影響によって吸収阻害の影響を受けやすい鉄です。

鉄の吸収を阻害する物質としては、Fe3と不溶性鉄塩を形成し、沈殿させてしまう物質などがあります。例えば、豆類に含まれるフィチン酸や、加工食品に添加されるリン酸塩などがそれにあたります。

Fe3と不溶性鉄塩を形成し、鉄の吸収を阻害してしまうもの

  • フィチン酸 (玄米や豆類、全粒粉など穀物の外皮に含まれる)
  • リン酸塩 (加工食品の添加物として使われる)
  • シュウ酸塩 (ホウレン草、タケノコなどに含まれる)
  • 炭酸塩 (中華麺やこんにゃくなどの製造に使われる)
  • タンニン (お茶やコーヒーに多く含まれる)

これらは鉄と結びついて不溶性の鉄に変えてしまうため、同時に摂取すると鉄の吸収が阻害されてしまいます。鉄の吸収が阻害される主な原因は、この「不溶性」の状態になってしまうためです。

ナンナン

なるほど、鉄とビタミンEは吸収経路が違うのか

はる かおる

そうだね、ミネラルと脂溶性ビタミンは全く違う特性があるから、全く違う吸収の仕組みで吸収されているよ

鉄とビタミンEを同時に摂取すると吸収が阻害されるのか?

では、ビタミンEと鉄はどうでしょうか? 一部の説では、鉄が体内で吸収される際に酸化しやすく、酸化防止作用のあるビタミンEがそれを抑えることで吸収がわずかに低下する可能性があると言われています。6

しかし、そもそもビタミンEと鉄は混ざりにくく、吸収経路も働きも異なるため、ビタミンEが鉄の酸化を抑えるとは考えられません。

ビタミンEと鉄(Fe3)を同時に摂取した場合、胃酸によってFe3が可溶性となり、その後ビタミンEとともに十二指腸に運ばれます。

ここでは胆汁や膵リパーゼの働きによってビタミンEと脂質がミセル化され、鉄と共に空腸に運ばれながら小腸粘膜で吸収されていきます。

この時、酸性環境下で可溶性となっていた鉄は、胆汁やすい液などアルカリ性の消化液の影響によって中和され、中性に近づく頃には不溶性となって鉄が吸収されなくなっていきます。

この吸収の仕組みにより、鉄はpHが酸性に傾いている十二指腸と空腸の上部で主に吸収され、ビタミンEは空腸と回腸の真ん中のあたりの小腸中部で吸収されています。

つまり、鉄とビタミンEはそもそも混ざりにくく、吸収される場所も異なっていることから、ビタミンEが鉄の吸収を妨げるとは考えられません。

また、ビタミンEの主な働きは、酸化した脂質の還元です。ビタミンEは脂質と混ざり合い、酸化した脂質を還元することでその抗酸化作用を発揮します。このビタミンEと鉄は混ざりにくいため、可溶性の鉄や水溶性物質の還元作用はないと考えられます。

一方で、無機鉄(Fe3)は「Fe還元酵素」と呼ばれる酵素の働きによってFe2に還元された後、吸収されます。鉄の還元を行っているのは「Fe還元酵素」の働きによるもので、ビタミンEが鉄を還元することはまずありません。

また、ヘム鉄の場合はタンパク質のカプセルに包まれている構造をしています。この構造により、上述した「Fe3と不溶性鉄塩を形成し、鉄の吸収を阻害してしまうもの」の影響はほぼ受けません。同じく、ビタミンEによる影響も受けないと考えられます。

ヘム鉄は専用の吸収経路があり、タンニンなどの吸収阻害要因からの影響も受けにくい。

このため、ビタミンEと鉄を同時に摂取するとお互いが反応して吸収が阻害されるという明確な根拠がなく、むしろ全く影響を与えないと考えられます。

実際に筆者自身も、何年にもわたってヘム鉄とビタミンEを同時に摂取してきましたが、吸収が阻害されていたという事実は確認出来ませんでした。

同じく、分子栄養学の実践サポートで今まで何十名もの方々のレポートを拝見してきましたが、ヘム鉄とビタミンEのサプリメントを同時摂取して吸収が阻害されていたという事実は確認出来ていません。

ですので、僕が行っている子栄養学の実践サポートでは、「鉄とビタミンEは同時に摂取しても大丈夫、問題ないです」とアドバイスしています。

これによって何か問題が起こったことも吸収が阻害されていたということもありません。鉄とビタミンEの飲み合わせむしろについては、気にせず摂取していただければと思います。

鉄とビタミンEの関係性

  1. 鉄とビタミンEは吸収経路がちがう
  2. そもそも鉄は不溶性(胃で可溶性)、ビタミンEは脂溶性で混ざりにくい
  3. 吸収された後の体内動態や働きも全く異なる
  4. 鉄とビタミンEを同時に摂ると吸収を阻害されるという科学的なデータが見当たらない
  5. 少なくともケンビックスは40年以上鉄とビタミンEを同時摂取する分子栄養学的アプローチを行っているが、吸収が阻害されていたという事例がない
ナンナン

鉄とビタミンEを同時にとっても、お互いが影響を及ぼすことはないのか❗

はる かおる

鉄とビタミンEは全く違う吸収経路、特性を持っているから、これが腸管内で混ざり合ったとしても、あまり影響は及ぼさないと言えるね

むしろ鉄(ヘム鉄)とビタミンEは同時に摂取した方が良い理由

では、ここからは逆に、鉄とビタミンEは同時に摂取した方が良い理由について解説したいと思います。

鉄とビタミンEは同時に摂取しない方が良いと言われていますが、分子栄養学の実践ではむしろ鉄とビタミンEは同時に摂取していただくのがオススメです。

この理由は、鉄が体内に吸収された後、余剰な鉄が細胞膜を強力に酸化して引き起こす「フェロトーシス(鉄依存性の細胞死)」という現象を最前線で食い止めてくれるのがビタミンEだからです。

フェロトーシス(Ferroptosis)とは、細胞内の鉄イオンに依存して引き起こされるプログラム細胞死(制御された細胞死)の一種です。細胞内に存在するミトコンドリアは、鉄を利用してエネルギーを生み出していますが、この鉄イオンが過剰になってしまうと、細胞膜の主要成分である脂質が過酸化して細胞が死に至ってしまいます。

ビタミンEは、この細胞膜の脂質部分に定着し、ミトコンドリアのエネルギー産生によって発生する活性酸素から細胞膜が酸化(サビる)されるのを24時間体制でブロックしています。

ビタミンEにはこのようなフェロトーシスから細胞膜や細胞を守る働きがあるため、鉄とビタミンEは同時摂取して頂くのがオススメです。

また、臨床現場では「無機鉄(病院の鉄剤など)は胃酸が分泌されている空腹時の方が吸収が良い」「ビタミンEは胆汁酸が分泌されている食後の方が吸収が良い」と考えられている事があり、「吸収のタイミングが合わないから分けるべき」という指導がされることもあります。

これについては、「無機鉄を空腹時に飲むこと」は推奨していません。むき出しの鉄イオン(無機鉄)が空っぽの胃腸に入ると、強力な酸化ストレス(フェントン反応)を起こし、胃腸の粘膜にダイレクトにダメージを与えてしまいます。

目先の吸収率を優先して胃腸粘膜を荒らしてしまっては、結果的に慢性炎症を引き起こし、鉄だけでなくあらゆる栄養素の消化吸収能力そのものを低下させてしまうという本末転倒な事態を招いてしまいます。

そのため、分子栄養学の実践においては、空腹時に摂取するよりも食後に摂取するようにし、摂取する鉄分は必ずヘム鉄を選ぶ事が重要です。その理由は、鉄分子の構造の違いにあります。

ヘム鉄は、ポルフィリン環というタンパク質で出来たカプセルに鉄が包まれている構造をしています。この構造により、「ヘム鉄」であれば、胃腸の粘膜を荒らすことなく、食事のタイミングで安全に吸収させることができます。

そして、このヘム鉄とビタミンEを食後に同時に摂取しても、吸収の阻害や破壊は起きません。先ほども解説した様に、鉄とビタミンEでは混ざりにくく、吸収経路が異なるため、腸管内でお互いを破壊し合うことは無いためです。

そのため、分子栄養学の実践においては、鉄とビタミンEの同時摂取を避ける必要はありません。胃腸に優しい「ヘム鉄」を使用し、細胞を鉄の酸化害(フェロトーシス)から守る「ビタミンE」を食後にセットで補給することは、極めて理にかなった安全なアプローチなのです。

ナンナン

なるほど、ヘム鉄とビタミンEなら、むしろ一緒に摂った方が良いのか❗

はる かおる

ヘム鉄ならタンパク質のカプセルに包まれているから、ビタミンEと反応することはほぼ無いといえるよ。むしろヘム鉄とビタミンEを同時に摂取することで、フェロトーシスを抑制していく事が出来るんだ

鉄欠乏性貧血の改善に必要な正しい分子栄養学アプローチ

最後に、鉄欠乏性貧血に対する正しい分子栄養学的アプローチと、その他に必要な栄養素を解説しておきます。

まず、鉄欠乏性貧血などの改善のために分子栄養学的アプローチを行う場合、「鉄だけ」しか含まれていないアミノ酸キレート鉄や、病院で処方される鉄剤、安価なヘム鉄サプリメントでの補給はオススメしていません。

この理由は、鉄を体内で利用する際は必ず活性酸素(フェロトーシス)のリスクが発生してしまうため、安全に鉄を利用するためには活性酸素を除去してくれる「亜鉛」や「銅」「セレン」や「マンガン」などのミネラルが必要になるためです。

例えば、鉄は赤血球やヘモグロビンの材料になる以外にも、私達が身体を動かしたり活動したりするために必要なエネルギー源であるATPの産生にも関わっています。

ATPとは「アデノシン三リン酸」の略で、すべての生物の細胞内で、生命活動に必要なエネルギーを供給する物質です。

ATPは、リン酸が一つ外れる際にエネルギーを放出し、細胞の増殖、筋肉の収縮、神経の情報伝達など、様々な活動のエネルギー源となります。この性質から「生命のエネルギー通貨」とも呼ばれています。

このATPは、赤血球の分化分裂、酵素の合成など、ありとあらゆる生命活動に必要不可欠な物質です。そのため、ATPがないとそもそも造血に必要な赤血球の細胞分裂やヘム合成が十分に行えなくなってしまいます。

鉄は、エネルギーの電池であるATPの産生にも関わる

しかし、このATP産生時には酸素を利用するので「活性酸素」が発生します。活性酸素とは、私たちが呼吸で取り込んだ酸素がATP産生に使われた際に、その一部が通常よりも反応性が高い状態に変化してしまった状態です。

この活性酸素が発生すると、ミトコンドリアやDNAを傷つけて、肌のシミやシワ、老化の促進などを引き起こしてしまうと言われています。

この活性酸素から細胞を守ってくれる働きをしているのが、「亜鉛」や「銅」「セレン」や「マンガン」などのミネラルです。

セレンやマンガンは微量ミネラルの一種で、活性酸素を分解する酵素の構成成分などに関わっています。また、銅は赤血球の成熟過程に必要な栄養素で、鉄や亜鉛と共に血液を作る際に重要となる栄養素です。通常、食事量がしっかり摂れていれば欠乏することは殆どありません。

しかし、鉄欠乏性貧血を改善させるためにアミノ酸キレート鉄など鉄のみしか含まれていないサプリメントなど特定のミネラルを多く摂取すると、セレンやマンガンなどの吸収が阻害されて十分に吸収されなくなってしまう可能性があります。

もし、これらミネラルの摂取が不足したり、吸収が阻害されてしまうと、鉄の利用によって細胞内で発生した活性酸素により細胞膜の脂質が連鎖的に酸化し、フェロトーシスを引き起こす原因となってしまいます。

フェロトーシスとは、細胞内の鉄が細胞膜を構成する脂質を連鎖的に酸化(サビ)させることで、細胞が壊死してしまう反応のことです。セレンやマンガン、亜鉛などのミネラルは、このような働きから活性酸素や過酸化脂質を抑制し、フェロトーシスを抑制するとされています。

そのため、体内で鉄を安全に利用するためには、鉄以外にも銅や亜鉛、マンガンやセレンなど様々なミネラルが欠かせません。鉄分を摂取する際は、鉄だけでなく「銅」「亜鉛」「セレン」「マンガン」などのミネラルも同時に摂取するようにしましょう。

また、ビタミンEやビタミンCでは体内の活性酸素を除去し、赤血球の膜を活性酸素から守ってくれる働きがあります。スポーツをする方や、ガンなど慢性炎症性疾患を抱えている方、酸化ストレスが多い方は積極的に補給が必要です。

この他、貧血改善にはビタミンAやビタミンDの摂取も重要になります。ビタミンAとビタミンDは、細胞の正常な分化や赤血球の元となる幹細胞の分化に関わる栄養素です。免疫の調節や粘膜の修復、炎症の抑制などに関わり、消化管出血などの修復を助けたり、慢性炎症に伴う鉄の利用障害の改善に役立ちます。ビタミンAとビタミンDはお互いに協力して働くので、この2つは一緒に摂ることがオススメです。

赤血球を産生するためには、ビタミンAやビタミンD、ビタミンB群や鉄タンパクが必要

そして、貧血改善において最も重要なのは「タンパク質」です。赤血球やヘモグロビン自体はタンパク質で出来ていることから、貧血を改善させるためにはタンパク質が欠かせません。

この赤血球やヘモグロビンをしっかり作れるようにするためにも、鉄分摂取に加えて「タンパク質」もしっかり摂るようにしましょう。最低でも一食当たり100g〜200g程度の肉や魚は取り入れたいところです。足りない分は、プロテインなどを活用するのも良いですね。

この際、タンパク質がしっかり消化吸収出来ているかどうかや、胃腸機能がしっかり働いているかどうかをきちんと検査してから行うようにして下さい。タンパク質が十分に消化吸収出来ない状態では、むしろ体調を悪化させてしまうことがあります。

それから、タンパク質を利用するためには補酵素である「ビタミンB群」も必要です。ビタミンBはタンパク質を加工して利用するために必要で、これが無ければタンパク質を体内で上手く利用することが出来ません。

ビタミンBは8種類あり、この8種類すべてをまとめてビタミンB群と言います。ビタミンB群はお互いに助け合って機能していますので、摂取する際はビタミンB群として8種類すべてを摂取することが大切です。このビタミンB群も貧血改善には絶対に必要となりますので、同時に摂取するようにして下さい。

特に、ビタミンB12と葉酸は、赤血球の大きさが大きくなってしまう大球性貧血の改善に必要な栄養素です。ビタミンB12と葉酸はピロリ菌の感染やお酒の飲み過ぎなどによる胃腸機能の低下で不足しやすくなります。他にも、菜食主義の方や、葉物などの野菜を食べない方も不足しやすい栄養素です。

ビタミンB12は主に牛肉や豚肉などの肉に多く含まれ、葉酸は葉物野菜などに多く含まれています。これらの摂取不足や、ビタミンB12と葉酸が不足している方は、摂取量を強化するのがオススメです。

そして、メインとなる鉄分については「ヘム鉄」を選びましょう。ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて吸収率が高く、安全です。このヘム鉄を摂取する際は、血清フェリチン値を目安に判断します。血清フェリチン値は男女で基準値の違いがありますが、おおよそ40ng/mL未満では貧血と判断することが出来ます。この場合は、ヘム鉄として一日45mgを目安に摂取してみて下さい。(セレン・マンガンなど微量ミネラルを含むもの)

さらにこのヘム鉄の補給に加えて、亜鉛の補給も重要です。亜鉛は、ヘモグロビンを構成する際に必要なポルフィリン環の材料となったり、赤血球の膜を強くしたりと、貧血にも大きく関係している栄養素です。この亜鉛を同時に摂取する事で、更に貧血を改善しやすくなるという結果が出ています。

鉄・亜鉛を同時摂取すると赤血球数の有意な改善が見られた

このヘム鉄をベースに、鉄代謝や造血に必要なビタミンやミネラルなども併せて摂るようにしましょう。貧血改善に必要な栄養素は次の通りです。

鉄欠乏性貧血の改善に必要な栄養素

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • ヘム鉄
  • ビタミンA
  • ビタミンD
  • 亜鉛
  • マンガン
  • セレン

ただし、気をつけて頂きたいことに、貧血には必ず原因があります。貧血対策は、必ず原因を調べてから根本原因に対してアプローチを行っていく事が必要です。

そのため、これら分子栄養学的アプローチは当てずっぽうで行うのでは無く、必ずオーソモレキュラー療法の血液検査を受けてから行うようにして下さい。オーソモレキュラー療法では、根本原因を調べるためにも様々な検査項目を見ながらアプローチを行っていきます。

この記事では紹介していませんが、貧血の状態や分子栄養学アプローチを判断するための血液検査項目は多岐にわたります。これらを総合的に見ながら行う事が大切ですので、よく分からない方は自己判断で行わず、必ずオーソモレキュラー療法の血液検査を受けて下さい。

分子栄養学的貧血関連項目

  • 赤血球数 RBC
  • ヘモグロビン HB
  • ヘマトクリット HT
  • 平均赤血球容積 MCV
  • 平均赤血球HB量 MCH
  • 平均赤血球HB濃度 MCHC
  • 網状赤血球 RET
  • 血小板数 PLT
  • 血清鉄 Fe
  • 不飽和鉄結合能 UIBC
  • フェリチン
  • C反応性タンパク CRP
  • GOT(AST)
  • GPT(ALT)
  • γ-GPT
  • 25-OHビタミンD

また、使用するサプリメントの質や栄養素の種類にはくれぐれもご注意下さい。病院で処方される鉄剤やアミノ酸キレート鉄は、鉄のみしか補給出来たいため、これらを大量に摂取すると亜鉛を含めたミネラルバランスを崩す原因になり得ます。これでは余計に体調を崩す原因になりますので、摂取する栄養素の種類や質にはくれぐれも注意しましょう。

ナンナン

なるほど・・・、貧血は単に鉄が足りないだけじゃ無くて、タンパク質やビタミン、ミネラルが同時に不足している状態無いんだね

はる かおる

そうなんだ。だからこそ、タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂る事が大切なんだ。逆に、鉄剤やアミノ酸キレート鉄での鉄分補給は、亜鉛欠乏や炎症を引き起こす原因になる可能性があるから、むやみやたらに鉄分だけを補給することはしないようにしてね。

貧血にも必ず原因がある。単に鉄分を補給せず、貧血になった根本原因から対処しましょう。

鉄分は、ヘモグロビンや赤血球の材料になったり、フェリチンとして貯蔵されたり、エネルギー産生の補酵素として使われる栄養素です。鉄分の摂取が不足していたり、利用がうまく出来なくなっていると、貧血になってしまいます。

この貧血には鉄分の摂取不足以外にも様々な原因が関係しており、胃腸機能の低下や婦人科疾患、溶血性貧血など様々な原因が関係しています。病院では貧血と診断されていなくても隠れ貧血に陥っている人も多く、注意が必要です。

また、ピロリ菌の感染やカンジダ菌の増殖、腸内環境の悪化や口腔内の環境の悪化などによっても貧血が引き起こされる場合があります。

この他にも自律神経の乱れやストレス、ガンなど様々な疾病や栄養不足が関係していて、ここでは解説しきれなかった原因や疾患が沢山あります。ですので、上述した原因も含め、人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多く、検査もなしに適切な栄養アプローチを行うのは困難です。

例えば、肝硬変や肝障害によっても貧血になる事がありますし、腎機能が低下して貧血になっている方もいます。単に鉄の摂取量が少ないだけの方もいれば、鉄を十分に補給しても鉄が上手く吸収出来ない方もいます。同じように見える貧血でも、それぞれ全くアプローチは異なります。

貧血の種類と原因

  • 鉄欠乏性貧血
    鉄の摂取量が少ない場合に起こる貧血。消化吸収能の低下でも引き起こされることがある。
  • 悪性貧血
    葉酸やB12が不足した事による貧血。アルコール多飲や胃腸機能の低下、食事の偏りなどが原因となる。
  • 溶血性貧血
    赤血球がもろくなって壊れてしまう貧血。亜鉛不足や酸化ストレス、スポーツなど様々な原因がある
  • 再生不良性貧血
    骨髄の造血機能が低下してしまう事で起こる貧血
  • 腎性貧血
    腎臓病など腎機能が低下したことにより、赤血球を作る働きが低下してしまう貧血
  • 慢性炎症・炎症性疾患による貧血
    関節リウマチや膠原病など、慢性炎症によって体内の鉄代謝が低下してしまう貧血
  • 悪性腫瘍による貧血
    ガンや腫瘍など悪性腫瘍によって出血したりがん細胞骨髄へ入り込むことによって造血が出来なくなってしまう貧血。胃がんでは胃の切除によって悪性貧血を伴うこともある。
  • 肝硬変・肝障害による貧血
    アルコール多飲やガンなどによって肝機能が低下し、タンパク質代謝や鉄代謝が低下して起こる貧血。赤血球の形が変形したり、壊れやすくなったりもする。
  • 消化管・婦人科疾患など出血を伴う貧血
    大腸ガンや胃潰瘍など消化管からの出血や、子宮筋腫など婦人科疾患による出血によって進行してしまう貧血。

このように貧血には様々な原因があり、個人個人バラバラの原因によって引き起こされています。同じ貧血に見えても対処法は全く異なりますので、これら原因となる要因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。

その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

オーソモレキュラー療法では、69項目にも及ぶ血液検査項目に加え、消化吸収能の状態やピロリ菌感染の有無、甲状腺の検査、副腎疲労や短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。

複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの貧血の根本原因がどこから来ているのかが分かります。また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。
根本原因からきちんと対処していくことが出来れば、より安全、確実に貧血改善が出来る可能性が高まります。同じように見える貧血でも人によって全くアプローチが違いますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

オーソモレキュラー療法の詳細については、下記ページからご覧頂けます。

また、検査をご希望の方は、上記リンクか記事最後尾のプロフィールに記載されている「オーソモレキュラー療法申し込みページ」からご相談下さい。検査に必要な手続きなどをご案内致します。

分子栄養学の実践は必ず分子栄養学実践専用サプリメントをご使用下さい!

オーソモレキュラー療法では、血液検査や各種検査の結果に応じて分子栄養学実践専用に設計されたサプリメントで栄養アプローチをしていきます。

分子栄養学実践専用サプリメントとは、その人それぞれの体質に合わせてアプローチが出来るよう、消化吸収能が考慮された設計や製造が行われていることが特徴です。また、原材料には天然由来の生体内物質が使用されていたり、成分同士が反応して効力を失わないよう、反応抑制のためのコーティングが行われていたりなど、非常に高品質なサプリメントとなっています。

そのため、分子栄養学実践専用サプリメントは、市販されているサプリメントや海外サプリメントと比べて非常に高価となっています。

しかし中には、「市販されているサプリメントや海外サプリメントを利用して実践したい」と思っている方も多いかもしれません。市販されているサプリメントや海外サプリメントは、分子栄養学実践専用サプリメントと比べて非常に安価です。

ですが、市販されているサプリメント海外サプリメントなどで販売されているサプリメントで分子栄養学を実践をするのはオススメしません。

市販されているサプリメントや海外サプリメントでは、そもそも消化吸収能が低下した方や病態を抱えた方が摂取するようには設計されておらず、胃や腸でも全く溶けない粗悪品も流通しています。

市販されているサプリメントの中には胃や腸で溶けずにそのまま便に排泄される物もある

また、原材料に人工的に加工されたものや合成されたもの、天然界には存在しない化学構造のものなどが使われていることもあり、これらを大量に摂取することはむしろ生体内の分子を乱してしまうことにも繋がります。

加えて、栄養素が酸化・劣化して効力を失っているものや、そもそも有効成分自体が殆ど含まれていないものなどもあります。このことから、市販されているサプリメントや海外サプリメントを使って分子栄養学を実践することはオススメしていません。

分子栄養学を実践する際は、このようなサプリメントの善し悪しを学ぶことも非常に重要です。分子栄養学実践専用サプリメントと海外サプリメントなど一般的なサプリメントの違いについては、下記の記事を参考にして下さい。

そして、分子栄養学・オーソモレキュラー療法を実践する際は必ず「分子栄養学実践専用サプリメント」を使用しましょう。

サプリメントは、きちんと消化吸収・利用されて初めて意味があります。分子栄養学実践専用サプリメントでは、その人それぞれの体質に合わせてアプローチが出来るよう、消化吸収能が考慮された設計や製造が行われていることが特徴です。

また、分子栄養学では一般的な量よりも遙かに多くの栄養素を摂取します。この時、栄養素同士が反応して効力を失ってしまったら意味がありません。分子栄養学実践専用サプリメントでは、成分同士が反応して効力を失わないよう、反応抑制のためのコーティングが行われていたりなど、非常に高品質なサプリメントとなっています。

このことから、分子栄養学を実践する際は、必ず分子栄養学実践専用サプリメントを用いるようにして下さい。

ナンナン

サプリメントは何を選んでもいいわけじゃないのか❗

はる かおる

そうだよ、サプリメントは同じように見えてもその中身や設計や全く異なっているんだ質の悪いサプリメントを使うと逆効果になるから、分子栄養学を実践する際は必ず分子栄養学実践専用に作られた作られたサプリメントでしっかりアプローチしてね

鉄とビタミンEは同時に摂っちゃダメ? 同時摂取でビタミンEが鉄の吸収を阻害する、鉄がビタミンEを酸化させるのは本当か?まとめ

以上が、鉄とビタミンEの同時摂取でビタミンEが鉄の吸収を阻害する、鉄がビタミンEを酸化させるのは本当か?でした。

鉄とビタミンEは水溶性、脂溶性と全く異なる特性のため、お互いが混ざり合って影響を及ぼすことは基本的にありません。また、吸収経路も異なることから、吸収を阻害してしまうおそれもほぼありません。

また、鉄にはヘム鉄や非ヘム鉄などの種類があり、それぞれ吸収経路や吸収率、安全性などに違いがあります。分子栄養学では、このような鉄の働きや代謝をよく理解することが大切です。

そして、ヘモグロビンの合成や赤血球の分裂など、造血には鉄分以外にも様々な栄養が関わっています。鉄欠乏性貧血・隠れ鉄欠乏性貧血の改善のために分子栄養学的アプローチを行う際は、これら必要な栄養素をバランス良く、個体差に応じて摂取することが大切です。

ただし、貧血にはピロリ菌の感染や消化管出血など、様々な原因があります。決して、安易な自己判断による分子栄養学アプローチは行わないようにして下さい。

正しいオーソモレキュラー療法では、それぞれの消化吸収能力を考慮したり、病態を考慮したりと、個人個人に合わせた最適な栄養アプローチ(至適量)を行います。そして、この使用するサプリメントは何でも良いというわけではなく、きちんと消化吸収などが考慮されたオーソモレキュラー療法実践専用サプリメントを使用する事が大切です。

分子栄養学やオーソモレキュラー療法というと単にサプリメントを飲むだけの療法だと思われがちですが、単にサプリメントを飲んだだけでは正しい分子栄養学は実践できません。血液検査などを通じ、自分の身体の状態をよく知り、自身にあった分子栄養学的アプローチを行ってくことが必要です。

オーソモレキュラー療法の申し込み方法については、オーソモレキュラー療法・無料栄養相談申し込みページ で詳しくご案内しておりますので、ご興味ある方は是非こちらもご覧下さい。

参考文献

  1. 精神科医が考えた!心を強くする食事術 ↩︎
  2. 鉄とビタミンを摂って元気になろう! ↩︎
  3. \妊活中の方必見☝️/ 絶対に避けたい“サプリの悪い飲み合わせ”とは?【鉄・亜鉛・葉酸・ビタミンE】 ↩︎
  4. https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4k.pdf ↩︎
  5. 日本微量栄養素情報センター ビタミンE ↩︎
  6. 鉄とビタミンEは一緒に摂っても大丈夫?『やさしい葉酸』の正しい飲み方 ↩︎

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これを読む前に分子栄養学を実践するのは危険です❗

世の中には、たくさんの健康情報が溢れています。
「この症状にはこのサプリメントを飲むと良い」「この不調にはこの食べ物がいい」
様々な情報が発信されているにもかかわらず、実際に不調が改善されていない人が多いのは何故でしょうか?

それは、現在のネット情報では個体差を考慮していない表面的な情報しか手に入らないからです。例えば、ネット上に書かれているオススメの食事内容が、あなたにとって消化吸収出来る最適な食事とは限りません。また、オススメされている栄養素をサプリメントで摂ったとしても、そのサプリメントがきちんと消化吸収、利用出来る分子構造で製造されているとは限りません。

分子栄養学においても同じで、現在では「なんちゃって分子栄養学」と呼ばれるいい加減な情報発信が多くされています。

分子栄養学・オーソモレキュラー療法を効果的に、かつ安全に実践するためには、このような間違った情報を排除し、正しい分子栄養学の知識を身につけることが重要です。また、栄養やサプリメントの知識以外にも、栄養療法を成功させるためには、栄養療法に対する考え方や取り組み方、生き方などの改善も欠かせません。

このメルマガでは、分子栄養学に関する正しい知識はもちろん、栄養療法を行う上でのコツや考え方、ココでは解説しきれなかった事、記事では公開できないような内容を配信しています。

これから分子栄養学・オーソモレキュラー療法を実践する方にとって、成否に関わる非常に重要な情報となっていますので、ご興味のある方は是非ご購読下さい。

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この記事を書いた人

はる かおるのアバター はる かおる 分子栄養療法ナビゲーター

春木 敏徳(はる かおる)
分子栄養療法ナビ(このサイト)の管理人のはる かおるです。
現在は「字が書けないライター」として、正しい分子栄養学の発信と普及活動を行っています。

僕自身、発達障害の一種である「書字障害」を抱え、幼少の頃から両親からの虐待や学校でのいじめなど、数々の困難や体調不良を経験してきました。
育った環境の悪さから18歳頃からうつ病を発症し、その後10年近く精神薬での治療を行っています。また、他にも小・中・高校生時代は朝起きられず、殆ど学校にも行っていません。

今では「あれは起立性調節障害だったな」と思えるのですが、当時はそのような病気の認識は殆どありませんでした。そのため、非常に風当たりの強い中、幼少時代を過ごしてきています。

また、幼少期から続く極度の栄養失調により、低血糖症や甲状腺機能低下症、SIBO、リーキーガット症候群、副腎疲労、脂肪肝など様々な病気を経験しました。現在では分子栄養学に出会ったことで体調も大きく回復しており、これら病気の改善に必要な知識も豊富です。

インターネットの登場によって間違った分子栄養学も広まってきており、それによって体調を崩してしまう人も多くなってきています。このような中、分子栄養療法ナビ(このサイト)や情報発信を通じて、多くの人に正しい分子栄養学が広められるよう頑張っています。

得意とする分野
うつ病、発達障害、ADHD、起立性調節障害、貧血、不妊症、ガン、甲状腺機能障害、ピロリ菌感染症、SIBO、リーキーガット症候群、低血糖症、副腎疲労、脂肪肝、ダイエット、更年期障害、PMSなど。全般的に幅広い知識を有する。

ほか、文章を書くのが得意で、ライティングやマーケティング、投資などお金に関する知識や生き方に関するアドバイスも得意。

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