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ビタミンA・βカロテンを摂取するとガンになるってホント? ビタミンA・βカロテン摂取によるがんリスクの真実

ビタミンAやβカロテンについては、「サプリメントで摂取すると逆に肺がんのリスクが上昇する」から摂らない方がいいというニュースや噂を聞いたことがあるかもしれません。

このように言われると、ビタミンAを摂取するのが不安になったり、摂取を止めた方が良いのかなと思ったりしますよね。

実際に、ビタミンAを摂取するとがんリスクが上昇するのは本当なのでしょうか? 今回は、ビタミンAの基本と過剰症を含めて、ビタミンA・βカロテンとがんリスクの関係について分子栄養学の観点から解説します。

ナンナン

なんか、ビタミンAを摂るとガンのリスクが上がるらしいじゃん・・・💧

はる かおる

あー、ビタミンAとガンの関係を検索すると、そんなようなことが言われているね

ナンナン

うん、過剰摂取も怖いから、ビタミンAを摂るのは止めることにしたよ

はる かおる

まさか、そんな情報を本気で信じているの❓
あの情報は、かなり偏ってるよ

ナンナン

情報が、偏ってる❓❓

はる かおる

そう。実際には、喫煙者やアスベスト曝露者など肺がんリスクが高い被験者向けに行った結果だけを切り取って結論づけられているだけなんだ。このあたり、詳しく解説してあげるね

\この記事の解説動画はこちら/

目次

ビタミンA・βカロテンを摂取するとガンのリスクが上昇する!?

ビタミンAやβカロテンについては、「サプリメントで過剰に摂取すると逆に肺がんのリスクが上昇する」といわれていることがあります。

実際に、ネットでビタミンAやβカロテンとガンの関係性について調べると、メディアや医師が警鐘をならすニュースや記事が多く見受けられるようになりました。123

これら記事において、「ビタミンA・βカロテン=がんになる」という主張の根拠として頻繁に引用されるのが、「CARET(カレット)」や「ATBC」と呼ばれる過去の大規模な研究です。

「CARET(カレット)」もしくは「ATBC」では、現在および元喫煙者、およびアスベストに職業的に曝露された男性と女性に、大量のβカロテンやビタミンAを摂取させてガンのリスクを調べました。

その結果、「βカロテンやビタミンAのサプリメントを摂取したグループで肺がんのリスクが上昇した」という結果が出たのです。

大量のベータカロチン(20mg/日)を5〜8年間補給すると、男性喫煙者の肺がんと死亡(主に肺がんと虚血性心疾患による)のリスクが高まることがわかりました[70]。

CARET試験はまた、現在および元喫煙者、およびアスベストに職業的に曝露された一部の男性で、大量のベータカロチン(30 mg/日)と7,500 mcg RAE(25,000 IU)/日レチニルパルミチン酸を4〜8年間補給すると、肺がんのリスクと肺がんによる死亡のリスクが高まることも示されました[67]。

いくつかの臨床試験の証拠は、ビタミンAのサプリメントが特定の癌のリスクを減らすかもしれないが、他の形態の癌、心血管疾患の罹患率と死亡率、および全死因死亡率のリスクを高める可能性があることを示唆している。例を以下に示します。

カロチンとレチノールの有効性試験(CARET)には、18,314人の男性と女性の現在および元喫煙者(少なくとも20パックの年歴[たとえば、20年間1日1パック、または10年間1日2パックを喫煙する)の喫煙)と、アスベストに職業的に曝露された男性(肺がんのリスクも高い)、すべて45〜74歳が含まれていました。この研究では、30mgのベータカロチンと25,000IU(7,500mcgのRAE)のパルミチン酸レチニルまたはプラセボを含むサプリメントを約6年間毎日約6年間服用するように参加者をランダムに割り当てました[67]。

試験は平均4年後に早期に終了しました。これは、サプリメントが肺がんのリスクを28%増加させ、肺がんによる死亡を46%増加させることが予期せぬ結果であったためです。サプリメントはまた、全死因死亡率のリスクを17%増加させました。その後の研究では、CARET参加者が研究サプリメントの服用を中止した後、さらに6年間追跡調査されました[68]。

この間、介入グループとプラセボグループ間の肺がんリスクの差は、もはや統計的に有意ではなく、1つの例外を除いて、介入グループの女性は肺がんのリスクが33%高かった。CARET研究データの別の分析では、2つのサプリメントを摂取した男性は、4年間の積極的な試験中に非攻撃性前立腺癌のリスクが35%低かったが、介入後の6年間は低かった。対照的に、他の自己処方サプリメント(通常はマルチビタミン)に加えてこれら2つのサプリメントを摂取した男性は、アクティブな試験中に積極的な前立腺癌のリスクが52%高かったが、介入後の期間中は高かった[69]。

アルファ-トコフェロール、ベータカロチン(ATBC)がん予防研究はまた、ベータカロチンサプリメントが喫煙者の肺がんのリスクを高めることを発見しました[70]。

この研究では、平均35.9年間1日平均20.4本のタバコを吸った50〜69歳の男性喫煙者29,133人が、50mg/日のアルファトコフェロール、20mg/日のベータカロチン、アルファトコフェロールとベータカロテンの両方を含むサプリメント、またはプラセボを5〜8年間服用しました。ベータカロチンサプリメントは、他のがんの発生率にほとんどまたはまったく影響を与えなかったが、肺がんのリスクを18%増加させた。ベータカロチンを服用した参加者では、主に肺がんと虚血性心疾患による全体的な死亡率が8%高かった。その後の研究では、これらの参加者の25,563人をさらに18年間追跡しました[71]。

この期間中、参加者はサプリメントを服用しなくなりましたが、ほとんどが喫煙を続けました。元の試験でベータカロチンを摂取した参加者は、肺がんのリスクが高くなかったが、前立腺がんによる死亡リスクが20%高かった。

加齢性眼疾患研究2(AREDS2)は、ベータカロチンの有無にかかわらずいくつかの成分を含む栄養補助食品のAMDへの影響を調べる50〜85歳の4,203人の参加者を対象とした5年間の無作為化臨床試験でした(15mg [7,500 mcg RAE])[72]。

現在の喫煙者は、ベータカロチンを含むサプリメントを受け取っていません。試験終了時に、ベータカロチン群で無ベータカロチン群よりも多くの肺癌が発見され(23例対11例)、罹患した34例のうち31例が元喫煙者でした。AREDS2終了後5年後の3,882人の参加者のフォローアップ分析では(その間、ベータカロチンの代わりにルテインとゼアキサンチンを含むAREDS2製剤を服用した)、肺がんリスクの増加が持続し、5年間のAREDS2試験中にベータカロチンを含むサプリメントを摂取した参加者のリスクが82%高かった[73]。

 Office of Dietary Supplements – Vitamin A and Carotenoidsより引用

つまり、これら研究結果を考察すると、ビタミンAやβカロテンのサプリメントはがんの予防に効果が無いどころか、摂取するとむしろ肺がんなどのリスクを上昇させてしまうという結果になりました。

これを読むと、ビタミンAサプリやβカロテンのサプリを飲むと肺がんのリスクが上昇するように思えますよね。

ですが、これら試験結果だけでビタミンAやβカロテンのがんリスクについて結論を出してしまうのは早計です。実は、これら試験結果は正確にビタミンAとβカロテンとガンの関係を結論づけたものではありません。

ビタミンA・βカロテンとガンの関連についての研究は他にもあり、これらを総合した上で、最終的な判断を行う事が大切です。

ナンナン

やっぱり・・・、ビタミンAを摂るとガンになるってホントだったじゃん

はる かおる

ビタミンAについては、ガンとの関連性があった研究結果が引用されていることがあるね。でも、逆にβカロテンやビタミンAががんリスクを上昇させない、直接影響を与えないという研究結果もあって、わざとこちらの情報を載せてないパターンも多いんだ

偏った情報発信に注意! ビタミンA・βカロテンは肺がんのリスク上昇に直接影響しない

ビタミンA・βカロテンの摂取については、一般的に肺ガンのリスクを上昇させると言われていますが、逆に肺がんのリスク上昇に関連性がないとする研究結果もあります。

例えば、国立がん研究センターが日本人における抗酸化ビタミン摂取(レチノール、αカロテン、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE)が肺がんの罹患に及ぼす影響を検討した結果では、統計学的に有意な関連がないことが示唆されました。

抗酸化ビタミンには、抗酸化作用に加え、肺組織の血管内皮の機能を維持する作用があることから、肺がんとの関連が注目されてきました。しかしながら、欧米で喫煙者やアスベスト曝露者を対象にして行われた大規模なランダム化比較試験では、サプリメントによりβカロテンを多く摂取すると、肺がんリスクが20〜30%程度上昇するという結果が報告されており、海外の複数の疫学研究をまとめた報告では、抗酸化ビタミンの肺がんに対する予防的作用を示唆する根拠は不十分、と報告されています。日本人における抗酸化ビタミン摂取と肺がんリスクとの関連についても検討されていませんでした。

そこで本研究では、日本人における抗酸化ビタミン摂取(レチノール、αカロテン、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE)が肺がんの罹患に及ぼす影響を検討しました。今回の研究では、研究開始から5年後に行ったアンケート調査の結果を用いて、食事からの抗酸化ビタミン摂取量を算出し、その後の肺がん罹患リスクを調べました。

本研究の結果から、日本人において、レチノールを除く抗酸化ビタミン摂取と肺がんの罹患リスクとの間には統計学的に有意な関連がないことが示唆されました。一方、レチノールの摂取量が多い男性グループにおいて、全肺がんと小細胞肺がんのリスクの上昇がみられましたが、この肺がんリスク上昇は、喫煙習慣のある男性に限られることが確認されました。

これは、肺がんのなかでも、小細胞がんは喫煙との関連が大きいことがわかっており、統計学的に喫煙の影響を調整しましたが、その影響を排除しきれなかった可能性が考えられます。今後の研究では、レチノールの多量摂取における肺がんリスクへの影響を調べるため、喫煙に関するより詳細な情報を用いた検討を行い、エビデンスを蓄積していくことが必要と思われます。

抗酸化ビタミン摂取と肺がん罹患リスクの関連について | 現在までの成果 | 多目的コホート研究 | 国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 予防関連プロジェクトより引用

この研究結果では、レチノール摂取量が多い男性グループにおいて全肺がんと小細胞肺がんのリスク上昇が確認されていますが、この肺がんリスク上昇は喫煙習慣のある男性に限られることが確認されています。

特に、全肺がんと小細胞肺がんについては喫煙習慣との関連が大きいことから、喫煙の影響を排除しきれなかった可能性が考えられています。喫煙の影響については、その人自身が喫煙を行っていなくても周りの人が喫煙をしていてその副流煙を吸い込む「受動喫煙」の可能性もゼロではありません。

この他、米国立衛生研究所が行った研究結果においても、非喫煙者の間では、ベータカロチンとビタミンAのサプリメントは癌のリスクに影響を与えないことが示唆されています。


他の3つの臨床試験では、ビタミンAまたはベータカロチンサプリメントの摂取と肺がんの発生率または死亡率との間に関連性は見つからなかった[74]。

ある試験では、40〜84歳の22,071人の男性医師を無作為に行い、50mgのベータカロチンを隔日で服用するか、プラセボを12年間服用させた[75]。

医師の11%が現在の喫煙者であり、研究開始時に38%が元喫煙者でした。結果は、肺がんの症例数、悪性腫瘍、またはがんによる死亡者数において、グループ間で差は示さなかった。別の試験では、7,627人の女性(平均年齢60.4歳)を無作為に行い、50mgのベータカロテンを隔日、600IUのビタミンEを隔日、500mgのビタミンCを毎日、またはプラセボを平均9.4年間服用しました[76]。

調査開始時、女性の15%が現在の喫煙者であり、41%が元喫煙者でした。サプリメントはいずれも、肺がんを含む全がん発生率やがん死亡率に有意な影響を及ぼしませんでした。3番目の試験には、微量栄養素欠乏症が一般的な中国の臨県に住む40〜69歳の健康な男性と女性29,584人が含まれていました[77]。

この研究では、参加者をプラセボまたは4つのビタミンとミネラルの組み合わせ(レチノールと亜鉛を提供し、ベータカロチン、ビタミンE、セレンを提供するものを含む)のいずれかを5.25年間服用するように参加者をランダムに割り当てました。研究者は、サプリメントの服用を中止した後、さらに10年間参加者を追跡しました。サプリメントの栄養摂取量は、米国の推奨摂取量と同等か2倍でしたが、研究報告書では正確な投与量は提供されていませんでした。介入期間と追跡期間の両方で、研究者が年齢、性別、喫煙状況による違いについて結果をさらに分析したとしても、肺がんの死亡率は5つのグループ間で差がありませんでした。

CARETとATBCの研究結果は、パルミチン酸レチニルを含むまたは含まれないベータカロチンの大量補充は、現在または以前の喫煙者およびアスベストにさらされた労働者に有害な影響を与えることを示唆しています。しかし、上記の他の研究では、同様の量のビタミンAを使用したが、現在または元喫煙者の割合が少なかったため、この懸念は発生しません。非喫煙者の間では、ベータカロチンとビタミンAのサプリメントは癌のリスクに影響を与えないようです。

Office of Dietary Supplements – Vitamin A and CarotenoidsVitamin A overview for health professionals. Research health effects, dosing, sources, deficiency symptoms, side effects, and interactions here.ods.od.nih.govより引用

これら相反する研究結果を考察すると、ビタミンAとβカロテンのサプリメントを摂取して肺がんのリスクが上昇したのは、主に喫煙者や元喫煙者、アスベストに職業的に曝露された者に限られている可能性が非常に高いことが分かります。

つまり、ビタミンAやβカロテンの摂取そのものが肺がんの直接的な原因になったわけではなく、喫煙やアスベストによって既に肺の細胞が深刻なダメージを受けており、がん化するリスクが極度に高まっていたことが、根本的な原因と考えられるのです。

実は、ビタミンAとガンの危険性について書かれている記事は、殆どCARETとATBCの研究結果のみを意図的に切り取って発信されています。一部のメディアは「どのような人たちを対象にした研究だったのか」という最も重要な前提を意図的に隠して発信されており、これらの研究で肺がんのリスクが上昇したのは、長年の重度な喫煙者、元喫煙者、そしてアスベスト(石綿)に職業的に曝露されていた人たちに限定されていたという事実を伝えていません。

そして、ビタミンAやβカロテンの摂取そのものが悪であり、まるで全ての人に当てはまるかのように伝えてしまっています。

上記の研究結果からも分かるように、健康な非喫煙者が適切な量と形でビタミンAやβカロテンを摂取して、肺がんのリスクが直接上昇することはありません。巷にあふれる情報は、過去の特定の研究結果の一部だけを切り取った「偏向報道」であるケースがほとんどです。

このように、ビタミンAやβカロテンのサプリメントを摂取するとガンになるという情報は、客観的事実として参考になる情報とは言えません。インターネット上には、数え切れないほどの情報で溢れています。情報に触れる際は、その情報が客観的事実として信憑性があるかどうかを、よく確かめるようにして下さい。

でも、ビタミンAを過剰摂取すると危険なんでしょ? ビタミンAの基本と過剰摂取リスクについて

ビタミンAがガンのリスクに影響を与えなかったとしても、やはり過剰に摂取した場合の悪影響については不安がありますよね。

一般的に、ビタミンAを過剰摂取するとビタミンA過剰症に陥るリスクがあり、中毒症状としては、関節痛、頭痛、脱毛、筋肉痛、視力低下、吐き気などが引き起こされ、最悪の場合、昏睡状態に陥り、死に至ることもあるとされています。

仮に、ビタミンAのサプリを飲んでガンのリスクに影響がなかったとしても、過剰摂取になって健康を害してしまったら意味がありません。

実際の所、ビタミンAをサプリメントで摂取すると過剰摂取のリスクがあるのでしょうか? これについては、実はビタミンAにも「危険なビタミンA」と「安全なビタミンA」があります。

危険なビタミンAを多量に摂ると過剰摂取のリスクがありますが、安全なビタミンAであれば過剰摂取のリスクはほぼ問題ありません。ビタミンAの過剰摂取について理解を深めるためには、ビタミンAの種類と働きを理解することが大切です。

まずは、ビタミンAの種類や働きについて、おさらいしておきましょう。

ビタミンAの種類とそれぞれの働きの違い

ビタミンAには大きく分けて二種類あり、豚や牛などのレバー(肝臓)や、ウナギ、乳製品などに多く含まれているものと、人参やカボチャ、ニラなどの色の濃い野菜(緑黄色野菜)に多く含まれているプロビタミンA(βカロテン)があります。これら野菜は緑色や黄色・橙色などの色をしていて、この色は主にカロテノイドの含有量によるものです。

食品に含まれるビタミンAは、主に二種類ある。動物性食品にはレチノールが含まれ、植物性食品にはβ-カロテンが含まれる

また、緑黄色野菜に含まれているカロテノイド類(プロビタミンA)は、β-カロテン以外にも「α-カロテン」や「β-クリプトキサンチン」などがあり、これらはβ-カロテンと同じく必要な分だけビタミンAに変換されて利用されています。ただ、β-カロテンのビタミンA活性が100とした場合、α-カロテンは50程度、β-クリプトキサンチンは50〜60程度と、およそβ-カロテンの半分程度しかありません。

おまけにα-カロテンとβ-クリプトキサンチンはβ-カロテンに比べて含有量が少ない傾向にあります。そのため、一般的にプロビタミンAと言えばβ-カロテンのことを指すことが一般的です。

このほか、カロテノイドには、ビタミンAに変換されるα-カロテンやβ-カロテン、β-クリプトキサンチン以外にも、トマトに多く含まれる「リコピン」や、ブルーベリーなどに含まれる「ルテイン」、鮭などに含まれる「アスタキサンチン」や「ゼアキサンチン」などがあります。

カロテノイドは、プロビタミンAのβ-カロテン以外にも、リコピンやルテインなど様々なものが存在する

これらはプロビタミンAのカロテノイドと違って、ビタミンAに変換されることはありません。ビタミンAには変換されませんが、優れた抗酸化作用を持っています。この抗酸化作用は、がんの発生に対して予防的に働いたり、白内障や加齢性黄斑変性症のリスクを減少するなどの働きがあります。

また、レチノールなどのビタミンAは抗酸化作用を持っていませんが、β-カロテンなどプロビタミンAは優れた抗酸化作用を持っています。

体内におけるビタミンAの供給源は、食事からの摂取が主な供給源です。ビタミンAにはいくつかの種類があり、豚や牛などの肝臓に含まれている物は「レチニルエステル」、タラの肝油など魚油には「レチノール」が含まれています。

この他、緑黄色野菜に多く含まれる「β-カロテン」や「α-カロテン」「β-クリプトキサンチン」などがあり、これらは小腸の上部で脂肪(脂質)と一緒に吸収され、カロテノイド類は必要に応じて「レチナール」に変換されます。

このレチナールは、主に網膜に存在し、視覚に関与しているビタミンAの形態です。このレチナールは、体内で必要に応じて「レチノイン酸」という形に変化します。レチノイン酸は、細胞の分化・分裂をコントロールし、免疫細胞や皮膚、粘膜細胞などの正常な分化・分裂、角化の正常化(皮膚の一番外側にある角質細胞が生まれ、剥がれ落ちるまでの過程)に関わっています。

ビタミンAの代謝。ビタミンAはレチノールやレチナール、レチノイン酸があり、β-カロテンは必要に応じてレチナールに変換される

ビタミンAの種類とそれぞれの働きの違い

ビタミンAやその仲間は、大きく分けて植物由来のものと動物由来(または合成)のものがあり、体内に入ると役割に応じて次のように形を変えながら働きます。

  • βカロテン(プロビタミンA) ニンジンなどの緑黄色野菜に含まれる植物性の栄養素です。体内で「必要な分だけ」ビタミンAに変換されるため、どれだけ食べてもビタミンA過剰症にならない安全な成分です。
  • レチニルエステル 体内でビタミンAを肝臓に貯蔵する際の、非常に安定した「コーティング状態」の形です。
  • レチノール レバーや卵などの動物性食品に含まれる、活性化前の基本的なビタミンAです。血液に乗って体中を移動する際の形でもあります。
  • レチナール 主に目の網膜で光を感じるために働く形です。レチノールとレチナールは、体内で必要に応じて相互に変換(行ったり来たり)することができます。
  • レチノイン酸 最も活性(働き)が強い状態のビタミンAです。遺伝子に直接働きかけ、細胞の増殖や分化を促す非常に強力な作用を持ちます。

これら食品に含まれるビタミンAは脂溶性のため、水に溶けにくく脂に溶けやすいという特性があります。そのままでは水分の多い血液に溶けず、馴染むことが出来ません。そのため、体内では脂質や脂溶性ビタミンを水と混ざりやすくするために、肝臓から「胆汁酸」が分泌されています。

この胆汁酸は、あぶらと水を混ざりやすくする「乳化」という働きがあり、あぶらやビタミンAなど脂溶性ビタミンの吸収を助けています。この胆汁酸は肝臓で合成され、胆のうから分泌されていることから、肝臓や胆のうの健康状態もビタミンAの吸収において重要です。

そして、その後の吸収や代謝は「レチニルエステル」や「レチノール」と「β-カロテン」で異なります。レチニルエステルの場合では、すい臓から分泌される消化酵素「膵リパーゼ」と小腸粘膜から分泌されるエステラーゼの働きにより、レチニルエステルはレチノールと脂肪酸(パルミチン酸など)に分解されます。分解されたレチノールは、腸管内のミセルと呼ばれる脂質の微粒子に溶解し、腸粘膜細胞(エンテロサイト)に吸収されます。

この時、一部は「細胞内レチノール結合タンパク質(CRBP)」と呼ばれるビタミンAを運ぶトラックと結合するほか、「細胞内レチノール結合タンパク質(CRBP)」と結合しない遊離のレチノールは、再び活性の低い貯蔵型のビタミンAである「レチニルエステル」に再合成され、キロミクロンと呼ばれるリポタンパク質に包まれてリンパ系に運ばれます。その後、血流を通じて全身の組織に運ばれ、主に肝臓に貯蔵されます。

この肝臓では、ビタミンAを最も活性の低い「レチニルエステル」という形で貯蔵しています。貯蔵されたレチニルエステルは、必要に応じて「レチノール」に変換し、「レチノール結合タンパク質(RBP)」と結合して血流に放出し、各組織に届けられます。

この理由としては、レチノールのままでは極めて酸化されやすく、水(血液)にも溶けにくいためです。レチノールが「レチノール結合タンパク質(RBP)」と結合すると、水溶性となって血液に溶けやすくなり、かつ酸化しにくくなります。「レチノール結合タンパク質(RBP)」は、タンパク質で出来ていることから、ビタミンAの輸送や貯蔵、利用するためには十分なタンパク質の摂取が必要です。

ビタミンAは、血液中を移動する際にタンパク質で出来たトラックに乗って運ばれる。そのため、ビタミンAを利用するためにはタンパク質が必要

また、ビタミンAを活性化して利用するためには、肝臓で作られる酵素の働きが必要です。具体的には、レチノールからレチナールへの変換にレチノールデヒドロゲナーゼ(レチノール脱水素酵素)、レチナールからレチノイン酸への変換にはレチナールデヒドロゲナーゼ(レチナール脱水素酵素)などアルデヒドデヒドロゲナーゼ(アルデヒド脱水素酵素)という酵素が関与しています。4

ビタミンAは、生体内で必要に応じて様々な形に変化しています。体内では、「レチノール」「レチナール」「レチノイン酸」という三種類の活性型があり、活性の強さとしては「レチノール」が最も活性が低く、次いで「レチノール」「レチノイン酸」と続きます。

これらはそれぞれの活性に応じて働きが異なり、最も活性の低い「レチノール」は、皮膚や粘膜など上皮組織の分化や維持、生殖機能の維持や成長促進などの働きがあります。次いで活性の強い「レチナール」は、主に網膜に存在して視覚作用に関係しています。β-カロテンは、一部がレチナールに変換されて利用されるため、「プロビタミンA」と呼ばれています。

そして、最も活性の高い「レチノイン酸」は、成長促進や細胞の増殖・分化をコントロールする働きがあります。このレチノイン酸は最も活性が高く、お薬でも使われている形態のため、過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンAはそれぞれの種類によって働きが異なる。最も活性の強いレチノイン酸は細胞の増殖・分化をコントロールしているが、この働きは体内で厳密にコントロールされている

というのも、このレチノイン酸は最も活性の強いビタミンAで、細胞の分化・分裂をコントロールし、免疫細胞や皮膚、粘膜細胞などの正常な分化・分裂、角化の正常化(皮膚の一番外側にある角質細胞が生まれ、剥がれ落ちるまでの過程)に関わっています。

このレチノイン酸を過剰摂取してしまうと、細胞の分化・分裂や角化の正常化が正常にコントロール出来なくなり、赤ちゃんの奇形のリスクが高まってしまったり、ビタミンA過剰摂取のような健康を害する可能性が出てきてしまいます。そのため、ビタミンAと一言で言っても、レチノイン酸の過剰摂取には注意が必要です。

対して、食品に含まれているビタミンAの場合は、お薬で使われるビタミンA製剤(レチノイン酸)と違って過剰摂取の心配は殆どありません。この理由としては、ビタミンAの体内動態は厳密にコントロールされているため、食品からビタミンAを摂取しても、過剰に働くことが無いようコントロールされているためです。

例えば、食品に含まれるビタミンAは、「レチニルエステル」と「レチノール」「β-カロテン」などがあります。レチニルエステルは「レチノール」として吸収され、β-カロテンは必要に応じて「レチナール」に変換されます。この「レチノール」と「レチナール」は相互に変換することができ、レチナールが余剰になればレチノールに変換されます。

そして、レチノールが余剰になれば、レチノールはビタミンAとしての活性が無い貯蔵型のビタミンAである「レチニルエステル」に変換することが可能です。変換されたレチニルエステルは、主に肝臓の星細胞に貯蔵されています。

逆に最も活性の高い「レチノイン酸」は、「レチナール」から変換されますが、その逆である「レチノイン酸」から「レチナール」への変換は出来ません。しかし、レチナールからレチノイン酸への変換は厳密にコントロールされています。そのため、食品からビタミンAを摂取したとしても、必要以上にレチノイン酸は作られないようになっています。

つまり、体内ではビタミンAを安全な形で貯蔵・利用できる仕組みが備わっており、必要以上に活性化されないようコントロールされています。このようにビタミンAには様々な種類や働きがあり、ビタミンAの危険性や安全性を理解するにはこの違いや働きをよく理解することが大切です。難しいかもしれませんが何度も読み返して理解を深めてみてください。

ナンナン

び、ビタミンAって色んな形があって色んな働きをしているのか💦

はる かおる

そうそう。ビタミンAの働きを理解するためには、それぞれのビタミンAの特徴や働きなんかもよく理解する必要があるよ。おまけに、ビタミンAはその他の栄養素とも協力して働いているから、このあたりもよく理解しておいた方が良いね。

ビタミンAには安全なビタミンAと危険なビタミンAがある。過剰摂取に注意が必要なビタミンAの種類

ここからは、もう少し踏み込んでビタミンA過剰症についてと、β-カロテン過剰摂取によるがんリスクについて解説します。

ビタミンAの過剰症で最も有名なのは、妊婦でのビタミンA摂取です。一般的に、妊婦ではビタミンA(レチノール)の大量摂取は奇形が発生する危険性があると言われています。

これは、レチノールからレチナール、レチノイン酸と変換されるため、この時期にビタミンAが遺伝に対して過剰に働いてしまうと、奇形のリスクが高まってしまう恐れがあるためです。

妊娠初期では主要な器官の元が作られる時期であり、最も薬物や放射線の影響を最も受けやすい時期です。そのため、妊婦のビタミンA摂取は控えるよう言われていることが一般的です。

妊婦に対しては、ビタミンAの大量摂取を避けるよう言われている。しかし、コホート研究の結果、妊娠中にビタミンAを10,000IU/日以上摂取しても奇形の発生率は自然発生率を超えないことが確認された。

しかし、コホート研究(ユーザーを一定条件でグループに分け、それぞれの時間経過に伴う行動の変化を分析する研究手法)の結果では、妊娠中にビタミンA(レチノール)を10,000IU/日以上摂取した群における奇形の発生率は、自然発生率を超えないことが確認されました。

これは、食品やサプリメントに含まれるビタミンAは活性化前の「レチノール」であり、遺伝子には直接作用しない形のためです。レチノールとして摂取した場合、前述の通り体内では必要に応じて必要な形に代謝され、利用されます。この代謝は厳密にコントロールされているため、レチノールとしてビタミンAを摂取する限り、ビタミンAの過剰症は心配ありません。

逆に、遺伝子に作用するのは、お薬などに含まれる活性型の「レチノイン酸」です。こちらは遺伝子に直接作用する形のため、過剰摂取には注意が必要です。また、ビタミンA過剰摂取や副作用の報告については活性型である「合成のレチノイン酸」を大量投与した結果であって、決して「レチノール」や「βカロテン」でテストされたものではありません。

ビタミンAの過剰症については、副作用報告の全ては合成のレチノイン酸の大量投与によるもので、決してクルード(自然体の)レチノールでテストされたものでは無い

ビタミンA過剰症についての注意喚起では、その情報の多くが活性型のレチノイン酸と「レチノール」「βカロテン」などを混同しています。基本的にレチノールやβカロテンでは、活性を持たないことから安全性が高いビタミンAです。

加えて、「レチノール」と「レチナール」は体内で必要に応じて相互に変換することができ、体内でビタミンAを運ぶ際や貯蔵する際にも「レチニルエステル」というエステル化(コーティングのようなもの)が行われます。例え食品からビタミンAを摂りすぎたとしても、体内では「レチナール」を活性の低い「レチノール」にしたり、レチニルエステルという非常に安定性が高い状態にして肝臓に貯えることが出来ます。

そのため、「レチノール」や「βカロテン」をサプリメントで摂ったとしても、基本的に過剰摂取の心配はありません。逆に、レチノイン酸はレチナールやレチノールへと変換できないことから、薬によるレチノイン酸の大量投与は過剰摂取の危険性があるので注意が必要です。

それから、体内では必要に応じて「レチノイン酸」に活性化して利用されますが、この体内で作られる「レチノイン酸」と薬で用いられる「レチノイン酸」の作用は異なります。

例えば、体内でレチノイン酸が生成される場合、その生成量やタイミングは生体の調節機構によって厳密に制御されています。一方、薬など外部から投与される場合は、一度に大量のレチノイン酸が体内に供給されるため、自然な生体調節とは異なる影響を及ぼす可能性が高くなります。

つまり、体内で作られるレチノイン酸は、作られる量や作られた後の分解量、分解するタイミングなどを身体がコントロールできるのに対し、外部から投与したレチノイン酸は、身体がコントロールする事が出来ません。このため、外部から投与するレチノイン酸の作用と、身体の中で作られるレチノイン酸の作用は、同一視してはならないのです。

このように、ビタミンAの過剰症については「レチノール」や「β-カロテン」として摂取する限り安全性が高く、過剰に心配したり避ける必要はありません。むしろ、妊娠期に過剰にビタミンAの摂取を避け続けると、ビタミンA不足によって胎児の正常な発育が阻害され、早産や胎児の死亡、先天性異常などの合併症を伴うリスクが高くなります。

また、このビタミンAの過剰リスク・安全性については妊婦以外の人にも当てはまります。ビタミンAは細胞の正常な分化・分裂に関与しているため、妊婦や胎児の成長以外にも必須の栄養素になります。現代の加工食品が多い食生活ではビタミンAの過剰摂取よりも不足の方がリスクが高いため、むしろ積極的に摂取することが必要です。

天然型のビタミンA・βカロテンと、合成型ビタミンA・βカロテンの違い

上述したように、ビタミンAについては食品に含まれる自然な形のレチノールやβカロテンであれば過剰摂取のリスクが低く、非常に安全です。

ただし、レチノールとβカロテンには、食品に含まれている自然な形の「レチノール」や「βカロテン」と、人工的に合成された「合成のレチノール」「合成のβカロテン」の二種類があります。

同じレチノールやβカロテンであっても、安価なサプリメントに含まれる「合成のレチノール」や「合成のβカロテン」の大量摂取には注意が必要です。

というのも、天然型も合成型も科学的には同一の成分ですが、実は「天然型」と「合成型」では、体の中での働き方や安全性が全く異なります。ビタミンAの危険性について理解する際には、この天然型と合成型の働きの違いについてをよく理解することが大切です。

まず、合成と天然型の製法の違いから解説していきましょう。天然型と呼ばれるビタミンA(レチノール)は、主にタラの肝油など動物の組織から抽出・分離されています。もう一つの天然のβカロテンについては、緑黄色野菜や藻などから色素を抽出・分離して作られています。

一方、合成のビタミンA(主に「酢酸レチノール」や「パルミチン酸レチノール」の形)や合成のβカロテンの場合では、石油から合成して作られています。

基本的に、サプリメントに記載された使用原材料に「酢酸レチノール」や「パルミチン酸レチノール」といった表記や「βカロテン」といった表記があれば、それは合成された成分が配合されていることを表しています。

なぜビタミンAが石油からの化学合成によって作られているのかというと、理由は「コスト」と「需要」です。

サプリメントや薬品など、ビタミンAの需要は、人間用だけでなく、世界中の家畜の飼料としても膨大に使われています。もし、これを魚油からの抽出だけで賄おうとすると、地球上の魚の資源が底をついてしまいます。

一方で、石油から化学合成する方が、魚を大量に捕獲して精製するよりも圧倒的に安価に、かつ品質(純度)が安定したものを大量に作ることができます。

そのため、安価なビタミンAサプリメントやβカロテンサプリメント、医薬品などには合成のビタミンAである「酢酸レチノール」や「パルミチン酸レチノール」、合成のβカロテンが配合されていることが一般的です。

では、なぜ天然型と合成型で、体の中での働き方や安全性が全く異なるのでしょうか?

先ほども、触れたように、石油から作られたビタミンAやβカロテンであっても、科学的には完成したレチノール、βカロテンの分子の形自体は天然のものと全く同じです。そのため、体の中に入れば基本的にはビタミンAとして機能します。

しかし、ここで問題となるのが、「チームで働くか、単体で存在するか」という問題です。

通常、天然型の材料となる魚の肝臓から抽出した天然のオイルには、ビタミンAだけでなく、大自然の中で一緒に育まれたビタミンDや、吸収を助けるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)などが、最初から「黄金バランスの複合体(チーム)」として丸ごと含まれています。

これらはビタミンAとともに働き、ビタミンAの働きである細胞の分化分裂やビタミンAを体内で運搬・利用するためのサポートを行っています。

ビタミンAとともに働く栄養素

  • ビタミンD
    ビタミンAとビタミンDは、細胞の核内で同じ受容体(情報をキャッチするアンテナ)を共有して働くパートナーです。両者をバランス良く摂ることで、お互いの過剰な作用を抑え、正常な遺伝子の働きをサポートします。
  • 亜鉛とタンパク質
    肝臓に蓄えられたビタミンAが血液に乗って全身に運ばれるには、「レチノール結合タンパク質(RBP)」という運び屋が必要です。この運び屋を作るために不可欠なのが、亜鉛とタンパク質です。これらが不足していると、ビタミンAは肝臓から出られず、必要な組織に届きません。
  • 良質な脂質(PUFA:多価不飽和脂肪酸など)
    ビタミンAは脂溶性(油に溶ける)ビタミンです。オメガ3などの良質な脂質と一緒に摂取することで、腸からの吸収率が格段に高まります。
  • 他のカロテノイド(α-カロテン、β-クリプトキサンチンなど)
    自然界のニンジンやカボチャには、βカロテンだけでなく多様なカロテノイドが含まれています。これらが一緒に存在することで、強力な「抗酸化ネットワーク」を作り、βカロテン自身が酸化して有害なフリーラジカルになるのを防いでくれます。

一方で、合成型は、石油からレチノールという「1種類の分子」だけをピンポイントで超高純度に合成しています。そこにはビタミンDも、亜鉛も、良質な脂質(オメガ3など)も、他のカロテノイドも、1滴すら含まれていません。 文字通りの「完全に孤立した単体成分」です。

このような人工的にその成分だけを抽出・合成したものが体内に単独で大量に入ってくると、体内での連携が取れず、特定の栄養経路だけを過剰に刺激したり、酸化して逆に細胞を傷つける原因になったりします。

合成ビタミンA(石油由来)自体が悪いわけではありませんが、単体かつ不自然な高用量で摂取したときに、天然の食品(チーム)を食べるのとは異なるリスク(プロオキシダント効果など)が生じやすくなってしまうのです。

これは、一般的に過剰摂取のリスクが無く安全と言われる「βカロテン」にも当てはまります。自然界のニンジンやカボチャ、ほうれん草などの緑黄色野菜には、βカロテンが単体でポツンと含まれているわけではありません。

そこには必ず、以下のような「カロテノイド・ファミリー(チーム)」が丸ごと、絶妙なバランスで共存しています。

  • α(アルファ)-カロテン
  • β-クリプトキサンチン
  • リコピン
  • ルテイン
  • ゼアキサンチン など

これらは体内で、お互いの吸収を調整し合ったり、酸化を防ぎ合ったりする「抗酸化ネットワーク」を形成しています。

しかし、石油から作られた合成βカロテンサプリメントは、純度95%〜100%の「全トランス型βカロテンの分子だけ」が孤立して存在している状態になります。天然型には含まれるシス型のβカロテンや、他のカロテノイドの仲間は、1滴すら含まれていません。これが最大のリスク要因です。

私たちの細胞にある栄養の入り口(受容体や吸収経路)は共通していることが多いため、特定の成分(この場合は合成βカロテン)だけを不自然な高用量で送り込むと、私達の体内では問題が起こってしまいます。

例えば、他の貴重なカロテノイドの吸収をブロックしてしまうことが挙げられます。合成のβカロテンをサプリメントで大量に摂取すると、1つの成分だけが大量に押し寄せるため、食事から摂ったα-カロテンやルテインなどの他の大事な仲間たちが吸収されにくくなってしまいます(椅子の奪い合いのような状態です)。

また、酸化を防ぐ仲間がいないため、自らが酸化剤として暴走し、細胞を傷つけてしまいます。通常、βカロテンは強力な「抗酸化物質」として働き、体内のサビ(活性酸素)を取り除いて細胞を守ってくれる栄養素です。

しかし、合成の単一βカロテンを大量摂取すると、βカロテン自体が酸化されてしまい、細胞を守るはずのβカロテンが、逆に周囲の細胞を傷つける「フリーラジカル(攻撃物質)」へと変化してしまいます。これがプロオキシダント効果と呼ばれる現象です。

もし、タバコなどの強い酸化ストレスに晒されたとき、周りにビタミンC、E、あるいは他のカロテノイドといった「助け合えるチーム」がいないと、大量の合成βカロテンは一斉に酸化し、細胞を攻撃する悪者に変貌してしまいます。

このように、「天然型」と「合成型」では、体の中での働き方や安全性が全く異なる可能性があります。ビタミンAの危険性について解説されている際は、「天然型」か「合成型」かをよく見極めるようにしてください。

ナンナン

ご、合成のビタミンA❗❓
ビタミンAって合成で作られてたの❗❓

はる かおる

そう、ビタミンAには人工的に合成されたものと、食品などに含まれている天然型があるんだ。ビタミンAとガンの研究でリスクがあるとされているのは、合成のビタミンAが使われていたんだ

合成型の単体・大量摂取が危険! レチノール・カロテノイドは「天然型」を「チーム」で摂取がオススメ

以上の内容から、もう一度ATBCやCARET研究の結果とビタミンAの関係を考察してみましょう。

ビタミンAとガンについては、ATBCやCARETの結果を基に「ビタミンAを摂取するとガンになるリスクが上がる」と言われていることがありますが、反対にビタミンAを摂取するとガンのリスクが下がるという研究結果もあります。

例えば、27,000人以上の男性喫煙者を14年間調べたフィンランドでの研究では、β-カロテンを除いて全カロテノイド、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取が、逆に肺がんリスクを有意に減らしていたという結果になりました。また、全カロテノイド、α-カロテン、およびリコピンの摂取が最も多かった男女は、摂取が最少であった男女よりも有意に肺がんリスクが低かったという研究結果があります。5

β-カロテンは食品やヒトの血液で初めて測定されたカロテノイドである。初期の観察研究の結果から肺がんリスクとβ-カロテン摂取との間に逆相関があることが示唆され、それはβ-カロテンの血中濃度の測定で評価されることが多かった(19,20)

より最近になって食品中のその他のカロテノイドのデータベースが開発されてくると、カロテノイド全体および個々のカロテノイドの食事からの摂取がより正確に推定できるようになった。初期の後ろ向き研究と対照的に、最近の前向きコホート研究では、β-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間の一貫した逆相関は見られてはいない。食事からのカロテノイドの摂取と肺がんリスクに関して12万人以上の男女を少なくとも10年間追跡した米国での2つの大規模前向きコホート研究の分析では、食事からのβ-カロテンの摂取と肺がんリスクとの間に有意な相関(関係)は見つからなかった(21)

しかしながら、全カロテノイド、α-カロテン、およびリコピンの摂取が最も多かった男女は、摂取が最少であった男女よりも有意に肺がんリスクが低かった。27,000人以上の男性喫煙者を14年間調べたフィンランドでの研究では、β-カロテンを除いて全カロテノイド、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取が肺がんリスクを有意に減らしていた(22)

一方で、58,000人以上のオランダ人男性を対象にした6年間の研究では、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンの食事からの摂取だけが肺がんリスクと逆相関があった(23)

北米およびヨーロッパにおける6つの前向きコホート研究を統合した結果でも、食事からのβ-カロテン摂取と肺がんリスクとの関連は見られなかったが、β-クリプトキサンチン摂取が最も多い者は摂取が最少である者に比べて24%肺がんリスクが低かった(24)

肺がんには喫煙が最も大きなリスク要因であるが、食事からのカロテノイド摂取を正確に推定する最近の前向き研究の結果は、β-カロテンだけでなく多種のカロテノイドの豊富な食事が肺がんリスクの低減と関連している可能性を示している。

この結果から、食事などから全カロテノイド、リコピン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、およびゼアキサンチンなどを摂取した場合はガンのリスクを低下させ、逆に合成のα-トコフェロールや合成のβ-カロテン、レチノールなど特定の栄養素を大量に摂取した場合はむしろガンリスクを増加させてしまう恐れがあると考えられます。

そして、がんのリスクが上昇した先述のATBCやCARET研究などで使われていたのは、実は「合成型」のβカロテンやレチノールでした。この、合成型の大量投与が、むしろガンのリスクを上昇させてしまったと考えられます。

通常、食品に含まれる天然のカロテノイドには、オールトランスβ-カロテンの他にもシス体のβ-カロテンやα-カロテン、リコピンなど様々なカロテノイドを含んでいます。何か1種類のカロテノイドだけが大量に含まれているなんてことは基本的にありません。

一方で、合成のβ-カロテンは100%オールトランスβ-カロテンで構成されています。このような何か特定の1種類のカロテノイドを大量に摂取した場合、他のカロテノイドの吸収や組織での利用を妨げてしまう可能性があります。

また、ある種の抗酸化剤が単独で大量に存在すると、条件によっては抗酸化剤としてよりも酸化促進剤(プロオキシダント)として作用してしまう可能性があります。喫煙者やアスベスト曝露者に限って、本来は体を守るはずのレチノールやβカロテンが逆効果になってしまった理由については、「合成の単一成分を大量に摂取したこと」と「プロオキシダント効果(酸化促進作用)」が関係していたと考えられるのが結論です。

市販されている安価なサプリメントや海外サプリメントの一部には、合成のβ-カロテンのみや、レチノールのみといったように、特定の栄養成分しか含まれていない物が販売されています。このようなサプリメントでは特定の栄養成分しか含まれていないことから、大量に摂取すると生体内の分子の乱れを引き起こし、ガンなどのリスクを上昇させてしまう可能性があるので注意が必要です。

【補足解説】「トランス体」と「シス体」の違いとは? 100%合成βカロテンが体に不自然な理由

もう少し踏み込んで、なぜ合成のβカロテンが危険なのか、その理由を深掘りしてみましょう。先ほどβカロテンには「シス体」と「オールトランス体」があると解説しましたが、合成サプリメントの危険性を紐解く上で、外せないのがこの分子の立体構造の話です。

実は、自然界のβカロテンには、同じ成分でありながらカタチの違う「オールトランス体」と「シス体」という兄弟が存在します。

  • トランス体(オールトランスβカロテン)=「まっすぐな突っ張り棒」 分子の構造が直線的で、きれいに一列に並んでいます。
  • シス体(9-cisβ-カロテンなど)=「カクッと折れ曲がったブーメラン」 分子の途中が折れ曲がっており、少し不規則なカタチをしています。

例えば、天然の野菜や藻類にはまっすぐな形をしたトランス体だけでなく、折れ曲がった形をしたシス体(9-cis体など)が絶妙なバランスで含まれています。

一方で、石油由来の合成βカロテンは、技術的な理由から、100%まっすぐな「オールトランス体」だけで構成されています。

一見すると「カタチが違うだけで、どっちもβカロテンなら問題ないのでは?」と思うかもしれません。しかし、体の中の細胞や受容体(栄養の鍵穴)は、このわずかなカタチの違いを厳密に見分けているため、このカタチの違いが、体の中に入ったときに大きな差を生み出してしまうのです。

なぜ「オールトランス体のみ」だけだと危険なのか?

100%オールトランス体だけの合成サプリメントを不自然な高用量で摂ると、主に3つの問題(リスク)が発生します。

① 腸の入り口で「椅子の奪い合い」が起きる(他のカロテノイドの吸収ブロック)
②体内の受容体(アンテナ)のバランスが崩れる
③ まっすぐすぎると「結晶化」してサビやすくなる

私たちの腸には、βカロテンや、トマトのリコピン、ほうれん草のルテインなど、あらゆるカロテノイドを吸収するための「共通の入り口(ドア)」があります。

ここに、100%オールトランス体の合成βカロテンがサプリメントで大量に押し寄せるとどうなるでしょうか? まっすぐで効率よく動くトランス体だけで入り口が完全に占領されてしまい、他の大事なカロテノイド(α-カロテンや、折れ曲がったシス体など)が中に入り込めなくなってしまいます。

結果として、食事からせっかく摂った多様な栄養素の吸収や体内での利用を、合成サプリメントに大量に含まれる単一の成分が邪魔をしてしまうのです。

また、単一の成分のみだと、体内にある受容体の働きを乱してしまう事も上げられます。

細胞の中には、ビタミンAの命令を受け取る「アンテナ(受容体)」が2種類あります。専門的には「RAR」と「RXR」と呼ばれます。

オールトランス体のみで作られた合成のビタミンAは、「RAR」という片方のアンテナにしか結合できません。

一方で、天然の植物に豊富なシス体から作られるビタミンAは、もう片方の重要なアンテナである「RXR」にも結合できます。

この「RXR」という受容体は、実はビタミンDや甲状腺ホルモンが働くときにも一緒に使われる、体全体の代謝の重要拠点です。 100%オールトランス体だけを大量に摂ると、片方のアンテナ(RAR)ばかりが過剰に刺激され、もう片方(RXR)とのバランスが崩れてしまいます。これが、体の遺伝子コントロールを狂わせる原因になります。

加えて、単一の成分のみでは生体内利用効率が悪く、結晶化してしまうリスクもあります。

まっすぐな棒(トランス体)ばかりが集まると、分子同士が隙間なくピタッと重なり合って、簡単に「結晶化(固まること)」してしまいます。組織の中で固まってしまうと、体はそれをうまく利用できません。

天然の食品では、ブーメランのように折れ曲がった形をした「シス体」が適度に混ざり合っているため、分子の間に良い隙間ができ、結晶化せずにオイルのように滑らかな状態を保てます。これにより、体内でスムーズに代謝されるのです。

もし、他のカロテノイドなど助け合う仲間がおらず、折れ曲がったクッション(シス体)もない。そんな「100%まっすぐで孤立した合成βカロテン」を大量に摂取してしまうと、CARET研究結果ように強い酸化ストレスに耐えきれず暴走してがんリスクを上げてしまった・・・ということが考えられます。

βカロテンは安全で体にいいと言われていますが、このように合成のβカロテンなど単一の成分を大量に摂取する行為には注意が必要です。

ナンナン

合成のビタミンAを大量に摂取するのがリスクなのか・・・

はる かおる

そう。合成のβカロテンやレチノールには単一の成分が大量に含まれているから、これが身体にとって良くない働きをしてしまう可能性が高いんだ

レチノール・カロテノイドは「天然型」を「チーム」で摂取がオススメ

以上の解説から、ビタミンA(レチノール・βカロテン)を摂取する際は、天然型を、チームで摂取していただくことがオススメです。

合成型と天然型の最大の違いは、「単一の成分だけが孤立しているか」それとも「他の栄養素と複合体(チーム)になっているか」です。

繰り返しになりますが、安価なサプリメントによく使われる「合成型」のレチノールパルミチン酸エステルやβカロテンは、人工的にその成分だけを抽出・合成したものです。単独で大量に体に入ってくると、体内での連携が取れず、特定の栄養経路だけを過剰に刺激したり、酸化して逆に細胞を傷つける原因になったりします。

一方、食品や食品由来のサプリメントである「天然型」には、ビタミンAやβカロテンが単体で存在することはあり得ません。必ず、本来一緒に働くべき他の栄養素と「複合体」として存在しています。

ビタミンAとともに働く栄養素

  • ビタミンD
    ビタミンAとビタミンDは、細胞の核内で同じ受容体(情報をキャッチするアンテナ)を共有して働くパートナーです。両者をバランス良く摂ることで、お互いの過剰な作用を抑え、正常な遺伝子の働きをサポートします。
  • 亜鉛とタンパク質
    肝臓に蓄えられたビタミンAが血液に乗って全身に運ばれるには、「レチノール結合タンパク質(RBP)」という運び屋が必要です。この運び屋を作るために不可欠なのが、亜鉛とタンパク質です。これらが不足していると、ビタミンAは肝臓から出られず、必要な組織に届きません。
  • 良質な脂質(PUFA:多価不飽和脂肪酸など)
    ビタミンAは脂溶性(油に溶ける)ビタミンです。オメガ3などの良質な脂質と一緒に摂取することで、腸からの吸収率が格段に高まります。
  • 他のカロテノイド(α-カロテン、β-クリプトキサンチンなど)
    自然界のニンジンやカボチャには、βカロテンだけでなく多様なカロテノイドが含まれています。これらが一緒に存在することで、強力な「抗酸化ネットワーク」を作り、βカロテン自身が酸化して有害なフリーラジカルになるのを防いでくれます。

そのため、サプリメントを選ぶ際は、必ず「天然由来成分」から抽出された物、ビタミンAと共に働く栄養素が食品に含まれている自然な形で含まれている物を選ぶ事が大切です。

「天然由来」の罠? 精製方法で変わるビタミンAサプリの質

ただし、サプリメントのパッケージに「天然の魚油(フィッシュオイル)由来」と書かれていたとしても、それだけで質の高いビタミンAサプリメントとは限りません。

実は、原材料が天然の魚であっても、どのような「精製方法」で作られたかによって、そのサプリメントが「チーム(複合体)」のままなのか、それとも「孤立した単体」になってしまっているのかが180度変わるのです。

これは一体どういう事なのでしょうか? 魚油からビタミンAを抽出する、代表的な2つの精製方法を比較してみましょう。

まず、ビタミンAのサプリメントで一般に行われている分子蒸留法(ぶんしじょうりゅうほう)という精製方法があります。

この分子蒸留法は、高真空・高温の環境で、沸点の違いを利用して特定の成分だけをピンポイントで超高純度に抜き出す技術です。価格は安いというメリットがありますが、成分が単一になってしまうことがリスクになります。

例えば、分子蒸留法では魚油に含まれる「レチノール」だけを限界まで濃縮して取り出せるため、少ない量(小さな粒)で高いIU(含有量)のサプリメントを非常に安価に作ることができます。また、魚特有の生臭さや不純物を取り除くのにも適しています。

一方で、レチノールだけを極限まで純化するため、魚油に本来含まれていたはずのビタミンDや、DHA・EPAなどの良質な脂質、その他の微量栄養素がすべて削ぎ落とされてしまいます。

つまり、パッケージに「天然由来」と書かれていても、分子蒸留法でレチノールだけを100%近くまで抜き出したサプリメントは、体の中に入れば「石油から作った合成の単体レチノール」とリスク(孤立による暴走やプロオキシダント効果)がほぼ変わらなくなってしまうのです。

反対に、魚油に含まれている栄養素のチームを維持するウィンターライゼーション(冬期融点分離法)という精製方法もあります。

ウィンターライゼーションとは、魚油をじっくり冷却し、固まる成分(飽和脂肪酸など)だけを自然に濾過(ろか)して取り除く、非常に手間と時間がかかるマイルドな精製方法です。

メリットとしては、化学的な無理をさせず、熱による劣化も防げるため、タラなどの肝油に含まれるビタミンA、ビタミンD、DHA、EPAといった食品に含まれる自然な形の「栄養素チーム」をそのまま丸ごと、生きたカタチで残すことができます。まさに分子栄養学が理想とする「複合体」のビタミンAです。

一方で、デメリットもあります。ウィンターライゼーションは大量生産が難しく、製造コストが跳ね上がるため、サプリメントの価格はかなり高価になります。また、自然のバランスのままだと、1粒あたりのビタミンAの含有量(IU)が少なめになる傾向があります。

ここまで読むと「分子蒸留法で精製されたレチノールは危険なんだ」と思うかもしれませんが、そう単純ではありません。

ウィンターライゼーションだけで作られたピュアな肝油サプリメントは、安全性が極めて高い反面、ビタミンAの含有量(IU)が低いため、至適量補給、ドーズレスポンスを基本とする分子栄養学的アプローチにおいては、必要な量(IU)を満たせないことがあります。

そこで、本当に信頼できる優秀なサプリメントメーカーは、以下のような「スマートな設計」を行っています。

【理想的なサプリメントの設計】 
ウィンターライゼーションによって作られた、ビタミンDやDHA・EPAが豊富に含まれる「本物の天然魚油」をベース(土台)としてしっかり使い、そこに足りない分のビタミンA(IU)を補うために、精製されたレチノールや天然由来のカロテノイドを適量「ブレンド(追加配合)」して濃度を調節する。

このように、ベースとなる「チーム(油や他のビタミン)」がしっかり存在していれば、調整用の精製レチノールが混ざっていても、体の中ではチームの一員として安全に、かつ力強く機能してくれます。

重要なのは、天然由来の原材料を使用していても、精製方法によって単一の成分のみしか含まれていないものは選ばないようにするということです。

安全なビタミンAサプリの選び方。ビタミンAサプリを選ぶ際は、ここをチェック

ビタミンAをサプリメントで補う場合は、成分表示をしっかり確認し、「チーム」で構成されている天然由来のものを選ぶことが大切です。

単に「天然」という言葉や「価格の安さ」「IUの高さ」だけで選ぶのではなく、「ビタミンDやオメガ3(魚油)が、ベースとして最初から一緒に配合されているか?」を必ずチェックしてください。

では、ビタミンAのサプリメントを選ぶ際は、どのような点に気をつけて選べば良いのでしょうか?

ビタミンAのサプリメントは様々ありますが、合成のレチノールが配合された物や、食品由来の成分から作られた物など様々あります。ビタミンAのサプリメントを選ぶ際は、きちんと食品由来の原材料を使用した質の高いサプリメントを選ぶことがポイントです。

artビタミンAのサプリメントを選ぶ際は、食品由来の原材料から作られたものを選ぶのがポイント

例えば、ビタミンAのサプリメントには、レチノールパルミチン酸エステルが主成分として作られているものがあります。

レチノールパルミチン酸エステルとは、レチノールにパルミチン酸という脂肪酸をエステル加工したものです。エステル化とは、いわゆる「コーティング」のような感じで、エステル加工を行うと成分が安定し、酸素などの影響を受けにくくなります。

レチノールはそのままだと酸素や光に極めて弱いため、レチノールにエステル加工を行うと分子構造が安定して酸化・劣化しにくくなるというメリットがあります。

成分的には牛や豚などの肝臓に含まれる「レチニルエステル」と同様の成分ですが、サプリメントや薬などで使われているレチノールパルミチン酸エステルは、前述したように「合成」によって人工的に作られているものが殆どです。

合成によって作られるため、天然の原材料から製造されたものに比べて高濃度・高純度で不純物が極めて少ないという特徴があります。

このレチノールパルミチン酸エステルは、安価で大量に生産出来るため、薬やサプリメントなど幅広いものに使用されています。ただ、基本的に「レチノールパルミチン酸エステル」のみしか含まれていないため、オススメはしていません。

一方で、ビタミンAのサプリメントには、タラ肝油を主原料とした食品由来の天然成分から作られているものがあります。

この魚油には元々、レチノール以外の成分(DHA・EPAや重金属)などが多く含まれているため、そのまま濃縮すると不純物が多くてとてもサプリメントとしては使用できません。

そこで、特殊な製法を用いてレチノールを効率よく分離・精製を行う必要があります。繰り返しになりますが、現在、この分離・精製には、主に「分子蒸留加工」という加工によって行われています。

分子蒸留加工は、比較的安価で大量に製造できるというメリットがあり、魚油に分子蒸留加工を行うとレチノールとDHA・EPAのサプリメントも同時に製造できるので、一石二鳥の製造方法です。

ただし、効率よく不純物とレチノールを分離出来る反面、高濃度・高純度でレチノール以外の不純物が殆ど入っていないというデメリットがあります。安価で高純度ですが、本来の食品成分とはかけ離れているため、分子栄養学の実践での使用はオススメしません。

通常、レチノールが含まれている魚の肝臓には、レチノール以外にもDHAやEPA、アラキドン酸など様々な栄養素が含まれています。栄養素は様々な栄養と協力しながら働いているため、食品に含まれている本来の状態で摂取する方が理想的です。

そこで、魚油本来の「天然の形」に近いビタミンAや栄養素を保持するためにも、精製方法は「冷間ろ過(ウィンターライゼーション)」など、熱や化学薬品を使わずにゆっくりと精製したものを選ぶのがオススメです。

ウィンターライゼーションとは、脂肪酸の性質を利用した物理的な精製方法です。魚油などの油をゆっくりと冷却し、凝固点の違いを利用して不要なワックス分や飽和脂肪酸などを結晶化させて取り除きます。化学薬品や高熱を使わないため、魚油に含まれる様々な有益な栄養素を残したまま、本来の「天然の形」に近いビタミンAや栄養素を保持出来ることがメリットです。

また、レチノールは酸素や光に極めて弱く、適切な加工を行わないと酸化・劣化して効力を失ってしまいます。レチノールが酸素や光によって分解されないよう、適切な加工が行われているものを選ぶ事がポイントです。

この他、βカロテンについても、合成で作られたβカロテンのみが含まれているものと、天然由来の原材料である藻などの色素から抽出したものなどがあります。

カロテノイド類はお互いが助け合って働くため、αカロテンやβカロテン、クリプトキサンチンなど食品に含まれている本来の状態で配合されているものを選ぶのがポイントです。

具体的な例で言えば、ビタミンAサプリメントの使用原材料に「タラ肝油」や「ヘマトコッカス藻色素」など、天然由来の食品原材料が使用されているかどうかをチェックしてみてください。

また、含まれている成分は、βカロテンやαカロテン、リコピンやルテインなどのカロテノイド類が複合体として配合されているか、使用されているタラ肝油にはDHA・EPAが含まれているかどうかも要チェックです。

  • 「単一のβカロテン」ではなく「ミックスカロテノイド」を選ぶ
    βカロテン単体のサプリメントは避け、「デュナリエラ(藻類の一種)」や「パーム油」などを原料とした天然由来のものを選びましょう。成分表に「α-カロテン」「ルテイン」「ゼアキサンチン」などが一緒に含まれている「ミックスカロテノイド」が理想的です。
  • ビタミンAは「肝油(タラ肝油など)」由来がおすすめ
    動物性ビタミンA(レチノール)を補う場合、天然の魚の肝臓から抽出された「肝油(Cod Liver Oil)」のサプリメントが優れています。肝油には、ビタミンAだけでなく、相棒であるビタミンDや、吸収を助けるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が最初から自然なバランスで含まれています。
  • 「合成レチノールパルミチン酸エステル」「レチノール」の高用量単体サプリには注意
    成分表示を見て、合成のビタミンAエステルや「レチノール」だけが不自然に高単位(例:1粒で10,000IUなど)で配合されている安価なサプリメントは、自己判断で長期連用しないようにしましょう。

このような食品由来の天然成分から作られているサプリメントなら、食事から摂る栄養素と変わらない形で栄養素を摂取することが出来ます。

ビタミンAサプリメントにもピンからキリまでありますので、選ぶ際は是非このようなポイントを抑えて選んでみて下さい。

ナンナン

なるほど・・・食品に含まれている本来の状態で配合されているビタミンAサプリなら、リスクが少ないんだね

はる かおる

そうそう。ビタミンAのサプリは、食品由来の天然成分から作られているサプリほど高くなる傾向にあるよ。ビタミンAサプリを選ぶときは、合成品よりも天然由来の原材料が使用されているのを選ぶのがオススメなんだ

ビタミンA不足に対する正しい分子栄養学的アプローチ

ここからは、より実践的な内容としてビタミンA不足やビタミンAの需要が高い時に対する分子栄養学的アプローチのご紹介です。

ここでは、ビタミンA摂取に対する基本的な考え方や分子栄養学的アプローチをご紹介します。ガンなどに対する免疫力強化や粘膜などバリア機能の強化、角化症に対する分子栄養学的アプローチについては、ビタミンAのページでも詳しく解説していますので参考にして下さい。

まず、ビタミンA不足の場合やビタミンAの需要が高いときには、ビタミンAに加えて、タンパク質、ビタミンB群、カルシウム・マグネシウム、ビタミンD、亜鉛をセットで摂取することが基本です。

「ビタミンAが不足しているならビタミンAだけを補給すれば良いのでは?」と思うかも知れませんが、ビタミンAだけを摂取してもあまり意味はありません。肝臓に貯蔵されたビタミンAは、「レチノール結合タンパク質(RBP)」というタンパク質と結合し、血中に放出されています。

また、レチノールからレチナールへと活性化させて利用するためには亜鉛も必要になります。そのため、ビタミンAを吸収して利用するためには、ビタミンA以外にもタンパク質や亜鉛など、その他ビタミンAと協力して働く栄養素も同時に摂取することが必要です。

例えば、ビタミンAの吸収・代謝でも解説した様に、食事からのビタミンAを摂取する場合、ビタミンAは脂溶性のため、水に溶けにくく脂に溶けやすいという特性があります。そのため、体内では脂質や脂溶性ビタミンを水と混ざりやすくするために、肝臓から「胆汁酸」が分泌されています。

この胆汁酸は、あぶらと水を混ざりやすくする「乳化」という働きがあり、あぶらやビタミンAなど脂溶性ビタミンの吸収を助けています。この胆汁酸はコレステロールを元に肝臓で合成され、分泌されていることから、ビタミンAの吸収には十分なコレステロールが必要です。コレステロールは、タンパク質と脂質を材料に肝臓で合成されています。

そして、これら血中に入ったビタミンAは、肝臓に貯蔵された後、必要に応じて血液中で安定して運ぶためにタンパク質で出来たトラック(レチノール結合タンパク質)と結合し、血中に放出されています。つまり、ビタミンAを吸収、貯蔵、運搬、利用するには、十分なタンパク質とコレステロールが必要です。

また、ビタミンAはビタミンDと協力して働くため、ビタミンDを利用するために必要な栄養素も同時に摂取することが大切です。ビタミンDを利用するためには肝臓や腎臓作られる酵素の働きによって活性化されることが必要になります。

もし、この酵素が上手く作られなかったり足りなかったりする場合は、ビタミンDを十分に活性化して利用することが出来なくなってしまいます。この酵素の材料となるのが「タンパク質」や「ビタミンB群」で、さらに酵素の活性化に関わっている重要な栄養素が「マグネシウム」です。

このことから、ビタミンAを摂取する際は、タンパク質やビタミンB、ビタミンD、カルシウム・マグネシウム、亜鉛も同時に摂取するようにしましょう。よく、ビタミンA不足の方に対して、ビタミンAのサプリメントを推奨することがありますが、それだけでは不十分です。

ビタミンAは吸収・活性化されて初めて利用されます。この吸収や活性化には肝臓の状態やタンパク質、亜鉛の摂取、油脂類との同時摂取、ビタミンDとの協力などが関係していますので、ビタミンAを摂取するときは必要に応じてこれらの摂取も行うようにして下さい。

この事を前提に、ビタミンA不足や需要が高い場合に行う基本的な分子栄養学的アプローチとしては、次のようになります。

ビタミンA不足や需要が高い時に対する基本的な分子栄養学的アプローチ(1日あたり)

  • タンパク質
  • ビタミンB群
  • カルシウム 600mg〜
  • マグネシウム 300mg〜600mg
  • ビタミンD 4,000IU〜8,000IU
  • ビタミンA 10,000IU〜(マルチカロテノイド含む)
  • 亜鉛
ビタミンAとビタミンDの摂取目安。人によっては更に必要量が多い場合もある

特にタンパク質を利用するためには補酵素としてビタミンB群が必要です。ビタミンBには8種類あり、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を総称してビタミンB群(コンプレックス)と言います。

このビタミンB群が無いとタンパク質が十分に利用出来なくなってしまうことから、タンパク質を摂るときは必ずビタミンB群も摂るようにして下さい。併せて、ビタミンAはビタミンDと共に働き、ビタミンDを利用するためにはマグネシウムが必要です。これらはお互い協力して働くので、必ずセットで摂取するようにしましょう。

それから、ビタミンAを活性化しているのは主に肝臓ですので、脂肪肝や肝炎など肝臓の働きが悪くなっていないか、お酒を飲みすぎていないかなどもチェックし、摂取したビタミンAが体内できちんと働けているかどうかもチェックしながら行って下さい。

特に、ビタミンAは脂溶性のビタミンのため、消化液などの体液と混ざりにくく、そのままでは吸収・運搬することが出来ません。これを解決するために、私達の体内では「胆のう」から分泌される胆汁によって、脂質と水分を混ざりやすくする「乳化」という仕組みが備わっています。この乳化の仕組みは、女性の方であればメイク落としを想像していただければイメージしやすいかと思います。

繰り返しになりますが、この乳化能力は、加齢やストレスなど様々な要因によって低下してしまう場合があります。このような場合、いくら脂質を摂っても、体内でうまく乳化することが出来ないため、十分に吸収することが出来ません。

そのため、オーソモレキュラー療法で使用するビタミンAのサプリメントは、脂質を上手く吸収できない方のために「ミセル加工」が施されているものもあります。ミセル加工とは、水に混ざりにくい油を、水に混ざりやすくした加工のことです。

脂溶性のビタミンを吸収するためには、胆汁酸の働きによって水と油を混ぜ合わせる「乳化」を行う事が必要。肝機能が低下している方や高齢者では、胆汁酸の分泌が低下していることがある
ミセル加工されたビタミンAと、ミセル加工されていないビタミンAサプリメントの違い。ミセル加工されたビタミンAでは、水とよく馴染んでいることが分かる

このようなサプリメントを用いることで、加齢やストレスなど様々な要因によって乳化能力が低下している方でも、吸収のサポートを行う事が可能になります。分子栄養学を実践する際は、これらも必要に応じて取り入れてみてください。

分子栄養学の実践でビタミンAが過剰摂取になった人やガンになった人はいる?

最後に、分子栄養学実践において、ビタミンAが過剰摂取になった人やガンになった人がいるか、実際に分子栄養学を仕事にしている筆者の経験を記しておきます。

上述したように、分子栄養学の実践では、必要な場合にビタミンAのサプリメントを高容量(10000IU以上)摂取していただきます。

実際に分子栄養学やオーソモレキュラー療法を提供しているケンビックスでは、40年以上、38万人以上の方に血液検査を受診して分子栄養学を実践してきましたが、分子栄養学実践において、ビタミンAが過剰摂取になった人やガンになった人がでたという話は聞いたことがありません。

仕事として分子栄養学の実践をアドバイスしている筆者もこれまで10年以上活動してきましたが、ケンビックスのビタミンAサプリメントを摂取して過剰摂取になったりガンになったというケースはこれまでにもありません。

https://orthomolecularjapan.co.jpより引用

血液検査を通して自身の栄養状態を把握し、正しい分子栄養学アプローチを行う限りにおいては、ビタミンAサプリメントは非常に安全であると結論づけています。

ナンナン

ビタミンAを摂取するときは、必ず栄養素のチームで摂取する、自身の必要量を血液検査で調べることが大切なんだね

はる かおる

そうだね。これらビタミンAの基本や自身の身体の状態を知らずに、むやみやたらに合成のβカロテンやレチノールを大量に摂取するのは非常に危険だよ。サプリメントを使用するときは、このような基本を必ず学んでから行うようにしてね。

ビタミンAの需要は人それぞれ。栄養状態の改善には必ずオーソモレキュラー療法を受けましょう。

ビタミンAの不足や需要の増加には、ビタミンAの摂取不足以外にも、タンパク質不足や脂質の摂取不足、ガン、消化器系疾患、角化症など様々な疾病が関係しています。また、この他にも貧血や眼とも関係していて、人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多くあります。

また、ビタミンAを利用するためには肝臓などの健康状態が関わっており、人それぞれ状態も違います。そのため、単にビタミンAを補給するのでは無く、これら状態や原因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

オーソモレキュラー療法では、69項目にも及ぶ血液検査項目に加え、消化吸収能の状態やピロリ菌感染の有無、甲状腺の検査、副腎疲労や短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。

複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの栄養不足の根本原因がどこから来ているのかが分かります。また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。
ビタミンAには様々な働きがありますが、あくまで「栄養素」であり、体内で利用されなければ意味がありません。ビタミンAを利用するためには、タンパク質やビタミンB群、ビタミンDや亜鉛など様々な栄養が必要です。このタンパク質の消化能力や栄養の需要は人それぞれ異なりますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

オーソモレキュラー療法の詳細については、下記ページからご覧頂けます。

また、検査をご希望の方は、上記リンクか記事最後尾のプロフィールに記載されている「オーソモレキュラー療法申し込みページ」からご相談下さい。検査に必要な手続きなどをご案内致します。

分子栄養学の実践は必ず分子栄養学実践専用サプリメントをご使用下さい!

オーソモレキュラー療法では、血液検査や各種検査の結果に応じて分子栄養学実践専用に設計されたサプリメントで栄養アプローチをしていきます。

分子栄養学実践専用サプリメントとは、その人それぞれの体質に合わせてアプローチが出来るよう、消化吸収能が考慮された設計や製造が行われていることが特徴です。また、原材料には天然由来の生体内物質が使用されていたり、成分同士が反応して効力を失わないよう、反応抑制のためのコーティングが行われていたりなど、非常に高品質なサプリメントとなっています。

そのため、分子栄養学実践専用サプリメントは、市販されているサプリメントや海外サプリメントと比べて非常に高価となっています。

しかし中には、「市販されているサプリメントや海外サプリメントを利用して実践したい」と思っている方も多いかもしれません。市販されているサプリメントや海外サプリメントは、分子栄養学実践専用サプリメントと比べて非常に安価です。

ですが、市販されているサプリメント海外サプリメントなどで販売されているサプリメントで分子栄養学を実践をするのはオススメしません。

市販されているサプリメントや海外サプリメントでは、そもそも消化吸収能が低下した方や病態を抱えた方が摂取するようには設計されておらず、胃や腸でも全く溶けない粗悪品も流通しています。

市販されているサプリメントの中には胃や腸で溶けずにそのまま便に排泄される物もある

また、原材料に人工的に加工されたものや合成されたもの、天然界には存在しない化学構造のものなどが使われていることもあり、これらを大量に摂取することはむしろ生体内の分子を乱してしまうことにも繋がります。

加えて、栄養素が酸化・劣化して効力を失っているものや、そもそも有効成分自体が殆ど含まれていないものなどもあります。このことから、市販されているサプリメントや海外サプリメントを使って分子栄養学を実践することはオススメしていません。

分子栄養学を実践する際は、このようなサプリメントの善し悪しを学ぶことも非常に重要です。分子栄養学実践専用サプリメントと海外サプリメントなど一般的なサプリメントの違いについては、下記の記事を参考にして下さい。

そして、分子栄養学・オーソモレキュラー療法を実践する際は必ず「分子栄養学実践専用サプリメント」を使用しましょう。

サプリメントは、きちんと消化吸収・利用されて初めて意味があります。分子栄養学実践専用サプリメントでは、その人それぞれの体質に合わせてアプローチが出来るよう、消化吸収能が考慮された設計や製造が行われていることが特徴です。

また、分子栄養学では一般的な量よりも遙かに多くの栄養素を摂取します。この時、栄養素同士が反応して効力を失ってしまったら意味がありません。分子栄養学実践専用サプリメントでは、成分同士が反応して効力を失わないよう、反応抑制のためのコーティングが行われていたりなど、非常に高品質なサプリメントとなっています。

このことから、分子栄養学を実践する際は、必ず分子栄養学実践専用サプリメントを用いるようにして下さい。

ナンナン

サプリメントは何を選んでもいいわけじゃないのか❗

はる かおる

そうだよ、サプリメントは同じように見えてもその中身や設計や全く異なっているんだ質の悪いサプリメントを使うと逆効果になるから、分子栄養学を実践する際は必ず分子栄養学実践専用に作られた作られたサプリメントでしっかりアプローチしてね

ビタミンA・βカロテンを摂取するとガンになるってホント? ビタミンA・βカロテン摂取によるがんリスクの真実まとめ

以上が、ビタミンA・βカロテンを摂取するとガンのリスクが上がるかについてと、ビタミンAの働きと代謝の基本、ビタミンA不足に対する分子栄養学的アプローチについてでした。

ビタミンAは肝臓や魚の油、緑黄色野菜などに多く含まれ、それぞれ含まれているビタミンAの種類や働きなどが異なります。このビタミンAの吸収にはコレステロールから作られた胆汁が必要で、コレステロールの合成やビタミンAを血液中で運搬するためにはタンパク質も必要になります。分子栄養学では、このようなビタミンAの働きや、吸収・代謝をよく理解することが大切です。

また、ビタミンAの活性化には亜鉛も必要なので、ビタミンAを摂取する際は亜鉛をセットで摂取することが基本です。加えて、ビタミンDやカルシウム・マグネシウムなどもビタミンAと協力して働く栄養素なのでセットで摂取するようにしましょう。

ビタミンAのサプリメントを摂取してガンのリスクが上昇したとされる研究結果の背景には、これらチームで働く栄養素の存在を無視し「合成のβカロテン・レチノール単体」を大量に摂取するという不自然な行為の結果、得られたものでした。そのため、この研究結果を基にビタミンAががんリスクを上昇させると結論づけることは出来ません。

また、ガンには生活習慣も大きく関わっているとされています。食生活など生活習慣に問題がある場合は、糖質や脂質、アルコールの摂り過ぎを改め、食生活と栄養状態の改善、運動習慣を取り入れていくことも必要です。

分子栄養学やオーソモレキュラー療法というと単にサプリメントを飲むだけの療法だと思われがちですが、この記事で解説した以外にもまだまだ奥が深く、一生かけても学びきれないほど奥が深い学問です。もし、オーソモレキュラー療法に興味ある方は、是非分子栄養学を学んでみて下さい。

分子栄養学を学べる教材としては、ケンビックスが行っている「金子塾」があります。これらは分子栄養学の基礎を学べるほか、病態別のアプローチなど分子栄養学を応用したアプローチについても学ぶことが出来ます。

オーソモレキュラー療法の詳細については、オーソモレキュラー療法・無料栄養相談申し込みページ でお申し込み方法などをご案内しておりますので、ご興味ある方は是非こちらもご覧下さい

  1. ビタミンE、Cは中高年男性の癌リスクも下げない ↩︎
  2. 「健康のためにビタミン剤」それ、本当に大丈夫ですか? ↩︎
  3. ビタミンAとEのサプリにリスク、がんとの関連示す研究も ↩︎
  4. アルコール脱水素酵素 ↩︎
  5. カロテノイド ↩︎

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分子栄養学の実践では、ただ闇雲にサプリメントを飲むだけではありません。栄養状態の悪化は摂取不足以外にも様々な原因が関係しており、糖尿病や消化器疾患、運動やストレスなど様々な原因が関係しています。また、この他にも骨粗しょう症など様々な疾病や栄養不足が関係していて、人によって複数の原因が複雑に絡み合っていることも多くあります。

そのため、単に栄養素を闇雲にサプリメントで補給するのでは無く、これら原因となる要因を検査で洗い出し、その人に合ったアプローチを行っていく事が何よりも重要です。その為には、栄養状態や疾病の状態を知ることが出来る「オーソモレキュラー療法」の血液検査を受けてみましょう。

オーソモレキュラー療法では、69項目にも及ぶ血液検査項目に加え、消化吸収能の状態やピロリ菌感染の有無、甲状腺の検査、副腎疲労や短鎖脂肪酸検査、リーキーガット症候群検査などを必要に応じて組み合わせて行う事が出来ます。

複数の検査を組み合わせることによってより詳しく状態を知ることができ、あなたの栄養不足の根本原因がどこから来ているのかが分かります。また、検査結果はレポートにまとめられ、どんな栄養素をどれくらい摂ったら良いかの詳しいアドバイスも受けられます。

このような情報を元に、あなたに合わせたアプローチを行っていきましょう。
栄養には様々な働きがありますが、あくまで「身体を作るための材料」であり、万能薬ではありません。身体が栄養を利用するためには、タンパク質やビタミンB群など様々な栄養が必要です。このタンパク質の消化能力や栄養の需要は人それぞれ異なりますので、ご自身に必要なアプローチについては、是非オーソモレキュラー療法の検査を受けてみて下さい。

ご案内するKYB自費検査は本人が主体となり、自主的に健康管理を行うための情報提供です。(株)KYBメディカルサービスが提供するオーソモレキュラー療法の詳細については、下記ページからご覧頂けます。

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これを読む前に分子栄養学を実践するのは危険です❗

世の中には、たくさんの健康情報が溢れています。
「この症状にはこのサプリメントを飲むと良い」「この不調にはこの食べ物がいい」
様々な情報が発信されているにもかかわらず、実際に不調が改善されていない人が多いのは何故でしょうか?

それは、現在のネット情報では個体差を考慮していない表面的な情報しか手に入らないからです。例えば、ネット上に書かれているオススメの食事内容が、あなたにとって消化吸収出来る最適な食事とは限りません。また、オススメされている栄養素をサプリメントで摂ったとしても、そのサプリメントがきちんと消化吸収、利用出来る分子構造で製造されているとは限りません。

分子栄養学においても同じで、現在では「なんちゃって分子栄養学」と呼ばれるいい加減な情報発信が多くされています。

分子栄養学・オーソモレキュラー療法を効果的に、かつ安全に実践するためには、このような間違った情報を排除し、正しい分子栄養学の知識を身につけることが重要です。また、栄養やサプリメントの知識以外にも、栄養療法を成功させるためには、栄養療法に対する考え方や取り組み方、生き方などの改善も欠かせません。

このメルマガでは、分子栄養学に関する正しい知識はもちろん、栄養療法を行う上でのコツや考え方、ココでは解説しきれなかった事、記事では公開できないような内容を配信しています。

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この記事を書いた人

はる かおるのアバター はる かおる 分子栄養療法ナビゲーター

春木 敏徳(はる かおる)
分子栄養療法ナビ(このサイト)の管理人のはる かおるです。
現在は「字が書けないライター」として、正しい分子栄養学の発信と普及活動を行っています。

僕自身、発達障害の一種である「書字障害」を抱え、幼少の頃から両親からの虐待や学校でのいじめなど、数々の困難や体調不良を経験してきました。
育った環境の悪さから18歳頃からうつ病を発症し、その後10年近く精神薬での治療を行っています。また、他にも小・中・高校生時代は朝起きられず、殆ど学校にも行っていません。

今では「あれは起立性調節障害だったな」と思えるのですが、当時はそのような病気の認識は殆どありませんでした。そのため、非常に風当たりの強い中、幼少時代を過ごしてきています。

また、幼少期から続く極度の栄養失調により、低血糖症や甲状腺機能低下症、SIBO、リーキーガット症候群、副腎疲労、脂肪肝など様々な病気を経験しました。現在では分子栄養学に出会ったことで体調も大きく回復しており、これら病気の改善に必要な知識も豊富です。

インターネットの登場によって間違った分子栄養学も広まってきており、それによって体調を崩してしまう人も多くなってきています。このような中、分子栄養療法ナビ(このサイト)や情報発信を通じて、多くの人に正しい分子栄養学が広められるよう頑張っています。

得意とする分野
うつ病、発達障害、ADHD、起立性調節障害、貧血、不妊症、ガン、甲状腺機能障害、ピロリ菌感染症、SIBO、リーキーガット症候群、低血糖症、副腎疲労、脂肪肝、ダイエット、更年期障害、PMSなど。全般的に幅広い知識を有する。

ほか、文章を書くのが得意で、ライティングやマーケティング、投資などお金に関する知識や生き方に関するアドバイスも得意。

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